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死期を悟ったペットからのシグナル

以前、当ブログ{ペットたちが死の間際にとる行動・・・}でも書かせてもらったことがあるのですが、ペット葬儀の仕事をしていると、病気や老衰などで死期が間近であることを自覚したペット達が飼い主さんに何らかのシグナルを発信していたという話を飼い主さんから聞かせてもらうことがよくあります。

シグナルの方法は様々でありますが、特に犬ちゃんの場合、よく耳にするのが、鳴き声や視線で直接、訴えているように鳴いていた、または見ていた、ということが多く、次いで、いつもしないような行動をとって知らせていたというのも少なくありません。

ペットを亡くした経験がある人ならご理解できると思うのですが「今、思い返せばペットのあの行動は私に(死期が)迫っていることを知らせてくれていたんだな」と思えることがあるのではないでしょうか?

 

寝屋川市のヨークシャーテリアのチャピちゃんも、そんなシグナルを発した犬ちゃんであり、飼い主のYさんも、それに気付きペットとの最期の時間を後悔無く過ごすことのできた一人であります。

チャピちゃんは今から12年前に、当時28歳であったYさんの一人娘さんがペットショップで購入した犬ちゃんでありました。

チャピちゃんは、すぐにYさん一家に溶け込み、家族皆から愛される人懐っこい犬だったそうです。

ところがチャピちゃんがYさんの家に来てから1年後、娘さんが結婚し、四国に嫁いでいってしまったのでありました。

淋しいことではありましたが、チャピちゃんには優しい娘さんのご両親が居たので、落ち込むこともなく、元気に暮らしてそうです。

特にお父さんは、とても優しく、いつも散歩に連れて行ってくれるので、チャピちゃんはお父さんのことが大好きでした。

お父さんが朝、仕事に行くとき、チャピちゃんはお父さんの靴をくわえたまま、「どこにも行かないで」と言わんばかりに部屋の角に隠れるようにしていたそうです。

そんなチャピちゃんの姿を見てお父さんは笑いながら「仕事いかんとお前のご飯も買えなくなるんやで」と諭しながら靴を返してもらって仕事に出かけるのYさん宅の朝の恒例になっていました。

お母さんに抱かれお父さんを見送るときチャピちゃんは、お父さんの言葉を借りると「心を掴まれるくらい悲しい鳴き声」をあげていたそうです。

お母さん曰く「真っ直ぐ帰ってくることのほうが少なかった」お父さんではありますが、チャピちゃんが家に来てからは、仕事が終わったら家に直行して、近くの淀川河川敷をチャピちゃんと一緒に散歩するのが何よりの楽しみになりました。

そして仕事が休みの日には「丸一日帰ってこない」とお母さんが呆れるくらい、お父さんはチャピちゃんを連れていろんなところに遊びに行っていたそうです。

そんな穏やかな生活が10年ほど続いたある日、チャピちゃんは肝臓癌を患い闘病生活を余儀なくされたのでした。

病院にはお母さんが連れて行ってくれたのですが、チャピちゃんの病状は大好きだったお父さんとの散歩も行けなくなるほど日に日に悪化していき、亡くなる2週間前からは、完全に寝たきりの状態になってしまったそうです。

チャピちゃんが寝たきりになってからは、お医者さんからも「長くはないです」と告げられていたこともあり、お父さんは毎朝、出勤前に「行ってくるな。終わったらすぐ帰ってくるから待っといてな」とチャピちゃんの前足に小指をひっつけて指きりをするように声をかけてから出かけていました。

そして、その日の朝もお父さんがいつものようにチャピちゃんに声をかけたときチャピちゃんはゆっくりと首を上げお父さんの顔をじっと見つめたそうです。

ここ数日は話しかけたとき目を開けることあったのですが、首をもたげたことはなく、お父さんは、いつもと違うチャピちゃんの視線に胸騒ぎを覚えました。

そしてチャピちゃんはその後、何日かぶりに起き上がるとフラフラしながら玄関の方に歩いていきました。

驚いたお父さんは台所で弁当をつくっていたお母さんを呼びました。

お母さんが何事かと玄関まで行ってみると、そこには立ち竦んでいるお父さんとその隣ですっかり痩せ細って背骨を浮き出したまま座っているチャピちゃんの後姿がありました。

お母さんは驚いて「チャピが自分で歩いたんですか?」とお父さんに尋ねました。

「そうや、ヨロヨロしながらここまで歩きよった」とお父さんも驚いた様子で答えました。

「久しぶりにお見送りしたかったんかな」と言ったお母さんに「違う。こいつ(チャピちゃんのこと)ワシの靴を見とるんや・・・」とお父さんは言いました。

お父さんのその言葉を聞いてお母さんはお父さんが何を言いたいのかがわかりました。

「こいつ行くなって言うてるんや・・・今日は一緒におってくれ言うてるんや。元気やったら玄関降りて靴をくわえたいんやけど、もうこの段差を降りる元気もない・・・から・・・・こうやって口惜しそうにワシの靴を見てるんや・・・」とお父さんは言葉を詰まらせながら言ったそうです。

お父さんは目に涙を浮かべ、お母さんに「今日は休む。『体調悪いから休む』ってお前から会社に電話しといてくれ」とだけ言い残しチャピちゃんを優しく包むように抱き上げ居間に戻っていきました。

お母さんは言われたままお父さんの会社に電話を入れた後、居間に戻りました。

お母さんと結婚して以来、お父さんが仕事を休んだのも涙を見せたのもこの日が初めてでありました・・・

居間では父さんはチャピちゃんを専用のベッドに寝かせることなく、膝の上に抱いたままその時を過ごし、チャピちゃんもお父さんの膝の上で気持ちよさそうに目を細めていました。

 

そして、その日の11時過ぎ、チャピちゃんはお父さんの膝の上で眠るようにして息を引き取ったそうです・・・

その様子をお父さんはただ静かに見守り「逝きよった・・・」とだけお母さんに告げました。

 

チャピちゃんの火葬を承った私は、ご火葬のときにお母さんから、このお話を聞かせてもらいました。

お父さんはご火葬が始まる前に「だいたい1時間くらいでっか?」と私に火葬の所用時間の確認をして、自転車でどこかにでかけていきました。

「ご主人さんは何か用事で出かけられたんですか?」との私の問いに「泣いてしまうから出かけたんと違いますか。たぶん、河川敷に居ると思います」とお母さんは笑顔でおしえてくれました。

お父さんが出かけたときは、まだお母さんからお話を聞く前だったので、「ペットが亡くなったのにさばさばした人だな」と思ったのですが、話を聞いて今のお父さんの心情を思い、私は胸が熱くなりました。

チャピちゃんの体は過酷な闘病生活により限界まで痩せていたこともあって、火葬は予定よりも早く30分で終わりました。

火葬が終わったことをお母さんに報告すると「お父さん電話もってないから連絡つかへんし、きっと時間(30分後)まで戻ってこないわよ」と申し訳なさそうに仰ったので「構いません。お待ちします」と私はこたえました。

「すいませんね」と詫びるお母さんに私は「お父さんは河川敷にいるんですか?」と尋ねました。

「そうやと思うんですけど・・・」と言ったお母さんに「もしよかったら、僕が呼びに行っていいですか?」と私は聞いてみました。

お母さんは「まあ河川敷いうても広いですから、近くにおるかどうかわかっりゃあしませんよ」と仰ったのですが、私は「構いません。ちょっとだけ、見てきます」と言い残し河川敷の方にむかって歩き出しました。

私はお母さんからお話を聞いて、どうしてもお父さんと二人でお話がしたくなったのです。

河川敷の階段を登り、周りを見渡してすぐ、土手に腰掛けて川を眺めているお父さんの姿が目に入りました。

私はお父さんに静かに歩み寄り「Yさん」と声をかけました。

お父さんは私の登場が予想外であったように、すこし驚いた表情をされ「あれ。もう終わったんですか」と立ち上がろうとされました。

私は慌てて「いえいえ。火葬は無事に終わったんですけど、火葬炉を冷却しないといけないので、まだ10分は構いませんよ」とお父さんの肩を押さえながら言いました。

そして「お邪魔じゃなかったら隣に座っていいですか?」とお父さんに尋ねました。

お父さんは「はあ~かまへんけど・・・どないされたん?」と照れくさそうに言いました。

私はお父さんの隣に腰掛けながら「いえ。先ほど奥さんからチャピちゃんとYさんの靴の話をお聞きしまして、すごく胸に残る話でした。それで、Yさんとお話したくなったんです。お邪魔でしたか?」と聞きました。

お父さんは、少し笑いながら「いやいや。あらためてお話するような話やないですけど、ホンマの話なんですわ・・・あれはワシに看取ってくれという合図やったと思います」と淋しげに話されました。

「でも、実際に、看取ってもらえてチャピちゃんもきっと喜んでいるでしょうね」と言った私に「どうやろか・・・それはチャピに聞かんとわかりませんけど、ワシは・・・あんじょう看取れて良かった思うとります」と目を細めて仰いました。

その後、私とお父さんは土手に座ったまま1時間近くお話をしました。

お父さんがお聞かせくださるチャピちゃんの話は尽きず、私も時間を忘れて話を聞いていましたが、後方から「お父さん」とお母さんが呼ぶ声がして私とお父さんは腰をあげました。

「えらい長いことなにしてはったんですか?」と心配そうに尋ねたお母さんに「チャピの話をしてただけや」とお父さんは笑顔で返事しておられました。

その後、お父さんとお母さんはチャピちゃんのお骨あげを二人でされ、チャピちゃんの遺骨は自宅の居間で保管されることになりました。

 

悲しいことではありますが、どんな命にも限りがあり、別れは必ず訪れます。

お父さんが言ったようにチャピちゃんに聞かないとわからないことではありますが、お父さんに看取られながら逝くことはチャピちゃんが心から望む別れの形であったように私は思ったのです。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 



 

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