2015-03

「襲撃の真相」仲間をも襲う眠れる本能のスイッチが入る瞬間5

ウサギちゃんが死に至った経緯。

 

ご夫婦の話によると、それは複数のミニチュアダックスフンドに襲撃されたことによるものでありました・・・

 

しかも、そのミニチュアダックスフンド達は、亡くなったウサギちゃんと共に生活をしていた犬ちゃん達だったのです。

 

つまり、ミニチュアダックスフンド達もウサギちゃんと同じ、ご夫婦のペットであり、言わば、同じ家で暮らす仲間がウサギちゃんを襲撃してしまったという悲しい出来事であったのです・・・

 

ではなぜそんな悲惨な事故が起きてにしまったのか?

 

そのことについて、ご夫婦も首を傾げられていたのですが、それは襲撃したミニチュアダックス達とウサギちゃんは長きに渡り共同生活をし普段から家の中で仲良くしていたからに他なりません。

 

しかし、襲撃のあった日、複数いるうちのミニチュアダックスの中の一頭が、急に唸り声をあげながらウサギちゃんに襲いかかり、それに誘発されたように、他のミニチュアダックス達もいっせいにウサギちゃんを襲撃したのです。

 

「いつもは仲良くしてたのに・・・なんであんなことになったのかわからない・・・」

 

奥さんは涙ながらに、そう振り返っておられたのですが、ご夫婦の話を聞いて、私は知人でもあるドックトレーナーのYさんの話を思いだしていました。

 

Yさんはボルゾイという大型犬を飼っておられるのですが、そのボルゾイちゃんは当会館にも遊びきたことがあり、普段は、とても穏やかな性格の犬であります。

 

ところが、Yさんの話によると、年に1、2度、何かの拍子に狩猟本能のスイッチが入ることがあるらしく、一度そのスイッチが入ってしまうと専門家のYさんであっても安易に抑えることができないくらい、性格が変わったかのように狩猟本能剥き出しで何かに襲い掛かろうすることがあるそうなのです。

 

では、どのようなときにそうなるのか?

 

それは、一概には言えないらしいのですが、Yさんのボルゾイちゃんの場合ですと、黒系色の小さな物が速いスピードで目の前を横切ったときなどに起こることが多いそうなのですが、それはボールやスケートボードのときもあれば、小型犬や猫であるときもあるそうです。

 

ですのでYさんは散歩のとき、人や他のペットがいるときには必ずリードを両手で強く持ち、すぐに制御できる状態でいるよう心掛けておられます。

 

このことからもわかるように、犬には狩猟本能というものがあり、それは長きに渡り人間との共同生活をすることで改良された部分もあるのですが、完全にそれが取り除かれているわけではないのです。

 

言うなれば、普段は飼い主さんとの生活をする上で彼等なりに抑えて制御しているだけであり、その本能は眠っているだけに過ぎません。

 

何らかの拍子にその野生の本能が目覚めたとき、自分でも制御できない状態になってしまうことがあるのです。

 

そして、その愛くるしい顔とユークな姿からは想像できないのですが、ダックスフントは元来、鋭い嗅覚で獲物を見つけ出す能力と仕留める体力が備わった優秀な猟犬であり、狩猟本能の強い犬なのであります。

 

おそらく、その日、襲撃をしたとき、飼い主さんにはわからなくても、何らかの理由でまず一頭のダックスに狩猟本能のスイッチが入ってしまい、他のダックスも、それに誘発されたように次々とスイッチが入ってしまったのではないでしょうか。

 

これは私の想像でありますが、もしかしてその時、ウサギちゃんは何かを見て、驚いてしまったのではないかと思うのです。

 

どのようなことかと言うと、ウサギという動物は臆病で、音や動く物に対して過敏に反応する習性があるのですが、そのことにより咄嗟に逃げようとしたのではないかと思うのです。

 

そして、そのとき、逃げようとするウサギちゃんの姿を見てダックスの狩猟本能が目覚めてしまい、悲劇が起きてしまったのではないでしょうか・・・

 

いずれにせよ、ご夫婦がいっせいに噛みつくダックス達をウサギちゃんから引き離したときには 、すでに手遅れであり、ウサギちゃんは息絶えてしまっていたのです・・・

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

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野村圭一



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「心の傷」仲間をも襲う眠れる本能のスイッチが入る瞬間4

その夜、明方近くに帰宅した私は、ウサギちゃんのことが頭に残り、なかなか寝付けずにいました。

 

そして、布団の中で、過去に他の動物に襲撃されて命を落としたペットちゃんのことを思い出していたのです。

 

自分のペットが他の動物に襲われて命を落としたとき、飼い主さんの受けるショックは計り切れないほど大きなものであります。

 

 

ちょうど、三年前のことであります・・・

 

ある、小型犬の飼い主さんが、その日も愛犬を連れていつも散歩に行く自宅のすぐ近くにある公園でお散歩仲間の愛犬家さん達と一緒に犬達を遊ばせていたとき、普段は見かけない人が連れていた大型犬に襲撃されて愛犬を失うという事件がありました。

 

襲撃されて亡くなった犬ちゃんのお葬儀は私が担当をすることになったのですが、私は、そのときの飼い主さん家族の受けた悲しみ。そして心の傷の深さを今でも覚えています。

 

そこには、病死や自然死でペットが亡くなったときとは、違う別の悲しみが存在し、お葬儀自体が悲痛な空気に包まれたまま終えることになったのです。

※(ペットを襲う突然の悲しみ・・・被害者として、そして加害者として)参照

 

ウサギちゃんの飼い主さんであるご夫婦からは、このときのご家族と同じような悲しみと心の傷の深さを私は感じたのですが、それともう一つ、何か別の感情も私は感じていたのです。

 

それが何であるかは、このときには知る由もありませんでした。

 

 

そして、年が明け2015年を迎えてすぐのことでした。

 

ウサギちゃんの飼い主さんであるご夫婦が参拝のため、再び会館を訪れられたのです。

 

ご夫婦が納骨堂に上がっていかれるのが見えた私は後を追うようにして納骨堂に入り、お二人に挨拶をしました。

 

私の顔を見て旦那さんが「あ!」と声をあげ「先日はどうも・・・」と頭を下げてくださり、奥さんも無言で頭を下げてくださったのです。

 

ご夫婦はウサギちゃんを連れて来館されたときに比べ、幾分かは落ち着かれた表情をされていらしたので、私は「○○(ウサギちゃんの名前)ちゃんのお骨はとても綺麗でしたよ」と報告するようにお伝えしました。

 

「そうですか・・・」と旦那さんは独り言のように言われ、奥さんも「・・・よかった・・・」と安堵の表情を浮かべられたのです。

 

そして、奥さんは、薄っすらと目を潤ませて「可愛そうなことをしてしまった・・・・」とポツリと言った後、ウサギちゃんのお骨壺に「ごめんね・・・」と語りかけるようにして手を合わされたのです。

 

旦那さんも同じように合掌をされたので、私もお二人の後方で、そっと手を合わしました。

 

暫し、ご夫婦はウサギちゃんの冥福を祈られていたので、私は邪魔をせぬよう、少しだけ後退りをして、お二人のお参りが終わるのを待つことにしたのです。

 

お二人は合掌を解かれた後、あらためて私に向き合うようにして、もう一度「ほんまにありがとうございました」とお礼を言ってくださり、旦那さんがしみじみと「てっきり火葬されて終わりだと思ってたのでね」と言われ、隣にいらした奥さんも、うなずかれた後「こうやって参ることも出来るとこに頼んで良かったです」と感謝の言葉を口にしてくださったのです。

 

「そう言ってもらえて何よりです」と私は恐縮しながら頭を下げました。

 

そして、奥さんが「ちょっと可哀想な亡くなりかたをさせてしまったもんでね・・・」と視線を落とされたので、私は「あの・・・いったいどのようなことがあったんですか?」と訊ねたのです。

 

もし、奥さんが「可哀想な亡くなりかた~」と口にされなかったら、おそらく私は何も訊ねずにいたと思います。

 

それに、ご夫婦は、ウサギちゃんのご火葬をし、そのお骨をお預かりする立場でもある私に、事の真相を知っていてほしいと思っておられたのかも知れません。

 

上手く表現できないのですが、このとき、ご夫婦は、償うような口調で事実を私に伝えてくださったのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

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「おびただしい傷跡」仲間をも襲う眠れる本能のスイッチが入る瞬間3

ペットが何らかの不慮の事故で亡くなってしまった場合、飼い主さんがその痛々しい姿を見るのもつらいと思われることはよくあることであります。

 

そのようなとき、このウサギちゃんのように、布やタオルで包まれた状態で飼い主さんが会館に連れて来られることは珍しいことではありません。

 

そして、読経とお焼香をあげるにあたり、包れた状態で執り行うのか、それとも布をとってあげたほうが良いのかを飼い主さんに確認するようにしているのですが、この時は、私が一任されたため、その判断は私の一存で決めることが出来る状況でありました。

 

思案した結果、私は黒いバスタオルを取ってあげることにしたのです。

 

比較的、小さなウサギちゃんであったため、バスタオルに3重ほど包れた状態でありました。

 

ウサギちゃんを落とさぬよう、慎重に両手でバスタオルをゆっくりと剥がすようにして、取り出したのですが、私はウサギちゃんの姿を見て思わず絶句したように言葉を失ってしまったのです。

 

仕事上、私は交通事故や転落事故、あるいは、飼い主さんが誤って体や足でペットを踏んでしまう、圧死事故で不慮の死を遂げたペットちゃん達を目にする機会も多くあり、それら事故で命をを落としたペットちゃんの姿を見ただけで、ある程度の事故の状況もわかるのでありますが、そのウサギちゃんは、その、いずれにも当てはまらないほど無残な状態であったのです。

 

おびただしい無数の傷跡と血痕と所どころに抜け落ちた毛。

 

それらを見た私は一つの結論に達しました。

 

おそらくこのウサギちゃんは他の動物に襲撃されて命を落としたのではないか・・・

それも大型犬のように大きな口を持つ動物に一撃で噛み殺されたのではなく、比較的、小さな口をした動物に何度も噛まれてショック死、もしくは出血死したのでは・・・

 

私は、ウサギちゃんの傷口を見て、そのように思ったのです。

 

確かに自分のぺットがこのような姿になってしまったら、飼い主さんが直視できないのも無理ない・・・

 

私はなんともいたたまれない気持ちになり、その場で静かにウサギちゃんに合掌をしました。

 

そして、私は一人、読経をあげ、お焼香をしてからウサギちゃんを斎場に連れていきました。

 

その際、体に比べ、綺麗な状態であった顔だけを出すように白い布に包んで火葬炉に納め、私は点火スイッチを入れたのです。

 

そして私は火葬炉の前で手を合わし、ウサギちゃんの冥福を祈ったのです。

 

30分後、ウサギちゃんの火葬は無事に終わりました。

 

ウサギちゃんはお骨の姿になり、傷口も血痕も消えてなくなり、火葬後は自然死した子達と何ら変わらぬ姿になったのです。

 

見たところ、骨折をした箇所もなく、交通事故や圧死事故ではないと、私は思うと同時に、やはり他の動物に襲撃されたのだろうと、強く思うに至ったのです。

 

私はウサギちゃんのお骨をお骨壺に収骨した後、飼い主さんが指定した納骨棚に納めました。

 

納骨堂のお骨壺の前でもう一度、合掌をし、私はその日、帰宅したのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

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「血痕」仲間をも襲う眠れる本能のスイッチが入る瞬間2

最初、旦那さんの言われた意味がわからなかった私は、頭を整理するようにしながら「つまり、火葬には立ち会わず、すべて当社に一任されるということですか?」と訊ねました。

 

旦那さんは無言でうなずき「もう・・・見てるのもつらいんです・・・」と視線を落とされたのです。

 

私は、「何があったんですか?」と訊ねようとして、言葉を飲み込みました。

 

おそらくいうさぎちゃんが何らかの事故に遭い、突然命を落としたことは想像できたのですが、それをご夫婦に訊ねるのは酷であると思ったからです。

 

「わかりました。では私がが責任をもって一任させていただきます」と私は伝え、ご夫婦はその場で深く頭を下げられたのです。

 

そして、旦那さんは奥さんからうバスタオルに包れたうさぎちゃんを受取り、私に手渡そうとされたとき、不意に「あの・・・この子の骨は火葬された後どうなるんですか?」と不安そうな顔をされたのです。

 

私は、ご夫婦に通常、一任の場合、1年間の納骨期間を経て永代供養になることを説明したところ、旦那さんの後ろにいらした奥さんが「え?・・・納骨堂?」と、そのときに初めて言葉を発せられ、旦那さんがすかさず「それはどこにあるんですか?」と訊ねられました。

 

「ここの二階です」と私は返事をし「良かったら見られますか?」とご夫婦に促したところ「はい・・・」と返事をされたので、私はそのタイミングで別のスタッフに電話をかけ、斎場に降りてきてもらい、火葬を交代し、そして、その足でご夫婦を二階の納骨堂に案内したのです。

 

納骨堂に入られた旦那さんは「うあ・・・」と声をあげ「こんなんあるんや・・・」と少し驚いたような表情をされたので「はい。ご火葬後、ここで個別に1年間納骨させていただき、その間、午前10時から夕方5時までいつでもお参りできるようになっています」と私は説明するように言いました。

 

旦那さんは「てっきりペットは火葬して終わりやって思ってたんで、それはそれで味気ないというか少し寂しいな思ってたんでしわ・・・」と、悲しい表情の中にも、少し口元を緩められてそう言われたのです。

 

そして、奥さんに「これやったらいつでもお参りできるし、いいんと違うか?」と優しい口調で訊ねらました。

 

奥さんも涙を流しながら「ここなら近いし、好きなときに会いにこれるね」と旦那さんに返事をされたのです。

 

その後、ご夫婦は納骨棚の場所とお骨壺袋の色を選んだ後「よろしくお願いします」と深々と頭を下げ、私にうさぎちゃんを手渡してくださったのです。

 

うさぎちゃんを抱いたまま、私はご夫婦を会館前まで見送ったのですが、別れ際、奥さんは、もう一度、私が抱いたうさぎちゃんを優しく撫でながら「ゴメンね〇〇ちゃん(うさぎちゃんの名前)許してね・・・」と大粒の涙を流されました。

 

そして、そんな奥さんを支えるようにして旦那さんは「ではお願いします」と言葉を残すようにして、ご夫婦は帰っていかれたのです。

 

 

いったい何があったんやろ・・・

 

私は胸に抱いたうさぎちゃんを見つめながらそのことを考えていました。

 

私はもう一度、二階の納骨堂の祭壇にうさぎちゃんをタオルに包んだまま安置し、斎場に戻りました。

 

うさぎちゃんに何があったのか・・・

 

その事実を私が知るのは年が明け、ご夫婦が参拝に来られたときに初めて知ることになるのです。

 

そして、その日の深夜2時過ぎ、うさぎちゃん以外の全てのセレモニーを無事に終えた私は再び納骨堂に上がり、祭壇のうさぎちゃんを手に抱き、一階のセレモニーホールに入りました。

 

うさぎちゃんをセレモニーホールの祭壇に寝かしたとき、バスタオルを通じ、私の手に冷たい液体が付くのを感じ、手を見たところ、薄っすらと血が滲んでいたのです・・・

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

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仲間をも襲う眠れる本能のスイッチが入る瞬間

昨年末のことでありました。

 

時期的にもペットの葬儀・火葬依頼が多く寄せられる年の瀬の夜、斎場で、私がこの日、担当した6件目の、ある14歳で永眠した猫ちゃんのご火葬を実施していたときでありました。

 

開館前に肩を落としたご夫婦が立ち竦んでいたのです。

 

最初は納骨堂にお参りに来られた参拝者かなと思ったのですが、やりきれない表情で会館の中を覗いておられた旦那さんを見て私は(参拝者じゃない。何か訳ありで来館されたのでは)と感じ、斎場を出てご夫婦に歩み寄りました。

 

「こんにちは」と私はご夫婦に挨拶をし「あの・・・何かご用でもおありですか?」と静かに声をかけました。

 

元来私は声が大きく、それでなくとも、会館が交通量の多い道路に面しているため、行き交う車の走行音で声がかき消されてしまうので、会館前でお話するときは、大き目の声で話すようにしています。

 

しかし、このとき、見るからに傷心の表情を浮かべた旦那さんに大きな声で声をかけるのに抵抗を感じ、無意識に小さな声になってしまったのです。

 

旦那さんは、その場で小さく頭を下げ「・・・あの・・・ここの人ですか?」と私以上に小さな声で言われたのです。

 

「はいそうです。どうされたんですか?」と私は旦那さんのただならぬ面持ちに少し引き気味にそう答えました。

 

旦那さんは唇を噛みながら視線を落とした後、ゆっくりと後方にいらした奥さんの方を見られたのです。

 

つられるように私も旦那さんの後ろに隠れるようにされていた奥さんを見ました。

 

奥さんは、目を充血させたまま肩を落とし、両手で黒いバスタオルに巻いた何かを抱きしめておられたのです。

 

奥さんの頬には涙の後が残っており、その涙の跡が寒気にさらされた事で白く浮き上がっていました。

 

おそらく両手が塞がっていたため、涙を拭うこともできなかったでありましょう。

 

そんなご夫婦に次の言葉をかけることをためらってしまった私は、息を飲むようして「あの・・・」とだけ、ぽつりと漏らすようにして言いました。

 

旦那さんは私に声をかけられ、顔を前に向き直した後「・・・ここはペットの火葬してくれはるとこですよね・・・」と目に涙を浮かべながらそう訊ねられたのです。

 

「はい・・・そうでございます」と返事した私に旦那さんは体を横向きにずらしながら奥さんの両手に抱いた黒いバスタオルを見つめ「うちのペットのウサギが死んでしまったんで火葬してやってくれませんか・・・」と、やりきれない口調でそう言われたのです・・・

 

旦那さんにそう言われ、私はあらためて奥さんの抱いていた黒いバスタオルを見つめました。

 

よく見てみると、黒い色のバスタオルにはシミのようなものがついており、仕事柄、それが血痕であると私は瞬時にわかったのです。

 

「うさぎちゃんが亡くなられたのですね」と私はうなずきながら言った後、ふと我に返ったように「あの、当社は全て個別による火葬を実施しているので、完全予約制なんです。それで、大変申し上げにくいのですが、本日は深夜まで予約が詰まっているんです」と、その日の予約状況を説明したのです。

 

旦那さんは少し表情を曇らせ「では無理ってことなんですか?」と言われたので、私は「いえ、当社は24時間体制ですので可能です。ただ、今からですと、ご火葬は早くても日付が変わった深夜の2時からになってしまうんですよ」と恐縮しながら答えました。

 

旦那さんは「それからでもいいのでお願いしていいですか?」と即答するように言われたので、私は「もちろんでございます。では深夜の2時で予約させてもらいますので、ご面倒ですが、もう一度、あらためて、そのお時間にご足労していただけますか?」と頭を下げて言いました。

 

私はご夫婦が「わかりました」と承諾して出直されると思っていたのですが、旦那さんが次に口にされたのは意外な言葉であったのです。

 

旦那さんは自分の眉間を指でつまむようしながら「いえ・・・できたらこの子(うさぎちゃんのこと)とはここでお別れしたいので、後はそちらに全てお任せしたいんです」と言葉を詰まらせてそう言われ、旦那さんおその言葉に奥さんも誘発されたように肩を震わせて泣かれたのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

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三寒四温

3月になりました。

 

暦のうえでは春であります。

 

この季節の特徴は「三寒四温」という言葉で表さる通り、三日寒い日の後に四日温かい日が続く、定期的に温度変化の激しい日が繰り返しやってくる季節でもあります。

 

天気のフェイントともいうのでしょうか、暖かくなると思わせといてまた寒くなり、寒い日が続くと、また急に温かな日が来るので、特にこの時期は毎朝天気予報で気温のチェックっをして服装を決める人も多いのではないでしょうか。

 

過去に何度も急激な気温の変化(目安として±5度)はあらゆる生物に多大な影響を与えると書いたことがあるのですが、その最たる季節がこの三寒四温の季節であります。

 

 

私は趣味で釣りをするのですが、淡水魚の場合、真冬よりも三寒四温の季節の方が弱い個体(幼魚や病気の魚)に影響を与えることは昔からの定説でもあり、事実、釣りに行くと、そのことを実感できるのですが、やはり季節の変わり目は体内の体温調節機能に狂いが生じやすいのかも知れませんね。

 

もちろん、それはペットにも、同じことが言え、毎年この時期、三寒と四温の間の日、つまり急激に気温の変化があった日に息を引き取るペットが多いのも事実であります。

 

そのことから、三月はご依頼が多い日と少ない日の差も激しく、予定とシフトを組むのも難しい季節でもあり、私が年間を通じ、もっとも天気予報をチェックする回数が増えるのもこの季節であります。

 

それを裏付けるデータとして、年間を通じ、一日に寄せられたご依頼件数がもっとも多かった日を記録するのは、毎年3月なのです。

 

ただ、初春には、もう一つ、特徴があります。

 

それは大往生のペット。

 

つまり、高齢のペットが安らかに息を引き取るのことが、他の季節に比べて多いのです。

 

ここ数日だけでも20歳を超える犬ちゃんや猫ちゃんのお見送りだけでも3件あり、19歳や18歳といった高齢の犬ちゃんや猫ちゃんの葬儀依頼も多く寄せられました。

 

高齢のペットをもつ飼い主さんにとって、ペットの安らかな死は、悲しみの中にあっての唯一の救いになることもあり、お見送り自体が穏やかな雰囲気に包まれるようなこともあります。

 

そんなときの葬儀は、どこか温かな印象が残り、飼い主さん自身が「良いお見送りが出来た」と感じられることが多いのも事実であります。

 

もちろん、ペットが亡くなること自体は悲しいことには変わりないのですが、飼い主さんがその死を受け止めて、ペットの生涯を振り返ったとき「きっとペットも悔いのない生涯を送れたと思ってるだろうな」と感じれたのなら、それはとても素晴らしいことであると私は思うのです。

 

そして、そのうようなお見送りが多いのもこの季節の特徴であるのです。

 

 

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「その刹那に伝えたい気持ち」火葬炉の点火スイッチを入れる・・・最終回

「私なら平気です。仰ってください」

 

Sさんはしっかりとした口調でそう言われたので、私もSさんの正面に向き直り「昨日の火葬のときのことなんですが」と切り出しました。

 

「はい」とSさんは返事をされたので「昨日、Sさんは自分の手で火葬の点火スイッチを入れられたじゃないですか?そのことでお聞きしたいことがあったんです」と、私は言いました。

 

Sさんは、そう言われ、少し見当違いなような、きょとんとした表情になられたのですが、私は続けるように「実は、私が過去に担当した飼い主さんで、自ら点火のスイッチを入れられたのはSさんが初めてだったんです」と告げたのです。

 

「はあ・・・」とSさんはうなずき「それで・・・いけなかったんですか?」と不安そうな顔をされたので「いえいえ。そうではありません」と私は弁解するようにして言った後「なんていうか、飼い主さんが自ら点火されるというのは、すごくつらいことだったと思うんですね。ですので、それは我々葬儀屋の人間がするものだと僕は思ってましたし、実際、今までもそうして来ました。ただ、Sさんがされたのを見て、どんな思いでそうされたんやろ・・・ってすごく気になったんです」と正直に伝えました。

 

Sさんは暫し沈黙された後「・・・・あのとき、なんかわからないけど、自分で入れてあげたいって言うか・・・入れてあげなあかんって思ったんです・・・」と、小さな声でポツリと言われました。

 

私はうなずき「やはり、自分自身の区切りと言いますか、自分の手で見送ってあげたいとか、そんなお気持ちだったんですか?」と、そのときの心境を訊ねました。

 

「そういうのもあったかも知れません・・・でも、私が自分で入れたいと思ったのは『今までありがとう』 っていう気持ちを伝えたかったからと言うか・・・その気持ちをMに受け取って天国にいってもらいたかったからだと思います・・・」

 

Sさんはそのときのことを思い出すようにしながら、そのように言われたのです。

 

「確かにSさんは『今までありがとう』って言ってスイッチを入れられましたね」と私も同じようにそのときのことを振り返りそう言いました。

 

このとき、私は妙な感覚に浸っていました。

 

それは、私とSさんの立ち位置はちょうどSさんが点火スイッチを入れられたときと同じであったこともあり、私の記憶はタイムスリップしたように前日のそのときに戻っていたような気がしたのです。

 

Sさんも私と同じような感覚だったのかも知れません。

 

私とSさんは少しの間、無言で佇むようにしていたのですが、Sさんが不意に涙を流されたのです。

 

私は「すいません、思い出させてしまいましたね」と、ポケットからハンカチを出し、Sさんに渡しました。

 

Sさんは「いえ。こちらこそすいません」と照れたように笑いながらハンカチで涙を拭われた後「でも・・・あのとき、つらかったけど、自分の手でスイッチを入れさせてもらって、良かったって思ってるんです」と言われ、私は「そうですか・・・なら本当に良かったです」と私は返事をしました。

 

その後、Sさんと10分ほどその場でお話をし、私はSさん宅を後にしました。

 

そして、私はこのことがあってから、ご火葬前に点火のスイッチを飼い主さんが入れることも可能であると立会い火葬を希望された全ての飼い主さんに伝えるようになったのです。

 

もちろん、飼い主さんによっては「入れれない」と拒絶される方もいますが、「入れさせてほしい」と自身で点火のスイッチを入れることを希望される人もいて、その割合はちょうど半々であります。

 

飼い主さん自ら点火スイッチを入れる・・・

 

弊社プレシャスコーポレーションのセレモニーで、今では当たり前になったこの光景も、このSさんの愛犬のMちゃんのお見送りがきっかけとなって始まったのであります。

 

人によってはこのことで、どちらが正しいのかを決めたがる人もいるのですが、私自身、このようなことに正解も間違いも無く、あるのは個人の主観だけであると思っており、亡くなったペットちゃんの最大の理解者であった飼い主さんが自分のお気持ちでお決めになったのなら、それがそんな選択であっても正しいことであると思っています。

 

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「お見送りの翌日」火葬炉の点火スイッチを入れる・・・6

会社に戻った私は支配人はじめスタッフに「今日のご依頼者のSさんって飼い主さんが、自分で火葬炉の点火をされてん」と伝えました。

 

私はてっきりみんなが驚くと思っていたのですが「僕も前に『自分でスイッチ押させてほしい』と言われて、入れてもらったことありますよ」と、スタッフ達は口々に過去にも同じような飼い主さんがいらしたと報告をしてくれたのです。

 

「ええ!?そうなん?」と逆に私は驚いたのですが、支配人が「はい。けっこう自分でスイッチを入れたいっていう飼い主さんいますよ」と冷静に言いました。

 

「ぜんぜん知らんかったわ・・・」と私はつぶやくように言った後「やっぱし、一番つらい瞬間やからな・・・こっち(葬儀屋側)が入れるもんやって思ってたから、ずっとそうしてた・・・でも、それ(飼い主さんが自ら点火スイッチを入れること)ってやっぱり、ケジメというか・・・区切りをつけたいとか、そういうことなんかな・・・」と自身の感じたことを支配人に投げかけました。

 

支配人は考え込むようにしながら「それもあるでしょうし・・・なんていうか、自分の手で天国に行かせてあげたい的な気持ちもあるんと違いますかね」と、少しだけ遠くを見るような目で言ったのです。

 

そして、その日の夜になってSさんのお母さんから「焼香炭を忘れていってはりますよ」と電話があり、私は翌日、Sさんの自宅に伺うことにしました。

 

お母さんは御不在で、Sさんが「これ」と笑顔で焼香炭を渡してくださったのです。

 

私は「昨日はお疲れ様でございました」と挨拶をし、焼香炭を受け取った後「どうもすいませんでした」と頭を下げてお礼を言いました。

 

お見送りから一日経ち、Sさんは幾分かは落ち着かれた表情をされていたのですが、やはり、どこか寂しげな顔をされていました。

 

Sさんは「本当に昨日はありがとうございました」と頭を下げられ「お時間(セレモニーの時間が長くかかったこと)大丈夫でした?」と申し訳なさそうな顔をされたので「いえいえ。当社は飼い主さんの意向に沿ったお見送りを心掛けていますので、お別れの時間も充分に考慮して予定を組んでるんですよ。ですから何も問題はありませんでしたよ」とお伝えしました。

 

「本当にお願いしてよかったと思ってます。野村さんが帰られた後も、お母さんとも『ほんまにエエとこ(良い会社)に頼めて良かったな』って言うてたんです」とSさんがお褒めの言葉をくださったので、私は「恐縮です。そう言ってくださって何よりです」と、もう一度、頭を下げました。

 

私は頭を上げ「では、私はこれで」と玄関のドアに手をかけたとき、ふと、点火スイッチを自分で入れられたときの心境をお聞きしたくなり「あのSさん・・・」と、Sさんの方を振り返ったのです。

 

Sさんは少し驚いたように「はい?」と返事をされたのですが、やはり、まだお別れから一日しか経っていないこともあり、あえて悲しみをぶり返すような質問はよくないと判断し、私は咄嗟に「あの・・・お母さんにも宜しくお伝えください」と誤魔化すように、そう言いました。

 

「・・・はい」と、きょとんとした顔でSさんは返事をされたのですが、私はそのまま玄関を出てドアをしめました。

 

玄関を出た私はMちゃんの火葬を実施した駐車場で立ち止まり、その場で合掌をし、Mちゃんの冥福を祈りました。

 

そのとき、Sさんが玄関の扉を開けて「あの・・・野村さん」と声をかけてくださったのです。

 

私は振り返り「すいません。ここが火葬場所だったんで、手を合わしてたんです」と説明するように言うと、Sさんは「はい。それはいいんですが・・・」と言いながら「さっき野村さん何か言おうとしてませんでした?」と静かな口調で聞いてこられたのです。

 

私は正直どう返答しようかを迷いました。

 

先も言ったようにMちゃんのお見送りから一日しか経っていない状況下で、ある意味Sさんにとっては思い出したくもない瞬間である点火のことをお訊ねして良いものなのかの判断を迷ったのです。

 

私は思案した挙句「いえ・・・当社が今後、葬儀のお仕事をするうえで、参考にさせてもらいたいことがあったのですが、Sさんは昨日、Mちゃんをお見送りされたばかりなので、そういう質問はまだするべきではないと思ったので、聞くのをやめたんです。どうもすいませんでした」と返答しました。

 

Sさんは、ゆっくりとした足取りでさらに数歩、私の方に歩み寄って来られ「どういうことですか?私なら平気です。仰ってください」と言ってくださったのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

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「今までありがとう」火葬炉の点火スイッチを入れる・・・5

私は火葬炉の扉を閉めた後、安全レバーをロックし、点火スイッチの前に移動しました。

 

涙を流すSさんをお母さんが後ろから肩を抱くようにして支えておられました。

 

正直、口にするのもつらく、非情な言葉ではあるのですが、私はお二人に「点火いたします」と言った後、点火スイッチのレバーに指をかけたのです。

 

その時でした。

 

Sさんが泣き声のまま「待ってください!」と制止する声をあげられたのです。

 

ハッとした私は瞬時にレバーから離し、無言でSさんを見ました。

 

Sさんは手で涙を拭いながら「すいません・・・私にスイッチを入れさせてください・・・」と泣きながら言われたのです。

 

今では当社でも珍しくもない (飼い主さん自らが火葬の点火スイッチを入れられる) という行為も、このときは前例がなく、創業以来、スイッチは我々葬儀屋サイドの人間が入れるのが、その役割であり、当たり前のこともであると思っていました。

 

やはり、火葬というのは、見方を変えれば大切なペットを炎で焼くということでもあり、そのスイッチを飼い主さんに入れてもらうのは酷なことであると考えていたからに他なりません。

 

そのようなこともあり、私はSさんの申し出に、一瞬、言葉を失い「え?」と聞き返したのであります。

 

Sさんは数歩、私に歩み寄り「私が入れてあげたいんです・・・ダメですか?」と私の目を真正面に見られてそう言われました。

 

「いえ・・・そういうわけではないですが・・・・」と私はしどろもどろになりながら答えた後「大丈夫ですか?」とSさんに聞き返しました。

 

Sさんは無言でうなずき「私にさせてください・・・」と涙を浮かべながらも力強くそう言われたのです。

 

そしてSさんはスイッチに指をかけ「M・・・・今までありがとう・・・ちゃんと天国いきや・・・」そう言ってスイッチを入れられたのです・・・

 

点火スイッチが入った火葬炉はボッと音を立て、透明の靄が煙突から上がりました。

 

Sさんは肩を揺らしながら合掌をされた後「ありがとうございます・・・・」と私に頭を下げ後方に居たお母さんの近くに戻られたのです。

 

このとき、お母さんはSさんの頭を抱き寄せながら、何か言われたのですが、私の位置からは火葬炉の音で聞こえませんでした。

 

お母さんの優しげな表情から、おそらく「えらかった」的な労いのお言葉であるとは思うのですが、Sさんは手で顔を覆ったまま何も返すことはありませんでした。

 

その後、火葬は無事に終わり、Sさんとお母さんは自宅の玄関でお骨上げをされたのですが、その頃にはSさんの目には涙はなく、凛とした表情でお骨の説明をする私の声に耳を傾けながらMちゃんのお骨を丁寧に収骨されたのです。

 

全てのセレモニーが終わり、帰る私をSさんとお母さんは外に出て、深く頭を下げて見送ってくださいました。

 

会社に戻る車中、私は点火スイッチを自ら入れたSさんの、そのときの心境を自分に置き換えながら、一人、思いにふけっていました。

 

おそらく、あのときSさんはいろんな思いが交差する中、強い意思を持ってスイッチを入れたことは間違いありません。

 

「どんな気持ちやったんかな・・・」

 

そんな独り言をボソっと言いながら私は会社に戻ったのです。

 

 

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「もう一人のママ」火葬炉の点火スイッチを入れる・・・4

しばらく泣かれた後、Sさんは顔を上げ「ほんまにすいません・・・」と、私を気遣うように言ってくださったので「私のことなら大丈夫です。お時間は充分にとっておりますのでお時間(ご火葬の)はSさんのタイミングで決めてください」と返答しました。

 

さらに私は続けるように「子供の頃からずっと一緒に居たペットが亡くなったんですもん。それを受け入れるのには時間がかかって当然です。だからSさん本当に気を使わないでください」と伝えたのです。

 

「ありが・・・ございます・・・」とSさんは言葉にならない言葉で言った後、お母さんにも「ごめん・・・」と謝られていました。

 

その後、私はSさんとお母さんと三人で30分ほど、それぞれのペット観についてお話をしました。

 

最初はあまり話さなかったSさんも、私とお母さんの会話を聞いて少しずつ落ち着かれたのか、生前のMちゃんのエピソードなどをお話してくださったのです。

 

そして、Sさんは時計に目をやった後、もう一度、腕の中のMちゃんの顔を見て「M・・・遅くなってごめんな・・・そろそろ神様のところに逝かせてあげるね・・・」とMちゃんに話しかけるようにして、そう言われたのです。

 

Sさんは静かに椅子から腰を上げ、私に「お願いします」と言われました。

 

私も立ち上がり「はい」と返事をした後、玄関のドアを開け、Sさんが靴を履かれるとき、Mちゃんを受け取ったのです。

 

Sさんが靴を履かれ、お母さんと二人で外に出たとき、再度、MちゃんをSさんの手に戻し、私は火葬炉の扉を開けました。

 

火葬炉にMちゃんを納めるとき、Sさんは嗚咽をあげるようにして泣かれ、お母さんは優しくSさんの背中を何度も何度も擦っておられました。

 

私はこの状況で火葬炉の扉を閉ざすことが出来ず、その場で立ち竦んでしまったのですが、そのとき、お母さんが「お母さんが悪いねん・・・あんたが小さいときからMと二人で留守番ばっかしさせてたからな・・・Mはあんたにとってもう一人のママみたいな存在やったもんな・・・」と、しみじみとした口調で言われたのです。

 

お子さんが一人っ子の場合、よくペットを飼われている家族が多いもので、それは、子供の寂しさを和らげることもペットを迎え入れるきっかけだったことも少なくなく、そんなお子さんにとって、ペットは兄弟のような存在なんだと私は思っていました。

 

SさんにとってMちゃんもそうであると思っていたのですが、私はこのとき、お母さんの「もう一人のママ」という言葉に(人間とペットにはそういう関係性もあるんだ・・・)と、あらためて、ペットの持つ存在感というものを考えてしまったのです。

 

今まで自分の中では「ペットは弟や妹。または子供」という捉え方はあったものの「親」という感覚を持ったことがなく、私はこのとき少しカルチャーショック的な心境になっていました。

 

気が付けば、お母さんも涙を流されていて、その涙を指で拭うようにしながら「この子は小学生の頃、お化け(幽霊)が苦手でね・・・まあ小さい子供はみんなそうかもしれへんけど、この子は一人っ子やしね、とくにそういうのが苦手やったんですわ・・・それで犬でもおったら少しはそういうのも紛れるやろう思ってMを飼ったんです」と、懐かしむように寂しげな笑顔でそう言われたのです。

 

「そうだったんですか・・・」と私はうなずきながら返事をし、そう思うと、Sさんの悲しみがあらためて伝わってきて、私は胸が熱くなるのを感じました。

 

しばらく、 Sさんは火葬炉の前のしゃがみこみ、Mちゃんを撫でながら泣いておられたのですが、そっと立ち上がると、静かに後退りして、その手を離されました・・・

 

そして、Sさんは両手で目から下を覆うようにしながら、私に頭を下げて扉を閉めてくださいと合図をされ、私は静かに火葬炉に歩み寄り、ゆっくりと扉を閉めたのです。

 

 

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