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一番つらい仕事 前編

その日の、夕刻時、訪問火葬のご依頼を無事に終え、会館に戻った私は、会館前で見知らぬ白髪の男性と神妙な面持ちで話をしている支配人の姿が目に入りました。

 

火葬車を車庫に停め、私は二人に歩み寄り、支配人に小さく「お疲れ様です」と声をかけた後、男性に「こんにちは」と挨拶をしました。

「お疲れ様です」と私に挨拶を返した支配人は男性に「うちの代表の野村です」と男性に告げた後「こちらFさんです」と私に男性を紹介してくれたのです。

 

支配人がFさんと紹介したこの男性に見覚えがなかった私は、過去に支配人がセレモニーを担当したペットちゃんの飼い主さんが納骨堂に参拝に来られたのかと思い「今日はお参りですか?」と二人に訊ねました。

すると支配人が「いえ。Fさんは通勤で毎日ここを通られるんですが、たまたま(ペット葬儀)の看板が目にとまられて、さっき、訪ねてくださったんですよ」と説明をしました。

支配人の説明では、まだ状況が把握できない私は「そう・・・なんですか」と曖昧な返事をしたのですが、支配人が補足するように「実はFさんは14歳になるヨーキーを飼っておられるんですが・・・ずっと闘病生活されてたようで、あの、つい先ほどですね・・・病院で・・・」と支配人はそこまで言ってその後の言葉を選ぶようにしながら言葉を詰まらせたのです。

支配人の説明はそれだけでしたが、私は咄嗟に状況を理解し「そうでしたか・・・」と返事した後、お悔やみの意味を込め、Fさんに頭を下げました。

 

Fさんは寂しげな表情を浮かべながら「いや・・・どうも。まあ、覚悟はしてましたんでね・・・これだけはしかたないです・・・」と力なくうなずいた後「でね、最後までちゃんと(お見送り)してやらんとあかんなって思いまして、そういえば、この辺にペットの葬儀屋があったなって思い出して、料金を聞きに寄ったんですわ・・・」と伏し目がちに言われました。

 

「そうだったんですか。あの、それで説明は?」と私は返事をした後、支配人に確認をするように訊ねたところ「はい。先ほど、セレモニーホールや納骨堂も会見学してもらって説明させてもらいました」と力強く答えました。

「ほんま安心しました。ちゃんとしてくれるとこやってわかりましたんで、明日の今くらい(夕刻)にお願いしよう思ってます」言われた後、Fさんはおもむろに車の方を見られたのです。

Fさんの視線の先が気になった私は「あの・・・Fさん。もしかして、ワンちゃんが車に?」と静かな口調で訊ねると、Fさんは「ええ。病院から引き取ってきた帰りにこちらに寄らせてもらったんで」と寂しげに笑顔をつくり言われました。

「あのお顔を見せてもらってもいいですか?」との私の急な申し出にも、Fさんは快く「どうぞ見てやってください」と承諾してくださり、車の後部座席のドアを開け、愛犬ちゃんを見せてくださったのです。

「病院で綺麗にしてもらったんですわ・・・エエ顔してるでしょ?」とFさんは目に涙をためて言われ、私は「はい」と、うなずきながら合掌をささげました。

 

Fさんが言われたように、愛犬ちゃんは本当に安らかな顔をしていました。

しかし、体は極限まで痩せ細り、闘病生活が過酷であったことを物語っていたのです。

 

「この子のお名前は?」と訊ねた私にFさんは愛犬の顔を見つめながら「『シンちゃん』って名前です」と優しい顔で教えてくださいました。

 

そして、Fさんに承諾をもらってから私と支配人はシンちゃんを撫でさせてもらったのです。

その光景を後方で見守っていたFさんは、笑顔のままであったのですが、目には涙が滲んでいました。

 

そして「ふ~」と溜め息を落とされた後「今から一番つらい仕事が待ってるな・・・」とやり切れないような口調で言われたのです。

私はすぐにその言葉の意味を察し「ご家族の方は(シンちゃんが亡くなったこと)まだご存じないんですか?」と訊ねました。

 

Fさんは無言でうなずいた後「家族いうても嫁はんだけですねんけどね・・・まあ病気なってからは、いつかこの日が来ると覚悟はしてたと思うんやけど・・・ほんまに大事に大事に育てて来よったんでね・・・」と後頭部を手で押さえながら噛みしめるようにして言われました。

 

Fさんのその言葉に私も支配人も何も返せず、ただ立ち竦むだけでありました・・・

 

そんな私と支配人に気遣うようにFさんは「パン」と太ももの辺りを軽く叩きながら笑顔を見せて「では、帰って嫁はんと相談してから(セレモニーの)詳しい時間を決めて電話します。おそらく5時くらいにお願いすると思います」と言われた後、車に乗り込まれ、帰っていかれたのです。

 

Fさんの車を見送りながら「本当に『つらい仕事』 でしょうね」と支配人がポツリと言い、私は無言でうなずきました。

 

私はこの仕事をしてきた中で、愛するペットの死を知るつらさと、知らせるつらさの両方を見てきました。

どちらがつらいと比べるものではありませんが、Fさんのような人は自分の悲しみより家族の悲しみを見るのがつらいと感じられる人であるのが、僅かな会話の中であっても伝わってきたので、今からの奥さんとの時間を思うと、胸が痛みました・・・

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

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