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初めての体験 その2

Mさん宅には8時少し前に到着しました。

家の玄関先に女性が一人いらっしゃったので、私は「プレシャスコーポレーションの野村です」とご挨拶をしました。

その女性は「こんにちは。Aです。はじめまして」と頭を下げながら挨拶をしてくださいました。

私はてっきりMさんだと思っていたのですが、そのAと名乗った女性はMさんに当社のことを推薦してくださったMさんの友人の方でありました。

私は「この度は当社をご推薦していただきまして誠に恐縮でございます。失礼がないようお別れのお手伝いをさせていただきます」とあらためてご挨拶をしました。

Aさんはで「いつもブログ読んでます。すごくちゃんとされた会社だと思ってMちゃんに『ここがいいよ』って言ったんです」と笑顔で仰いました。

そして「それに」と前置きをされてから「私も猫を飼ってるんで、万一のときは火葬してあげたいんで、訪問火葬がどういうものか見たかったんです。それでMちゃんにお願いして来させてもらったんです」とAさんはハキハキとした口調でご参列された経緯を話してくれました。

私がAさんと話してると玄関のドアが開いてMさんが現れました。そして「あ!Aちゃん。来てたん?」とAさんに話しかけられました。

「今着いてん。そしたら車が停まったから、きっとプレシャスさんの車やと思って、今、挨拶しててん」とAさんはMさんに説明をしてました。

私は二人の会話は途絶えたタイミングでMさんにご挨拶をしました。

Mさんは「すいません電話では・・・よくわかってなかったもんで・・・で、どうすればいいですか?」と不安そうな表情で私に尋ねられました。

私は「まずお亡くなりになったペットちゃんに手をあわさせてもらいたいのですが、どこで安置されているのですか?」とお聞きしました。

Mさんは玄関を指差し「玄関に箱に入れて置いてます。それにペットではないんです」と仰いました。

それを聞いて私は率直に「ペットではないんですか?」とMさんにお尋ねしました。

Mさんは恥ずかしそうに「ちょど1年くらい前から家に居着いたみたいで、お父さんがイタチは家の守り神だからってエサをあげるようになって・・・」とそこまでMさんが話した途端、一緒に聞いていたAさんが口を押さえて「イタチが守り神って聞いたことないで」と笑いだしました。

Mさんは「笑わんとってよ。私も言うてて恥ずかしいねんから。誰にも言わんとってな」とAさんの肩を軽く押すようにして言いました。

「ごめん」と謝ったもののAさんはひたすら笑っていました。

私は二人の会話に割り込むように「でもね。Aさん私の亡くなった父も生前は飲食店を営んでたんですけど、その店にイタチが住み着いていたんですよ。で、父が『イタチ1匹がおったらネズミとゴキブリがいなくなるから助かる』って言ってましたよ」と言いました。

Aさんは「へ~そうなんですか」と感心するように頷いておられました。

MさんとAさんはかなり仲の良い友人同士のようで、その後も何度か同じようなやりとりを繰り返すように話していました。

 

Mさんから聞いた話を簡単にまとめてみると、ちょうど1年前にイタチを玄関先で頻繁に目撃するようなり、それを見たお父さんが鶏肉等をイタチの通り道に置いておくようになりました。

次第にイタチも慣れてきてMさんの家族を見ても逃げなくなったそうです。

イタチというのは警戒心が強い動物で、普段、ほとんど見かけることはありません。

ましてや人間が餌付けできることは、ほとんどなくMさんの家のイタチの行動は、ごく稀なことであると思います。

AさんとMさんがそんな会話をしているとき、Mさんのお父さんがイタチの亡骸を入れたお手製の棺を手に玄関の扉から出てこられました。

私が挨拶をしようとする前に友人のAさんが「あ!お父さんお久しぶりです」とMさんのお父さんに歩み寄られました。

「おAちゃん。久しぶりやな。わざわざ来てくれたん?」と笑顔で応対されてました。

Aさんは、Mさん家族とかなり親しいようで「いや別にイタチの葬儀に来たんじゃなくて、ペット火葬ってどんなのかを見たかってん」と笑いながら本音で話されていました。

お父さんも、そんなAさんの言葉に不快になれれるようなことはなく「そうか^^おっちゃんもはじめてやねん。まあ見て行きや」と仰いました。

私はMさんのお父さんともご挨拶を交わし、セレモニーの打ち合わせをしました。

お父さんは「わざわざ玄関前のワシらの目に触れるとこで息絶えてたから、それなりにこの家に愛着もってくれてたんかなって思いまして・・・最初は保健所に来てもらうことも考えましたんやけど、なんかちゃんとしてあげたくなって・・・まあ、ちゃんと言うても火葬して骨を拾ってやって家の庭先にでも埋葬してやることくらいしかできないけど」と目を細めながら仰っておられました。

そして、その後、私はお父さんから棺を受け取り、夜間ということもあって、自宅では執り行わず近くの淀川の河川敷で火葬することになりました。

Mさん家族は立会いをされず、自宅で待機されることになったのですがAさんが「ペット火葬がどんなものか見たい」と申し出られたので、私はAさんを助手席に乗せ河川敷に向かいました。

火葬は30分ほどで終わったのですが、Aさんは火葬車に興味津々のようで、燃料のことや火葬炉の仕組みのこと等、疑問に思われたことを、いろいろと質問をされてました。

火葬が終わりMさん宅に戻る途中Aさんは「火葬っていうくらいだから火とか煙が出るもんだと思ってたんですけど、ぜんぜん出ないんですね」と不思議そうに尋ねられました。

「住宅街で火葬することを前提に設計されてるんで、「火」「煙」「臭い」を出さない造りになっているんですよ」と答えた私にAさんは「うちも猫がいるんで、その時はお願いします。よかったら名刺くれません?」と言われたので私はAさんに名刺を渡しました。

Mさん宅に着いて遺骨の納められた骨壷をお父さんに渡したとき、お父さんは合掌をしてから大切そうに受け取っておられました。

AさはMさんに火葬の様子を熱心に説明されていたのですが、河川敷に移動する前に私がMさんに記載をお願いした火葬依頼書を見たAさんが「これ!」と言ったまま、また笑い出しました。

「どうしたんですか?」と私がAさんに尋ねたところAさんはMさんが持っていた依頼書を取り私の方に差し出しました。

そしてAさんは依頼書の{ペット欄}のところを指差し「これ『ペットちゃんの種類(イタチ)』『ペットちゃんの名前(イタチ)』ってそのままやん!名前くらい付けてあげーや」と笑いながらMさんの肩を叩きました。

Mさんは口を尖らせながら「だって。。。いつもイタチとしか言うてなかったもん。。。」とボソボソっと恥ずかしそうに言いました。

Aさんは再び笑いのツボに入られたようで「てか、男の子やったん?女の子やったん?」とMさんに尋ねました。

Mさんは「わからん。。。私は女の子ってイメージで接してたけど。。。」と言ったときMさんのお父さんが「ワシは男って思ってた」と口を挟むように仰いました。

そのときAさんの笑いはピークに達したようで、その場にしゃがみこみ体を振るわせるように笑っておられました。

お父さんは私の方を向いて「あのどっち(男か女)かわかりはります?」といきなり尋ねられたのですが、私も性別を確認していなかったので「すいません。確認するの忘れておりました」と正直に答えました。

「私の知ってる骨の専門家に聞けば遺骨からでも性別は判明しますよ。もし、遺骨を預からせてもらえたら確認しますが」と私が伺ったところお父さんは「いえいえ構いません」と恐縮するように仰られました。

そして、Mさんとお父さんは名前を付けてあげるべく、候補を挙げられてたのですが、Aさんはその間もひたすら笑ったままの姿勢でおられました。

私の立ち居地からMさんとお父さんの後ろで笑っているAさんの姿も視界に入るので、釣られ笑いをしてしまいそうになったのですが、私の仕事柄、遺族との会話の中で顔に笑みを浮かべることがあっても声を出して笑うことは許されないので、必死に堪えました。

私は意識してMさんとお父さんの会話に集中したのですが、Mさんとお父さんが「女ならイタ子。男ならイタオとかイタ郎とかかな」と相談してたとき、依然として笑ったままのAさんが「それ橋幸夫やん」と声をひっくり返しながら指摘しました。

私もMさん親子の会話を聞いて全く同じことを連想していたので、このときは不謹慎にも堪えきれず笑ってしまいました。

慌てて気を取り直し「失礼しました」と御詫びしたのですがAさんに指摘されたMさん親子も「ほんまや」と声を出されてお笑いになられたので、救われる結果になりました。

最終的に、名前は「イタちゃん」と決まり、お父さんが庭先に掘った穴の中にイタちゃんの遺骨は埋葬されることになりました。

Aさんの登場で、セレモニーは終始、和やかに進行することができました。

Mさん親子も最後は笑顔になられ「やっぱりちゃんと火葬してあげれてよかった」口を揃えて満足そうにそう仰っていました。

何はともあれ、私にとっての初めての経験であるイタチの火葬を無事に終えて、帰りの車中で私はほっと胸を撫で下ろしたのでした。

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