続 涙の謝罪

シャンちゃんを自らの手で火葬炉に納めるのに、Kさんは時間にして、3分ほど、その場で泣かれました。

Kさんの彼氏さんが、Kさんが雨に濡れないようにKさんの頭上に傘をかざすようにしながらし「大丈夫?」と優しく訊ねられとのですが、Kさんは何も答えることができないまま、ただ、シャンちゃんを抱きしめて泣いておられました。

 

私はKさんに歩み寄り「時間はありますので、一度、玄関まで戻りましょう」と助言するようにご提案したのですが、Kさんは首を横に振って「大丈夫です・・・」と声を絞りだすように言われた後、もう一度、シャンちゃんを強く抱きしめ、震える手で火葬炉に納められたのです。

力尽きたように、雨に濡れた地面にしゃがみこまれたKさんを彼氏さんが両脇を支えるようにして起こされたのを確認した後、私は静かに火葬炉の点火スイッチを入れました。

激しい雨が降り続く中、火葬は執り行われたのですが、Kさんと彼氏は、火葬車の傍から離れることもなく、その場で見守るようにして、煙突から空に舞い上がる透明の靄を見つめておられました。

火葬が始まって10分ほど経過したときに彼氏さんが私のほうに歩み寄って来られ「骨は綺麗に残りますかね?」と小さな声で訊ねられたので、私は「病気で骨自体が弱ってることも考えられますので、その影響がどれほどあるかは、まだわかりませんが、慎重に温度調節しますんで、大丈夫だと思います」と控え目な口調でお答えしました。

 

彼氏さんと、その会話をしたのを最後に、私は火葬炉の小窓から数分置きにチェックをしながら私はシャンちゃんの火葬に全神経を集中させながら、温度調節をしました。

Kさんは電話でも「骨は綺麗に残りますか?」と何度も質問をされていたので、きっと、シャンちゃんの形見でもあるお骨のことが気がかりだったのは間違いありません。

その気持ちが痛いほどわかった私は、必ずシャンちゃんのお骨を可能な限り綺麗に残してKさんに返すことだけを考えて火葬を続けたのです。

 

火葬が中頃に差し掛かかった頃、私は目視でお骨の状態を見て、ほっと胸を撫で下ろしました。

病気の影響がほぼ無いと感じるほど、シャンちゃんお骨はしっかりとしたものであったのです。

おそらく4歳という若さが、その要因だったと思うのですが(これなら大丈夫。きっと綺麗に残る)と私は内心、思ったのです。

 

それを確認した私は火葬炉の小窓を閉めて、Kさんと彼氏さんに「病気の影響はほぼないですね。お骨は綺麗な状態です」と報告するように言いました。

「ほんまですか」と安堵の表情で彼氏さんは答えたのですが、Kさんは、自分の目で見るまでは安心できないと言わんばかりに、表情を崩すことなく、緊張した面持ちのままでありました。

その様子を見かねたのか、彼氏さんが「ちょっと」と、Kさんの袖を引っ張るようにしながら、私の死角になる火葬車の後方にKさんを連れて行かれたのです。

 

激しい雨が火葬車と傘を叩く音がしていたのですが、その音にまぎれてKさんと彼氏さんの何やら口論するような会話が聞こえてきました。

会話の内容は

彼氏さん「どうでもええけど、お前、態度悪過ぎへん?」

Kさん「何が?普通やん」

彼氏さん「普通ちゃうやん。なんで説明してくてはんのにシカトなん?」

Kさん「だって骨を見るまで心配やもん」

彼氏さん「そんな業者とちゃう(違う)って、この時点でわかるやん」

Kさん「そんなん骨見るまでわからんやん」

 

といったような感じの内容でありました。

お骨が綺麗に残るかが気がかりでならないKさんは、その気持ちから、心を許せない状態でおられ、そのことが、私に対して失礼な態度だと感じた彼氏さんがKさんに指摘されておられたのです。

Kさんの心配な気持ち。彼氏さんの私への気遣い。共に理解できた私は、そのことで、お二人が口論になってしまい、とても申し訳ない気持ちになってしまいました。

少しして、元の位置に戻って来られたお二人は明らかに不機嫌な顔になっておられたのです。

 

そんなお二人を見て、私は、何ともばつが悪い心境でいました。

(火葬が無事に終わり、お骨を見られたら、きっと全て丸く収まる)

私はそう思いながら、願うような気持ちで火葬を続けたのです。

 

そして、火葬が終盤に差し掛かった頃でありました。

小窓から状態を確認した私は、ある異変に気付いたのです。

 

それは、シャンちゃんの下あご部分だったのですが、明らかに通常の火葬のときには見られない青白い炎が確認出来たのです。

(なんだろあの火・・・)順調に火葬が進んでいたことで、安心していた私の顔は一瞬にして、青ざめました。

 

火葬炉の不具合かもと思った私は、コントロールパネルを開け全ての装置を確認したのですが、メーターも温度もすべて正常値であったのです。

もう一度、小窓を開け、火葬炉の隅々まで見渡したのですが、異変があるのはシャンちゃんの顔付近だけでありました。

私は直ちにバーナーの電源を切り、温度を下げたのですが、青白い炎は燃え続け、そこの部分だけ黒い煙があがり、その煙の煤(すす)がシャンちゃんの遺骨に付着してしまったのです。

(どうしよう・・・)私は一気に焦ったのですが、火葬炉の温度が、ある一定温度まで下がらないと、中を確認することが出来ないため、この時点ではどうすることも出来ませんでした。

緊張した面持ちで温度計を見つめる私の異変に気付いた彼氏さんが、私に歩み寄り「あの・・・なにかあったんですか?」と心配した表情で訊ねられました。

私は返答に困ったのですが、隠せることでもないので、Kさんと彼氏の正面に向き直り「原因はわからないのですが、シャンちゃんの顔の骨の部分の一部が焦げたように黒く変色してしまったんです」と正直に伝えたのです。

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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