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最終章 迷子になったペットを探してくれる人

飼い主さんを待つ間、会館は重い空気に包まれていました。

プレシャスのスタッフもNさんも、心なしか、飼い主さんが到着する時間が近づくにつれ、口数は減っていましたが、私は、その間も、Nさんの仕事について想像を膨らませながら、あれこれ考えを巡らせていたのです。

 

考えれば考えるほど大変な仕事だ・・・いくら考えても、どうやって迷子の猫に行き着くのか・・・ましてや今回のように猫ちゃんが亡くなっていたような場合はなおさらだ・・・おそらく私達、素人には想像もできないくらい、途方もない地道な事を積み重ねていく仕事であるのは間違いない・・・

 

私はそんなことを考えながら、飼い主さんの到着を待つNさんの横顔を眺めていたのですが、その時、不意に、もう一つ、素朴な疑問が頭を過りました。

それは、探偵さんはこのような悲しい結果(捜索依頼があったペットが死後発見の場合)のときに、その都度、葬儀にも参列されるのかという疑問であります。

 

私はすぐにその疑問をNさんに「あのNさん。今回のようなときは、毎回、そのペットの葬儀にも立ち会われるのですか?」と訊ねました。

Nさんは、少し間を置き「僕は時間の許す限りそうしてます。でも、うちの事務所(Nさんの所属する探偵事務所)では、たぶん、そうしてるのは僕だけです」とお答えになられました。

「そうですよね・・・普通はそこまでされないですよね・・・Nさんはなぜ?」と私は、控え目な口調で聞いたところ、Nさんは遠くを見るような目をされて「やっぱり・・・申し訳ない気持ち・・・ですかね・・・」と言われたのです。

「申し訳ない?なぜそう思うのですか?だってNさんはペットが亡くなったこととは無関係じゃないですか」と私は間髪入れずに言いました。

Nさんはうなずきながら「はい。それはそうですけど・・・ただ、もっと早く見つけてあげれたら命を落とすことはなかったかもしれないじゃないですか・・・そう考えると、死んだペットちゃんにも飼い主さんにも、本当に申し訳ない気持ちになるんです・・・」と言葉を詰まらせたのです。

 

Nさんにそう言われ、私は聞いた自分が恥ずかしくなりました。

この人は探偵として優秀である前に人間として尊敬に値する人だ。

私は、このとき心底、そう思ったのであります。

 

「じゃあNさんは今回も事務所の指示ではなく、ご自身の意志で参列されたんですか?」と私は確認するように訊ねました。

「もちろん。事務所もそこまでする必要はないという考えなんで、ここ(プレシャス会館)まで来る交通費も自腹です」とNさんは少しおどけたような表情で、そう言われたのです。

「自腹ですか?経費ではなく?」と私は驚きを隠さず聞き返しました。

「はい。今回は特に飼い主さんのショックが大きかったので、最後まで見届けようと思い、大阪に残りました。ですから宿泊代も自腹です」とNさんは、あたかも、そうするのが当然だと言わんばかりに言われたのです。

私は感心と共感が入り混じったような感覚の中、言葉を返すことも出来ず、ただ、黙ってNさんを見ていました。

そしてNさんは続けるように「本当に今回は猫ちゃんが居なくなった経緯も含め、不運の連続で、飼い主さんのことを考えると、いたたまれない気持ちでいっぱいです・・・ひどく傷心しておられるんですよ・・・だから発見したからといって、これで役目は終わったとは考えられなかったんです・・・」と言われました。

「私も飼い主さんから葬儀の依頼の電話をもらったとき、かなり落ち込んでおられるのがわかりました」と私が伝えたところ、Nさんは、二度ほどうなずきながら「はい。もう何も考える余裕がないくらい落ち込まれています。それでも、猫ちゃんの葬式だけはしてあげないといけないって、思っていらしたんです。でも、葬儀会社を選ぶ気力が残っておられなかったようなんで、私がプレシャスさんを推薦したんです」と言われたのです。

Nさんの最後の言葉を聞いた私は驚きを隠さず「ええ!?そうなんですか?Nさんはどうして当社のことをお知りになったんですか?と訊ねました。

「はい。僕も仕事柄、関西にも知人がいて、それで、知人達に『信頼できるペット葬儀会社を教えてほしい』と訊ねたんです。そしたらプレシャスさんの名前が挙がって、ホームページや野村さんのブログも読ませてもらいました。それで『ここなら間違いない』と判断して飼い主さんに推薦したんです。

 

私はNさんの言葉を聞いて胸が熱くなっていくのを感じていました。

Nさんのような人に会えたこと。そして、こんな素晴らしい人が当社を推薦してくれたことが素直に嬉しく、私は無意識に右手を差し出していたのです。

Nさんは、きょとんとしながらも、そんな私につられるように右手を出され、私とNさんは握手を交わしました。

 

私は「すいません。こんなときに握手をして。当社を推薦してくれたお礼というよりも、Nさんのような人に会えたことが嬉しいです」と私は本心を伝え右手に力を込めました。

Nさんも「いえ。こちらこそ。本当に野村さんのような人がやっている葬儀会社で良かったです。安心してクライアント(飼い主)さんの猫ちゃんのこと、任せられそうだと思っています」と、右手を強く握り返してくださったのです。

私はこのとき、何とも表現しがたいくらい、熱いものが込み上げてきて、頬の辺りまで鳥肌が立ったのを覚えています。

 

それから10分後、飼い主さんが会館に見えられ、猫ちゃんのセレモニーは悲しみの中、執り行われたのであります。

私も、Nさんのように最後まで猫ちゃんのお見送りを見届けたかったのですが、ご指名をいただいていた別のセレモニーの時間になったので、後は支配人に任せ、会館を出ました。

 

会館を出る前、Nさんと「いつかゆっくりお話しをしましょう」と再会を約束し、私はセレモニーに向かったのです。

 

この事を機に私とNさんはお互い、良き相談相手となり、連絡を取り合うような間柄になりました。

もちろん、仕事の分野は違いますが、ご依頼者さんからペットの相談をされるということは共通している部分もたくさんあり、特にNさんが関西でご依頼があるときは出来る限りの協力を申し出ています。

 

Nさんは、ご依頼があれば、日本全国、どこでも飛んでいき、迷子になったペットを探しておられます。

そんなNさんが私に言った一番、心に残る言葉を紹介さえていただきます。

それは私が「やっぱり一番つらいのは死後発見のときですか?」と訊ねたときにNさんが言われた言葉であります。

私の質問に

「もちろん死後発見はつらいです。飼い主さんにとっても最悪の結果であることは間違いありません。でも、僕が一番つらいのは見つけられなかったときなんです。見つからないということは、飼い主さんによっては『どこかで生きている』と希望を持てることでもあるのですが、同時にいつまでも待つことになりますよね。そんな飼い主さんを見ると、本当に申し訳なく、つらくなるんです」

Nさんは、そう言われたのです。

 

そして、Nさんはその言葉を裏付けるように、契約期間に発見できなかったペットを、オフのとき、自分に時間とお金を使って、捜索活動を続けておられるのです。

 

Nさんの活動はお金や名誉のためではなく、ただ純真に迷子のペットちゃんと飼い主さんの再会を実現させてあげたいという、その一点だけであります。

 

私の中でのNさんは、もはや優秀な探偵さんという位置付けではありません。

心から尊敬できる人物であります。

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 

※今回のブログは飼い主さんの了解を得ていませんので、猫ちゃんの亡くなった経緯及びNさんの捜索活動の詳細についてはふせさせてもらいます。



 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

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