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続 迷子になったペットを探してくれる人

あの探偵さんと気付き、私は思わず「あ!」と声を出してしまい、すぐに「もしかして、何年か前にテレビに出られたことありません?」とNさんに訊ねたところ、Nさんは少し照れたように、うつむきながら「はい。出ました」と言われたのです。

「やっぱり・・・でも本当に実在する探偵さんだったんですね。私、どうも疑り深い性格でして、迷子になった猫なんて探せるわけないと思ってたんで、番組自体がフィクションだと思ってました」と私は正直に思っていたことを伝えました。

唐突な私の言葉にも、Nさんは「ほとんどの人にそう言われます。僕も自分がこの仕事やっていなかったら、同じこと思ってると思います」と穏やかな表情のまま、そう言われたのです。

そして、Nさんは続けるように「実際、依頼者の飼い主さん達も、半信半疑で依頼されていると思います。だから、ペットちゃんを見つけたとき、本当に感謝してくださるんですよ。」と人懐っこい笑顔を浮かべて言われました。

しかし、次の瞬間、Nさんは現実に戻ったように表情を曇らせ「だから、逆に今回のような死後発見(探していたペットちゃんが亡くなった状態で発見されるとき)のときは、とてもつらいんですよ・・・」と唇を噛みしめられたのです。

 

「確かに・・・その一報を飼い主さんに伝えるのはつらいですね・・・」と私は溜め息を吐き出しながら言い、Nさんも、私とNさんの会話を隣で聞いていた支配人も無言でうなずいていました。

 

沈黙に包まれた会館の時計は予定の時間を10分ほど過ぎていたのですが、飼い主さんはいっこうに現れる気配がなく、Nさんは携帯を出し「一度、電話してみます」と言って席を立たれました。

 

電話をかけながら会館の外に出られたNさんの後ろ姿を見つめながら、私は支配人に「大変な仕事やろな・・・探偵って・・・」とつぶやくように言いました。

支配人も息を吐き出すように「ですね・・・でも、あんなちゃんとした人がしてるんですね。僕、もっといい加減そうな人がやってるイメージをもってました」と言ったので「わかる。いい加減というか胡散臭さそうな人間が道楽感覚でやってるように思ってた」と私も自身の持っていた印象を支配人に述べたのです。

 

それほど、実際に話してみたNさんは自分の探偵という職業のイメージと、かけ離れた人でありました。

というより真逆と言えばいいのか、穏やかな口調で誠実そうな人柄が、そのまま表情にも表れているような人だったのです。

しかし、それだけではなく、秘めたる熱い思いというのか、依頼をうけたからには、何が何でもやり遂げるという、強い信念のようなもを私はNさんから感じていました。

わずか数分、会話を交わしただけなのに、Nさんからは、それらが伝わってきたのです。

 

外に出られたNさんは飼い主さんと連絡が取らないようで、時折、携帯電話のモニターを確認しながら、何度も遠くを見るように首を伸ばして道路の先を見ておられました。

その時、携帯に着信があったようで、Nさんは携帯電話を耳にあて、二三、言葉を交わした後、電話を切りながら会館に入ってこられ「今から出るそうです。すいません、少し遅れるようなのですが、大丈夫ですか?」と申し訳なさそうに言われたのです。

 

「そうですか。構いません」と私は笑顔で答えた後、Nさんに「どうぞこちらでお待ちください」とソファーのあるスペースに案内しました。

 

Nさんがソファーに座られた後、同じように側面の椅子に腰をかけた私は、失礼だと思いながらも「あのNさん。こんなときに聞くのもなんですが、一つだけお仕事のこと質問してもいいですか?」と恐縮しながら言ったところ、Nさんは「はい。なんですか?」と快く承諾してくださったので、私はどうしても聞きたかったことを訊ねたのです。

「あのNさん。吠えたりして、比較的目立つ、犬ならまだしも、猫って町に溶け込むっていうか、物陰に隠れる習性があるじゃないですか。近くに居ても、わからないくらい気配とかないですよね?なのに、いったい、どうやってそんな猫を探し出すんですか?」と、素朴な疑問を投げ掛けたのです。

 

Nさんは、ゆっくりうなずきながら「確かに犬に比べ、猫を探すのは大変です。小さな隙間でも入って行っちゃうし、簡単に塀伝いで他人の家の庭とかに身を寄せてることもありますからね」と言われたので「ですよね。想像するだけでも、大変やと思います。なんか七つ道具とかあるんですか?」と訊ねた私に「はい。専門道具はあります。かなりの量なんで、今日はここに来る前に駅のロッカーに入れてきたんですけど」と言われました。

「どんな道具なんですか?ハイテクな物なんですか?」と私は好奇心を抑えられず聞きました。

「まあ中にはハイテクと呼べるような物もありますけど、捕獲機とか市販でも売ってるような道具がほとんどです。テレビに出たときはハイパースコープをかけて探索してましたけど、あれはテレビ局のスタッフの人に頼まれたからやっただけで、普段はほとんど使用しません。実際にあんな物かけて街中をうろついていたら不審者と思われて住民の人に通報されちゃいますよ」とNさんは苦笑いを浮かべたのです。

「じゃあどうやって探すんですか?」と私は、さらに質問をしました。

 

Nさんは一呼吸置いた後、静かな口調で「もちろん、探す動物の習性を熟知していることが大前提でありますが、結局のところ、足で稼ぐことになります。どんなに最新の機能が装備された道具であっても、それはあくまでも補助でしかないんですよ。迷子のペットを探しだすのは『絶対に見つける』という強い意志であって、それに優る道具なんてないんです」と力を込めて言われたのです。

そう言いながら握りしめたNさんの拳からは気迫にも似た強い信念が滲んでいました。

 

足で稼ぐ。その言葉を聞いた私はあらためて、自分が探偵さんという職業に持っていた曖昧なイメージとは、また別の(カッコイイ)というイメージからもNさんは程遠い人だと感じました。

 

別に私はNさんがカッコ悪い男性と言いたいわけではありません。

むしろ、Nさんはスマートで爽やかなスポーツマンを連想させるような素敵な男性でありました。※(実際にNさんは元プロのスポーツ選手だったことを最近知りました)

私が言いたいのは、映画やドラマに出てくるようなクールでチャライ探偵とは違うという意味であります。

 

おそらくNさんの引き締まった体は、日ごろの地道な探索活動で培われたものであるのだと私は理解したのです。

 

今回も依頼をうけ、東京から不慣れな大阪の町を、限られた手がかりにも関わらず、豊富な知識と経験を頼りに一日中歩いて猫ちゃんを探していたのでありましょう。

真冬というのにNさんの日焼けした顔と擦り減った靴がそのことを物語っていました。

 

結果、Nさんは猫ちゃんを見つけたのですが、不運にも猫ちゃんは何らかのトラブルに巻き込まれ、息絶えた状態で発見されたのです・・・

 

 

 
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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