2016-01

「不安」家族にも言えない言葉 家族にしか言えない言葉 6

「でも無事でよかった・・・」

 

私がそう言うと、母も目に涙を浮かべて「・・・ごめん」とだけ言いました。

 

「A子さんやお客さんやなんかも皆、心配で店で待ってるねん・・・とりあえず店に戻ろう」

 

そうして私と母は二人で店に戻ったのです。

 

店に戻るまでの間、母は私に弁解するように「ちょっと買い物しよう思ってスーパーの方に向ったんよ・・・そしたらなんか急に悲しくなってきてな・・・なんもかも嫌になってしまってん・・・」と泣きながら言いました。

 

私は「そうか・・・」とだけ返事をしました。

 

(お父ちゃんの後を追おうとしたんちゃうやろな?)

 

その事は言葉にするのも恐ろしく、聞けませんでした・・・

 

そのとき、母がポツリと「もう生きててもしゃーない(仕方ない)わ・・・」と小さな声で独り言のように言ったのです。

 

そのとき、ちょうど店頭に出ていたお客さんが私と母に気付き「ああ!帰ってきた!ママもおる!」と大きな声で叫び、それを聞いた店の中に居た常連さん達や母の友人達がいっせいに外に出てきました。

 

それを見た母は呆気にとられたように皆を見渡し「みんなどうしたん?」と言い、皆は「ママが帰ってこんから待ってたんやで」と不自然なほどの笑顔で言ってくださいました。

 

そして、母の友人が「あんた!びっくりさせんといてや。圭ちゃんが『あんたがおらんなった』言うて家まで来たからみんな心配で来たんよ」と言いながら母を抱きしめたのです。

 

「そうやったん・・・なんか大事なってごめん・・・」と母は皆に謝りました。

 

「で、ママどこに行ってたん?」とお客さんの一人が聞き、私は母の代弁をするように「スーパーに買い物したまま、なんか急に悲しくなってしまったみたいで・・・そのまま意味もなく散歩してたらしいんですよ」と説明をしました。

 

「そうか・・・そりゃ仕方ない」「ご主人さん亡くして間もないねんから無理ないわ」「わかるわかる。そういうこともある」「なんせ無事でよかった」

 

皆がそれぞれの意見を口にし、母が無事であったことに安堵の表情を浮かべていました。

 

母は言葉少なに心配をかけた皆に頭を下げ、私も頭を下げました。

 

少しして、お客さんも母の友人達も帰って行き、A子さんも帰った頃には23時を過ぎていました。

 

店で母と二人になった私は「とりあえず今日は疲れたやろ。車で送るから帰ろ」と言いました。

 

母は無言でうなずき、その日、私は母を送った後、そのまま実家に泊まることにしたのです。

 

母は眠れないんじゃないかなと気がかりでありましたが、布団に入って5分ほどで寝息をかいでいたので、私は少しホっとして自分の布団を敷いて電気を消しました。

 

このとき私は(母が無事で良かった)という気持ちよりも(これからどうなるんやろ・・・)という不安な思いが強く圧し掛かり、眠ることが出来なかったのです・・・

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

「抜け殻」家族にも言えない言葉 家族にしか言えない言葉 5

母は金沢に行ったんじゃないだろうか・・・

 

そう思った私は駅に向いました。

 

仮に17時に金沢に向ったとしたらもう着いてる時間だ・・・・駅にいるはずがない・・・

 

そんなことはわかっていたのですが、私は少しでも可能性のある場所で母の足取りを追うとしたのです。

 

そして、駅の中やその周辺で母の姿を探したのですが、やはり母の姿はありませんでした。

 

気持ちだけが追いつめられていくような錯覚に陥りながら私は金沢に住む父の親友のおじさんに電話をすることにしたのです。

 

もし、母が金沢に行ったのなら真っ先におじさんのところに寄るはずだと思ったからです。

 

「おじさん?大阪の野村の息子の圭一です」

 

そう電話をかけると、おじさんは「おお・・圭一くんか・・・どうや?少しは落ち着いたか?」と言いました。

 

おじさんと話すのは父の葬儀の日以来であり、私は手短に挨拶をした後、母がいなくなった事実を伝えたのです。

 

おじさんは驚きながらも「わかった。もしこっちに来たらすぐに知らせる」と言った後「ワシにできることあったら何でも言うてくれや」と、励ますように言ってくれました。

 

電話を切った後、私は早足で駅を出ました。

 

駅を出てすぐ、国道1号線を挟み、白い建物が私の目に入ってきました。

 

守口警察署であります。

 

常連さんが言ったように念のために捜索願いを出したほうがいいかもしれない・・・

 

少し気が引けながらも私は警察署に行くことを決め、一歩踏み出したときでした。

 

1号線の反対車線の向こう側の歩道に虚ろな目で歩く母の姿があったのです。

 

私は咄嗟に「おかん!!!!!」と大声で叫びました。

 

ところが1号線を行き交う車の排気音にかき消され、母の耳には届かなかったのです。

 

私は対面の歩道を母の歩く同じ方向に歩きながら、もう一度、大声で母を呼びました。

 

声はいっこうに届かず、私の近くにいた人達だけが、何事かと立ち止まり私を見ていたのですが、私は構わず呼び続けたのです。

 

そして私は呼ぶことを諦め、走って歩道橋を駈け上がり、母のいる歩道に渡りました。

 

息を切らしながら歩道橋を下り、肩を落としながらこちらに歩いてくる母のもとへ私は歩みより「おかん・・・・」と、安堵の溜め息を漏らしながら、そう呼びかけました。

 

歩道橋を走って渡ったときは「どこ行ってたんや!」と大声で怒鳴りつけるくらいの怒りにも似た感情があったのですが、いざ母の姿を目にすると、無事で良かったという安堵感だけが沸いてきて、思わず涙が出そうになったのです。

 

「圭一・・・あんた・・・どないしたん?」と母は何事も無かったように聞いてきたので「どないしたんやないわ・・・それはこっちの台詞やでオカン・・・店開けっ放しでどこに行ってたんや?」と私は言いました。

 

母は「店?私、店開けたんか?ああ・・・そっか・・・私、店から出たんか・・・」と母は虚ろな目でそう言ったのです。

 

「そうや・・・店開けたままオカンがおらんなったから(居なくなったから)A子さんから電話もらって・・・それで、お客さんもみんな心配して探してたんやで」と私が言うと、母はうなずきながら「そうやったんか・・・・それは悪かった・・・」とポツリと言いました。

 

しかしその言葉に重みはなく、母は自分の立場とかとった行動すら自覚をしていない口ぶりであり、見るからに判断力が欠如したような状態だったのです。

 

息子の私が言うのもなんですが、母は気丈な人でありました。

 

少々のことでは動じない人間であり、子供の頃からそんな母を「強い人」と感じながら私は育ってきました。

 

しかし、この時の母はまるで痴呆症の老人のようであり、私は目の前にいる母が、本当に自分の母なのかと疑うほどであったのです。

 

ここまで精神的に落ち込んでたなんて・・・

 

見抜けなかった自分の不甲斐なさを痛感しながら、気力のかけらも無くなった母の姿を前に私は堪えることができず、気が付けば、目からは涙が溢れ出ていました。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

「胸に刺さる」家族にも言えない言葉 家族にしか言えない言葉 4

時計は20時を過ぎていました。

 

電気も消さず、レジのお金も残したまま、鍵も開けたまま母はどこに行ったんだろうか・・・

 

母が開店直前の17時前に店を出たとしても3時間以上経過しており、当然ですが、時間に厳しい母がこんなことをしたことは、今までありませんでした。

 

焦りや不安・・・

 

色んな感情が入り乱れる中、スタッフのA子さんや常連さん達も「手分けしてママを探そう」と言ってくださり、私はまず、母が行きそうな母の友人や知人宅に電話をかけたのです。

 

「ママ?来てへんよ。」と、母の友人達は誰もが口を揃えたように言い、「どしたん?ママおらん(いなく)なったんか?」と心配そうに訊ねてきました。

 

「はい。ちょっと・・・すいませんでした」と、私は返事を濁すようにして電話を切り、次に電話番号がわからない近所の母の友人宅を訪ねることにしたのです。

 

「A子さん。僕、○○さんや○○さんの家に行ってきます。何かあったらすぐ知らせます。A子さんも何かあったら電話ください」

 

そう言い残し、私は店を出て母の知人宅を向いました。

 

母の知人宅を私が訪問すると、皆さんは「あれ?圭ちゃんか?どないしたんや?」と私が訪ねてきたことに、まず驚き、私が「すいません夜分に。ちょっとうちの母が店する時間になっても戻らなくって・・・もしかしてこちらにお邪魔してるんじゃないかなって思って・・・」と、ドア越しに聞くと、「え?ママ?来てへんよ。どないしたん?」と外に出てきて心配そうに私に歩み寄ってきて「ママおらんなったんか?」と逆に聞いてくるような有り様でした。

 

「そうですか・・・どうもすいませんでした。では失礼します」と頭を下げ、私が行こうとする背中に、母の知人達は「お父さん亡くされてママは落ち込んでやったからな・・・」や「悲しいなってどっか行きやったんやろうか・・・」と心配そうに言ってくださったのですが、私はそのとき、今はそんな言葉は聞きたくないという心境であったので、「まあ、ちょっと散歩でもしてるだけかもしれないんで」と返事をし、逃げるようにしてその場を立ち去ったのです。

 

結局、2時間ほど母の行きそうなところは全て探したのですが、母は見つかりませんでした。

 

私が店に戻った時は22時を過ぎており、A子さんもお客さん達も全員残って待ってくれていました。

 

それどころか、私が電話で訊ねた母の友人や知人達も心配で店に来てくださり、店は人で溢れていたのです。

 

店の中では「ママどこへ行ったんやろうか」「思い詰めてたからな」「ママはそんなアホなことする人ちがうわ!」「きっと事故か何かに巻き込まれたんやて」とそれぞれの人がそれぞれの思いや意見を口にしていました。

 

皆さんは心配からそのように言ってくださっているのは私にもわかったのですが、そのときの私はそんな言葉が全て胸に刺さるようで、正直、耳を塞ぎたい気持ちになってしまったのです。

 

私が戻ったのに気付くと、いっせいに話すのをやめられたのですが、その中の常連さんの一人が「どうやった?」と訊ねたので、私は「どこにもいません・・・」とだけ答えました。

 

私の返事で店は一気に重い空気に包まれたのですが、私は顔を上げ、「すこし駅前の方を探してきます」と、店を出ようとしたときでありました。

 

比較的、常連客さんの中でも一番母と親しいBさんが「ケーボー。さすがにこの時間までママが戻ってきてないのはきっと何かあったはずや・・・念のため警察にも捜査願い出したほうがエエんとちゃうかな?」と言ったのです。

 

私は無言でうなずき「・・・そうですね・・・はい。そうします」とだけ言い残し、そのまま歩いて駅の方に向いました。

 

駅に向かった理由は1つ。

 

どこを探しても母がいなかった以上、今、この状況で母が行きたい所ろとして考えられるのは父の故郷である金沢だけだと思ったからです。

 

母は父の故郷である金沢が好きでありました。

 

毎年、父と母は二人でお墓参りを兼ねて金沢に旅行に行っていたのですが、母はいつも金沢に行くのを楽しみにしていたのです。

 

そんな思いから母は無意識に駅に行ったんじゃないだろうか・・・

 

微かな期待を胸に私は早足で駅に向ったのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

「良からぬこと」家族にも言えない言葉 家族にしか言えない言葉 3

店に到着するまで、私は経験したことのない不安な気持ちに飲み込まれそうになっていました。

 

信号待ちが疎ましく、何度も赤信号に舌打ちをしながら店への道を向かったのです。



 

そんな思いで店に到着すると、A子さんが不安そうな表情で店頭に立っていました。

 

「すいません、まだ戻ってないですか?」と私は車から降りると同時に訊ねると、A子さんは無言でうなずきました。

 

店の中には、A子さんから事情を聞いたのか、心配顔で常連のお客さんが数名、椅子に腰かけながらこちらを見ていたので、私はA子さんに「お客さん達には言ったの?」と訊ねると、A子さんは「はい・・・馴染みさんなんで言いました・・・すいません」と視線を落としたのです。

 

「ううん。いいよ。仕方ない」と私はA子さんに言った後、店に入り常連さん達に「すいません」とお詫びを言い「とりあえず今日はこういう状態なんで悪いんですけど営業は出来ません」と頭を下げました。

 

常連さん達は「ええよええよ。」と口々に言ってくださり、常連さんの一人が「それよりママが心配やな・・・どこ行きはったんやろ・・・マスターが亡くなってからすっかり元気なくなってたからな・・・」とポツリと言ったのです。

 

私はうなずきながら「そうですね・・・とりあえず僕は家を見てきますので、皆さん今日はお引き取りください」と、もう一度、頭を下げました。

 

「そやな、家に帰ってるかも知れんから一回見て来たほうがええよ」と常連さん達も言ってくださったので、私はA子さんに「じゃあ僕行ってきますんで、後お願いします。A子さんも今日は帰ってくれていいですよ」と言い残し、再び車に乗り込み家に向ったのです。

 

当時、私は家を出て一人暮らしをしており父と母は店から車で5分ほどのハイツに住んでいました。

 

そのハイツまで向かう5分の間、私の脳裏に最悪な結末が幾度となく浮かんできたのを覚えています。

 

最悪な結末・・・

 

母が父の後を追ってしまったのではないかという結末であります・・・

 

首筋から肩にかけて例えようのない悪寒が走り、ハンドルを持つ手がガタガタ震えていました。

 

オカン早まるなよ・・・・オトン、オカンがそっち行きたいって言うても突き返せよ・・・

 

そんな独り言を口走りながらハイツに到着した私は車から部屋のある二階を見上げました。

 

部屋の電気は消えており、私は車から飛び降りるようにした後、階段を駆け上がったのです。

 

そこまでは素早く出来たのですが、いざハイツの鍵を開けるとき、また、良からぬイメージが頭に浮かんできて吐き気すらもよおすほど、私は呼吸を乱していました。

 

今でも覚えています・・・・あのとき、私は父の後を追うように、母が自らの命を絶つのではないかという不安から、ドアの向こうに変わり果てた母の姿があるのではないかと思っていたのです・・・

 

震える手で鍵を回し、ドアをゆっくり開けました。

 

母の靴はない・・・

 

少しホっとしながら全ての部屋と浴槽とトイレの中も母の姿がないと確認をしたとき、安堵から床にへたりこんでしまったのです。

 

安心してる場合じゃない。オカンはどこ行ったんや・・・とりあえずヒョコって帰ってるかも知れんから、もう一度、店に戻ろう・・・

 

すぐに我に返った私は心でそうつぶやき、ハイツを出てもう一度、店に戻ることにしたのです。

 

店ではA子さんも常連さん達もそのまま帰らずに私を待ってくださっていたようで、私の顔を見る度「どうやった!?」と身を乗り出すようにして訊ねたので、私は「いませんでした」とだけ答えました。

 

それを聞いたA子さんと常連さん達はいっせいに力なく椅子に身を沈めるように黙り込まれたので、私は「とりあえず、オカンが行きそうな所を探してみます」と言うと、A子さんは「私も一緒に探します」と言い、常連さん達も「俺らも協力するで!何でも言うてや」と言ってくださったのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

「母の失踪」家族にも言えない言葉 家族にしか言えない言葉 2

母が店の営業を再開したことで、私は内心、ほっとしていました。

 

母は基本、前向きな人間であります。

 

店を再開することで、スタッフの人や常連客さんと接することで、父と死別した悲しみや寂しさから、少しずつ立ち直るのではと感じていたのも事実でした。

 

実は、父が亡くなり、店を閉めていた一ヵ月間、母の精神状態はとても不安定な状態でありました。

 

朝早くから夜遅くまで仕事で家を空ける私は、仕事中も母のことが気がかりであり、仕事に身が入らなかったことを覚えています。

 

これで全て良い方向に向えば・・・

 

私はそんな期待も持ちながら、母の店の再開を賛成したのです。

 

店を再開した数日後、その日、仕事が早く終わった私は、開店前の母の店に顔を出しました。

 

「どうや?」と、仕込みをしてる母に訊ねると、母は「うん。まあお父ちゃんおらんから何かと大変やけど、何とかやってるで」と照れ笑いを浮かべた後、背筋を伸ばし「これお父ちゃんのベストやねん」と、生前父が愛用していたていたベストを私に見せました。

 

「あの人はこのベストすきやったな・・・丈がちょうどいいってよう言うてたわ」と古びたベストを撫でながら、懐かしそうに見つめた後、不意に黙り込み、涙を流したのです。

 

「ベストなんかいっぱい持ってるくせに、こればっかり着てたわ・・・」そう涙声で言う母にかける言葉もなく、ただ私は無言でうなずきました。

 

その後も母は「包丁はこれが好きやった・・・私は包丁の研ぎ方もお父ちゃんに教えてもろてん・・・」と、店の物に触れる度に、父の想い出話を繰り返したのです。

 

そんな母の姿はとても痛々しく、私はそんな母のことが心配でなりませんでした。

 

開店時間の10分前になり、スタッフの人が「おはようございます」と出勤してきました。

 

それを見届け、私は「じゃあ俺行くわ」と母に声をかけ店を出たのです。

 

店を出た後、私は(店を再開したら良い方向に向かうと思ってたけど、そんな単純なもんやないな・・・)と溜め息をもらしました。

 

いずれにせよ、母が父の死を乗り越えるのには、もう少し時間がかかるかも知れない・・・

 

そう感じながら私は家に帰ったのです。

 

その日から一週間ほど過ぎた日の夕刻過ぎでありました。

 

母の店の女性スタッフから私の携帯に電話があったのです。

 

「ケーボーさん?※(店のスタッフは私のことをそう呼んでいました)A子です」と、店で一番、古株のスタッフであるA子さんが、少し切迫した声でそう言ったので、私は直感的に母に何かあったのではと感じました。

 

会社のデスクで仕事をしていた私は「どしたんですか?」と返事すると同時に思わず席から立ちあがっていました。

 

A子さんは「ママがいないんです」と言ったので、私は「いないって?どういうこと?」と訊ねると「店に来たら鍵も開いてて電気もついてたんですけど、ママがいないんです」と言うのです。

 

「ちょっと買い物にでも行ってるんじゃないの?」と私が言うとA子さんは「私も最初そう思って待ってたんですけど、さすがに買い物なら遅すぎるって思って・・・」と、A子さんは口籠りながら言いました。

 

時刻はその時、夜の7時過ぎ。

 

店は5時から開店するので、すでに2時間以上経過してることになり、確かに母が開店前に近くのスーパーに買い物に行ったとしても時間がかかりすぎていました。

 

A子さんは「それでこんなときやし・・・店で待ってるんですけど、なんかすごく心配で・・・それでケーボーさんに電話したんです・・・ごめんなさい・・・」と泣きそうな声でそう言ったのです。

 

「わかりました。すぐそっち行きます」

 

私はそう言って電話を切り、上司に事情を説明してすぐに会社を出て店に車を走らせたのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

家族にも言えない言葉 家族にしか言えない言葉 1

父が亡くなったとき・・・

 

母のショックと悲しみは大変なものでありました。

 

私自身も悲しみやショックはあったのですが、それ以上に母の悲しみが深く大きなものであるのがわかったので、「自分がしっかりしなきゃ」と悲しみに浸ることより母を支えてあげないといけないという気持ちを強く感じながら父の死を受けとめたことを覚えています。

 

気持ちの整理もつかないまま、母に変わって葬儀の手配をし、無事に葬儀が終わったとき、抜け殻になったような気分になったのですが、母はそれ以上に心身とも疲れ切った様子でありました。



当時、私は貿易会社の営業部に勤務しており、ある程度、責任のあるポストを任されていました。

 

父のお通夜、告別式を終えた翌日には出社し、職場に復帰したのでありますが、母は父と二人で営んでいた飲食店を休業することにしたのです。

 

店は父と母と、数名のスタッフでやっていたのですが、さすがの母も、このときの精神状態で店を切り盛りするのはつらいということもあり、しばらく休業することは私も賛成をしました。

 

しかし、そのことで、一日中家にこもり気味になってしまった母は、ますます沈んでいき、すっかり元気がなくなってしまったのです。

 

その姿は息子の私が見ても痛々しく、元気づけようとあれこれしてあげたりもしたのですが、あまり効果はありませんでした。

 

今は時間が必要なのかも知れない・・・

 

そう思いながら、一ヶ月ほど経過したときでありました。

 

母が「また、お店開けようかなって思ってる・・・」と私に言ったのです。

 

「大丈夫なん?」

 

そう私が聞くと母は「うん・・・一日中、家おっても余計に落ち込むし、店やったほうが少しは気分が紛れると思ってな・・・」と溜め息を吐きだすようにしてそう言いました。

 

確かに・・・

 

私も母のその申し出に(そっちのがいいかも・・・)と感じたのは事実で「そっか・・・おかんがそう思うんやったら再開するのがエエんとちゃうかな」と返事をしました。

 

「すぐみんな(飲食店のバイトスタッフ)に連絡したほうがいいで」と私が言うと、母は「もう電話した。みんな『ママやったら絶対に再開しはる』って思ってたみたいで待ってくれてたんよ」と、少しだけ笑みを浮かべてそう言ったのです。

 

母の笑顔を久しぶりに見た私は、つられるように笑顔になり「そうか^^なら問題ないやん。で、いつからする予定や?」と訊ねると「掃除して買い物したりしなあかんから明後日からやるつもりや」と母は言いました。

 

私と母は血液型も同じで性格も似ています。

 

一度、スイッチが入ったら行動が早いところもソックリで、私は内心(これで大丈夫や)と思ったのでありました。

 

母は有言実行し、二日後には店の営業を再開したのです。

 

これで母が少しずつ元気を取り戻せるかもしれない。

 

私はそう思いながら母が以前のような明るい人に戻れることを強く願ったのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

やはり・・・

やはり、急激な気温と気圧の低下により、昨日は葬儀及び火葬のご依頼が多くありました。

 

中でも、ハムスターとウサギのご依頼が目立ったのでありますが、どうしても体の小さなペットが寒さの影響を受ける傾向にあるようです。

 

この寒さは当分続く見通しでありますが、今年は穏やかな日が多かった分、私自身も忘れていた冬の厳しさを思い出したような気分であります。

 

私は冬が嫌いです。

 

というより、寒いのが苦手なこともあり、春の到来を心待ちにしてるのですが、まだ1月・・・

 

もう少し、この寒さと付き合わないといけないようです。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

取り急ぎ ご連絡

明日、近畿の一部で積雪になる予報が出ております。

 

火葬車は重量が重いため雪道に弱く、場所によっては訪問火葬に向えない地域もあります。

 

そのため、場合によっては後日延期、またはキャンセルとなることも予想されますので、ご了承ください。

 

なお、会館葬につきましては通常通り営業しますので、重ねてよろしくお願いします。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

掛け替えのない存在

お墓参りに行く。

 

仏壇に手を合わせる。

 

供養のあり方は人それぞれでありますが、私自身、最良の供養はその存在を忘れないことだと思っています。

 

掛け替えのない存在を喪ってから時が流れても、いつまでも心の中にその存在を感じながら生きていくことが、何よりも供養になり大切なことであると考えています。

 

喪った直後は思い出すだけで悲しい気持ちになってしまい、心の中も悲しみと寂しさに占領されるものでありますが、それがいつの日か、楽しい思い出や、温かな記憶が顔を出すことも増えていき、思わず笑みをこぼしてしまうようなこともあります。

 

そんなとき、「もう悲しみから回復したのかな・・・」と思うようなこともあるのですが、何かの拍子にまた急に悲しくなるようなこともあります。

 

そう、人間はこの繰り返しで、自分の心の状態で、急に楽しくなったり、急に悲しくなったりするものなんです。

 

いずれにしても、そんなとき、喪った存在がいつまでも自分の心に居ることを実感できるのでありますが、それを感じながらこそ沈んだ気持ちのときは「しっかりしなきゃ・・・」や「だめだね・・・」と会話するようなこともあります。

 

そうやって会話をしながら無意識に今の自分を見つめ直すことはとても大切なことであり、そのような意味でも心の中の存在は、姿が見えなくなってしまっても、掛け替えのない存在であり続けるものであります。

 

喪った直後は悲しみのだけしか感じなかった存在が、いつの日か、自分の勇気や優しさやになってくれることもあり、その存在を多く持ってる人、つまり悲しみを多く経験した人は、それだけ強く優しい人になれるのかも知れませんね

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

寒波到来

今年は穏やかな気温のお正月でした。

 

しかし、今週、本格的な寒波が日本列島にやってくるそうです。

 

本日、大阪の最高気温は12度、最低気温は7度と寒さは厳しくありません。

 

むしろ室内は温かく感じるほどです。

 

ところが明日は最高気温は5度までしか上がらず最低気温は2度まで下がります。

 

私がブログで何度も書いてきた前日の温度差が5度以上ある境目の日であり、過去のデータではペットが体調を大きく崩す要因となる日であります。

 

自然には逆らえませんが、対策をとることは可能であります。

 

くれぐれも、ご自身とペットの体調管理には気をつけてくださいね。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

にほんブログ村 犬ブログ 犬 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 猫ブログ 猫 思い出・ペットロスへ
にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
にほんブログ村



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せと
お手元供養品のお問い合せは

プレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

Home > アーカイブ > 2016-01

  • 亡くなったペットの遺骨で作るメモリアルグッズ
  • 永代供養
  • ペット火葬について日々のスタッフブログ
  • ペットロス 愛するペットの死を乗り越えるために
  • 訪問可能エリア 大阪・京都・兵庫・滋賀・和歌山・奈良 その近辺のエリアに関してもお気軽にお問い合わせください。

ページトップへ