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散歩が大好きだったメルちゃんのために

16歳で永眠したミニチュアダックスのメルちゃんのご火葬のご依頼があり、メルちゃんの飼い主様宅に訪問したとき、メルちゃんは人間の赤ちゃん用のベビーカーにたくさんのお花と一緒に寝かされた状態で安置されていました。

飼い主さんの要望で、ベビーカー前に祭壇を設置し安置されたその状態のままメルちゃんの葬儀を執り行うことになっていました。

「このベビーカーは私が赤ちゃんの頃に使っていたものなんです」と説明してくれたのは20歳になったばかりの飼い主さん家族の一人娘のKさんでした。

Kさんは続けるように「メルは散歩が大好きで、まあ犬は皆そうかも知れませんが、メルは1日最低5回は散歩に行きたがるくらい散歩が犬だったんですよ」とベビーカーに横たわるメルちゃんを見ながらハンカチで涙をふきながら仰いました。

メルちゃんは散歩コースである淀川河川敷が大好きだったようで、玄関先に置いてあるリードをくわえて家族に散歩をねだるメルちゃんの姿は15年もの間、家族が見慣れた光景でありました。

「ちゃんと時間帯の担当がわかっていたようで、朝と昼はお母さん、夕方は私、夜はお父さんのところにリードをくわえて誘うんです」そこまで話してKさんは声を詰まらせました。

Kさんと私のやりとりを後ろで聞いていたお父さんが「でも1年前に病気(癌)になってから、ほとんど寝たきりになってね・・・」と静かで優しい口調で付け加えるように仰いました。

私は「それで、ベビーカーに乗せて散歩に連れて行ってあげてたのですか?」と尋ねました。

Kさんは黙ったまま首を横にふり「病気になった最初の頃は、ゆっくりだけど、まだ歩けたんです。でも、いつも引っ張られるくらい前を歩く子(メルちゃんのこと)だったのに、少し歩いては座り込んで休憩するくらい一気に衰えちゃって・・・最後の2ヶ月は、もうほとんど歩けなくなって、しかたなくオシメをさせてました・・・ずっと外に出れなくて、可哀想だから亡くなる前日にお父さんがベビーカーを出してきて、『これに乗せて散歩連れて行ってあげよう』って家族全員で次の日の朝、メルをベビーカーに乗せて散歩に行ったんです」

Kさんはそこまで言って泣き崩れました・・・

そしてお父さんの隣に居たお母さんが「その散歩の最中に家族全員に見守られて静かに目を閉じるようにして安らかに逝ったんですよ・・・」と涙をこらえながら私に説明してくれました。

メルちゃんの葬儀はベビーカーに寝かされたまま執り行わられ、出棺もベビーカーに乗せたまま、送りだされました。

自宅駐車場にとめさせていただいた火葬車の後ろまで運んだKさんが赤ちゃんを抱くようにメルちゃんをベビーカーから抱き上げ、優しく抱きしめキスをした後、その手で火葬炉に納めまておられました。

そしてメルちゃんは、16年の生涯に幕を降ろし家族が見守る中、天に召されたのでした。

火葬車の後ろのベビーカーにはメルちゃんが寝ていた跡形を残して、たくさんの花だけが残っていました。

そのベビーカーを見て、ご家族全員、声を出して泣いておられました・・・・

私はかける言葉も見つけれないまま、ただ、立ち竦んだまま、視線を落としました。

ご火葬は無事に終わり、ご家族の手でお骨あげが終わった後、メルちゃんのお骨は、その日のうちに当社会館の納骨堂に納められることになりました。

納骨の儀にはご家族を代表してKさんが立ち会われることになり、お骨あげの後すぐにKさんは、メルちゃんの遺骨が納められたお骨壷を抱いたまま、火葬車の助手席に座られました。

会館に向う途中Kさんは「すいません、少し遠回りですけど、淀川沿いを通って行ってもらえませんか?」と要望があり、私はKさんの言われた通り、メルちゃんの散歩コースだった道を経由するように車を走らせました。

Kさんは助手席から淀川を眺め「メルのことを思い出すと元気で走りまわってる頃の姿じゃなくて、病気をしてすぐ、散歩のとき遅れがちになって、私が振り返って見たときの辛そうに座り込んでる姿ばかり思い出すんです・・・なんでだろ・・・」と薄っすらと涙を流しながら仰いました。

私は車を走らせながら「そういうもんですよ。いっぱい可愛がってあげて、喜んでるペットの姿より、叱られて落ち込んでるペットの顔のほうが印象に残ってるって口にする飼い主さんのほうが多いのも事実ですしね・・・もっと優しくしてあげればよかったとか、もっと遊んであげればよかったって思うのは、皮肉なことにペットが亡くなってからなんですよ。その後悔の念が寂しげな表情のペットの記憶を呼びおこすんじゃないですかね・・・」と答えました。

Kさんは助手席の窓から淀川を見たまま、視線を外すことなく黙って頷いておられました。

そして淀川に向かい静かに合掌を捧げました。

Kさん合掌をほどいたとき、道は川沿いから逸れ、公道に合流しました。

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