2014-08

「保護」別れの夏・・・2

お座りをした雑種犬を見て、お母さんは「ちょっと待っていてね」と声をかけた後、キッチンからソーセージとお皿にお水を入れて、再び戻ると、種犬は、同じ姿勢で、静かに待っていたのです。

お母さんは先にお水を入れたお皿を地面に置いた後、ソーセージを直接、雑種犬の口元に差し出したのです。

 

雑種犬は鼻先でクンクンと匂いを嗅いだ後、ゆっくりと、ソーセージを食べたそうです。

 

それを見たお母さんは、食べ方はゆっくりだけど、お腹は空いているように見えたので、さらに食べ物を取りにいき、雑種犬に食べさせてあげました。

 

その時、お向かい家の奥さんが顔を出されたので、挨拶をしました。

この奥さんとは、初めて別宅を購入した際、挨拶を交わしたことがあり、それ依頼、夏に来るたびに、世間話をする間柄になっていたのですが、雑種犬に食べ物を与えているお母さんを見て「おはようございます。今年も来られたんですね」と笑顔で言った後「あら、その犬、また来てやったの」と雑種犬を見ながら言ったのです。

 

お母さんは「ここで寝てやったんですけど、どこの犬なんですか?」と訊ねるように聞いたところ「さあ、二週間くらい前から見かけるようになったんですけど、昼間はそこで寝てることが多いんです」と、教えてくれました。

「捨てられたんですかね?」とお母さんが雑種犬を見ながら聞いたところ、向かえの奥さんは「大人しいし、そうと違いますかね・・・少なくともご近所さんが飼ってる犬ではないと思います」と答えたのです。

そして、お母さんは「そうですか・・・」とポツリと言った後、初めて雑種犬の頭を撫でました。

頭を撫でられた雑種犬は口角を上げ、まるで笑ったような顔をしてお母さんを見つめたそうです。

 

そんなお母さんを見て、奥さんは「犬が好きなんですか?」と優しげな口調で訊ねられました。

「はい。実家では常に犬を飼ってたんで、物心付いたときには大好きでしたね。主人とも言うてたんですけど、下の子(息子さん)がもう少し大きくなったら犬を飼おうって言うてたんです」と答えたところ、奥さんは「もしかして、その犬をお引き取りになるんですか?」と少しだけ、驚いた表情をされたので「いえ。まだそこまでは決まってません。主人とも相談せんといけないし・・・でも、本当にこの子が捨て犬なら考えてもいいかなって・・・」と言ったそうです。

向かえの奥さんは「まあ、そうなったらその犬は幸せでしょうね・・・いや、主人がね、この犬を見かけるようになったとき『保健所に電話しようか?』って言うたことがあったんですけど、なんかね・・・大人しい犬やし、悪さもせえへんさかい可愛そうやからやめとこって言うたんですよ」と、目じりを下げながら言いました。

 

奥さんの口から「保健所」という言葉を聞いたとき、お母さんの気持ちは固まっていました。

 

その時でした、首からゴーグルを下げた水着姿の娘さんが「ママ!まだか?ってパパが聞いて言うてるよ」と走ってきたのです。

「ごめんごめん」とお母さんが言うと同時に、娘さんは「あ!犬にエサあげてたん?」と嬉しそうな顔をして、雑種犬のすぐ横にしゃがみこみ、同じように頭を撫でたそうです。

 

それから10分ほど、お母さんと娘さんは雑種犬と一緒に時間を過ごしていたのですが、その時、お父さんが息子さんの手を引いて歩いて来るのが見えました。

 

お父さんはお母さん「何してるんや?遅いから心配したわ」と、不機嫌そうに言ったので「ごめんごめん、ちょっとこの犬にご飯を食べさせててん」と、言い訳をするように言いました。

お父さんはさらに不機嫌な顔になって「もう・・・わかってると思うけどあかんぞ。もしかして、その犬飼うとか言い出すんちゃうやろな」吐き出すように言ったので「え?なんでなん?飼うと決めたわけじゃないけど、もうちょっとしたら犬飼おうか?ってあんたも言うてたやん。こんな大人しい犬やねんからこの犬を飼ってもいいかなって思ってんけど、なんであかんの?」と食い下がるように言ったそうです。

娘さんもお母さんの援護をするように「飼いたい飼いたい」とお父さんの手を引っ張りながら言ったのですが、お父さんは「どうせ飼うならダックスとかマルチーズとか小さい犬の話やろが。その犬そこそこデカイのに、大阪の家のどこで飼うつもりや?それに、その犬、汚いやんか・・・」と顔をしかめたのです。

「洗ったら綺麗になるし、綺麗にしてあげたら室内でも飼える大きさやん」とお母さんは別宅の庭に設置してある水道に繋がったホースの前まで雑種犬を連れて行き、洗い始めたのです。

 

ある意味、お母さんの最大の理解者でもあり、誰よりもお母さんの性格を知っているお父さんは、犬を洗いだしたお母さんの姿を見て、内心(もう何を言うても無駄やな・・・)と思ったそうです。

 

犬を洗うお母さんに、娘さんと息子さんも加わり、一人取り残されるようにして、その光景を眺めていたお父さんに、向かえの奥さんが「こうなったら奥さん引き下がりはれへんのと違います」と笑顔で言ったので、お父さんは「はあ・・・」と苦笑いを浮かべました。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

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野村圭一



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別れの夏・・・

毎年、夏になると滋賀県の琵琶湖の畔にある別宅に一週間ほど滞在するのがEさん家族のお決まりの行事でありました。

別宅というのは、Eさんのご主人さんが8年前に友人と共同で購入した別荘のような家でありました。

 

琵琶湖は日本最大の湖であり、避暑地としても関西屈指の人気スポットでもあります。

そして、今年の八月もEさん夫婦は中学生の娘さんと小学生の息子さんと四人で別宅のある琵琶湖を目指したのですが、今回は少し寂しい旅行でもありました。

 

それは、旅行にはいつも、一緒に連れていっていた、MIX犬の愛犬のジッコちゃんの姿が後方荷台にはなく、変わりにお母さんの膝の上には骨壺が抱かれていたからです。

 

この時より、約二か月前にジッコちゃんは老衰によりその生涯の幕を閉じたのでした・・・

 

お母さんはジッコちゃんの遺骨の納められたお骨壺を両手で抱えるようにして、膝の上に置き、琵琶湖に向かう名神高速道路からの景色を見つめながら、ジッコちゃんと初めて会った日の事を思い出していました。

 

Eさん家族がジッコちゃんと出会ったのは、三年前の夏。

場所は今、向かっている琵琶湖に程近い別宅の近くでありました・・・

 

 

「ねえママ。家の前に大きな白い犬がいるよ」

当時、小学生だった娘さんが、別宅のテラスでお茶を飲んでいた両親に、少し怯えた顔でそう言いに来たので、気になったお母さんは娘さんが指さす方に歩みより、塀越しに外を見ました。

 

すると、真夏の太陽の光から隠れるように別宅の塀が作る影に身を寄せる一頭の白い中型の雑種犬がいたのです。

 

子供の頃から、犬が大好きだったお母さんは雑種犬の目を一目見て、子供に危害をくわえるような犬ではないと思ったそうです。

 

お母さんが見ていることに気付いた雑種犬は少し顔を上げ、こちらを見たのですが、見上げるその瞳は、例えようのないくらい悲しげな目をしていました。

(いったい何があって、こんな悲しい目をする犬になったんだろう・・・)

そう思いながら、暫しの間、お母さんと雑種犬は見つめ合っていたそうです。

 

「ねえ咬まない?」と不安気に聞く娘さんに「うん。このワンちゃんは咬まないよ」と答えると、後方から「どないしてん?」とお父さんの声がしました。

塀越しに外を見ていたお母さんと娘さんが気になったのか、お父さんが水着に着替えた息子さんの手を引いて歩いて来たのですが、お父さんの姿を見た途端、雑種犬は逃げ出すように立ち上がり、数メートルほど走った後、怯えた目をして、こちらを振り返ったのです。

 

その光景を見た娘さんは「もうパパ・・・脅かさんとってーや。逃げたやん」と口を尖らせて言ったそうなのですが、お母さんはこのとき、雑種犬の悲しい目と、お父さんの姿に怯えた姿を見て(この犬は大人の男性に虐待されたトラウマを抱えている・・・)と直感的に感じたのです。

 

娘さんにそう言われたお父さんは「パパは何もしてないやん。見ただけやん」と笑いながら弁解気味に言ったのですが、娘さんは「パパは顔がこわいから犬は見ただけでもビックリするねんて」と不満そうに言いました。

「知らんやん^^それより泳ぎに行くんやろ。早く行こう」と別宅から歩いてすぐの場所にある湖水浴場に娘さんを誘ったのです。

 

そう言われた娘さんは一気に機嫌が直ったように「うん!行く」とお父さんの手を引っ張って門の方に向かいました。

 

湖水浴に向かうお父さんと娘さんと息子さんの三人を見送りながら、お母さんは「私も着替えたらすぐ行くね」と声をかけ、お父さんは「うん。わかった」と返事をしたのですが、その時、娘さんは思い出したように振り返り「ママ、さっきのワンちゃんが戻ってきたらご飯たべさせてあげてね」と言ったのです。

「そんなんしたらクセになるからあかん」と、お母さんが答える前にお父さんが返事をし、三人は湖のい方に歩いていきました。

 

一人、別宅に残ったお母さんは、テラスの方に戻り、塀の外を見たのですが、雑種犬の姿はもうありませんでした。

 

部屋に戻り、水着に着替えたお母さんは戸締りをし、テラスの塀にある裏口の鍵をかけに行ったとき、もう一度、塀の外を見ました。

すると、さっきと同じ場所に雑種犬が寝そべっていたのです。

 

おそらく雑種犬にとって、この場所は風通しも良いので、快適な場所だったのかも知れません。

 

お母さんは雑種犬に「おいワンコちゃん」と優しく声をかけました。

雑種犬は先ほどと同じように悲しげな目をしてお母さん見上げたそうです。

 

お母さんは娘さんに言われたからではなかったのですが「お腹空いてない?何か食べるか?」と優しく声をかけました。

すると雑種犬は、言葉の意味を理解しているようにペロっと舌で自分の鼻先をなめるようにした後、ゆっくりと立ち上がりお座りの姿勢をとったのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

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お盆に会いに来てくれた

今年もお盆が過ぎ、朝夕には秋の気配を感じれるようになりました。

 

お盆期間中に、ペットちゃんのお墓参りや自宅でのお手元供養をされた方も多くいたと思います。

 

 

ブログでも書きましたが、お盆というのは天に旅立ったペット達が帰ってくる期間でもあり、お盆期間中には、亡くなったペット達となんらか神秘的な体験があるのではないかと密かに期待されていた人もおたのではないですか?

 

期待と言えば、変に聞こえる人もいるかも知れませんが、ペットというのは、やはり、いつまで経っても可愛い存在であり続けるもので、納骨堂にお参りに来られる、ほんとどの飼い主さんは、ペットなら霊の姿でも、もう一度、会いたいと口にされるものであります。

そういう意味で、期待される人がいるということであり、そのような人の中には実際、お盆の間、旅立ったペットと、何らかの形で交流できた人もいたようです。

 

私は仕事柄、たくさんのペットロスの人達と、メールや手紙の交換をしているのですが、今年のお盆にもペットが帰ってきてくれましたと、報告をくださった人もいました。

 

そのような声をまとめさせてもらいますと、「ペットが夢に出てきてくれました」や「ペットの気配を感じた」、あるいは「足音がした」と、いうのが一番多かったのですが、中にはもう少し、はっきりとした形でペット達と交流をされた人もいます。

 

例をあげると

「眠っているとき顔をなめてくれた」

「足音がして振り返ると姿は見えなかったのですが、ペット独特の匂いがした」

「明らかに家の中でペットの鳴き声が響いた」

「お供え物のフードの量が減っていた」

「足にまとわりつく感覚があり、それがしばらくの間、続いた」

 

といった内容であります。

 

また、お盆の期間中、お骨壺の周りにお供え物をしてお迎えをされた飼い主さんが、記念にと写真を撮ってみたところ、写真にペットの顔らしきものが写っていたと、写真を見せてくださった人もいたのですが、いずれにせよ、ペットを亡くされた飼い主さんは、どんな些細なことであっても、ペットを感じれることで、幸せな気分になれるようです。

 

でも、そんなに大切で繋がりが深いペットであるなら、交流が出来るのは、なにもお盆の期間に限ったことではありません。

 

心の交流は、いつでも出来るのです。

 

見かたを変えれば、ペット達の心はいつでも飼い主さんの傍に在るもので、いつでもちゃんと飼い主さんを見守ってくれているのです。

 

 

私はそう思っています。

 

 

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もっとも多い死因と、その病気の猫からのシグナル

あまり知られてはいませんが、猫の病死で一番多い死因は癌ではなく、慢性腎不全であります。

 

慢性腎不全とは腎臓の組織が少しずつ破壊され、機能の低下を引き起こし、最終的には完全に不全に陥ってしまう病気であります。
病状が悪化していくと尿毒症を引き起こすのですが、尿毒症になってしまうと、腎臓だけではなく、尿道や膀胱、そして、全身のあらゆる臓器にさまざまな影響を与えてしまい、最終的には死に至ってしまう恐ろしい病気であります。

 

猫の慢性腎不全は、徐々に進行することが多いため、飼い主さんが猫の異変に気付いたときには、すでに病気がかなり進行していることが多く、病院で診察をうけたときには、手の施しようがないくらい、病状がかなり悪化していていることも少なくはありません。

 

また、逆に、症状が突然悪化して、急性腎不全に陥る場合もあります。

 

いずれにせよ、飼い主さんが愛猫の異変に気付くのは、痩せてきたときや、嘔吐を繰り返すなど、明らかに目で見ても異変を察知できようになってからのことが多いのですが、病気の初期段階に気付くことは、こまめに検診をうけているような場合を除いては少ないのが現状です。

 

 

これは、私の知人の獣医さんが仰っていたのですが、慢性腎不全になると、腎臓を元に戻すことは出来ないので、治療によって出来るのは、病状の悪化を防ぐことだけであり、完治することはないのだそうです。

 

よって、なるべく早期に発見して、食事療法などをする必要があるのですが、そうすることによって長生きすることも充分にあるそうです。

 

 

では、日常の生活で、早期に気付いてあげるには、どういうことを注意してあげればいいのか?

 

お医者さんの話によると、慢性腎不全の疑いのある猫には、ある兆候が表れるそうなのですが、それは水とオシッコの量だそうで、極端に飲む水の量が増え、その分、オシッコの量も増えるそうです。

 

これは、飼い主さんであれば、気付くことだと思うのですが、その時に、猫によっては飼い主さんにあるシグナルを送っていることがあるのです。

 

それは、腎不全で愛猫ちゃんを亡くされた飼い主さんから、葬儀の席でよく耳にすることなのですが、どのようなことかと言うと、猫が腎臓の調子が悪くなり、水を飲む量と回数が増えたとき、明らかに、飼い主さんの顔を見つめながら水を飲むようになるそうなのです。

 

水を飲むとき、飼い主さんが前方にいないときは、水を飲む合間に飼い主さんが居る方を振り返って、飼い主さんの顔を見つめ、また水を飲み、そして、また振り返って飼い主さんを見るようなことを繰り返すそうなのです。

 

飼い主さんは葬儀の席で「今、思えば、あの時、異変を目で訴えていたんだと思います・・・それなのに気付いてあげれなくて・・・」と涙を流してお話されるものなのですが、本当に言葉の話せない猫達は、目で飼い主さんに自分の体調の異変を伝えようとしているのかもしれません。

 

どんな病気であっても早期発見に越したことはありません。

そして、ペット達の体調の異変に気付いてあげられるのは飼い主さんしかいないのです。

 

もし、ペットがいつもと違う行動や仕草をしたとき、早い段階で病院で検診をうけさせてあげるのは、とても大切なことであり、一日、いえ、数時間早ければ助かったのに・・・という話も決して少なくはないのです。

 

ペットの体調管理は飼い主さんにとって、一番大きな役割なのかも知れませんね。

 

 

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野村圭一



 

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うさぎのミルキーさん後編

その後、お客さんが引いた時間を見計らって、萬本さんから、あらためてオーナーさんを紹介してもらいました。

 

その席でオーナーさんは「私のところには、いろいろとうさぎの事を聞きに来られる飼い主さんがいるんですけど、飼い方や体調の相談や質問にはアドバイスできるんですけど、亡くなったときのことは、今まで返答に困っていたんです」と前置きをされた後「それで、こに前、萬本さんから『すごくいい葬儀屋さん見つけた』って話を聞いてね、お会いしたくなりまして」と優しい笑顔で言ってくださったのです。

「それはありがとうございます。僕も萬本さんからミルキーさんとオーナーさんの話を伺って『是非、会わせてください』」とお願いしたんです」と頭を下げて言いました。

そして、同席してくださった萬本さんが「私も今まで色んなペット葬儀っていうか火葬してくれるとこ知ってましたけど、野村さんとこみたいに綺麗に骨を残して火葬してくれるとこって無かったんで、是非、お母さん(オーナーさんのこと)に紹介したかったんです」と紹介に至った経緯を説明してくださったのです。

 

オーナーさんは「私も実際にうさぎ飼ってるんで、考えたくもないですけど『死』はいつか来ますし、最後まで責任もってあげんとあきませんしね・・・お客さんからも『信頼できる葬儀屋さん知りませんか?』ってよく聞かれるんです。だから、うさぎを個別でちゃんと(葬儀・火葬)してくれる会社があったらなって思うてたんですよ」と、御口添えをされるように言われました。

 

私は弊社プレシャスコーポレーションのパンフレットを数十部、オーナーさんに渡し「飼い主さんが、いいお見送りができたと言ってくれるセレモニーをさせていただきます」と力強く答え、もう一度、頭を下げたのです。

 

その後、話は萬本さんと初めて会った日の話になり、萬本さんが不信感のあまり最初はほとんど無表情で心を許してくれなかったことをオーナーさんに話すと「そのときの状況が目に浮かぶ」と声を出して笑っておられました。

 

すごく楽しい時間になったので、もっとオーナーさんとも萬本さんともお話したかったのですが、本当にミルキーさんは次から次へと来客があり、お仕事の邪魔してはいけないと思った私は、キリの良いところで、お店を出ました。

 

ミルキーさんは決して立地の良い場所にあるショップではなく、店内も最近のペットショップに比べると広いわけではないのですが、来客数はとても多いお店でありました。

それに、ミルキーさんに来られる飼い主さん達は、皆、飼い主さんとしての意識が高い方ばかりで、それにはオーナーさんの姿勢が反映されていると、私は感じたのです。

 

うさぎが好きな人なら、是非、ミルキーさんに行ってみてください。

フードやグッズはもちろん、うさぎ専門のホテルもされていますので、近辺の方なら知っていて損はしないお店です。

 

アメリカンラビット専門店

うさぎのミルキー

http://www.usagi-milky.com/



 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 

 

「名人技」 うさぎのミルキーさん前編

ペットシッターの萬本さんと、知り合ってすぐの頃でした。

 

萬本さんから「是非、野村さんに会わせたい人がいるんです」と紹介していただいたのは、アメリカンラビット専門店ミルキーさんのオーナーさんでありました。

 

仕事柄、ペットショップに行くことはよくあるのですが、うさぎの専門ショップに行ったのは、このときが初めてだったのですが、オーナーさんは萬本さん同様、うさぎをこよなく愛する方で(優しいお母さん)という言葉がピッタリとくる人でありました。

 

ショップは平日にも関わらず、次から次へと来客があり、うさぎを預けにくる人や引取りに来る人(ミルキーさんはラビットホテルもされているのです)や藁を買いにこられる人。それにうさぎのを連れて爪切りに来られる人もたくさんいました。

 

私は爪切りのためだけに来店される人を不思議に思い、萬本さんに小声で「ねえ、萬本さん。皆さんなんで、わざわざ、うさぎの爪切りをするためだけに来られるんですか?」と訊ねたところ「あのね野村さん。うさぎの爪はデリケートだから慣れた人でないと、上手く切れないんですよ。でね、野村さんお母さん(萬本さんはオーナーさんのことをこう呼びます)はね、うさぎの爪切り名人なの」と同じように小声で、少しだけ誇らしそうな表情で教えてくれたのです。

「へ~・・・うさぎの爪切りってそんなに難しいんですか?」と、私がさらに訊ねると「うん。爪には神経の境目があってね、それがわかった人でないと、傷つけることがあるんですよ。人間でいう深爪と同じです。だから飼い主さんはここにうさぎを連れてきてお母さんに切ってもらいはるんですよ」と説明をしてくださいました。

 

爪切りのために来店された飼い主さんからうさぎちゃんを手渡されたオーナーさんはエプロンを着けペンチのような専門の爪切りを手に椅子に座ると、うさぎちゃんを自分のお腹の上に座らせるようにしながら抱きました。

この時、ちょうど私はオーナーさんの正面に位置する場所に居て、抱かれたうさぎちゃんの姿も真正面から見ることが出来たので、爪切りの様子に注目をしていました。

 

そして、オーナーさんは爪を切る方のうさぎちゃんの後ろ足を優しく掴みながら、慣れた手つきで外側(小指)の指の爪をパチッと切ったのですが、その時、うさぎちゃんは反対側の足でバチン!と音が鳴るほどオーナーさんのエプロンを蹴ったのです。

私は内心(うわぁぁぁ!失敗した!深爪だったんだ)と思ってオーナーさんを見たのですが、オーナーさんは何事もなかったように次の爪を切る準備に入られてたのです。

(あれ・・・見間違いかな・・・)と思いながら、私はさらに動向を見守っていました。

すると、また爪を切った瞬間、うさぎちゃんはバチンとエプロンを蹴り、今度こそ失敗だと私は思ったのですが、やはりオーナーさんは無表情のままであったのです。

私は気になって飼い主さんを見たのですが、飼い主さんは、そんなうさぎちゃんとオーナーさんを見つめながら、笑顔を浮かべていらしたので、今度は隣にいた萬本さんを見ましたが、やはり萬本さんも笑顔で爪切りの様子を見ていたのです。

 

私は、萬本さんの耳元に顔を寄せ「萬本さん・・・いま、うさぎちゃん、オーナーさんの太ももを蹴りませんでした?」と、内緒話をするように小さな声で聞きました。

萬本さんは「はい蹴ってましたね」と笑顔で答えたので、私は「失敗ですか?深爪なったんですか?」と、さらに小さな声で訊ねると「ううん野村さん違うよ。うさぎはね、臆病だから爪を切られるとああなる子が多いの。爪を切った拍子に反射的に跳ねようとしてるんです。でも、抱かれてるから、あんな風に蹴ってるように見えるんですよ」と冷静に教えてくれました。

「じゃあ、あれは痛いから蹴ってるんじゃないの?」と私が聞くと、萬本さんは「そうそう。痛くて蹴ってるんじゃなくて、爪を切ったときの音や振動に驚いて跳ねてるだけなんです」と言った後、驚いてる私の顔を見て、笑っておられました。

 

結局、オーナーさんはあっという間に10本の爪を切り終え、爪を切られたうさぎちゃんは飼い主さんと帰っていき、さらに、オーナーさんは次のうさぎちゃんの爪切りに取り掛かり、今度も、同じような光景が繰り広げられたのです。

 

私は、うさぎちゃんが痛がってるのではなく、驚いて蹴ってるとわかったことで、今度は安心して見ていたのですが、うさぎは、猫や犬に比べても、鼻をヒクヒクさせてる以外、ほとんど無表情なこともあり、爪を切られるたびに、目にも止まらぬ速さで蹴る姿と、その無表情な顔とのギャップが可笑しくて、笑いそうになってしまいました。

 

でも、オーナーさんは真剣に爪切りをされているので、笑うこともできず、必死で顔を伏せて堪えていたのですが、すぐ隣にいた萬本さんは、そんな私に気付き「野村さんどうしたんですか?」と顔を覗き込むようにして聞いてきたのです。

「いえ・・・何もありません・・・ただ、ちょっと可笑しかっただけです・・・」と私が正直に答えたところ、萬本さんは「おかしい?・・・て、何がそんなにおかしいんですか?」と、さらに聞いてこられました。

「だって・・・萬本さん、可笑しくないですか?うさぎちゃん・・・」と答えると、萬本さんは、爪切りをしているオーナーさんとうさぎちゃんに視線を向けた後、もう一度、私を見て「うさぎちゃんの何がおかしいんですか?」と不思議そうに言われたのです。

 

「だって、うさぎちゃん、あんなに無表情でかわいいのに、爪を切られるたびに、すごいキックするじゃないですか。そのギャップがおかしくないですか?」と私が答えると、萬本さんは、ようやく私のツボを理解してくれたようで「ああ・・・それで笑ってたんですか^^もう野村さんは・・・」と、少し窘めるように言った後「野村さんはうさぎを飼ったことないから珍しんですよ。あのね野村さん、うさぎの魅力はいっぱいあるけど、あの無表情が癒されるって、うさぎを好きになる人もいるんですよ」と説明してくださいました。

 

その後も、私はうさぎちゃんがキックをするたびに笑いを堪え、そんな光景を見慣れているはずの萬本さんも、私につられたのか、笑いを堪える私が可笑しかったのかは定かではありませんが、声を出して笑っていました。

 

 

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「涙の真意」 今夜が峠と奇跡の回復~最終回

火葬中のお時間、ご家族は待合室に移られたのですが、待合室でも、ご家族はタクちゃんの別れの悲しみに包まれたように、ほとんど会話をされず、時間を過ごされていました。

私は、そんなご家族の前の椅子に腰をかけて、お骨壺のサイズと、納骨の時期等を伺った後、ご家族に「先ほどの話ですが・・・」と話しかけたのです。

 

「先ほど、息子さんが話してくださった、タクちゃんがご家族の会話を聞いて悲しい顔をしていたと言われてた話なんですが、僕はタクちゃんが自分の死期が近いと感じて泣いてたんじゃないような気がするんです」と、私は言いました。

 

私のその言葉に、お父さんとお母さんは、静かに顔を上げられて、私を見たのですが、息子さんは、困惑されたように「え?なんでですか?」と聞かれたのです。

 

「はい。この仕事をしていると 、自ずと亡くなった犬達の死ぬ間際のお話を、大勢の飼い主さんから聞かせていただく機会があるんですけど、そのような話を聞いていて、僕が一番、感じるのは『犬という動物は、自分が後どれくらい生きれるかを、かなり正確にわかっている』ということなんです」と話を切り出しました。

 

「確かに昔から、そういうことは、よう聞くことですな」と、お父さんは共感されるようにして、うなずかれたのですが、息子さんは無言で私の次の言葉を待っておられるようだったので、私は「ですので、タクちゃんも、ある程度は、自分の死が近いとわかっていたと思うんです。だから、タクちゃんが泣いたのは、家族の会話から自分の死が近いと感じたからではなく、家族全員が協力して、最後まで自分の面倒をみようとしてくれてることが伝わり、それが嬉しくて泣いたんじゃないですかね・・・」と、私は自身が、息子さんからお話を聞かせてもらったときに、率直に感じたことを伝えたのです。

 

私が話し終わったとき、息子さんは「ハッ」とした表情をされた後、その日の記憶を呼び起こすように視線を上げた後、目を閉じられました。

お父さんとお母さんは共に視線を落としながら、無言でうなずいておられたのですが、お母さんが沈黙を破るように「そうやわ・・・私も葬式屋さんが言うたように、あのとき、タクは嬉しかったんやと思うわ・・・」と、独り言のようにポツリと言われ、隣に居たお父さんも、何度もうなずいておられました。

 

そして、ご火葬が無事に終わり、お骨上げのお時間のとき、息子さんは、何かを思い出したように、少し離れた場所でご家族のお骨上げの様子を見守っていた私に歩み寄って来られ「すいません・・・さっきの話なんですが」と声をかけられたのです。

 

「はい。なんですか?」と返事した私に息子さんは「確かに野村さんが言ってはったようにタクが家族の想いが嬉しくて泣いたかもしれないなって思うんですけどね、ただ、あの時ね、なんていうか・・・タクね、めっちゃ悲しい顔してたんですよ・・・だからね、嬉しく泣いてたというより、やっぱり悲しかったんとちゃう(違う)かなって、僕は思うんですけど・・・」とうつむき加減で言われたのです。

 

私は息子さんの意見にうなずきながら聞き終えた後「息子さん。僕はね、その場に居なかったし、その時のタクちゃんの顔を見たわけでもないんで、さっき言ったことも含め、あくまでも僕の感想は想像でしかないかも知れないですが、その状況なら、タクちゃんは嬉しいから悲しい気持ちになったと思いませんか?」と質問するように言いました。

 

「嬉しいから悲しい・・・?・・・どういう意味ですか?」と息子さんは、私の顔を見ながら、意味がわからないと言わんとするように訊ねられました。

「はい。私がタクちゃんなら、きっと同じ心境になったと思うんですけど、ご家族が最期まで自分の世話をしてくれようという想いが伝わったとき、その気持ちに感謝すると同時に、こんな優しい家族との時間が、あと少ししかないんだって思って、とても寂しい気持ちになると思うんです。だから、タクちゃんのその寂しい気持ちが息子さんの目には悲しい表情に映ったんじゃないですか?」と、話してる最中に徐々にうつむき加減になられた息子さんに、私は伝えたのです。

 

暫しの間、沈黙されていた息子さんは「ああ・・・」と溜め息を吐くようにされた後「そうかも・・・知れないです・・・・」と言い、深く目を閉じて、下唇を噛みしめるようにしながら、肩を揺らせて涙を流されました・・・

 

そんな息子さんと私のことを収骨場から見ておられたお父さんが「おいS(息子さんのイニシャル)」と声をかけ「喉仏はお前が代表して拾ってあげや」と優しい声で言われたのです。

お父さんにそう言われた息子さんは、その場で私に「ありがとうございます」と頭を下げた後、手で涙を拭い、収骨場に戻られました。

 

おそらく、息子さんはこのとき、タクちゃんの思い出や最期のとき。いろんな思いが交差されていたと思います。

そして、息子さんはその気持ちを抑えきれることが出来ないように震える手でタクちゃんの喉仏をお骨壺に納められたのです。

 

全てのセレモニーを終え、お帰りになるご家族をお見送りするとき、運転席の息子さんはハンドルを握りながら何度も私に頭を下げてくださいました。

 

ご家族の車を見送りながら、私はタクちゃんは本当にいい家族のもとで、その生涯を過ごせたんだなと感じていました。

 

死期を悟ったとき。

そんな素晴らしい家族に感謝する気持ちが大きければ大きいほど、別れの寂しさも大きいものであると私は思うのです。

 

きっとタクちゃんもそうであったと思います。

そして、旅立つとき。

その寂しさは消え、残るのは感謝の気持ちであるのではないでしょうか。

 

私はタクちゃんの飼い主さん家族の話を聞いて心からそう感じました。

 

 

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「別れのとき」 今夜が峠と奇跡の回復~5

「今夜が峠」

タクちゃんを見て、そう覚悟したTさん家族ではありましたが、タクちゃんは息子さんが与えてくれたスポーツドリンクを飲んで以来、少しずつ元気を取り戻していったのです。

 

そして、タクちゃんがスポーツドリンクを飲み始めて三日目。

タクちゃんは何日か振りに自分の足で立ったそうです。

 

もちろん、立ったといっても、その立ち姿はお尻を下げ気味で弱々しいものではあったのですが、ご家族は、一時の危機的状況からは確実に脱したと感じ、胸を撫で下ろしたのです。

お父さんは、奥さんに「これで、少なくとも後一年くらいは生きるんちゃうかな?」と安堵の表情で言い、奥さんも「そうやね」と笑顔で返事をしました。

 

息子さんも「もう以前のように走り周ることは出来へんかもしれんけど、この調子なら散歩に行けるくらいには回復するで」と嬉しそうに言ったそうです。

 

二週間ほど、このような日々が続き、その間、ご家族の目にもタクちゃんの容態も安定しているように見えました。

 

 

そして、その日の深夜2時過ぎ。

二階の自室で就眠していた息子さんは、お母さんの「S(息子さんの名前のイニシャル)!」と呼ぶ声で目を覚ましたのです。

 

(もう朝か・・・)と半分、寝惚け眼の息子さんは、目を擦りながら「・・・ん?」と返事をしました。

するとお母さんの「タクがおかしい!早く来たって!」との声に息子は一気に眠気が吹き飛び、急いて階段を駆け下りたのです。

 

一階に降りると、タクちゃんは、今まで聞いたことのない(グ~・・・・グ~・・・・)という声を漏らすようにして苦しそうに呼吸をしており、お父さんが懸命にタクちゃんの背中から腹部にかけて、擦っていました。

息子さんは、すぐにタクちゃんの右前足を握りしめ「どうしたんやタク!しんどいんか?」と声をかけたのですが、タクちゃんの呼吸は荒くなる一方たったのです。

 

そして、息子さんが駆け付けた20分後、ご家族が見守る中、タクちゃんは、最後に痙攣をするようにして大きな息を吐いた後、息を引き取ったそうです・・・

 

もう少し一緒に居れる・・・

そんな、ささやかな希望を抱き始めた矢先のことでした。

しかし、無情にも家族の願いが叶うことはなく、タクちゃんは14年の生涯に幕を降ろしたのです・・・

 

 

タクちゃんのご葬儀とご火葬は。その翌晩、プレシャス会館で執り行われることになり、私が担当をさせてもらうことになりました。

お焼香の儀が終わり、最後のお別れの時間に、ご家族から、タクちゃんの容態が悪くなってから、息を引き取るまでの話を、息子さんから聞かせてもらったのです。

 

息子さんは「タクが病院に行った日の夜、お父んが『これから徐々に弱っていくって言うてたから、家族三人協力して、最期までタクの面倒見てやろ』って話してたとき、タクはめっちゃ悲しい顔してて、僕にはほんまにタクが泣いてるように見えたんですよ」と、目に涙を浮かべながら、その日のことを思い出すようにして、ポツリと言われたのです。

 

息子さんは続けるように「犬ってね、ある程度は人間の言葉を理解できるもんやし、あの時タクは『自分はもうすぐ死ぬんや』ってわかって泣いてたんやと思います・・・」と言って肩を落とされました。

 

そんな息子さんの言葉に、お父さんもお母さんも、無言でうなずかれ、セレモニーホールは沈黙に包まれたのです。

 

その後、タクちゃんはお父さんと息子さんに両側から抱えられるようにして、出棺し、火葬炉に納められました。

 

点火のスイッチはご家族を代表して、お父さんが入れられたのですが、お父さんはスイッチを入れる瞬間、斎場に響き渡るほどの声で「タクーーありがとうー」と声をかけられたのです。

 

その光景をお母さんは目を閉じて合掌しながら涙を流されたのですが、息子さんは火葬炉の煙突を悲しげな表情で見つめておられました。

 

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一


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「微かな光明」 今夜が峠と奇跡の回復~4

生きたタクを見れるのは今日が最後かも知れない・・・

横たわるタクちゃんを見て、そう思った息子さんは身を屈め、タクちゃんのお腹のあたりを優しく撫でました。

そして、タクちゃんは、気持ち良さげに目を細めていたそうです。

 

そのとき、息子さんは自分が飲もうとスポーツドリンクのペットボトルを持っていたのですが、それを少し手の平に浸し、タクちゃんの口元に寄せました。

しかし、タクちゃんは何の反応も示さなかったそうです。

 

その光景を後ろで見ていたお母さんが「飲めへんやろ?もう飲む元気もないんかもしれへんわ」と言い、息子さんも無言でうなずきました。

 

そして、息子さんが手を引っ込めようとしたときでした。

何の興味を示さなかったと思われたタクちゃんは、ヒクヒクと鼻を動かした後、ゆっくりと首を持ち上げるようにして、弱々しくも舌を使ってスポーツドリンクを飲んだのです。

 

「飲んだ・・・飲んでるわ」との息子さん声に一番驚いたのはお母さんでした。

 

なぜならば、普段、お父さんと息子さんが仕事に出かける昼間は、タクちゃんの世話をしているのは、お母さんであり、ご家族の中でタクちゃんと過ごす時間が多いのもお母さんでありました。

そのため、タクちゃんの容態を一番、把握していたのもお母さんであり、お母さんは、この日、タクちゃんが食事はおろか、水も飲めなくないほど、状態が悪いことを知っていたからです。

 

タクちゃんは息子さんの手の平のスポーツドリンクを全て飲みほしました。

それを見たお母さんは「信じられへんわ・・・」と口にしたものの、嬉しさのほうが大きく、自然と頬が緩んだそうです。

 

息子さんはタクちゃんの容器の水を捨て、変わりにスポーツドリンクを入れて、タクちゃんに差し出しました。

タクちゃんは、今度は顔だけではなく体の上半身だけを起こすようにしながら勢いよく飲んだそうです。

 

タクちゃんは量にして、ペットボトルの半分程のスポーツドリンクを飲み、再び横になったのですが、目をしっかりと開き、明らかに先ほどまでと比べ、生気が増したように見えました。

ご家族はその夜、タクちゃんの容器にスポーツドリンクを入れて就寝することにしたそうなのですが、明方近くにも、タクちゃんが体を起こし、スポーツドリンクを飲む音がしていたそうです。

 

そして、翌朝、お母さんが見たときには容器が空になっており、タクちゃんは横向きではなく、伏せの状態で眠っていたのです。

 

お母さんは、すぐにお父さんよ呼び、それを見たお父さんも「山を越えたかもな・・・ちょっと元気になってるな」と安堵の表情を浮かべたそうです。

 

ご夫婦で、そんなタクちゃんの様子を見ていると、二階から息子さんが起きてきて、開口一番「タクは?」と聞き、「ちょっとだけ元気になったみたいや」とお父さんが言うと、息子さんは空の容器を見て「全部飲んだん?」とお母さんに訊ねました。

「そうや。夜も自分で起きて飲んでたで」とお母さんが言うと、息子さんは笑顔でタクちゃんの前に座り、優しくタクちゃんの頭を撫でたそうです。

 

そして、その時タクちゃんは目を開き、少しだけ頭を上げて息子さんを見ながら尻尾を揺らしたのです。

そんなタクちゃんを見た息子さんは「これ、いけるん(回復する)と違う?」とご両親を振り向き言い、お父さんも「そやな・・・少なくとも、ここに二、三日では一番、体調良さそうやな」と笑顔で答えました。

 

お父さんと息子さんが仕事に出かけた後も、お母さんは容器にスポーツドリンクを入れてあげ、タクちゃんの好物の鶏肉を柔らかくなるまで煮込んだ物を与えてみました。

タクちゃんは匂いを嗅いだ後、ほんの少しではありましたが、口にしたので、お母さんはフード用の容器に入れてあげたのです。

 

その日の夜、お父さんは仕事帰りにスーパーに寄ってスポーツドリンクをケースごと買って帰ることにしたのですが、帰宅してみると、先に帰宅していた息子さんがまったく同じ物を買っていたようで、台所のテーブルの上にはスポーツドリンクで埋まっていたのです。

 

そして、お母さんと息子さんは、スポーツドリンクのケースを脇に抱えて立ち竦むお父さんを見て笑ったそうです。

 

この日もタクちゃんはスポーツドリンクを元気よく飲み、その姿を見たご家族は、本当に、もう一度、以前のようにタクちゃんの元気な姿を見れるようになると信じ、そうなることを願ったのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

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「別れの覚悟」 今夜が峠と奇跡の回復~3

Tさん家族はタクちゃんの残された時間はそれほど多くないということを感じ、後悔の無い日々を過ごすことを決められ、息子さんも、仕事が終われば早めに帰宅し、タクちゃんと散歩に行くことを心掛けるようになりました。

しかし、タクちゃんの体調は、そんな家族の想いとは裏腹に、日に日に弱っていったそうです。

 

そして、お父さんがタクちゃんを病院に診察に連れて行った日から一か月ほどした頃、タクちゃは散歩に行くこともできないほど弱ってしまい、一日にの大半を寝たきりで過ごすようになってしまったのです。

食べ物もほとんど口にしなくなり、かろうじて、水を少量飲むのが精一杯という状態になったとき、ご家族は、その日がいつ来てもおかしくないと、覚悟を決めたそうです。

 

この頃、ご家族は、タクちゃんを玄関から、お父さんとお母さんの寝室に使っている和室に移してあげ、いつ異変があってもすぐに対応できるようにされたのですが、それこそ、毎日が、タクちゃんが息をしているかを確認するような日々でありました。

 

そして、タクちゃんは水も飲まなくなり、お父さんは(おそらく今夜が峠かもしれない)と思い、奥さんと息子さんに万一の時、どうするかを相談されたそうです。

 

お父さんもお母さんは、当社のようなペットの葬儀会社があることをご存知なかったようで、万一、タクちゃんが亡くなったときには市役所にお願いするつもりであったそうなのですが、息子さんは会社の社長さんがペットが亡くなったときにペットの葬儀会社ご依頼されたと聞いたことがあり、ご両親に「どうせやったら、ちゃんと葬式やって火葬して骨も拾ってあげよう」と提案されたのです。

息子さんに、そう言われたお父さんは「そんな会社(ペットの葬儀屋)があるんか?」と訊ね、お母さんは、「でも、何十万もかかるんと違うの?」と少し不安そうな表情で言われたそうです。

「金は俺が出すから心配せんでええよ。てか、少々、金かかってもええから、ちゃんとしてやろう」と息子さんは答えた後、携帯を取り出し「ちょっと社長に聞くは」と社長さんに電話をされたのです。

 

そして、息子さんは社長さんからペット葬儀会社の名前と連絡先を聞かれたそうなのですが、その会社が当社だったのです。

 

息子さんが電話を切った後、お母さんは「どうやった?」と心配そうに訊ねたのですが、息子さんは「守口市にある会社らしいねんけど、値段はわからん」と返事をしました。

「なんで値段わからんの?社長さんとこ頼みはったんと違うの?」とお母さんは、さらに訊ね、息子さんは「社長とこ、二回(葬儀を)頼んではるんやけど、ただ、社長のとこの犬は全部チワワやからタクやったらもうちょっと高いんちゃうかって言うてはった」と答えたそうです。

そんな、お母さんと息子さんのやり取りを聞いていたお父さんが「いっぺんその会社に電話してタクくらいの犬やったらいくらするか聞いてみてくれへんか?」と息子さんに言い、息子さんは「わかった」と返事をした後、当社に電話をくださったのです。

 

「以前、そちらにお世話になった○○さん(社長さんの名前)の紹介で電話したTという者です」と電話をくださり、電話を受けたのは私でありました。

 

息子さんは「家の犬が、もう長くないというか・・・いつ亡くなってもおかしくない状態なんですけど、万一のとき、そちらにお願いしたら費用はどれくらいかかるものなんですか?」と質問をされたので、私はタクちゃんの体長と体重を聞き、金額を伝えました。

 

葬儀の流れや料金のことをを含め、今後のこと(ペットちゃんを看取るときの心がけ等)を一通り確認された息子さんは「わかりました。では、何かあれば、また連絡しますんで、そのときは宜しくお願いします」と言って電話を切られたのです。

 

電話を切った息子さんはご両親に「だいたい、タクくらいの犬で一式(お葬儀・ご火葬・納骨・永代供養)21000円でやってくれるって」と費用の額を伝えたところ、お父さんは「そんなもんか?少なくても10万くらいかかるもんやて思ってたわ」と本心を述べたそうです。

 

※事実、お父さんのように、ペット葬儀の料金は高いと思っておられる人は多く、それは大手霊園しかなかった時代のイメージがそのまま定着してることが原因であると私は思っており、実際に今でも、タクちゃんくらいの10キロ未満の中型犬を個別で葬儀とご火葬をした場合、10万円以上かかる会社も少なくはありません。

 

料金を聞いたお母さんも「2万くらいやったらお母さんでも何とかなるわ・・・」と安堵した様子で言われたそうなのですが、息子さんは「だから金は心配せんでも俺が出すって言うてるやん。それより電話した葬儀会社の人も『葬儀のご依頼はワンちゃんが亡くなってからでも遅くはないので、ワンちゃんが頑張っているときはなるべく一緒に過ごしてあげてください』って言うてはったし、そうしてあげよう」と両親に言ったそうです。

 

そして、息子さんは立ち上がり、寝室のタクちゃんの様子を見にいきました。

 

タクちゃんは息子さんが近づくと、薄っすらと目を開け、微かに尻尾を動かしたのです。

 

そんなタクちゃんを見て、息子さんはお父さんと同じように(もしかして、生きたタクを見れるのは今日が最後かも知れない・・・)と思い涙が出たそうです・・・

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

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