2014-04

一層の事 自分の手で・・・

前回のブログで回復の見込みのない、病床のペットちゃんを持つ飼い主さんの切実な苦悩のお話を書かせてもらいました。

これだけは経験したことのない人にしか、わからない苦悩であると、私は思っています。

ある意味、死を待つだけのペットの介護は、勝ち目のない戦いを続けるのと同じで、飼い主さん側にも相当な忍耐力が必要になります。

 

ペットが痛みを伴う病気である場合、それは、なおさらであり、次第に、介護の日々が恐怖に感じてしまうほど、つらいものであります。

時に、飼い主さんは、精神的にも追い込まれていき、苦しむペットから目を背けたてしまいたくなるようなこともあるのです。

 

 

以前、ペットシッターの萬本さんから、末期癌のペットちゃんの介護の果てに、心が折れそうになられたAさんという飼い主さんの話を聞かせてもらったことがあります。

 

Aさんは病院の医師から、癌を患ったペットちゃんが今後、回復の見込みもなく、同時に激しい痛みに襲われることが予想される事を聞かされ、安楽死を示唆されたそうです。

しかし、Aさんは、安楽死はせず、最後の最期まで、自分の手でペットを介護する道を選ばれ、病院からペットちゃんを自宅に連れて帰りました。

 

Aさんはペットちゃんの介護を中心にした生活スケジュールを組み、どうしても、外せない用事があるときのために、ペットシッターの萬本さんと契約することに決められたのです。

 

萬本さんは、日頃から通常のペットシッティング(飼い主さんに代わってお散歩や食事のお世話をするような仕事)よりも、病気で介護が必要なペットのシッティングを優先するようにされているので、Aさんからご依頼があったとき、ペットちゃんの病状を聞いて、即答でお請けすることを決めたそうです。

 

Aさんのペットちゃんは末期の癌に侵されており、定期的に激しい痛みに襲われ、その都度、もだえ苦しむほど、見るに堪えない状態でありました。

それでも、Aさんと萬本さんは献身的な介護を続け、励まし合いながら、出来る限りのことをペットちゃんにしてあげたそうです。

 

そして、そんな闘病と介護の日を送っていた、ある日。

Aさんから「もう限界です・・・」と萬本さんに電話がありました。

ただならぬ、Aさんの声色に萬本さんはすぐにAさん宅に向かったそうです。

 

Aさんの自宅に到着した萬本さんが見たのは、疲れ果て、うずくまるAさんと、その傍らでもだえ苦しむペットちゃんの姿でありました。

「大丈夫ですか?」と、駆け寄った萬本さんに、Aさんは「もうこれ以上○○(ペットちゃんの名前)苦しむ姿を見たくない・・・」と力なく言った後、泣きながら、萬本さんに、あることをお願いしたのです。

 

その、あることとは「・・・萬本さんの手で楽にしてあげてください・・・お願いします・・・」という、思いもよらない言葉でありました・・・

 

萬本さんは、驚くより先に「何言ってるんですか!しっかりしてください!」とAさんを叱咤し、そして、「○○ちゃんが、こんなに頑張ってるのに、Aさんが支えてあげないでどうするんですか」と励ますように言ったそうです。

 

自分にそう言われ、泣き崩れたAさんを見て、萬本さんは、そのような心境になったAさんの気持ちも、痛いほどわかったそうです。

その後、萬本さんはペットちゃんの容態を看ながら、Aさんが落ち着かれるのを待ちました。

萬本さんが来られたことで、Aさんは、幾分かは、落ち着きを取り戻し、その後、自分を奮い立たせるように、再び、献身的に介護を続けられたのです。

 

数日後、Aさんのペットちゃんは天に召されたのですが、Aさんは最後の最期まで立派に介護をやり遂げられたそうです。

 

萬本さんから、壮絶ともいえる、そのお話を聞いたとき、私も、Aさんのペットを楽にしてあげたいと思うほど、追い込まれたお気持ちがわかるような気がしました。

事実、葬儀の席でAさんと同じような経験をされた飼い主さんは「苦しむペットを見かねて一層の事、自分の手で楽にしてあげようと思ったこともありました」と口にされたことがあります。

しかも、それは一人や二人ではなく、葬儀の席で、同様の言葉を私は幾度となく聞きました。

 

それほど、愛するがゆえのペットの介護というのは、つらいものであり、特に一人でペットの介護をされた人は、経験のない恐怖と不安の中、孤独感にも押しつぶされそうになりながら、その日々を送っておられるのであります。

 

これは何もペットに限った話ではなく、人間の介護でも社会問題になっていることであり、その結果、悲しい結末になってしまうようなたこともあります。

そのようなことはメディアでも頻繁に取上げられていることから、よく耳にする話であります。

ペットの場合、そのような結末になってもニュースで取り上げられることがないだけで、実際は世間が思っている以上に多いことなのかも知れません・・・

 

それをわかっているからこそ、私は、そんな飼い主さんから電話があったとき、葬儀屋の分際でありながら出来る限り、お話をして、少しでも飼い主さんの心の支えになるように努めているのです。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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飼い主として、もっともつらい役割

最近、不治の病に侵され、自宅で病床に伏せているペットちゃんの飼い主さんから電話をいただくことが増えました。

 

万一、ペットちゃんの身に何かがあったときのために、前もって葬儀会社に、亡くなった際、どのような手続きが必要なのかを確認しておくという目的もあられるのですが、お電話をくださる飼い主さんの多くは、弱りゆくペットの姿を見て、居てもたってもいられずに、誰かのアドバイスを聞きたいと思って電話をかけてこられるのであります。

 

このような場合、葬儀屋ではなく、病院関係者の人間に相談するのが適切ではあるのですが、すでに伝えることは全て伝え、飼い主さんも出来ることは全てやられているような場合、病院関係者の人も「後は静かに見守ってあげてください」的なことしか言えないものであり、もちろん、飼い主さんも、その言葉の意味を理解されてはいます。

 

 

過去にも、そのような飼い主さんから電話をもらう機会があり、そのことを、このブログでも紹介させてもらったことがあるのですが※({ペットの最期を看取るとき・・・}{ペットの最後を看取る責任と愛情}参照。)、昨年あたりから、このような相談の電話が増えたように感じています。

 

中には、このブログを読まれて、当社と私のことを知った人もおられ、縋るような思いで、電話やメールをくださるのです。

 

もちろん、私に電話をくださったところで、ペットちゃんの体調が奇跡的に回復するようなことはありませんし、飼い主さんもそれを望んで電話されているわけではありません。

 

ただ、このような状況の中、そのつらさがわかる誰かと話がしたいと思って電話をかけてこられるのだと、私は理解しており、飼い主さんも、そうでもしないと、とてもじゃないが平静を保てないほど、追い込まれたような心境になっておられるのだと思います。

 

ですので、私は、そのような電話をもらった場合、時間の許す限り、お話をするようにしており、仕事等で時間がないときは、時間が空き次第、折り返し電話をするようにしています。

 

最愛のペットを看取るというのは、飼い主として、もっともつらい役割であります。

それが、その時まで、ただ見守ることしかできないときは、なおさら、つらく切ないものであります・・・

 

このような状況下にあって、平静を保つのにも限界があり、見守る飼い主さんの心が先に折れてしまうようなことも少なくはありません。

 

私が電話で、そんな飼い主さんと話すとき、ペットちゃんの体調よりも、飼い主さんの心の状態を気にしながら、お話をするようにしています。

 

人間は、そのつらさがわかる誰かと、会話を交わすだけでも、少しは落ち着くこともあり、孤独感からも解放されることがあるのを、私はこの仕事をしてきた経験の中で学びました。

 

だから私は、自分が病床のペットちゃんにとって、何の役にも立たないとしても、飼い主さんの話を聞きながら、ときに、自分や過去に知り合った多くの飼い主さんの経験談を交え、少しでも飼い主さんが気持ちを強く持てるように努めています。

 

私にできるのは、それだけであります。

 

しかし、たったそれだけでも、飼い主さんの心が少しでも元気になられることがあり、そのことを一番、感じながら喜んでいるのは、病床のペット達なような気が、私にはするのです。

 

 

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野村圭一



 

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留夏 逝く・・・そして半年 後編

窓の景色を見たまま、黙り込まれたKさんを見て(聞くべきではなかった・・・)と、私は少し後悔しました。

しかし、Kさんがは優しげな笑みを浮かべた後、私に向き直り「もちろん寂しい気持ちに変わりはないよ・・・でも、それが悲しいだけって時期は過ぎたように思えるかな・・・上手く言えないんだけど、亡くした悲しみよりも、一緒に過ごせた幸せのほうが多く残ったって、今はわかるから、少しずつではあるけど、受け止めてれると思うの」と真っ直ぐな目をして言われたのです。

そして、Kさんは続けるように「なんて表現したらいいんやろ・・・ルカの想い出がそのまま心に溶け込んでくるのがわかるから、今はすごく前向きに過ごせてるかな」と、少しだけ瞳を潤ませたのでした。

私はうなずきながら「そうですか・・・『想い出がそのまま心に溶け込んでくる』って表現、すごくわかるような気がします」と笑顔で言いました。

 

その後、私とKさんは運ばれてきたランチを美味しくいただきながら、いろんなお話をしました。

そして、食事を済ませた後、セレモニー会場でもあるKさんの友人さん宅に車で向かったのです。

 

友人さんは悲しみの中にありながらも、気心が知れたKさんが、参列されたことで、終始、落ち着かれた様子で愛犬とのお別れをされてました。

半年前に同じ悲しみを経験したKさんが居てくれたことは、友人さんや、その家族に、いろんな意味で勇気を持たしてくれたのは間違いありません。

 

本来、葬儀屋の私の仕事でもある遺族の方のケアも、Kさんが、やってくださり、セレモニーはゆるやかな時間の中、穏やかに進み、無事に終了することができたのです。

 

全てのセレモニーが終わった頃、Kさんはお仕事の時間になられたので、一足先に職場に向かわれ、私も友人さん宅を後にしました。

 

帰りの車の中でKさんがルカへの想いに対して言った「心に溶け込んでくる」という言葉を思い出していました。

 

私も自身が喪った愛犬ランのことを心の一部になったと、過去にこのブログでも書いたことがあるのですが、少し表現は違うものの、きっと同じような感覚だと思うのです。

 

大切な存在との別れは確かにつらいことであります。

しかし、喪うことで、全てを失われてしまうわけではありません。

喪った直後は、そのように感じてしまうこともありますが、必ず先立った者達が残してくれた大切なものが在ることに気付く日が来ます。

 

この日のKさんを見ていて、私はあらためて、そのことを強く感じました。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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留夏 逝く・・・そして半年 前編

先日、昨年の秋に永眠したルカ※(過去ブログ{留夏 逝く・・・}参照)の飼い主さんのKさんと、久しぶりにゆっくりとお話をする機会がありました。

Kさんのご友人の犬ちゃんが亡くなり、Kさんのご紹介で弊社プレシャスコーポレーションがセレモニーを承ることになったのです。

セレモニーは、その日の13時から執り行われることになり、私が担当をさせてもらうことになりました。

 

亡くなったKさんの友人の犬ちゃんは、生前はルカとも仲良しだったそうで、セレモニーにはKさんも参列されるということでありました。

私はKさんから電話でそのことを聞き、一緒に友人さん宅に行くことになったのです。

 

ちょうどお昼時ということもあり、私とKさんと少し早めに待ち合わせをして、ランチをとってから行くことにしました。

 

ルカが亡くなってから半年の月日が流れたのですが、その間、Kさんとも数度、お会いする機会はあったものの、お互いに忙しく、ゆっくりとお話をするのは久しぶりのことでありました。

 

この半年間、私はKさんとお会いしたとき「その後どうですか?」や「少しは落ち着きましたか?」と言ったような質問をしたことは一度もありませんでした。

質問をしなくても、Kさんの顔を見れば、悲しみから癒えておられないことがわかったからであります。

 

Kさんは、私と会うときは必ず笑顔で挨拶をしてくださいます。

でも、この半年間、Kさんの笑顔はどこか寂しげで、その理由を知っている私が「少しは落ち着きましたか?」なんて、聞けるはずもなく、お会いする度に、私もぎこちない笑顔を作り、無意識にルカの話を避けるようにしていたのは確かです。

 

Kさんと待ち合わせをしたレストランに、少し早く到着した私は店内で待つことにしました。

落ち着いた雰囲気の店に入ると、店員さんが私に歩みってこられ、私を店の最奥のテーブルに案内してくれました。

この店はKさんが、よく利用されるお店でもあり、Kさんが事前に予約してくださったのです。

 

鶴見緑地に隣接しているこのお店の案内されたテーブルの窓からは、緑地公園が見渡せることができ、公園ではゴールデンレトリバーを散歩させている人の姿が見えました。

私は楽しげに飼い主さんと散歩をしていたゴールデンを見つめながら、ルカのことを思い出していました。

そして、ふと、(Kさんはルカを喪った悲しみから、どれくらい癒えたんだろうか・・・)と、考えていたのです。

 

私がテーブルに案内されて10分ほど経過したころ、Kさんが店に入って来られるのが見えました。

Kさんは私の姿を確認するとテーブルまでゆっくりとした足取りで歩み寄って来られ「久しぶり野村さん。すぐに(店の場所が)わかった?」と笑顔で言ってくださったのです。

テーブルを挟み私の真正面の椅子に腰かけられたKさんに「久しぶりです。通りに面してたんですぐにわかりました」と私は返事をした後「よく来るんですか?このお店には?」と私は訊ねました。

Kさんは店内を見渡すようにしながら「たまにかな」と答えとき、店員さんがオーダーをとりに来られ、Kさんはコースランチを注文されたので、私も同じものにしました。

 

「今回は急に(ご依頼を)お願いしてごめんなさいね」とKさんは私を気遣うように言ってくださったので「いえいえ。とんでもないです。ご紹介ありごとうございます」と私はお礼を言った後「親しい方なんですか?」と、今回、ご紹介いただいたご依頼者さんの事をお訊ねしたのです。

Kさんは「そうやね。お店(Kさんが経営されているドックカフェ)のお客さんなんだけど、すごく良い人で、亡くなったワンちゃんもルカと仲良しだったの」と、濁りの無い表情でお答えになりました。

この半年間、Kさんがルカの名前をこれほど自然に口にされたのは、このときが初めてでありました。

 

私はそのことを感じながら、Kさんの話に耳を傾けていたのですが、お話をするKさんは、この半年間には見れなかった、ルカを亡くす以前のKさんの姿であったのです。

 

一通り、Kさんから、今回のご依頼者さんと亡くなったワンちゃんの話を聞き終えた後、私は「あのKさん。それで・・・Kさんはどうですか?」と、言葉を選ぶあまり、意味不明な質問を投げ掛けてしまったのです。

 

漠然とした私の質問にKさんは「え?どうって?・・・・」困惑されたように言われたので「いえ・・・なんというか」とさらに私は言葉を探していたのですが、Kさんは私の質問の意味に気付いたように「ああ・・・ルカのこと?」と顔を少し傾けるようにして言われました。

 

そう言った後、Kさんは、一つ呼吸を置くようにしながら、おもむろに窓の方に視線を逸らすようにされたのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

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野村圭一



 

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偲ぶ気持ちがもたらしたもの

弊社プレシャスコーポレーションのオリジナルグッズでもある、遺骨をガラス石材に融合させて作成するメモリアルグッズですが、今では、当社でペットのセレモニーをされた人はもちろんのこと、それ以外のご依頼が増え、今ではペットのみならず、ご家族の遺骨を持参されて、日本全国から大勢の人が来られるようになりました。

※メモリアルグッズ案内ページ http://www.precious-corporation.com/service/goods.html

そんな折、先日、とある人間の葬祭会社と遺骨のメモリアルグッズの業務提携を結ぶことになりました。

その詳細につきましては、いずれこのブログでも紹介させてもらうつもりなのですが、弊社プレシャスコーポレーションの遺骨のメモリアルグッズを人間の葬儀会社と正式に代理店契約したのは今回が初めてであります。

以前、ブログでも書かせてもらったのですが、大手霊園さんと紹介代理店契約を結んだことはありましたが、葬儀会社と契約したのは今回が初めてのことでありました。

 

人間とペット。

お見送りをさせてもらう対象は異なりますが、基本的には同じ立場でもあり、商談の席では参考になるお話もたくさん聞けて、大変、有意義な時間を過ごすことができました。

 

先方の葬儀会社の担当者も、遺族の方の立会いのもとで、作成する、当社のメモリアルグッズのシステムを高く評価してくださっており、新たなサービスとして、取り組んでくださる運びになったのです。

 

今回の商談で、私は感じたのですが、メモリアルグッズに関しては人間よりペットのほうが種類も豊富であり、そういう意味では進んでるのかも知れません。

時代の変化と共にペットは家族のような存在になり、人によっては、それ以上の存在であることもあります。

なのに、我々、人間に比べ、ペットの代表である、犬や猫の寿命は、けして長くはありません。

 

それ故に、そんなペットを偲ぶメモリアルグッズが独特の成長をもたらしたのかもしれませんね。

 

 

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野村圭一



 

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リクガメくんの場合

ペット火葬のご依頼を種類別に分けた場合、カメのご依頼はそれほど多くありません。

おそらく全体の1%にも満たないはずです。

 

ご依頼の少ない理由として考えられるのが、まず大きさにあると思います。

 

ペットとして飼われているカメのほとんどが最大でも30センチくらいにしかならず、亡くなったとき、そのまま、お庭や花壇に埋葬されておられる飼い主さんが多いのかもしれません。

 

次に、カメの生活環境が挙げられます。

つまり水辺の生物だということもあり、火葬するより、川や池に返してあげる人が多いのではないでしょうか。

 

しかし、その少ないカメのご火葬の依頼の中で、近年、急激に火葬のご依頼が増えているカメがいます。

なんと、カメのご火葬依頼の90%を占めているのは、その、カメなのです。

 

それはリクガメの仲間であります。

 

リクガメはその名の通り、水辺ではなく、陸地で生活します。

カメなのに泳ぐことも潜ることもできません。

というより、陸地で生活するので、そんな必要がないのです。

 

しかもリクガメの仲間は比較的、大きく成長します。

リクガメの仲間にゾウガメがいるのですが、ゾウガメば1メートル以上に成長し、体重は300キロを超えるものまでいます。

 

しかし、リクガメのほとんどは草食性であり、性格も大人しく、動きもゆっくりで、扉を開けて脱走する心配も、まず、ありません。

 

ですので、リクガメの飼い主さんは家にいるときはゲージから出してあげて、室内で自由にさせてあげていることが多いようで、飼い主さんの自宅の床はリクガメくんが歩いたときにできた擦り後が至る所に見受けられます。

 

また平均寿命も30年と長いため、そういう意味では犬や猫に近い感覚で接しておられた飼い主さんが多いのも特徴であります。

 

そのようなことや、上記で述べたご火葬依頼が少ない理由にリクガメは含まれないことから、近年、リクガメが亡くなったときは、火葬にしてあげる飼い主さんが増えたのかも知れません。

 

 

リクガメの火葬は、同じ大きさの哺乳類と比較して、倍以上の時間を要します。

それは、リクガメの体がトレードマークでもあるドーム型の甲羅に体が包まれていることから、まず、その甲羅がお骨になるまで、一回分の時間がかかるからであります。

甲羅がお骨になってから、ようやく体全体の火葬が始まるという感じになります。

 

リクガメのセレモニーの席で、飼い主さんは一応に「長い間一緒に居たから、居るのが当たり前の存在になっていた・・・」というような意味合いの言葉を口にされるもので、どことなく、さみしさに包まれたセレモニーになることが多いように感じます。

また、火葬の時間が長いので、その分、多く飼い主さんから生前の話をたくさん聞かせてもらえるのですが、そのエピソードのほとんどが、ほのぼのとした内容のもので、聞いていて、無意識に笑みがこぼれるものであります。

 

リクガメを家族に例えるとすれば、物静かで穏やかなおじいちゃんのような存在なのかもしれませんね。

 

 

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四季と死期

寒い季節には小さなペットのセレモニーが重なると、ブログに書いたことがありますが、冬が終わり、春が訪れると、その傾向は一度、落ち着きを見せます。

 

変わって、気温の上昇に伴い、春から夏にかけて大型犬に代表される大きなペット達のセレモニーのご依頼が増えてきます。

 

小さなペットであっても、比較的、体格の良い子や、平均体重をオーバーしている子は寒さより、暑さのほうが体にかかる普段が大きいこともあり、これからの季節に体調を崩すことがよくあります。

 

この仕事をしていると、寄せられるペットの訃報を聞いて季節を感じることがあるのですが、4月も中頃に差し掛かり、大型のペットや立派な体格のペット達のセレモニー依頼が増えました。

前日も、私が担当したのは、10キロを超えるミニチュアダックスちゃんと8キロ近い猫ちゃん。それに7キロのチワワちゃんのセレモニーでありました。

 

細いペットちゃんのセレモニーでは、祭壇に横たわる姿は見てるだけで、つらくなるほど、悲しく映るものなのですが、体格の良いペットちゃんは、いかにも健康そうで祭壇に横たわっていても、眠っているようにしか見えないことがあり、それが逆に違う悲しみを生むようなことがあります。

そして、体格の良いペットちゃんの飼い主さんは、そんなペットちゃんの顔を見て「ほんまに眠ってるようにしか見えないのに・・・」と、よく口にされるもので、そのせいか、お焼香の儀が終わり、出棺するまでの「最後のお別れの時間」が長くなるのも、一つの特徴であります。

 

そのような飼い主さんを多く見る季節になると、毎年のように私は夏の訪れが、そう遠くないのだと感じるのです。

 

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最終章 涙の謝罪

お骨の一部が変色してしまった。

私の、その言葉にKさんは表情を強張らせ「え?どういうことですか?どうなったんですか?」と不安そうに歩みよってこられました。

私は言葉を噛みしめるように「原因はわかりませんが、シャンちゃんのアゴ付近が焦げついたようになってしまったんです」と事実を伝えたのです。

「なんでそうなったんですか?どうにもならないんですか?」と今にも泣きそうな顔でKさんは私に訊ねたのですが、その時点で原因はわからなかったので「すいません。今は、なぜそうなったのかわかりません。直接見たら、きっと原因がわかると思います。火葬炉の温度が下がるまで出せないので、もう少し待ってください」と私は説明しました。

 

火葬炉の温度は最大で1200度まで上がり、扉が開けられる目安温度である400度以下になるのには10分ほど要します。

この時ほど、温度が下がる時間が長く感じたことはなかったのですが、火葬炉の温度が下がるまでの余熱でシャンちゃんの体は完全にお骨になり、変色した顔以外のお骨は、ほぼ原型を損ねることなく綺麗に残ったのです。

 

電源を切り五分ほど経過し、火葬炉の温度計が600度を切った頃でした。

彼氏さんが「今までに今回と同じようなことがおこったことはあったんですか?」と質問をされたので「いえ。私も初めてのことです。亡くなった子が癌を患っていたような場合、腫瘍があった箇所はその部分の骨が黒ずんだりすることはありますが、今回はそういう黒ずみとは違いますね・・・」と私は返答しました。

「そうなってしまった場合はどうしようもないんですか?」と、さらに彼氏さんが訊ねられたので「いえ、専門の刷毛で払えば、ある程度は取り除くことが出来ます。しかし、今回は少し状況が違うので何とも言えません」と私が答えたところ、間髪いれずに「どう違うんですか?」とKさんは不安そうに聞かれたのです。

「はい。腫瘍等は患部であっても体の一部のようなものなので、例え焦げても、変色するほどお骨に付着することはないんですが、今回は何か異物が燃えたような感じだったんですよ」と私は見たままをお伝えしたのです。

「異物?・・・って何ですか?」とKさんは困惑ぎみに質問をされました。

「それが何なのかは直接見ないとわからないですが・・・おそらく金属だと思います」と私が返答すると、Kさんはハッとした顔をされて「わかった・・・私の所為(せい)やわ・・・」と涙ぐまれたのです。

状況がわからない私と彼氏さんはKさんの顔を見ながら、ほぼ同時に(「どういうこと?」「どういう意味ですか」)とKさんに訊ねました。

Kさんは指で涙を拭いながら「ネットとかで火葬のとき、他のペットの骨と差し替えされたりする業者がいてるって書いてあって、もし、そんなんされたら絶対に嫌やから、シャンの骨ってわかるように火葬炉に入れる前にシャンの口の中に鈴を入れたんです・・・」と、事実を告白されたのです。

「鈴を・・・」と言ったまま、私は言葉を失い、彼氏さんも泣き出したKさんの肩を抱きながら、やり切れないような表情をされていたのですが、私も彼氏さんも、そんなKさんの気持ちが理解できたので、その事実に対し、何も言うことはありませんでした。

 

泣き続けるKさんに「Kさん、ゴム製やプラスチック製の物なら溶けて骨にこびり付いてしまうことがあるんですが、鈴が溶けて付いた煤(すす)なら何とかなるかもしれません」と私は励ますように言いました。

「本当ですか?」とKさんは涙と雨で濡れた顔を上げられたので「断言はできませんが、やれることはやってみます」と私は力を込めて返事をしたのです。

 

火葬炉の温度が下がり、私はシャンちゃんの遺骨を炉から出しました。

シャンちゃんの顔以外のお骨は綺麗な真っ白に残ったのですが、顔の右側のアゴ付近は焦げたように黒く変色していたのです。

私は速やかに遺骨をトレイごと玄関に運んだ後、もう一度、火葬車に戻り刷毛と綿のガーゼをとって、再び玄関に戻りました。

 

玄関ではKさんがシャンちゃんの遺骨に「ごめんねシャン。こんなになって・・・許してね」と嗚咽をあげながら謝っておられたのです。

余熱で煤がこびり付く前に取り除くほうが良いと判断した私は「Kさん。いいですか?」と声をかけました。

彼氏さんに抱きかかえるようにされて、Kさんは場所を空けてくださったので、私は刷毛を静かに煤の付いた部分にあて、ゆっくりと一払いしたのです。

刷毛で払ったとき、少し煤が取れたのでこびり付きは見た目より深くないと感じました。

後ろから彼氏さんが「どうです?いけそうです?」と心配そうに訊ねられたので「はい。大丈夫だと思います。思ったほどひどくはありません。たぶん綺麗に落とせると思います」と私は返事をしました。

「ほん・と・うです・か・・・」と、涙で言葉を詰まらせながらKさんが言われたので、私は振り返り「はい。やってみます。少し時間をください」と答えました。

 

そして私は、骨が崩れないようにしながら、刷毛で煤を取り除く作業に没頭しました。

固唾をのんでKさんと彼氏さんが見守る中、約20分ほどかけてシャンの顔に着いた煤を全て取り除いた後、二人にシャンちゃんの骨が見えるように場所を空けながら「取れました」と私は笑顔でお二人に報告をしたのです。

煤が取り除かれて綺麗になったシャンちゃんの顔の骨を確認したKさんは、涙をながしながら「ありがとうございました」と両手で私の右手を掴んで頭を下げられ、彼氏さんは「ふ~」と安堵の溜め息を漏らした後、Kさんの肩を(よかったな)と言うように優しくトントンと叩きました。

 

その後、通常通り、Kさんと彼氏さんの手でシャンちゃんのお骨上げが執り行われ、一時はどうなるかと思われたセレモニーは無事に終えることが出来たのです。

帰り際、Kさんは私に「野村さん。今日は悪い態度をとって本当にすいませんでした。本当に本当にありがとうございました」と深く頭を下げられて言ってくださったのです。

「いえいえ。とんでもございません。Kさんは悪くないです。世間の評価の低い私達の業界がいけないんです」と私は謙遜しながら答えた後、お辞儀をし、Kさん宅を後にしました。

 

シャンちゃんのセレモニーを通じ、私はあらためて、愛するペットが亡くなったとき、飼い主さんが安心してお見送りのできることが、いかに大切であるかを学び、このことを機に、私はホームページをリニューアルし、個別・立会い・返骨を理念としていることを明記することにしたのです。

 

そして、お葬儀・ご火葬・お骨上げまでの一連のセレモニーの流れを通し、飼い主さんがずっと立ち会うことが可能な、現会館のコンセプトにも、この時の教訓が受け継がれているのです。

 

そして、Kさんと彼氏さんは、その後、当社の良き理解者となってくださり、友人や知人のペットが亡くなったときは、当社を推薦してくれるようになり、その紹介者の数は、今現在で、7名を数えています。

 

本当に有難いことだと思っております。

 

 

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野村圭一



 

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続 涙の謝罪

シャンちゃんを自らの手で火葬炉に納めるのに、Kさんは時間にして、3分ほど、その場で泣かれました。

Kさんの彼氏さんが、Kさんが雨に濡れないようにKさんの頭上に傘をかざすようにしながらし「大丈夫?」と優しく訊ねられとのですが、Kさんは何も答えることができないまま、ただ、シャンちゃんを抱きしめて泣いておられました。

 

私はKさんに歩み寄り「時間はありますので、一度、玄関まで戻りましょう」と助言するようにご提案したのですが、Kさんは首を横に振って「大丈夫です・・・」と声を絞りだすように言われた後、もう一度、シャンちゃんを強く抱きしめ、震える手で火葬炉に納められたのです。

力尽きたように、雨に濡れた地面にしゃがみこまれたKさんを彼氏さんが両脇を支えるようにして起こされたのを確認した後、私は静かに火葬炉の点火スイッチを入れました。

激しい雨が降り続く中、火葬は執り行われたのですが、Kさんと彼氏は、火葬車の傍から離れることもなく、その場で見守るようにして、煙突から空に舞い上がる透明の靄を見つめておられました。

火葬が始まって10分ほど経過したときに彼氏さんが私のほうに歩み寄って来られ「骨は綺麗に残りますかね?」と小さな声で訊ねられたので、私は「病気で骨自体が弱ってることも考えられますので、その影響がどれほどあるかは、まだわかりませんが、慎重に温度調節しますんで、大丈夫だと思います」と控え目な口調でお答えしました。

 

彼氏さんと、その会話をしたのを最後に、私は火葬炉の小窓から数分置きにチェックをしながら私はシャンちゃんの火葬に全神経を集中させながら、温度調節をしました。

Kさんは電話でも「骨は綺麗に残りますか?」と何度も質問をされていたので、きっと、シャンちゃんの形見でもあるお骨のことが気がかりだったのは間違いありません。

その気持ちが痛いほどわかった私は、必ずシャンちゃんのお骨を可能な限り綺麗に残してKさんに返すことだけを考えて火葬を続けたのです。

 

火葬が中頃に差し掛かかった頃、私は目視でお骨の状態を見て、ほっと胸を撫で下ろしました。

病気の影響がほぼ無いと感じるほど、シャンちゃんお骨はしっかりとしたものであったのです。

おそらく4歳という若さが、その要因だったと思うのですが(これなら大丈夫。きっと綺麗に残る)と私は内心、思ったのです。

 

それを確認した私は火葬炉の小窓を閉めて、Kさんと彼氏さんに「病気の影響はほぼないですね。お骨は綺麗な状態です」と報告するように言いました。

「ほんまですか」と安堵の表情で彼氏さんは答えたのですが、Kさんは、自分の目で見るまでは安心できないと言わんばかりに、表情を崩すことなく、緊張した面持ちのままでありました。

その様子を見かねたのか、彼氏さんが「ちょっと」と、Kさんの袖を引っ張るようにしながら、私の死角になる火葬車の後方にKさんを連れて行かれたのです。

 

激しい雨が火葬車と傘を叩く音がしていたのですが、その音にまぎれてKさんと彼氏さんの何やら口論するような会話が聞こえてきました。

会話の内容は

彼氏さん「どうでもええけど、お前、態度悪過ぎへん?」

Kさん「何が?普通やん」

彼氏さん「普通ちゃうやん。なんで説明してくてはんのにシカトなん?」

Kさん「だって骨を見るまで心配やもん」

彼氏さん「そんな業者とちゃう(違う)って、この時点でわかるやん」

Kさん「そんなん骨見るまでわからんやん」

 

といったような感じの内容でありました。

お骨が綺麗に残るかが気がかりでならないKさんは、その気持ちから、心を許せない状態でおられ、そのことが、私に対して失礼な態度だと感じた彼氏さんがKさんに指摘されておられたのです。

Kさんの心配な気持ち。彼氏さんの私への気遣い。共に理解できた私は、そのことで、お二人が口論になってしまい、とても申し訳ない気持ちになってしまいました。

少しして、元の位置に戻って来られたお二人は明らかに不機嫌な顔になっておられたのです。

 

そんなお二人を見て、私は、何ともばつが悪い心境でいました。

(火葬が無事に終わり、お骨を見られたら、きっと全て丸く収まる)

私はそう思いながら、願うような気持ちで火葬を続けたのです。

 

そして、火葬が終盤に差し掛かった頃でありました。

小窓から状態を確認した私は、ある異変に気付いたのです。

 

それは、シャンちゃんの下あご部分だったのですが、明らかに通常の火葬のときには見られない青白い炎が確認出来たのです。

(なんだろあの火・・・)順調に火葬が進んでいたことで、安心していた私の顔は一瞬にして、青ざめました。

 

火葬炉の不具合かもと思った私は、コントロールパネルを開け全ての装置を確認したのですが、メーターも温度もすべて正常値であったのです。

もう一度、小窓を開け、火葬炉の隅々まで見渡したのですが、異変があるのはシャンちゃんの顔付近だけでありました。

私は直ちにバーナーの電源を切り、温度を下げたのですが、青白い炎は燃え続け、そこの部分だけ黒い煙があがり、その煙の煤(すす)がシャンちゃんの遺骨に付着してしまったのです。

(どうしよう・・・)私は一気に焦ったのですが、火葬炉の温度が、ある一定温度まで下がらないと、中を確認することが出来ないため、この時点ではどうすることも出来ませんでした。

緊張した面持ちで温度計を見つめる私の異変に気付いた彼氏さんが、私に歩み寄り「あの・・・なにかあったんですか?」と心配した表情で訊ねられました。

私は返答に困ったのですが、隠せることでもないので、Kさんと彼氏の正面に向き直り「原因はわからないのですが、シャンちゃんの顔の骨の部分の一部が焦げたように黒く変色してしまったんです」と正直に伝えたのです。

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

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涙の謝罪

過去にこのブログで何度も触れてきたことではありますが、私達、ペット葬儀業界に良い印象を持たれていない人の割合は、世間一般的に見て、けして少なくないのが現状であります。

特に、初めて、ペットの葬儀及び火葬をご依頼されるとき、多少なりとも、不安な気持ちのまま予約をされるもので、そのようなご依頼者さんの中には、その不信感から、セレモニーの当日は、我々、葬儀会社の人間に、まったくと言っていいほど、心を許さない状態になられることもあります。

その結果、ピンと張り詰めた緊張感の中でセレモニーが進行していくようなことになり、その間は、飼い主さんと、必要最低限の会話しか交わさないことも珍しくありません。

 

二年前の夏、白血病を患い、わずか4歳で永眠した猫のシャンちゃんの飼い主さんであるKさんも、そのように不信感と警戒心を強く持たれたままセレモニー当日を迎えられたお一人でありました。

Kさんは、お電話でご依頼の予約をされたときから(個別での火葬なのか?)(火葬の時間は立会いが可能なのか?)(お骨は自身の手で収骨できるのか?)の三点を、繰り返し質問された後、最後に「しつこいようですが、本当にずっと立会いできるんですね?」と念を押すように聞かれたのです。

「はい。間違いありません。ずっとお立会いしていただけます」と私も語尾を強めて返答しました。

「では、明日の夕方5時にお待ちしています」と言って、Kさんは電話を切られました。

 

電話でのKさんからは、明らかに我々ペット葬儀屋に対する不信感が伝わってきました。

しかし、初めて、ペットの火葬をご依頼される方は、多少なりとも不安になられるものであり、このようなことは珍しいことではありません。

私は(セレモニーが全て終わったときは、必ず納得してくださる)と自分に言い聞かせるようにしながらパソコンで明日の天気予報を確認しました。

 

 

セレモニー当日。

午後からは天気予報の通り、強い雨になりました。

火葬車は多少の雨なら問題なく稼動できるのですが、Kさんは火葬中の立会いも強く希望されていたので、雨の中で、約一時間、立ち会ってもらうことになるので、念のためKさんに電話を入れ、雨天でもご火葬を実施されるかを確認をしました。

Kさんは「そちらさえ問題ないなら予定通りお願いします」と返答されたので、私は念入りに火葬炉の点検を済ませた後、予定通り、Kさん宅に向かったのです。

 

予定時間の10分前に私はKさん宅に到着し、インターホンを押し、応答があったので私は到着を伝えたのです。

少しして、玄関のドアが開き、Kさんが伏し目がちで会釈をされたので、私は自己紹介をしました。

そのとき、Kさんの後方からKさんの彼氏さんと思しき男性が現れ「よろしくお願いします」とご挨拶をしてくださいました。

 

シャンちゃんのお葬儀はその日の朝に、Kさんと彼氏さんの二人ですまされたようでありました。

当日は、ご火葬のみを希望されてたのですが、そのことからか、シャンちゃんは私が到着したときは、すでに玄関にベッドごと移されていたようで、シャンちゃんのベッドの周りにはお花とと線香が手向けてられていたのです。

私はKさんに承諾を得てから、手を合わせ、シャンちゃんの体を撫でさせてもらったのですが、シャンちゃんの体は極限にまで痩せており、病気で亡くなったことが想像できました。

 

私はKさんに「シャンちゃんは病気だったのですか?」と訊ねたところ、Kさんは、悲しみからなのか、不信感からなのか、何もお答えにならず、彼氏さんが代わるようにして「白血病だったんです」と答えてくださったのです。

 

「そうだったんですか・・・」と私は噛みしめるようにして、うなずきながら、あらためてシャンちゃんを見つめました。

 

玄関は沈黙に包まれたのですが、彼氏さんが、その沈黙を破るように「あの、本人(Kさんのこと)が自分の手で火葬炉に入れたいと言ってるんで、構いませんか?」と訊ねられたので、私は「はい」と返事をし、Kさんの自宅前にとめた火葬車に戻って火葬炉の扉を開けました。

 

このとき、一段と雨足が強まり、大粒の雨が降ってきたのです。

そんな雨の中、Kさんは傘もささず、シャンちゃんを大切そうに両腕で抱いて玄関先に出てこられました。

雨の強さを確認した彼氏さんは、慌てて傘を取りに戻り、すぐにKさんとシャンちゃんが濡れないように傘をKさんの後方からかざしました。

 

無言で火葬炉の前に立ったまま、Kさんは空の火葬炉を見て、肩を震わせるようにしながらシャンちゃんの体に顔をつけられました。

そして、別れを惜しむように、シャンちゃんを抱きしめ、涙を流されたのです・・・

 

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

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