2014-06

「支え」 悲しみの準備・・・2

帰って行かれる女性の後ろ姿を見送りながら、私は切ない気持ちになりました。

最愛のペットの死が、そう遠くないと感じたとき、無意識の内にその現実から目を逸らそうとしてしまうことがあります。

誰でもペットの死など、考えたくもないし、出来ることなら、その日は永遠に来てほしくはないと強く願うものです。

 

しかし、そんな葛藤の中であっても、飼い主として、来るべき、その日に備え、悲しみの準備をされる人もいらっしゃるのです。

それは、ペットを大切に想うがゆえの、愛情であり、責任感であると、私は理解しているのですが、この日、会館に来られた女性もそんな飼い主さんの一人であったと思います。

 

女性から電話があったのは、それ日から、二か月ほど経った、水曜日の朝でした。

「あの・・・二か月ほど前に」と、そこまで言われただけで、あの日に会館に見学に来られた女性だとわかり「確かGさんの紹介で会館に来られた方ですか?」と言いました。

「はいそうです。あの時にお人ですか?」と女性が言われたので「はい。その節はお名前も言わないですいませんでした。私、野村と申します」と、私はその時、初めて自己紹介をしたのです。

「こちらこそすいません。私も名前も言うてなかったね・・・」と言われた後「あの、私、Sと言います。それでね、あの・・・頑張ったんやけど・・・はい・・・昨日ね、亡くなってしまってね・・・」と言葉を選ぶようにしながら、愛猫ちゃんの死を告げられました・・・

 

Sさんは、鼻を何度も啜るようにしながら、懸命に次の言葉を口にしようとされていたのですが、悲しみが込み上げてきたのか、受話器から聞こえてくるのはSさんの啜り泣く声だけでありました。

その時、受話器の向こうでSさんの自宅のインターホンらしき音が鳴り、Sさんは「ちょっとごめんなさい。誰か来たみたいなんで、一度切りますね。また後ほど電話します」と言って、電話をお切りになられたのです。

 

Sさんから、再び電話があったのは30分後でありました。

Sさんは、先ほどとは違い、少し平静さを取り戻された声で「さっきはすませんでした。今ね、わざわざGさんが来てくれはってね、それでね、そっち(プレシャス会館)にも付いて行ってくれるって言うてくれはってね、それで、葬式の時間はいつならご都合いいですか?」と訊ねられたのです。

 

私は、その日の予約状況を確認した後、Sさんに会館の空き時間を伝えました。

電話の向こうではSさんがGさんに相談してる様子が伝わってきたのですが、この日の会館の空き時間と、お二人のご都合が合う時間帯が無かったようで、Sさんは「明日の今くらいの時間はダメですか?」と聞かれました。

私はすぐに翌日の予定表を確認し「大丈夫です」と返事をし、Sさんの愛猫ちゃんのセレモニーは、翌日の午前に執り行われることになったのです。

 

Sさんの愛猫ちゃんのセレモニーの予約を承った私は電話を切った後、会館前を掃除しようと、ほうきを持って外に出ました。

ちょうどその時でした。Sさんと同年代くらいの女性が自転車で通りかかり、私に頭を下げて会釈されたのです。

 

知らない人でしたが、私は納骨堂に参拝に来られた人だと思い「おはようございます」と挨拶をしました。

すると女性は「おはようございます」と挨拶を返された後「すいません。私、Gと申します」と自己紹介をされたのです。

 

「ああGさん。あの、Sさんをご紹介してくださった方ですよね?」と私が訊ねるとGさんは「そうですそうです」と、うなずきながら「明日、私も一緒に来ますので、よろしくお願いします」と頭を下げて言われたのです。

「はい。明日は私が担当させてもらいます。こちらこそよろしくお願いします」と、私もほうきとチリトリを壁に置いて、頭を下げました。

 

Gさんは「Sさん、なんか、前に一度、ここに下見に来られたんですね?」と聞かれたので、私は「はい。二か月ほど前に一度、来られまして、その時も私が応対させてもらいました」と返事をしました。

Gさんは笑みを浮かべながら「そうですか・・・なんかね、Sさんが『えらい親切にしてくれた』ってね、喜んではったんでね、私もね、安心したんです」と言ってくださったので、私は「いえいえ。Sさんがそう感じてくださったのなら何よりです。それよりGさん。さっきね、ちょうどGさんがSさん宅を訪ねられたとき、Sさんがこちらに電話をかけてくださってるときだったんですよ」と私は言いました。

「そうらしいね。Sさんから聞きました」とGさんが言われたので「あの時なんですけど、Sさん、泣いておられて、話すことも出来ないような状態だったんですよ」と私はGさんに事実をお伝えしたのです。

「そうやったんですか・・・」とGさんは表情を曇らせたので「はい。それでね、Gさんが見えられたんで、一度、電話をお切りになられたんですが、その後、もう一度、Gさんがおられるときに電話されたときは、すごくお気持ちを持ち直されてたんでね、Gさんが来てくれたことは、Sさんにとって、すごく心強かったんだと思います」と、私は言いました。

私にそう言われ、Gさんは不意に涙を流され、その涙を指で拭うようにしながら「そうですか・・・私もね、この前、猫亡くしてね・・・悲しい気持ちはわかるし・・・言うても私は主人もおるし、子供も近くに居てるからええけど、Sさんはね、二年前にご主人亡くしはって、娘さんも金沢に嫁ぎはったから、独りやからね。きっと心細いやろうなと思って、猫ちゃん死んだって聞いて、すぐに駆け付けたんですよ」と言われたのです。

Sさんに会ったときに、詳しい事情は知らなかったものの、おそらくお一人住まいの人なんだろうなと感じていた私ではあったのですが、Gさんから、事情を聞いて、あらためて、Sさんの心の内を察すと共に、Gさんの行動はSさんにとって、本当に心強いものであったと強く感じたのです。

 

「では、明日、Sさんと一緒に来ますね」と言いながらGさんは、もう一度、頭を下げられたので、私も頭を下げました。

 

ペット葬儀の仕事をしていると、Gさんのように、親族でもないのに友人のペットのセレモニーに参列される方がいます。

もちろん、生前のペットちゃんを親しかったので、そのようされるときもあるのですが、ほとんどの場合、ペットを亡くした飼い主さんを気遣ってのご参列になることが多く、Gさんも、そうであったと思います。

 

遠くの身内より近くの他人とはよく言ったもので、大切な存在を喪ったとき、Gさんのような友人の存在は、本当にありがたく感じるものであります。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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悲しみの準備・・・

その女性が会館に初めて来られたのは今から二か月ほど前の桜が散り始めた時期でありました。

会館の玄関前にあるグレートデン親子の置物の首からさげてある弊社プレシャスコーポレーションのペット葬儀の案内リーフレットを手にしたまま、会館を見上げるように中の様子を覗っておられたのです。

 

それに気付いた私は、玄関先に出て、女性に頭を下げながら「こんにちは」と挨拶をした後「何かご用でしょうか?」と控え目な声でお声をかけました。

女性は還暦を少し超えたくらいの小柄な人だったのですが、私に声をかけられ、少し戸惑ったように「ああ・・・すいません」と小さな声で言われた後、リーフレットを顔の前にかざすようにしながら「これ貰って行ってもいいですか?」と言われたのです。

「はい。どうぞ。かまいませんよ」と私が笑顔で返事すると、その女性は「去年の暮にここで猫の火葬したGさんから聞いてきたんです」と言われました。

私は、女性が口にされた「Gさん」の名前を聞いても、すぐにはピンとは来ず「そうですか。Gさん・・・Gさん・・・」と記憶を遡らせたのですが、思い出せず「すいません。そのGさんのペットちゃんの種類は?」と、女性に訊ねたのです。

 

女性は笑みを浮かべるようにして「Tちゃん言うて尻尾の短い大きな猫ちゃんやってんけど、たくさん(葬儀を)やられてはるから、わかりませんわな」と言われました。

ペットちゃんの名前と特徴を聞いたのにも関わらず、やはり思い出せなかった私は弁解するように「すいません。もしかしたら他のスタッフが担当したかも知れません」と頭を下げました。※後から調べたところ、Gさんの猫ちゃんのセレモニーは別のスタッフが担当していました。

 

「いえいえ構いません構いません」と女性は言われた後「Gさんが猫ちゃんの火葬をここでやったって教えてくれはったんで、それで、近いし見にきたんですわ」と寂しげな笑顔を浮かべて言われたのです。

「そうですか。わざわざありがとうございます」と、もう一度、頭を下げた後「あの・・・こちらに来られたということは、もしかしてペットちゃんが・・・?」と、私は聞きずらいこと訊ねたところ、その女性は一気に表情を曇らせて「いえ・・・まだ死んではいないんです・・・・でも、まあ・・・・言うてもね・・・・そんなに長くは・・・」と、そこまで言って涙ぐまれました・・・

 

「すいません・・・無神経なこと聞いて」と、私は謝ったのですが、女性は首を横に振り「いえいえ。ここ葬儀屋さんやねんからそう思いはるの仕方ないですわ」と、気遣うように笑顔で仰いました。

 

そして「うちも猫なんですけど、腎臓悪くなってもうてね・・・先生(医師)も『もう長くないですね』って言うてはるし、そろそろ覚悟せんとあかん思うて、もしものことあったらちゃんとしてあげよう思って・・・そんでGさんにどうしはったんか聞いてら『ここでやったけた』って言いはったんで、ここに来たんですわ」と伏し目がちに。ポツリポツリと言わたのです。

 

話を無言でうなづきながら聞いていた私に「でも、先生から長くない言われてから一か月以上経ったしね、ご飯もよう~け食べますねん。だから、まだまだ死ねへんちゃうかなって思ってるんです」と女性は少しおどけたような笑顔になられて言いました。



「そうですか。でも、本当に医者から『今日明日がヤマです』って宣告されたのにも関わらず、一年以上生きた猫ちゃんもたくさんいますし、普通に長生きするかも知れませんよ」と私が言うと、女性は「そうですね・・・そうやったらええんやけど」と目を細められたのです。

 

その後、私は女性から猫ちゃんの闘病生活の様子を聞かせてもらっていたのですが、せっかくなので、会館内施設を案内させてもらおうと思い「もし、よろしければ、中の施設も見学されますか?」と提案しました。

ところが、女性は「いえいえ。場所(所在地)だけ確認したかっただけなんでよろしいです」と、頭を下げて、お断りされた後「では、これで」と、帰ろうとされたのですが、すぐに、立ち止まり「やっぱり、どんなところか見せてもらおうかな・・・かまいません?」と首を傾げながら言われたのです。

 

そう言われた、私は「はい」と返事をした後「どうぞ」とエスコートするようにして会館を案内しました。

 

最初に私はをセレモニーホールにお通ししたのですが、女性はセレモニーホールの祭壇を目にした瞬間、出来ることなら来てほしくない、その日のことが頭に過ったのか、口元を押えるようにして、涙を流されたのです。

「すいません!大丈夫ですか?」と、私が動揺しながら歩み寄ると、女性は顔を隠すようにして「やっぱり今日は帰ります。すいませんほんまに」と言った後、玄関に向かって歩き出されました。

 

出過ぎたことをしてしまったのかなと、私は反省するように、女性の後を付いて玄関先まで送ったのですが、女性は逆に恐縮されたように何度も頭を下げながら「ごめんなさいね・・・・」と言われた後「もし、何かあったらそのときはお願いします」と言って帰って行かれたのです。

 

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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ペットは鎹(かすがい)

昔から「子は鎹(かすがい)」という言葉をよく耳にします。

私はこのことわざの意味を「子供はほのぼのとさせる」や「子供は温かい」的な意味合いだと思っていた時期があり、字も「子は春日い」と書くと思っていました。

 

本当の意味を知ったのは、確か、社会人になってからだと思うのですが、その意味を知ったときに「なるほど」と納得した記憶があります。

ほとんどの方はご存知だと思うのですが、ご存知ない方、または私と同等の勘違いをされていた人のために、一応、説明させてもらいます^^

 

まず鎹(かすがい)とは何か?

すごく難しい漢字ですね。

あまりというか、今まで書いた記憶がありません。

今の時代、変換が出来るからいいものの、この字を何も見ずに書けと言われたら私には書けないと思います。

 

で、この鎹なのですが、簡単に言えば釘(くぎ)の一種で、主に二つの木材を繋ぎとめる、コの字型に曲がった釘だそうです。

つまり、二つの木材をひっつけて固定さす金属であり、夫婦を木材と置き換えたとき、それを固く繋ぐ鎹が子供だという意味合いから生まれた言葉が「子は鎹」ということだそうです。

 

確かに一理ありますね。

 

でも、今の時代、ペットにもそれが当てはまると感じることがよくあります。

特に私のように、毎日、先立ったペットをお見送りされる人と接していれば、なおさら「ペットは鎹」なんだなと強く感じることが、本当によくあります。

 

事実、ペットを飼ってから喧嘩が減ったと口にされるご夫婦の飼い主さんは少なくありません。

また、会話が少なかったのに、ペットを飼ってから会話が増えたり、お出かけするのが増えたと言われるご夫婦もいらっしゃいます。



そんなご夫婦の話を伺うと、特に犬ちゃんの場合、夫婦喧嘩が始まると、飛んできて、二人の間に割り込むようにしながら、頭に血がのぼっている方に向かって「やめて!!!」と言わんばかりに吠えるそうです。

なんとも健気で可愛らしい姿ですね。



 

では、猫の場合はどうなのでしょう?

聞いた話しを統合しますと、猫は犬のように激しく止めたりしないそうです。

ただ、夫婦で喧嘩をしていると、ゆっくり歩いてやってきて「ねえ?二人共なに怒ってるの?」と言いたげにジ~と顔を見つめるそうです。

そして、意味ありげに「もう~そんなに怒らないの」と体を擦りつけて宥めるようにしてくれるそうです。

いかにもクールな猫らしい仲裁です。



いずれにせよ、ペット達もパパとママの喧嘩は見たくないんでしょうね。

 

最後に番外編ではありませんが、これは、うさぎちゃんを飼われているご夫婦から聞いた話なのですが、そのうさぎちゃんはご夫婦が喧嘩を始めると、ゲージの中で所狭しに暴れ出すそうです。

その姿はまるで「オラオラやめろ!やめないならボクが相手になってやるぞ!」と言わんばかりの迫力だそうで、それを見たご夫婦は、その迫力に押され、冷静ななられるそうです。

普段は大人しいうさぎちゃんだから効果のある仲裁かもしれませんね。



 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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一人きりのお見送り

定期的に当ブログをお読みになられたいる人ならご存知だと思うのですが、弊社プレシャスコーポレーションにご依頼される飼い主さんの中にはお一人で旅立ったペットのお見送りをされる方も多くいらっしゃいます。

そのような、お一人様によるセレモニーはブログでも取り上げさせてもらうことも多いのですが、それは、ご火葬の待ち時間の時などに、飼い主さんと二人でお話する時間が自ずと増え、その結果、生前のペットちゃんのお話などを中心に、いろいろと聞かせてもらうことになり、担当する側の私にとっても、印象深いセレモニーになることが多くなるのも、その理由の一つなような気もします。

 

お一人でペットをお見送りされる人は、やはり一人暮らしの飼い主さんが多いのですが、家族と一緒に住んでいたとしても、小鳥や小動物などの比較的小さなペットの場合、自分のお部屋で飼われているようなケースも多く、そのようなペットが亡くなった際、お見送りは家族とは関係なく、自分一人でされる人もいます。

 

そんなお一人様でペットのお見送りをされる人からのセレモニーのご依頼があるとき、最近、あることを気にされる人が多くいらっしゃるのですが、どのようなことかと言うと、それは会館葬でのことであります。

 

弊社プレシャスコーポレーションのセレモニーは大きく分けて、二通りあるのですが、一つはお葬儀・ご火葬を飼い主さんの自宅、または自宅近くの思い出の場所で執り行う自宅訪問葬であり、もう一つは、飼い主さんが当会館にお越しいただいて執り行う会館葬であります。

マンション等、自宅に駐車スペースがない飼い主さんは、会館葬を希望されることが多く、また 費用的に出張費がかからない分、会館葬の方がお安く設定させてもらっていることもあり、自宅に駐車場がある飼い主さんも会館にお越しになられることも、ここ最近は増えております。

 

当然、お一人暮らしの飼い主さんは、マンション等にお住まいの方が多いので、会館葬を希望されることが多くなると思うのですが、以外にも、自宅訪問葬を希望される人が多いのです。

 

もちろん、自宅訪問葬を希望される理由として、ペットが慣れ親しんだ、自宅でセレモニーをしてあげたいと考える、飼い主さんの気持ちから、そう選択されることもあります。

しかし、そんな飼い主さんの中には、当社に気を使われて、あえて自宅葬を選択される人もいらっしゃるのです。

 

どのようなことかと申しますと、弊社プレシャスコーポレーションでは、会館葬であっても、合同葬儀は行わず、全て、個別、つまりご依頼者さんの貸切状態で、セレモニーを執り行うことになるのですが、お一人でお見送りをされる場合、そのことがネックとなり「一人で貸切は申し訳ない」と考えられる人がいらっしゃるのです。

いかにも相手を気遣う日本人らしい申し出なのですが、私は電話で、そのことをお気にされていると感じたときは「当会館では、お一人様でお見送りをされる人も大勢いますよ」と、事実をお伝えして、希望されているのであれば、会館でお見送りをしてもらうようにしてもらっています。

 

先にも述べましたが、飼い主さんがお一人でペットをお見送りされた場合、待ち時間の間に色んなお話を聞かせてもらうことができます。

セレモニーの時間に限らず、自分と共に暮らしたペットが、どんな性格で、どのような生涯をおくったのかを、自分以外の誰かに知ってもらうのは、供養の観点から見ても、とても大切なことであると私は考えているので、私は飼い主さんとの、この時間はセレモニーの中で、とても貴重な時間であると思っています。

 

ですので、それ以外の理由。

例えば、一人で葬儀場でペットを見送るは「さみしい」や「抵抗がある」と考えておられる人も、その観点を踏まえて、考えてもらえたなら、きっと、それが、意味のあるお見送りであると理解してもらえるはずだと思います。

 

それに、当プレシャス会館は、皆さんが気を使うほど、金々きらびやかで豪華な仏像や設備が整った会館ではありません^^

当会館にあるのは、飼い主さんが悔いの無いお見送りをしてもらうことを第一に考えた最低限の設備と、それをサポートするスタッフだけであります。

 

 

そんな会館でありますが、もし、見学されたい方がいらっしゃれば、私が直接、ご案内させてもらいますので前もってお電話くださいませ。

お待ちしています。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

 

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悲しくとも温かな光景

ペットのお葬儀とご火葬をあげるため、車で葬儀場に向かうとき、ペットちゃんを、どのような状態で連れていってあげるかは、飼い主さんによっても違います。

 

もちろん、大型のペットちゃんの場合は、ある程度のスペースが必要なため、1BOXタイプ等に代表される、広い車の後方部に、毛布などに包んで載せて来られるのがほとんどなのですが、猫ちゃんや小型犬の場合は、少し、状況が変わってくるものであります。

 

まず、病院等でペットちゃんが亡くなった場合、病院側が紙製の棺を用意してくださることがあり、その棺に納められた状態のままで、葬儀屋に来られる飼い主さんもいますが、そのようにされる飼い主さんは、実はそれほど多くありません。

 

小型のペットちゃんを連れて葬儀屋に向かうとき、やはり、多いのはペットちゃんが日頃愛用していたベッドや布団に寝かした状態で、連れて来られる飼い主さんであります。

 

では、そのように愛用のベッドやクッションに寝かしたペットちゃんをどの席に置くのか?

 

助手席や後部座席かは、ペットちゃんによっても変わりますが、ほとんどの飼い主さんは、ペットちゃんが生前、車に乗る時にお気に入りだった座。いわばペットちゃんの特等席と呼べる席に寝かせて連れて来られるものであります。



 

しかし、生前、ペットちゃんのお気に入りの席は座席や荷台とは限りません。

車で移動するとき、ペットちゃんが一番のお気に入りの場所は飼い主さんの膝の上であることがあります。

 

特に犬ちゃんは車の中では飼い主さんの膝の上でないと落ち着かないような子もいます。

そのような場合、もちろん飼い主さんは、自分の膝の上に乗せて、葬儀場に来られるのです・・・

 

会館に飼い主さん家族の車が到着されたとき、我々はお出迎えをして、お車を誘導するのですが、ご家族の誰かがペットちゃんを膝の上に寝かされているようなときは、ドアを開け「私が抱かせていただきましょうか?」とお声をかけるようにしています。

 

このとき、ほとんどの飼い主さんは静かに膝の上で眠っているペットの顔を見つめておられるのですが、涙を流している人もいれば、微笑を浮かべたような表情でペットちゃんの顔や頭を優しく撫でておられるときもあります。

 

それは、悲しくとも、とても温かな光景であり、私は、ドアを開け、そんな飼い主さんを目にしたとき、思わず胸が詰まってしまい、何も言葉がかけられなくなってしまったこともありました。

そんな飼い主さんの中には、私がドアを開けたことにも気付かず、ただ、ペットちゃんの顔を見つめておられているときもあるのですが、本当にそこだけが時間が止まったように感じることもあります。

 

そんなとき、他のご家族が声をかけらてお気付きになられるのですが、それでも、なかなか動くことの出来ないときもあり、私が思うに、そんな飼い主さんは、おそらく、ペットを膝に乗せるのは、これが最後だとわかっておられ、その感触を膝と胸に刻んでおられるのだと思うのです。

 

そんな時間は誰にも邪魔されたくはありません・・・

 

ですので、そんなとき私は、静かに後退りをして、一度、車のドアから離れるようにしています。

 

セレモニーと名の付くものには形式といえる流れのようなものが存在しますが、定められた形式は、あくまでも形式に過ぎず、正直、私は別れのセレモニーにおいて、その形式は、さほど大きな意味を持たないと思えることもあります。

 

そんな形式通りのセレモニーよりも、膝で刻む別れの時間のほうが、飼い主さんにとっては、はるかに大切なことであり、その気持ちを尊重するのも葬儀屋の仕事であると私は思っています。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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死別と生き別れ。捜索に同行した、もう一つの理由

前回も含め、11回にわたって、探偵Nさんとの捜索同行記録を書かせていただきました。

ペット葬儀屋としての私のブログを愛読してくださっている人の中には「ペット葬儀屋がなにしてるんだろ」と不思議に感じた人もいるかもしれません。

 

事実、ブログを読んでくれている私の個人的な友人からは「もしかして葬儀屋やめて探偵始めるの?」と心配して電話をくれた人もいたほどです。

もし、同じように心配してくださっていた人がいるならば、この場を借りて断言させてもらいます。

私はペット葬儀屋をやめません^^

天職だと思っていますし、何よりこの仕事が大好きだからです。

 

そんな私がNさんの捜索活動に同行させてもらった理由は二つありました。

一つはブログの中でも書いたように、発見率90%以上を誇るNさんの捜索活動を自分の目で見てみたかったことであります。

私は幼年期の頃から思いったら即行動タイプであり、どんなことでも自分の目で確かめないと気が済まないタイプでもありました。

見知らぬ町で、面識もない迷子のペットを探し出すというのは、私にとって、砂浜でコンタクトレンズを探くらい困難なことであると思っていたので、捜索に同行させてもらったのは、その分野で驚異的な結果を残していた探偵Nさんの仕事を、この目で見てみたいという、言わば、私自身の好奇心からであります。

 

そして、もう一つの理由。

そのことは、ブログではいっさい触れなかったのですが、二年前から行方不明になっている、はるかちゃんという猫と、その飼い主さん(正式には元飼い主さん。詳細は後で説明させてもらいますので、ここでは飼い主さんと書かせてもらいます)の存在が今回のNさんに同行させてもらった、もう一つの理由でありました。

 

私が、はるかちゃんと、飼い主さんのことを知ったのは、過去に弊社プレシャスコーポレーションで愛猫ちゃんのセレモニーをご依頼してくださった、京都府のKさんという方を通じてでありました。

Kさんとは、愛猫ちゃんのセレモニーのとき、私が担当をさせてもらったことが縁で、メールをヤリトリさせてもらうようになったのですが、それ以降、Kさんは私が書いている、当ブログも、毎回のように読んでくださるようになったのです。

そんな折、私が初めてペット探偵のNさんの話をブログで書いたとき、Kさんから「どうしても探偵さんを紹介したい人がいるんですが連絡先を教えてくださいませんか」と連絡をもらったのです。

実は、探偵Nさんをブログで紹介したとき、Kさん同様「探偵さんを紹介してほしい」という問い合わせが数件あり、私もあらためて、行方不明のペットを探している人は、自分が思っていたより多いのだと感じることになったのですが、Kさんが「探偵さんを紹介したい人」と言われた人こそ、はるかちゃんの飼い主さんだったのです。

 

Kさんを通じ、私自身も、はるかちゃんの飼い主さんと、お電話でお話をさせてもらったのですが、はるかちゃんが行方不明になった経緯と、その後、二年間にわたる捜索活動の内容は私の想像を遥かに超えるほど、悲痛ともいえるものでありました。

 

私は仕事柄、死別の悲しみに直面された人と毎日のように接する機会があり、その悲しみは数え切れないほど目にしてきました。

ところが、生き別れというのは、ある意味、死別の悲しみとは異なる、また別の悲しみが存在するものであり、私ははるかちゃんの飼い主さんの話を聞くうちに、何とも言えなほど胸が痛くなってしまったのであります。

 

その内容は、とてもじゃありませんが、ここに書ききれるほどのものではありません。

ですので、要点を絞り、はるかちゃんが行方不明になった経緯を簡単に説明させてもらいます。

 

まず、はるかちゃんは大阪で飼い主さんの元で過ごしていたのですが、とある方が里親になりたいと申し出があり、飼い主さんは考えた結果、その里親を希望されている方がとても優しそうな人であったこともあり、はるかちゃんを里子に出すことを決められたのです。

ところが、はるかちゃんが里子に出た八か月後、複雑な経緯があり、はるかちゃんは大阪から遠く離れた九州の大分県で行方不明になってしまい、それを里親さんから知らされた飼い主さんは、単身、大分に渡り、独自ではるかちゃんの捜索活動をされるとになり、二年もの月日を費やしておられるのです。

飼い主さんが、はるかちゃんが行方不明になったのを知ったのは、行方不明になって二か月後だったのですが、この期間がその後の捜索活動に大きな影響を与えることになり、未だに、はるかちゃんの消息はわかっていません。

 

飼い主さんがはるかちゃんを里子に出されるまでの事や、はるかちゃんが九州に行った経緯も含め、行方不明になったのその後の捜索活動の詳細が書かれた飼い主さんのHPを紹介させてもらいますので、皆様も、是非、ご覧になってください。

 

 

 

 

行方不明猫~はるか~ホームページ

http://blog.livedoor.jp/pianomarin2013-haruka/

 

私は、はるかちゃんの飼い主さんから、話を伺い、直に探偵のNさんを紹介してもらいたいと、申し出を受けたとき、事の重大さを踏まえ、紹介をする前にNさんの捜索活動の様子を自分の目で確認する必要があると感じたのです。

もちろん、私はNさんを信用していなかったわけではありません。

しかし、紹介するには、少なくとも一度は、この目で捜索活動を見たうえでないと、あまりにも無責任なように感じたのです。

 

それが、私が捜索活動に同行させてもらった、もう一つの理由でもありました。

 

そして、今回のRちゃんの捜索活動に同行させてもらった私は、自信を持ってNさんを紹介が出来ると判断し、はじめて、はるかちゃんの飼い主さんとNさんがお会いできる場を提供させてもらったのです。

その席で、直接、飼い主さんから現在までの経緯を聞かされたNさんは、時折、目を深く閉じて、静かに飼い主さんのお話に耳を傾けておられたのですが、Nさんの経験をもってしても、かなり複雑な事情が絡む話でもあり、何度も唸るように息をはいておられました。

事実、はるかちゃんの捜索については、飼い主さんがすでに出来ることは全てやられていることもあり、Nさんが今後、どのような形で捜索活動に加わるのかは未定でありますが、そのことも含め、はるかちゃんのことは、進展があれば、私のブログでも発信させてもらう予定であります。

 

はるかちゃんが行方不明になったのは二年前のお盆の時期です。

おそらく、他府県から大勢の人が九州に帰省されている時期とも重なるので、もしかしたら親切な誰かに保護されて、九州以外の町で無事に暮らしていることも考えられます。

それに、これは私の考えであるのですが、はるかちゃんは九州で迷子になったとき、飼い主さんや自分の子供達(はるかちゃんの子供)が居る、大阪を目指したように感じるのです。

もちろん、九州と大阪はかなりの距離なので、現実的には可能性は低いのですが、事実、迷子になった猫が数十キロも離れた家に帰ってきたという話もあり、特に猫には帰省本能が備わっていることもあるので、全く無い話ではないと思うのです。※(猫は、地球の磁場に対する感受性が敏感であり、それによって巣に帰ることができると考えられており、特にメスの猫はこの本能が強いとされています)

 

そのようなことや、お盆期間中のことも踏まえ、九州に限らず広い範囲で情報を呼び掛ける必要があると私は思うのです。

 

最後に、はるかちゃんの飼い主さんは、先にも述べたように、もし、はるかちゃんが親切な誰かに保護されて、今現在、幸せに暮らしているのなら、その生活を尊重される心づもりであることも、重ねて、お伝えさせていただきます。

飼い主さんは、何が何でもはるかちゃんを自分の元に取り戻したいと思っておられるのではないのです。

ただ、「どこで何をしているのかを知りたい」その一点のために、捜索を続けておられるのです。

ですので、どんな些細なことでも構いません。

何か、情報を知っておられる方は上記のはるかちゃんのHPの情報提供のメッセージ欄にて、お報せください。

 

心より。心よりお願い申し上げます。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

「最後の仕事」再会を実現してもらうべく~探偵さんと同行した二日間~最終回

Rちゃんが入っていった民家の窓を見つめながら、私はNさんに「そうですね。Nさんの判断が正しいですね。」と、つぶやくように言いました。

Nさんは「見たところ、出入りできるのは、この窓の隙間だけなので、住民さんが起きてこられるまで、ここで見張っていればRちゃんもどこかに行くことはないんで、無事に保護できると思います」と力強くうなずかれたのです。

 

ちょうどその時でした。Rちゃんが出入りしたのとは別の閉じられた窓のカーテン越しに姿を現し、外の様子を伺うように顔を覗かせたのです。

それに気づいた私は「Nさん・・・Rちゃんです」と顔でその方向を示しました。

「本当だ・・・Rちゃんですね」とNさんは言いながら、素早くカメラを取り出し写真を撮っておられました。

 

私同様、実物のRちゃんを初めて見たNさんではありましたが、目にした、その真っ白な体、特徴のある尻尾、そして、なにより手術痕の上に溜まった目ヤニが、この猫が探し求めていたRちゃんであると、強く確信する要素になったのは間違いありません。

Rちゃんは、すぐに顔を引っ込めましたが、Nさんは、三枚、Rちゃんの姿を写真に収めたのです。

 

窓の隙間から入った姿もそうですが、Rちゃんは明らかに、この民家に慣れた印象を私は受けました。

少なくとも、今さっき、初めて入ったようには見えなかったのです。

 

その時、Nさんの携帯が鳴りました。

Nさんは「飼い主さんだ」と言いながら電話をとり、民家から少し離れた場所で、小声で状況の説明をされていました。

電話を切ったNさんは「さすがに飼い主さんも眠っておられたようです。事情を説明したら、用意して、すぐに来ると仰っていました」と言った後「それより野村さん。時間、大丈夫ですか?」と腕時計を指さしながら言われたのです。

 

時刻は午前4時を少し回っており、すでに、リミットを一時間以上過ぎていました。

「そうですね。そろそろ、出ないといけない時間ですね」と私は苦笑いをしながらNさんに言いました。

 

Nさんは「後は住民さんが起きられる時間まで、ここで待ちます。そして、飼い主さんと一緒に、訪ねるようにします」と言った後「Rちゃんを見つけてくれた野村さんの努力は無駄にしません。僕が責任を持って最後まで見届けますので、安心してお仕事に戻ってください」と言ってくださったのです。

 

事の成り行きを最後まで見届けれないのは、とても残念だったのですが、さすがに、仕事に穴をあける訳にはいかず、私は、ここが自身の活動の終了時だと思い「わかりました」と返事をしました。

 

青みがかった空を見上げながら、私は両手を広げ、大きく伸びをした後「Rちゃんと飼い主さんの再会の場面をこの目で見れないのは残念ですが、本当に貴重な経験が出来ました。Nさんありがとう」と右手を差し出しました。

Nさんは私の右手を両手で握り返しながら「こちらこそ。野村さん本当にありがとうございました」と頭を下げてくださった後「でも、野村さん。やっぱり野村さんは『持ってる人』でしたね^^」と言ってくださったので「どうですかね。僕は最後にRちゃんと偶然に遭遇して、ここまで追跡しただけですから」と謙遜気味に私が言うとNさんは「その日の捜索の終了間近にミラクルが起きることはよくあるんですが、今日のミラクルは野村さんが起こしたミラクルだと思います」と称賛の言葉をくださったのです。

「でも、Nさんが言ってたように、Rちゃんを見つけたとき、本当に言葉では表現できないような感動がありました」と、私が言うと「そうでしょ?あの瞬間、全ての苦労も努力も報われるんです。そして、この感動こそが、この仕事の最大の喜びであり、僕がこの仕事を続けてこれた最大の理由でもあるんです」とNさんは言われました。

そして、Nさんは「実は、この仕事は僕にとって、今の探偵事務所の最後の仕事でもあったんです。だから、無事に見つけれて、これで悔いなく、終わることができました」と、思いもしなかったことを口にされたのです。

「ええ!?最後って?探偵を辞めはるんですか?」と私は驚きを隠さず大きな声で聞き返すと、Nさんはゆっくりとうなずき「はい。辞めます」と、きっぱり言われました。

「なんで辞めるんですか?」と、さらに私が不服がそうに言うと、Nさんは「辞めると言っても、探偵事務所を辞めるだけで、ペット探偵は続けます」と、言われたので「え?どういうことですか?」と私が訊ねるとNさんは笑顔になって「野村さんが飼い主さんにとって、理想のペット葬儀会社をつくろうと思ってプレシャスコーポレーションを設立されたように、僕も、同じように飼い主さんから見て理想的なペット探偵社をつくってみようと決めたんです」と言われたのです。

Nさんの言葉の真意を理解した私は一気に肩の力が抜け、熱いものが込み上がってくるような感覚になり「そうですか・・・それなら賛成です・・・すごく賛成です。是非そうしてください」と、何度もうなずきながら握手した右手に力を込めました。

 

Nさんは、民家の窓の前から離れられないので、私はその場でNさんと別れました。

別れ際、Nさんに「Nさん。落ち着いたら、連絡くださいね」と私は伝え、Nさんは「はい。必ず。新しい連絡先も決まったらすぐ知らせます。」と言われた後「それから、また大阪で仕事があるときは、必ず連絡します。その時は野村さんを正式に助っ人としてお願いするこかもしれないんで、お願いしますね^^」と茶目っ気っぽく言われたので、私は力こぶしをつくって「任せてください( ̄ヘ ̄)┛」と返事をし、仕事に向かいました。

 

早朝のセレモニーの最中、NさんからメールでRちゃんと飼い主さんは無事に再会をはたせましたと、報告がありました。

この日、一睡もせず、ペット葬儀の仕事を数件こなしましたが、不思議と疲れは感じませんでした。

それは、Rちゃんを見つけることができたことと、Nさんと別れ際に交わした会話の余韻が残ったまま、仕事をしたせいかも知れません。

 

いずれにせよ、私はこの日、心地良い疲労感と清々しさを感じながら無事に仕事を終えることが出来たのです。

 

私にとって、Nさんに同行させてもらった二日間(実質)は貴重な体験であり、忘れることのない二日間になるような気がします。

 

Nさん。

貴重な経験をさせてくださってありがとうございました。

また、大阪で捜索依頼があるときは出来る限りの協力をさせてもらうつもりです。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

「追跡、そして発見」再会を実現してもらうべく~探偵さんと同行した二日間~10

Rちゃんであると確信した私は、Rちゃんから警戒されないように姿勢を低くし「大丈夫・・・大丈夫・・・こわくないよ・・・味方なんだよ・・・ずっと探してたんだよ」と懸命に話しかけました。

しかし、Rちゃんは相変わらず緊張したように耳を反るようにしながら私の目を見ていて、刺激を与えたらすぐに駆け出しそうな雰囲気を醸し出していたのです。

 

その時、ようやくNさんから「野村さん?電話くだしました?」と電話があったのです。

「ヽ(≧Д≦)ノNさぁーーーーーーーん!空き地の隣の工場に白い猫が居るんです!すぐ戻ってきてください!!!」と私が言うと「本当ですか?今、野村さんの場所からその猫は確認できる位置なんですか?」とNさんは至って冷静に聞かれました。

「そうですそうです。て、いうか、今、目が合ってます」と、私が興奮を抑えきれずに言うと「え?そんなに近いんですか?」とNさんは驚いたように言った後「捕まえれそうですか?」と訊ねられたのです。

「いえ。今、その猫は工場の敷地内に居るんで、これ以上は近づけません。それに、かなり警戒されてるので、少しでも近づいたら逃げそうな気がします。」と私は正直に答えた後「それにNさん。おそらく、いえ、間違いなくこの猫、Rちゃんですよ」と告げました。

「本当ですか!でも、敷地内なんですよね?・・・わかりました。飼い主さんに直接呼びかけてもらって出てきたところを保護するほうがいいですね。野村さん、飼い主さんに電話してすぐ来てもらいますんで、一度切りますね。僕もそちらに向かってますんで、それまでRちゃんがそこから逃げないように見張っててください」と言われたのです。

「ちょちょちょNさん!逃げないように見張るって!」と私が言ったときには、すでに電話は切れていました。

「もう!マジかよ!どうしたらエエねん!」と私は通話の途絶えたスマホの液晶に向かって、半ばヤケになって叫んだ時、Rちゃんがひょこっと前を向き、ゆっくりとした足取りで工場の奥に向かって歩き出してしまったのです。

「だああああ!Rちゃん!待って!Rちゃん!」と、私はこの時、初めてRちゃんの名前を呼びました。

 

私に名前を呼ばれたRちゃんは明らかに反応を示し、ピタっと歩くのをやめたのです。

「ほら・・・やっぱりRちゃんだ・・・もうすぐママ(飼い主さん)が来まちゅよ。お願いだから行かないでくだちゃい(私この時、なぜか赤ちゃん言葉)・・・」と、私は工場の門にへばり付き、ひざまづくようにして言いました。

 

私の言葉を理解してるのか、いないのか、Rちゃんは何とも言えないシレ~とした上目づかいな目で再び私の顔を見つめていました。



その時、Nさんから着信があり、私がスマホの画面をスクロールして電話をとろうとした、その仕草にRちゃんは反応し、走り去ってしまったのです。

「あ!待て!R子!ストップ!R子!(私思わず命令形&呼び捨て)」と叫びながら電話に出ると「野村さん飼い主さんは電話に出ないんですよ。Rちゃんはまだそこにいますか?」とNさんが聞かれたので「今、工場の中を通って向こう側に走っていきました!」と私は伝えました。

「向こう側?つまり、僕が居た方角ですか?」とNさんは訊ね「そうです!国道側に行きました!」と私は言いました。

「わかりました。僕は向こうに戻ります。野村さんはそこに居て見張ってください」とNさんは言われ、私は暗い工場内の敷地を目をこらしてRちゃんの姿を探したのです。

私とNさんは工場を二人で挟むような恰好で、逐一、Rちゃんの場所を電話で報告しあったのですが、やはり、猫はすばしっこくて、すぐに見失っては、また確認するということの繰り返しでありました。

そして、それから10分ほど経過したとき、私とNさんは完全にRちゃんの姿を見失ってしまったのです。

「Nさん。こうなったら門を乗り越えて中に入って探しましょう」と私が言うと、電話の向こうのNさんは「警報が鳴るからダメです。最後の最後は僕が侵入しますんで、野村さんは入らないでください」と断固として、強硬手段をとることを許してくれませんでした。

おそらくNさんは、不法侵入等の罪で私に迷惑がかかることがあってはならないと思っていたのでありましょう。

 

しかし、私は、このままRちゃんを見失うことのほうが後々、後悔するような気がして、Nさんの静止の言葉を無視し、工場内に入る覚悟を決め、工場の門に手をかけたのです。

まさに、その時、どこから現れたのか、Rちゃんが私の足元を駆け抜け、道路の脇を通るようにして走っていったのです。

「Nさん!居ました!今、工場から出て、宗教施設の方向に向かって走っていきましたんで、後を追います!」と私は走りながらNさんに、そう伝え、全力でRちゃんを追いました。



闇夜の中でもRちゃんの白い体は目立つため、私は見失うことなく、後を追えました。

そしてRちゃんは100メートルほど走った後、一件の民家の前で止まり、振り返って私を見た後、慣れた足取りで民家の窓に飛び乗り、僅かに開いた窓の隙間から民家に入って行ってしまったのです。

その光景を目にした私は、走るのを止め、歩きながら民家の前まで来ました。

すぐにNさんが私に追いつき「Rちゃんは?」と、息を切らしながら訊ねたので、私は民家の窓を指さし「あそこから中に入りました」と言うと、Nさんは「やっぱり・・・ここだったんだ・・・」と口にされたのです。

私は「『やっぱり』って?どういう意味ですか?」と訊ねると、Nさんは額の汗を拭きながら「実はこの家のことは昨日、近所の人からの聞き込みで『野良猫を自由に出入りさせてはる家』と聞いてたんですよ」と言われました。

「そうなんですか?」と私が驚きを隠さずに言うと、Nさんは「はい。それですぐにこの家を訪ねて、直接、住民さんにRちゃんのことを訊ねたんですけど『知らない』って言われて、その時は確証もなかったので、ビラを渡して帰ったんですよ」と説明してくださったのです。

「ちょっと待ってください。と、言うことは、ここの住民さんはRちゃんが飼い猫で、飼い主さんが捜しているのを知ってて隠してたんですか?」と私が、不快感を隠さず言うと「かも、知れませんが、自由に出入りさせてるところをみると、そこまで関心を持ってないと言うか、本当に知らなかった可能性もありますんで、今は何とも言えませんね」とNさんは言いました。

「Rちゃんが中に入ったのは僕はこの目で見たんで間違いありません。今なら中に居ますよ。インターホン押して住民さんに事情を説明しましょうよ」と私は提案したのですが、Nさんは首を横に振り「そうしたい気持ちはやまやまですけど、さすがにこの時間に訪ねるのは(その時、時刻は午前3時50分)は非常識なんで、朝まで待ちましょう」と言われました。

確かに、この時間に就眠中の住民さんをおこして訊ねるのは非常識なことであるのは、わかっていたのですが、正直、私も引っ込みのつかない状態になっていたのです。

 

そんな私の気持ちはNさんにも痛いほど伝わっていたようで「野村さんの気持ちはわかります。でも、やはり、ここは住民さんが起きられるまで待つべきです。僕たちの非常識な行動は、最終的に飼い主さんに迷惑をかけることにもなりかねません」

 

Nさんに、そう諭され、私は少し冷静になりました。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

「確信」再会を実現してもらうべく~探偵さんと同行した二日間~9

かなり大きな声でNさんの名前を呼びましたが、Nさんからの応答はなく、ついさっきまで確認できたNさんの持つ懐中電灯の灯りも、この時は見えなかったのです。

どうやらNさんは空き地で見かけた猫を追って反対側のマンションの方まで行ったようでありました。

 

その時、白い猫と私の距離は約30メートル。

白い猫は自分の前足や胸元を舌でなめて毛づくろいをしていました。

 

その光景を見て私は(Rちゃんだ・・・)と心の中でつぶやきました。

もちろん私はRちゃんと面識がないので、知ってるのは、あくまでも、写真のRちゃんだけだったのですが、なぜかこの猫がRちゃんであると強く思ったのです。

この二日間、全身真っ白な猫を目撃したことが無かったのが、そう思った理由かも知れませんが、それ以上に自分の全身の毛が逆立つような独特の緊張感が、Rちゃんだと感じた最大の理由だったように思います。

 

私は白い猫から目を逸らさないように心がけながら、時折、空き地の方に目をやり、Nさんの姿を探しました。

その時、空き地の反対側にある、さらにその奥のマンションの地下駐車場のあたりでNさんの懐中電灯の灯りが見えたのです。



 

叫んでも届かない距離だと判断した私はスマホでNさんの携帯に電話をかけました。

しかし、不運にも、その駐車場は少し地下になっていたことから、Nさんの携帯に電波は届かなかったのです。

 

焦りと苛立ちの中、四回、電話をかけたのですが、スマホから聞こえてくるのは「電波の届かない所におられるか、電源が入ってないのでおつなぎできません」という無情なアナウンスの連続で、思わず私は「もうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーNさん!何やってんだこんなときに!」と取り乱してしまいそうになりました。

 

幸い、その間、白い猫は同じ位置で、くつろぐようにしながら、毛づくろいを続けていたのです。

見つけるまでのアドバイスはNさんから聞いていたのですが、見つけた後の対処法がわからない私は(どうしたらええんやろか・・・いきなり近づいて逃げられたらせっかくのチャンスが無駄になる・・・)と判断に迷いました。

 

その時、白い猫は毛づくろいを止め、再び歩き出したのです。



 

Nさんに電話をかけるのを諦めた私は覚悟を決め、自分一人で白い猫を捕獲する決心をし、おどかさないようにゆっくりとした足取りで白い猫に近づいていったのです。

白い猫との距離が10メートルを切ったときでした。

私の存在に気付いた白い猫は、歩くのを止め、私の方に顔を向けました。

リラックスしてた様子から、明らかに緊張した面持ちに変わった白い猫は、警戒するように私の目をじっと見つめ、もし、私がこれ以上、近づこうものなら、逃げ出すぞと言わんばかりに体を硬直させたのです。

 

(どうしよう・・・)

私は内心、どうしていいのかわからず、すごく焦っていました。

相変わらずNさんの姿も見えないままでした。

そんな緊張が伝わったのか、白い猫は私の視線を避けるようにしながら、工場の門をくぐり抜け、敷地内に入ってしまったのです。

 

慌てて私は門の前まで行き、白い猫に向かって(待って。お願い待って)と心の中で話しかけました。

この時、白い猫との距離は門を挟んでいたとはいえ、3メートルまで近づいたのです。

 

私の呼びかけに白い猫は歩みを止め、こちらを振り返りました。

 

この時、私は初めてハッキリと白い猫の顔を見たのですが、その瞬間、思わず「ああ・・・」と声を漏らしました。

振り返った白い猫の目には、たくさんの目ヤニが溜まっていたのです・・・

 

私の頭の中で、数時間前に飼い主さんと一度だけ交わした短い会話「Rはね、両目の下を手術したことがあって、その手術痕に目ヤニが溜まってしまうんです。不器用で甘えん坊だから自分で取ることが出来なくって、いつも、私がとってあげてたんです・・・今ごろ、きっと目ヤニだらけになってるはずですわ・・・」の言葉が甦ってきて、涙が出そうになりました。

いえ、あの時は必死だったので気付かなかっただけで、もしかしたら、本当に泣いていたのかも知れません・・・

 

 

そして、この時、私ははっきりと確信したのです。

 

この白い猫はRちゃんだと。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

「遭遇」再会を実現してもらうべく~探偵さんと同行した二日間~8

私とNさんは、この日も 二手に分かれ、捜索活動をしました。

前日に比べ捜索範囲が狭くなったことで、Nさんと道でバッタリ会うことが増え、そのたびに、情報交換をしたのですが

「何か新しい情報はありました?」

「いえ・・・Nさんは?」

「同じです。何もありません」

と、この日、Nさんと何度、この会話をしたのかがわからないくらい、捜索はこう着状態状態に入っていったのです。

 

時間帯が深夜に差し掛かった頃、さすがのNさんも、表情に疲労が色濃く出ていましたが、眼光だけは衰えることはありませんでした。

 

何度目かの情報交換のとき、私とNさんはマンションのベンチに腰掛けながら、タバコを吸って一息いれたのですが、不意にNさんが「野村さん。明日は朝早くからお仕事ですよね?気にせず、キリのいいところで切り上げてくださいね」と言ってくださったのです。

確かに、この日の翌日、早朝から、私指名のペット葬儀の仕事が控えていたので、時間は気になっていたのですが、私の性格上、この状態で捜索活動から抜けることは考えられず「まだ大丈夫です」と即答しました。

Nさんは首を横に振り「でも、お仕事に差し支えたら元も子も無いですよ」と心配そうな顔で言われたので、私は無言でうなずいた後「じゃあ・・・三時。三時になっても見つけられなければ切り上げます。それまでは頑張ります」と返答しました。

Nさんは笑顔になって「わかりました。じゃあ三時まで一緒に頑張りましょう」と言われたので、私は「はい」と返事をしたのです。

 

そして、私は「よし!」と言って立ち上がり「もう一回、公園の方、探してきますね!」とNさんに行って、立ち去ろうとしたときでした。

Nさんに「野村さん」と呼び止められたのです。

振り向くと、Nさんは真顔で「野村さんは僕の知ってるどのペット探偵より優秀ですよ。本当にありがとうございます」と言ってくださったのです。

 

「どうしたんです?あらたまって、そんなこと言わないでくださいよ^^」と、私が照れながら言うと、Nさんは「いえ、いつもは独りで捜索してるんで、こうやって一緒に探してくれる仲間がいるのは、本当に心強いなって思ったんです。ありがとうございます」と言われたのです。

「ちょっとNさん^^やめてくださいよ。今ちょっと泣きそうになりましたやんか。僕、褒められるのは好きなんで『僕の知ってるどのペット探偵より優秀です』とか言われるのは嬉しいですけど、面と向かってお礼とか言われたら照れますやん」と私がおどけたように言うと、Nさんは「わかりました」と言って笑っていました。

 

「じゃあ、僕は反対方面のファミレスの付近を見てきますね」とNさんも立ち上がり、歩いて行かれたのですが、Nさんが立ち去った後、なぜか、私はこの時、本当に涙が出てきてしまったのです。

 

自分でもなぜ、涙が出たのかわからなかったのですが、今まで、流した、どの涙とも違う、涙だったのは確かであります。

今、思うと、あの時間帯、精神状態が少し不安定だったのかもしれません。

うまく説明できないのですが、疲労や空腹や睡眠不足の影響からか、感情の起伏が激しくなってしまい、やけにハイになったり、ちょっとしたことでもイライラしたりしていたのは事実であります。

でも、そのことで、逆に神経が研ぎ澄まされたような感覚にもなり、小さな物音や、動く物陰に過敏に反応するようになっていました。

Nさんは、後日、そのことを「町と呼吸が合ってくる」と表現されていたのですが、Nさん曰く、疲労がピークを超えると、逆に頭は冴えてきて、だんだん、野生に近くなり、それこそ、本能のおもむくまま、捜索することで、良い結果に結びつくこともあるのだそうです。

 

昨夜の宗教施設での目撃情報以来、依然、手がかりは無かったのですが、Nさんの経験から導き出された「絶対にこの範囲にいます」という確固たる信念が私の心を後押ししました。

 

そして、私とNさんは、その後、集中力を維持したまま、捜索を続けたのですが、私のリミットである午前三時になってもRちゃんを見つけることは出来なかったのです・・・

 

「無念です・・・」

肩を落としてそう言った私に、Nさんは「これだけは仕方ないですよ」と優しく言った後「僕も残念です。野村さん『持ってる人』なんで、絶対に野村さんが居る時間にRちゃんは見つかるって思ってましたんで」と言われました。

「すいません・・・」と私が謝ると、Nさんは「いえいえ。そういう意味で言ったんじゃないです。ただね、野村さん。こうやって必死で探している迷子のペットを見つけたときってね、もう、言葉では言えないくらい感動するんです。それこそ、どんな良い映画とかスポーツを見たときよりも感動するんですよ。それを野村さんに味わってもらえなかったことが残念なんです」と言われたのです。

 

その日、私はRちゃんらしき白い猫の目撃情報があった宗教施設の近くのコインパーキングに車を停めていたのですが、Nさんは、そこまで送ってくださることになり、私とNさんは二人肩を並べてコインパーキングまで歩きました。

その途中、最後にもう一度、宗教施設を二人で見に行ったのですが、やはり白い猫の姿はありませんでした。

 

別れ際、Nさんは「二日間、ご苦労様でした。でも、ほんとうに野村さんスゴイですよ。経験もないのに、聞き込みも上手ですし、何より、タフですよ。ずっと僕と同じペースでやられたんですもん」と、労いの言葉をくださったのですが、私はRちゃんを見つけれなかったことの無念さに打ちひしがれていたので、そんな言葉も慰めにしか感じず「はあ・・・」と気のない返事をするのにとどまりました。

ちょうどその時、コインパーキングの斜め向えに位置する空き地に一匹の猫の姿が見えました。

この猫は、二日間の捜索中、私は何度も見かけた白地に黒い斑点がある猫だったのですが、Nさんからの位置からは街灯の光の加減でそれが確認できなかったようで「白い猫がいる」と、Nさんは言って空き地に向かって歩き出そうとされたのです。

私はすぐに「Nさんあの猫は違いますよ。あの猫は頭と胸に黒い模様があるんでRちゃんではないですよ」と言ったのですが、Nさんは「そうなんですか?でも、自分の目で確かめたいんで見てきます。では、野村さん、僕はここで失礼します。二日間本当にお疲れ様でした」と頭を下げて言いいながら走っていかれ、私がお別れの挨拶をしようと思ったときには、すでに懐中電灯を照らしながら空き地に入って行かれた後でした。

 

「ほんまにタフな人や・・・まだ、あんな体力が残ってるんや・・・」と私は感心しつつ、いくらなんでも、挨拶もしないまま帰るわけにもいいかず、私は車をいったん、パーキングから出し、空き地の前に停めて、車から降りてNさんの姿を探しました。

空き地の向こう側でNさんが照らす懐中電灯の灯りが見えたので、私はその場でNさんが戻るのを待つことにしたのです。

 

その時でした。

「ゾクッ」とも「ドキッ」とも違う、あえて言うなら「キーン」とした耳鳴りを伴う妙な感覚が背中を走ったのです。

 

振り返ってみると、私が今まで停めていたコンパーキングの中から一匹の痩せた猫が道路を横断するようにして、空き地の隣に位置する工場の前まで歩いていたのです。

そして、その猫が街灯の下を通ったとき、ハッキリと全身の姿が見えました。

(うあああ!白猫や!頭から尻尾まで全部白い!)と確認したときには、全身に鳥肌が立ったのを覚えています。

 

私は無我夢中で「Nさん!Nさーん!!!」と、闇に包まれた空き地に向かって大声でNさんの名前を呼びました。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

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