2014-01

何を伝えたかったんだろう・・・

12歳で永眠したヨークシャーテリアのプチちゃんの葬儀の席で飼い主のHさんが祭壇に横たわるプチちゃんの姿を見つめながら「あのとき何を伝えたかったんだろう・・・」と独り言のように言われました。

 

プチちゃんのセレモニーの担当だった私は、一呼吸置いた後「あのとき・・・とは、いつですか?」とHさんと同じようにプチちゃん見ながら訊ねたのです。

 

Hさんはハンカチで涙を拭いながら「亡くなる前日の話なんですけど」と静かな声で答えた後「プチは病院で亡くなったんですけど、その亡くなる前日。つまり、私が最後にプチを見た日、仕事の帰りにプチの様子を見にいったとき、いつものよう『また明日来るからね』って声をかけて病室から出ようとしたとき、とても悲しそうな目で私を見つめてたんですよ・・・」と当日のことを思い出したように涙を流しながらお話してくれたのです。

 

Hさんの話によると、入院していたプチちゃんが病院で亡くなる前日(Hさんが生前のプチちゃんと最後に会ったとき)の別れ際、明らかにプチちゃんのHさんを見つめる眼差しが、いつもと違っていたらしく、Hさんは、その時、プチちゃんが自分に何かを伝えたがっていたはずだと言われたのです。

 

死期を悟ったペット達が飼い主さんに何らかのシグナルを送るという話は、本当によく聞く話であり、そのような話は過去に何度もブログで紹介したこともあります。

 

※そのことを題材にした過去ブログ

ペットたちが死の間際にとる行動・・・

死期を悟ったペットからのシグナル

感謝の思いと別れの心

豆柴カイ君の遺言

 

飼い主さんから聞かされた、ペットが送るシグナルの方法でよく耳にするのは、いつもと違う鳴き方、あるいは、いつもと違う行動。

そして、プチちゃんと同じ、いつもとは違う眼差しであります。

 

ペットがそのようなシグナルを発信して亡くなったとき、飼い主さんはペットがどのようなも心境であったのかを深く考え込んでしまうものであります。

 

ペットは言葉を話せません。

よって、最終的には飼い主さんがペットちゃんの気持ちになりながら解釈されるのですが、それが正しいと示す術がないので、飼い主さんは、このときのHさんのように、あれこれと思案されるのであります。

 

私はHさんに「Hさん。僕はね、おそらく犬に限らず動物というのは自分の死期を正確に理解してると思ってるんです」と自分の考えを述べたうえで「それで、プチちゃんと同じように、亡くなる直前、何かを伝えたそうに、飼い主さんの顔をいつもと違う眼差しで見つめていたという話は、葬儀の席でよく聞く話なんですよ」と伝えました。

「そうなんですか?」と少し驚いてHさんは言いました。

「はい。何かを言いたげにペットが見つめていたという話は本当によく聞きます。そして、そんな皆さんはHさんのように『何を伝えたかったんだろう・・・』と、そのときのことを振り返りながら考え込まれるんですよ」と私は答えました。

 

「皆さんはどのような解釈をされるもんなんですか?」とHさんは私の顔を見ながら真剣に訊ねられたので「はい。ペットは話せないので、飼い主さんによって、それぞれ解釈は違うのですが、ほとんどの飼い主さんは『自分の死期が近いことを知らせたがってたかもしれない』と解釈されることが多いですね。そして、それなのに気付いてあげられなかった自分を責められるんです」と私は答えたのです。

 

私の返答を聞いたHさんはハンカチで口元をおさえながら「わかります・・・私も同じことを思いました。あのときプチは死ぬことがわかっていたから『おうちに連れて帰って』と言いたかったと思うんです・・・なのに・・・私は・・・・気付いてあげれなかった・・・・」と声をあげて泣かれたのです・・・

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

 

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心ない言葉

ペット葬儀のご依頼が多いのは、圧倒的に日曜、祝日であり、次いで土曜日であります。

それは、週末に多くのペットが亡くなるということではなく、飼い主さんがお休みのときに葬儀を執り行われるためであります。

 

つまり、ペットちゃんが平日に亡くなったとしても、お休みの日まで、保冷剤や氷を利用して亡くなったペットちゃんの状態を綺麗に保ってあげながら、自宅で安置されるのです。

そのような背景には、家族全員でペットのお見送りをしてあげたいという切実な想いが存在し、同じ理由から、平日は昼間より、家族が揃う夕方以降にご依頼が重なる傾向にあります。

 

ペットが亡くなったとき、葬儀をあげてあげ、ご火葬し、そのお骨を家族の手で拾ってあげる。

 

それらのセレモニーを執り行う飼い主さんは、ペットはペットではなく、家族の一員であると思っておられる人ばかりであります。

 

過去に何度もブログにも書きましたが、ペット葬儀をご依頼される人にとってペットはペットという存在ではなく、家族であり、子供であるのです。

そして、私も、同じ考えであるからこそ、このお仕事の必要性を感じ、始めたのであります。

 

もちろん、人によって考え方や価値観は違います。

皆がそのような考えの方ばかりではないですし、全ての人に自分の主張を押し付けようとも思いません。

 

事実、私の周りにも、動物嫌いの人はいますし、そのような人達にとってはペットは、あくまでもペットでしかなく、その部分で分かり合えることは、ほとんどありません。

しかし、分かり合えないからといって、その人が悪い人だとは思いませんし、考え方や価値観が違うだけであるので、それ以外で相性が良ければ友人付き合いも普通にしています。

 

では、実際、世間はどちらの考え方の人が多いのでしょうか?

私はペット葬儀の仕事をしているので、冷静にそのことを感じ取れるのですが、やはり、まだ「ペットはあくまでもペット」と考えている人の方が多いように思います。

 

それを示す一つの根拠が冒頭に書いた、休日にご依頼が重なるという事実であり、やはり、現在の日本はペットが亡くなったという理由で休める会社はほとんどありません。

もちろん、その人の仕事上の立場によっても状況は多少、変わってくることもあると思いますが、ペットが亡くなったときに公休を認めてくれる会社は、まず無いと思います。

 

つまり、ペットを家族と同じと考えている人のほうが、まだまだ少数派だということなのでしょう。

 

そのような状況の中、ペットを喪ったとき、ペットを家族と考える人達は会社の人間や、時には親しい友人の何気ない一言に大きく傷つくようなことがあります。

 

どのような言葉か?

それは「な~んや犬の話か」や「猫が死んだくらいで」といった、会話の中での何気ない一言であります。

これらの表現は、ペットはペットと思っている人からすれば、普通の会話かも知れませんが、ペットを家族や子供と考えている人にとって「たかがペット」的な表現は傷つくまでいかなくとも、不快に感じることが多いものなんです。

 

当社でペット葬儀をされる人は、当然ながらペットは家族と考えている人ばかりでありますので、周りのそのような言葉に傷ついたという話はよく耳にしますし、中には、それが原因で会社を辞めてしまったり、人間不信や人間嫌いになった人もいます。

 

私はそのような人達から「周りの何気ない言葉で傷ついた」と、相談をされるようなとき、そのお気持ちを理解したうえで「そういう人にとっては普通の表現です。気にするからいけないんですよ」と助言するようにしています。

いったいどっちの味方なんだ思われた人もいるかも知れませんが、先も述べたように、世間では、まだまだ、ペットはペット派の人が大多数であるので、そのような意見は、今後も耳にすると思いますし(自分と価値観が違うな)と思いながら聞き流せばいいのです。

そのようなことにいちいち反応してたらキリがありませんし、落ち込むだけ損だと思います。

 

私の身内や知人の中にも、ペット葬儀という仕事そのものに対して冷やかな目で見ている人もいますが、私はそのような人とは、その部分の価値観が合わないと割り切って接しながらも、良い関係性を保っています。

 

世の中の人が全て自分と同じ考えなら、とても過ごしやすいと思いますが、現実的にそんなことは在り得ません。

むしろ、違う考え方の人が居るから、自分と同じ考えや同じ価値観を持った人と出会ったときに、分かち合える喜びを感じれるのであって、そのようなときは思いっきり、喜びに浸ればいいのです。

 

ペットに対する考え方や価値観は年々、少しずつではありますが、家族寄りに変わってきています。

 

ストレス社会が加速する世の中にあって、ペットの持つ穢れの無い心は、我々人間に大切な何かを思い出させてくれることもあり、掛け替えのない存在であることに気付く人が着実に増えてきているのも事実であります。

 

ペット葬儀の仕事をしていて、私は世間のそのような変化も肌で感じています。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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いつでも優しく包んでくれる

納骨堂には私達プレシャスコーポレーションスタッフが飼い主さんと一緒にお見送りをした、たくさんの精霊達が眠っており、その精霊達は不思議な力で春夏秋冬、季節を問わず、いつでも訪れた人を温かく迎えてくれ、優しく包んでくれます。

 

私はペットを喪った人がプレシャス会館でセレモニーを執り行われるとき、火葬の待ち時間などを利用して、必ずその納骨堂に案内するようにしています。

 

それが、セレモニー当日に納骨されない人であっても「良かったら見学していってください」と案内するようにしているのです。

 

 

それには理由はがあります。

 

精霊達が宿る納骨堂には、精霊達の飼い主さんが旅立った精霊達に宛てた手紙が掲示されてあり、その手紙の何気ない一言一言が、ペットロス直後の飼い主さんの悲しみを癒してくれるからであります

 

この日の自分と同じように、ペットを見送った日に書かれた手紙からは、同じ悲しみを負った人の優しさと愛情が伝わってくるものであり、読む人の心の内側に沁みてくるものであります。

 

そして、どんな人であっても、少しは勇気と元気を受取りながら、納骨堂を出られるのです。

 

そういう意味で、納骨堂の空間には、私達スタッフがセレモニーの席でかける、どんな言葉よりも、人を勇気づける何かがあるのかもしれません。

 

豪華な設備も高価な仏像もない納骨堂ではありますが、最近になり、ペットを亡くされたときには弊社のことを知らず、他社で火葬をされた飼い主さん達からも、「納骨はプレシャス会館で」と、納骨を希望される方からの見学依頼も増えました。

 

もちろん、当社で葬儀・火葬をした、しないに関わらず、希望さらるのであれば、快くお受けするようにしております。

 

それに、前日のブログでも紹介したように、今、納骨堂には皆様が譲ってくださった遺品を展示させてもらってることもあり、当社と何の接点もないような人達も納骨堂を訪れるようになりました。

 

私が会館に居るとき、時間が許す限り、納骨堂に訪れた人達とお話をさせてもらうようにしているのですが、ペットロスの話になると、ついつい長話になることも少なくなく、今では、本来、納骨堂には必要のない、応接セットも配備しているほどです。

 

これは私の個人的な感想なのですが、精霊達も、納骨堂にいろんな人が訪れることを喜んでいるように感じます。

 

なぜなら、納骨堂を訪問する人は皆、ペットは家族であると考えている人ばかりであり、心からペットを愛してたという人共通点があるからであります。

 

 

機会があれば、皆さんもプレシャス会館の納骨堂 に足を運んでみてください。

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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未来へのループプロジェクト

昨年11月から実施しているペットちゃんの遺品整理についてですが、本当に多くの飼い主様からいろいろな物をご寄付頂いております。
現在も引き続き、しっかりと供養した上、ご自由にお持ち帰り頂いており、設置している募金箱にお気持ちを入れてもらっている状態です。

 

以前は、セレモニーホールの一画を遺品コーナーにしておりましたが、多数のご寄付を頂いている為、セレモニーホールの一画は未開封のフード類や砂等を展示しております。
キャリーバック、ベッド、キャットタワー、トイレ等は、2階の納骨堂の一画を遺品コーナーにしております。また、ゲージ類は、場所を取る為、3階の事務所に置いており、ご希望の場合は、ご覧に頂けるようにしております。

 

その中でもフード類、ペットシーツが人気であり、大きなものとして、猫のコタツ、ペットヒーター、キャットタワー、ゲージ、キャリーバッグ等も人気があり、すぐに譲渡が決まります。

 

少しでも社会貢献をと考え、行動した活動ですが、現在は、新しい飼い主様の笑顔を見ることも仕事の楽しみの一つにできております。
スタッフ内では、この活動を「未来へのループプロジェクト」と呼んでおり、微力ながら少しでも社会に貢献させて頂きます。

 

いろいろとご寄付して頂いた飼い主様本当にありがとうございます。
ご寄付頂いた遺品は、新しい場所で確実に活躍しています。
スタッフ、新しい飼い主様共々、本当に感謝しております。

 

 

なお、1階のセレモニーホールの一画に遺品コーナーを設置している為、ペットちゃんのセレモニー中は、ご遠慮願いております。
セレモニーのスケジュールをメール(info@precious-corporation.com)にてお問い合わせ下さい。
また、2階の納骨堂は、10~17時まで解放しておりますので、ご自由にご覧頂けます。

 

是非、一度、遺品をご覧にプレシャス会館までご来館下さい。

 

プレシャス会館
大阪府菊水通3丁目7-9

 

 

なお、遺品の回収についてですが、今まで引き取りに伺わせて頂いておりましたが、たくさんのご寄付のご希望があり、現在、引き取りに伺えない状態です。

 

大変お手数ですが、メールまたはお電話を頂き、ご来館日時をご予約した上で、遺品をプレシャス会館までご持参頂きますよう、よろしくお願い致します。

 

しっかりと供養させて頂きます。

これからも現状を報告させて頂く予定ですので、よろしくお願い致します。

 

 

プレシャスコーポレーション 山田





 

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最終章 虫の知らせ

その日の午後、実家の最寄りの駅に着いたYさんを弟さんとお母さんが車で迎えに来てくれていました。

弟さんも、この日、大学をお休みになられたようでした。

お母さんは「あんた、正月休み明けたばっかりやのに会社休めたんか?」と心配そうに訊ねてきたので「有休がたまってたから平気」と手短に返事をしたそうです。

 

重い空気のまま、弟さんが運転する車は自宅に到着し、Yさんは真っ先に家に入り、リボンちゃんのもとへ向かいました。

そして、Yさんはリボンちゃんと無言の対面をされたのです・・・

 

後に、自分でも不思議なくらい、涙が出なかったと言っておられたYさんは、安らかな顔で眠っていたリボンちゃんに「会いに来てくれてありがとう・・・楽になれたね・・・」と優しく顔を撫でたそうです。

 

リボンちゃんの葬儀と火葬は「個別でやってくれて、ずっと一緒におれる(立会い)から」という理由から、弟さんの強い推薦を受け、その日の夜、弊社プレシャス会館で執り行われることになりました。

 

そして、担当になった私は、ご家族がお焼香の儀を終えられ、最後のお別れの時間のときに、深夜におこった不思議な体験をYさんから聞かせてもらったのです。

 

「不思議な話ですね・・・でも、何か温かさが伝わってくる話ですね」と私は素直な感想を述べました。

無言で大きくうなずいたYさんは「はい。でも、夢とか幻覚とかじゃないんです。本当に起こったことなんですよ」と祭壇のリボンちゃんを見つめながら仰ったので

「はい。私も父が亡くなったとき、似たような経験があるので、そういうことってあると思います」と私は答えました。

そして、Yさんの隣に座っていたお母さんが「虫の知らせやね・・・リボンはこの子(Yさん)のことが一番好きやったからと、ポツリと言ったのです・・・

 

その後、リボンちゃんは家族と最後のお別れの時間を経て、Yさんに抱かれ出棺し、火葬炉に納められました。

この時はYさんも他の家族も大粒の涙を流され「ちゃんと神様のところへ逝きや」「リボンありがとう!」「またいつか会おうな!」と、それぞれが思いの丈を声にしてお見送りをされていました。

そして、Yさん自ら火葬炉の点火スイッチを入れられ、リボンちゃんは天に召されたのです・・・

 

スイッチを入れられた後、Yさんは両手で顔を覆うようにして泣かれ、お母さんに支えられながら斎場を出て、待合室のソファーに身を沈められたのです。

飼い主としての責任を全うされたYさんは、とても気丈な人であると、私は思いました。

 

30分後、ご火葬は無事に終わり、リボンちゃんのお骨はご家族の手で収骨され、お骨壺に納められました。

 

リボンちゃんのお骨を大切そうに胸に抱いたYさんは、帰り際「本当にありがとうございました」と私に歩み寄り、お言葉をかけてくださったので「とんでもございません。あの、福岡にはいつ?」と私は訊ね「明日一日は休みをもらってるのですが、明後日から仕事なんですよ。だから明日中には戻る予定です」とYさんはキリっとした顔に戻られて答えられました。

「そうですか・・・ハードスケジュールですね」と私が感心したように言うと、Yさんは「本当はもう二、三日ゆっくりしたかったんですけど、うちの会社は1月から3月の期間が一番忙しいんですよ。だから仕方ありません」と諦めたような表情で言いました。

「大変だとは思いますがお気持ちを切り替えて頑張ってくださいね」と労いの言葉をかけた私に、Yさんは「ありがとうごじます。でも大丈夫です」と、大きくうなずいた後「だって、リボンは亡くなったとき、真っ先に会いにきてくれてお別れを伝えに来てくれたんだから・・・私も頑張らないと・・・」と自分に言い聞かすように仰ったのです。

そんなYさんを見ながら私も一緒にうなずくようにしながら「でも、本当にリボンちゃんが会いにきてくれたのはYさん自分の死を報せるということもあったと思うのですが、それ以上に『私がいなくなっても、悲しまないでね。負けずに頑張ってね』って言いたかったのかも知れませんね」と自分の感想を伝えました。

「・・・なぜそう思われたのですか?」と不思議そうにYさんはお訊ねになられたので「いえ、リボンちゃんが会いにきてくれたとき、リボンちゃんの匂いがしたと言っておられましたよね?それって、目に見えなかったけど、きっとリボンちゃんはYさんの顔を舌で優しくなめていたんじゃないかと僕は思うんですよ・・・犬って落ち込んでるとき、そうやって慰めてくれるじゃないですか・・・だから、きっとリボンちゃんはお別れの挨拶すると共に、Yさんを励ましに来たんじゃないかなって思ったんです」と私は伝えたのです。

 

私の話を聞いて、Yさんは遠くを見るような目をされた後、静かに涙を流されました。

その様子を見た私は「すいません。変なこと言って」とハンカチを差し出し、Yさんに手渡しました。

受け取ったハンカチで涙を拭いながら「もう泣かさんとってください」とYさんは笑顔で言われ、私は「すいません」と頭を下げました。

 

「いえ、でも本当にそうだったかも知れません。いつも私が凹んでるとき、リボンはそうやって(顔をなめて)慰めてくれるような子だったんで・・・」とYさんは言った後、ハンカチを私に返し、凛とした顔で「本当にありがとうございました。悲しいけど、頑張ります」と大きく頭を下げ家族の待つ車に乗り込まれました。

 

見送る私にYさんは「また五月に大阪に戻ってきます。そのときに納骨しに来ますね」と笑顔で言い、会館を後にされたのであります。

 

Yさん家族の車を見送りながら、私は自分が清々しい気持ちになっていることに気付き、あらためて「虫の知らせ」のことに思いを巡らせていました。

 

このようなことは、Yさんだけに限らず、進学や就職。または結婚を機にペットや家族と離れて生活することを余儀なくばれた人が、ペットを含むその家族に異変があった際によく起こりうることであり、常識では説明できない、とても神秘的なことであると私は思っています。

 

私はそのような話を耳にするたびに、心の存在を感じるのですが、同時に心の繋がり以上に強い絆は皆無であると思えてくるのです。

 

そう考えると愛する者との死別の悲しみは、心の交流の始まりでもあるような気が私にはするのです・・・

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



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続 虫の知らせ

福岡に戻ったYさんを待っていたのは、正月気分が一気に抜けてしまうほどのハードな仕事だったそうです。

今までなら、実家に電話するのは月に一回程度だったYさんさんではありますが、夜遅くまで仕事に追われていたのにも関わらず、リボンちゃんのことが気がかりなこともあり、二日置きに電話をかけ、リボンちゃんの状態を確認する日々が続きました。

お母さんは、いつも決まったように「大丈夫。今日もちゃんとご飯も食べたし、なんともないよ」と報告してくれたそうです。

 

そして、福岡に戻って1週間ほど過ぎた、深夜のことです。

その日、Yさんは、自宅で夜遅くまで、仕事の資料を作成していたのですが、ふと、その時、何とも表現しがたい妙な感覚に陥ったのです。

あえて言うなら胸騒ぎと耳鳴りと金縛りが同時にきたような感覚だったそうなのですが、パソコンを打つ手が固まるほど、嫌な感覚に襲われたのです。

(なんだろ・・今の感じ・・・)

少し青ざめながら、自分の両手を見たYさんは、手の平が冷たい汗をかいていることに気付きました。

そして、次の瞬間「もしかしてリボンに・・・」と、良からぬ予感が頭を過ったのです。

 

時計は午前2時を少し過ぎていました。

きっとみんな(家族)眠ってるだろうし、さすがにこんな時間に、根拠もなくリボンのことを訊ねるのはのは気が引ける。

かと言って、今、自分が感じた異変は夢でも錯覚でもないという実感もあったのです。

その時でした。

鼻先に覚えのある匂いを感じたのです。

それはYさんの言葉を借りると「シューマイのような匂い」なそうで、まぎれも無くリボンちゃんの匂いだったのです。

 

(リボンに何かあった・・・)

確信めいたものを感じたYさんは弟さんの携帯に『夜遅くにごめん。起きてたら電話ください』とメールを打ちました。

 

少しして、Yさんの携帯に弟さんから着信があり、電話に出たYさんに弟さんは、迷惑そうな声で「どうしたん・・・?」と訊ねたのです。

「ごめん遅くに?寝てた?」と申し訳なさそうに聞いたYさんに「寝てたわ・・・なんやの?こんな時間に・・・」と弟さんは、また半分眠ったような声で答えたそうです。

 

Yさんは、今さっき起きたことを手短に弟さんに伝えた後「それで悪いんやけど、リボンの様子見てくれへん?」と頼みました。

「ちょう・・・・マジで?・・・・チッ・・・」と弟さんは睡眠を邪魔された不機嫌さを隠さず舌打ちをしながらも、Yさんの言われた通り、リボンちゃんの様子を見るため布団から出て起き上がりました。

「見てくるから一回(電話を)切るで」と言った弟さんに「切らんといて!電話持ったまま見にいって。ごめんお願い」とYさんは言ったそうです。

なぜか、このときYさんは電話であっても実家、というよりリボンちゃんが居る場所と、どうしても繋がっておきたかったらしく、電話回線を切られることに、抵抗を感じたそうです。

「なんやねんほんま・・・」と弟さんは、ますます不機嫌になりながらもYさんの言われた通り、携帯電話を持ったまま、リボンちゃんが居る、両親の寝室に向かってくれました。

 

Yさんは携帯を耳につけながら、事の進行を静かに見守るようにされていたそうです。

携帯電話からは弟さんが両親の寝室の前で「おかん!開けるで!」と荒々しい声で言ってる様子が伝わってきたのを皮切りに(ナンヤノ・・・・)(オネエガ・・・)(ナンテ)(シランケドリボンガドウタラコウタラ)(リボン?)こんな弟さんとお母さんのやりとりが微かに聞こえてきました。

そんなやりとりが続いたときでした。

明らかにお母さんが取り乱した声で(リボン?あれリボン!リボン!)と叫ぶ声が携帯電話を通して聞こえてきたのです。

Yさんは自分の嫌な予感が的中したのを感じながら、事態の状況が知りたく携帯電話に向かって「もしもし○○!○○!」と何度も弟さんの名前を呼んだそうです。

 

そして弟さんが、先ほどまでとは打って変わったようなハッキリとした口調で「姉ちゃん!ほんまや!リボン息してへん!」と、悲しい事実を伝え、Yさんは自分の悪い予感が当たってしまったこと知ったのです・・・

 

(やっぱり・・・)と携帯を握りしめながらYさんは泣き崩れたそうです・・・

しばらくして、電話口から「Y?Y?」とお母さんの自分を呼ぶ声が聞こえてきました。

「・・・はい」と涙声で返事したYさんに「あんた・・・なんでわかったの?」と、お母さんも涙声で訊ねられ、Yさんは「そんな気がしてん・・・て言うか、さっきこっち(福岡のYさんのマンション)にリボンが来てくれてん・・・」とお母さんに言いました。

「来たって・・・?リボンが?」と驚きを隠さず聞いてきたお母さんに「うん。もちろん目には見えへんかったけど、気配というかリボンの匂いがしてん・・・それで、もしかしてっと思って電話してん・・・」とYさんはお母さんに、今さっき起きた異変を話したそうです。

「リボン・・・どうしたらいい?」とお母さんは不安そうにYさんに訊ね、Yさんは「そのまましといたって。明日、そっち行くから」とお母さんに伝え電話を切りました。

 

翌朝、Yさんは会社に出社し、事情を説明して、午前中には仕事を切り上げ、その足で大阪に向かったそうです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

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虫の知らせ

虫の知らせ。

昔からよく耳にするこの言葉ですが、誰でも一度や二度は、実際にこの表現を使ったことがあると思います。

私の中では「予感」と「胸騒ぎ」を足したような意味合いとして、理解しているのですが、葬儀屋の仕事をしていると、本当にこの言葉をよく耳にします。

そして、同時に人間には虫の知らせを受信する第六感が存在するのだと強く感じることがあるのです・・・

 

Yさんは2年前に仕事の関係で、生まれ育った大阪を離れ、現在は福岡県で暮らしておられる20代の女性でありました。

Yさんの実家にはご両親と弟さん。それにYさんが小学生の頃に迎え入れたアメリカンコッカースパニエルのリボンちゃんが暮らしていたそうです。

 

Yさんは、福岡に就職先が決まったとき、愛犬のリボンちゃんを一緒に連れて行くことも考えたのですが、仕事の間、家で留守番をさせておくのも可哀想に思え、リボンちゃんを実家に置いていくことにしたそうです。

 

家族やリボンちゃんと離ればなれになるのは寂しいことではありましたが、どうしてもやりたい仕事でもあったので、単身、福岡に向かったのです。

 

お盆やお正月には帰阪して、離れていた分、心行くまでリボンちゃんと時間を共にするのが、Yさんの楽しみでありました。

 

そしてリボンちゃんが13歳になった、昨年の夏、お盆休みを利用して実家に戻ったYさんが目にしたのは、すっかり元気の無くしたリボンちゃんの姿でありました。

リボンちゃんの異変をお母さんに訊ねたところ、春頃から食欲が減り、病院に連れていったところ、腎臓が悪いと診断された事実を知らされたのです。

 

高齢でもあり、手術はせず、定期的に病院で検診してもらっていることをお母さんから聞かされたYさんは、リボンちゃんを抱きしめて泣いたそうです・・・

夏休暇が終わり、福岡に戻る日「またお正月には帰ってくるから必ず待っていてね」とリボンちゃんに告げ、Yさんは再び福岡に戻りました。

 

そして、今年の正月。

リボンちゃんは夏に見たときよりも、さらに痩せていましたが、実家に帰ってきたYさんを尻尾を振って迎えてくれたそうです。

 

Yさんは優しくリボンちゃんを抱き上げ、お母さんにリボンちゃんの病状を訊ねました。

お母さんの口から出た言葉は「良くないのよ・・・お医者さんの話だと年内持つか持たないかって言われてたんだけど、何とか年を越せたって感じ・・・もう、いつ何があってもおかしくないのよ・・・」と考えていたよりも深刻な返答でありました。

「そうなん・・・」とリボンちゃん膝に乗せながら溜め息交じりで言ったYさんは、毛が薄く短くなってしまい、あばら骨が浮き出たリボンちゃんの体を見て(もしかして、リボンと過ごせるお正月はこれが最後になるかもしれない・・・)と思ったそうです。

 

そして、お母さんは、そんなYさんの思いを察知したかのように「次にお前が帰ってくるまで、リボンはもたないかもしれへん・・・」とさみし気に言ったのです。

自分も同じようなことを考えていたYさんではありましたが、あらためて言葉にされると、つらくなるもので「縁起悪いこと言わんとって」と、そのときはお母さんの言葉に遮りました。

そう言った途端、涙が溢れてきたYさんではありましたが、リボンちゃんは、そんなYさんの涙を優しく舌で拭ってくれたそうです・・・

 

そして、正月休みが終わり、再び、福岡に戻る日の朝、Yさんはリボンちゃんを抱いて玄関先まで見送ってくれたお母さんに「何かあったら知らせてね。すぐに戻ってくるから」と約束し、後ろ髪をひかれる思いで実家を出たのです。

 

福岡に戻る新幹線で、Yさんは流れる景色を窓越しに見ながら、玄関先で見送ってくれたときのリボンちゃんの瞳を思い出していました。

明らかにリボンちゃんの目はいつもと違っていたそうで、Yさんの脳裏には嫌なことばかりが浮かんできたそうです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

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続 会館前のゴミを拾ってくださる人

前々回のブログ{会館前のゴミを拾ってくださる人}でお話した、おばあさんと、もう一度、ちゃんとお話したくなり、おばあさんと会った日の翌日も早起きして会館に向かいました。

ほうきとチリトリを片手に私はおばあさんが現れるのを待ったのですが、30分が経過してもおばあさんは現れませんでした。

 

仕方なく、私は掃除をして、会館に戻ったのです。

私はてっきり、この時間に行けばお会いできると思っていたので、少しだけ残念な気持ちになりました。

 

10時になり、会館葬をご依頼されていたご家族が来館され、その日も、慌ただしい一日が始まりました。

仕事の時も、私は無意識に玄関先に目をやり、おばあさんの姿を探していました。

「何かあったのかな・・・あの日はたまたまあの時間だったのかな・・・」と考えを巡らせながら、午後になり、支配人をはじめ私以外のスタッフが全員、訪問火葬のご依頼に向かった夕刻過ぎでした。

玄関のグレートデン親子の頭を撫でているおばあさんの姿が目に入ったのです。

 

私は思わず「あ!おばあちゃん!」と大声をあげてしまい、笑顔で駆け寄ったのです。

私の声に少し驚いたおばあさんは、顔を上げ「ああ・・・昨日の兄ちゃんかいな。びっくりさせんといて」と少し怒ったような顔で言われたのです。

昨日は気付かなかったのですが、おばあさんは外見からは想像できないくらい、かすれた声色の持ち主であり、それに、これは後からわかったのですが、年齢からは想像できないほどの毒舌キャラでもあったのです(笑)

 

おばあさんはすぐに笑顔に戻り「どうしたん?ワテになんか用ですか?」と聞かれたので「いえ。今朝もてっきり昨日と同じ時間帯に来られると思って待ってたんですけど、お見えにならなかったので心配してたんですよ」と私は言いました。

「心配って・・・ワテのことを心配してくれはるんかいな?あんた変わった子やな・・・」と呆れたように言った後「今日みたいな寒い日は朝から歩けへん」と父さんグレートデンの頭を撫でながら素っ気なく言われたのです。

 

「そんで、あんた、ワテになんか話でもあるんでっか?」と私の顔を見上げながら訊ねられたので、私は「いえ。話があるとかそういうのではないんですけど。ただ、なんというか、僕も毎朝、会館前を掃除するんで、どうせなら一緒にしようかなって思っただけなんです」と恐縮しながら答えました。

それを聞いたおばあさんは「ふ~ん。そうかいな。ただ、ワテは歩きなったときにやってるだけやから、時間は決めてないし、さっきも言うたけど寒かったり雨降ったりしたらしまへんで」と言われました。

「そうなんですか・・・」と小さな声で言った私に、おばあさんは「そんで、あんた、ワテと一緒に掃除しよう思うたって・・・なんでまた?」と不思議そうに訊ねられたので「理由はありません。ただなんとなく・・・すいません」と意味も無く謝りました。

そんな私を見た、おばあさんは「まあ、そう思ってくれて嬉しいわ。こんな婆でも気にかけてくれるだけでも有難いこっちゃ。ワテも歩く楽しみが一つ増えた思うてあんたの気持ちもろとく(貰っとく)わ」と笑顔になられたのです。

おばあさんは「でもな、昨日も言うたとおり、世のため人のためじゃなく、自分のために歩いてるだけやから、あんまり気にしてくれんでもエエさかいな」とさみし気な眼差しで言った後、茶目っ気っぽい表情になられ「あんただけに、なんでワテがゴミ拾い始めたか教えたろうか?」と私の顔を覗き込むようにして言われました。

「はい。聞きたいです」と笑顔で返事した私におばあさんは内緒話をするように小さな声で「実はな。病院の先生から、危ないから杖を持つように言われたんや」と話し出しました。

「はあ。それで?」と私は相槌をうつように訊ね「うん。それでな、あんなもん(杖)格好悪いやろ?でな、持つん嫌やって先生に言うたったんや」とおばあさんは不敵な笑みを浮かべて言ったのです。

「なんでですか?年齢的にも恰好悪くないですよ」と言った私に「あほ!年寄扱いするな!杖なんかなくても自分の足で歩けるわ!」と笑いながらも声を張って私の頭を殴る仕草をされたのです。

「すいませんすいません」と私は慌てて謝りました。そして「それで、リハビリかねて歩き始めたんですか?」と私はさらに訊ねたのです。

おばあさんは「まあそれもあるけどな・・・」と言った後「でな、これがほんまの話なんやけどな、先生が言うように、階段とかは杖がないと、キツイこともあってな、でも杖持つんは嫌やな~て思っとたらコレを(ゴミばさみ)が家にあってな、コレを杖代わりに使うようになったんや」とゴミばさみを私に見せるように待ちあげたのです。

そんな、理由を聞いて、なんだかおばあさんが可愛く感じた私は思わず笑ってしまいました。

笑った私に「笑うな!」と、また小突く仕草をして言ったおばあさんに「すいません」と謝ったのですが、それでも私はおかしくて、さらに笑ってしまったのです。

 

「ほんまにあんたは」と呆れながらも笑顔で言ったおばあさんは「とまあ、そんな理由ではさみ持つようになったさかいに、どうでならゴミでも拾うか思って始めただけなんや。だから、あんま気を使わんとってな」と優しい表情に戻って言ったおばあさんは「また見かけたら、声かけて、ワテもたまには誰かと話したいしな。またアホな話しましょ。じゃあさいなら」と言い残し、帰っていかれました。

おばあさんが帰っていかれるのを見て、私は自己紹介もおばあさんの名前を訊ねてないことに気付きましたが、また明日にでもおばあさんと会えるから、そのときでいいかと思いました。

これからも、晴れた温かい日はおばあさんと会えるはずです。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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わかったようなことを言わないでください

定期的に当スタッフブログを読んでくださっている人なら、お気付きだと思うのですが、飼い主さんが愛するペットを喪い、心底、悲しまれているとき、私は励ますどころか、何も言葉をかけれないまま、セレモニーを終えることがあります。

 

冷たく感じるかも知れませんが、それには理由があるのです。

それは、飼い主さんが、冷静さを保てないほど、悲しみが深いときは、我々、葬儀屋の言葉など、心に届かないばかりか、上辺の安っぽい言葉に聞こえてしまい、逆に気分を害される人も、いらしゃるからであります。

 

皮肉なことでありますが、私達、葬儀屋がペットちゃんと対面するときは、ペットちゃんは、すでにこの世はいません。

知人でもない限り、ペットちゃんが生前、どんな子であったのかは知る由もなく、また、飼い主さんにとって、ペットちゃんが、どのような存在であったかもわからないものであります。

にも関わらず、決まり文句のように「悲しいお気持ちわかります」や「悲しみに負けず頑張ってください」などの、ありきたりの言葉をかけるのは、むしろ失礼にあたることでありますし、私が逆の立場なら、きっと「軽々しくわかったようなことを言わないでください」と思うに違いないからであります。

 

もちろん、セレモニーの時間内で、飼い主さんといろんなお話をしながら生前のペットちゃんのことを聞かせてもらったときなどは、例え、それが短時間であっても心が通じ合うことがあり、結果、その会話の流れの中で励ましや勇気づけるような言葉をかけれるときもあります。

 

しかしながら、飼い主さんが失意の底にあられ、ほとんど、何も会話できないようなとき、そのような言葉をかけるのは逆効果になることもあり、さらに飼い主さんの感情を逆撫ですることにもなりかねません。

 

だから、励ましたい気持ちはあるのですが、言葉をかけないのではなく、かけれないのであります。

 

深い悲しみに包まれたセレモニーを終えたとき、飼い主さんが「葬儀当日の記憶がほとんどない」と口にされるのは、受け入れがたい現実に押しつぶされそうになりながらも、家族として、最後の責任を果たしてあげようとする気力だけでセレモニーをやり遂げられるからであり、そんな葛藤を間近で見る私には、そのお気持ちだけは痛いほど伝わってきます。

 

だから、たとえ言葉をかけれなくとも、心の奥底では、精一杯の励ましの言葉をかけながら、飼い主さんと接しています。

 

 

そして、納骨やメモリアルグッズを作成のときなどに、そんな飼い主さんと再会したとき、セレモニー当日には会話をかわしていないのにも関わらず、昔から知っている友人のように心が通じ合っているようなときがあります。

 

これは、私の自己満足なことかも知れませんが、私はそんなとき、心の会話がちゃんと通じたんだと感じるとともに、あらためて、このお仕事は心が大切なんだと再認識することになるのです。

 

心の会話・・・

 

それが可能なのは、皆さんが言葉を話せないペットと、常日頃から無意識のうちに心の会話をしていた人達だからだと思います。

 

私達、人間は太古に忘れたしまった大切なことを、普段のペットとの生活の中で、知らず知らずのうちにペット達に呼び起こしてもらい、教えてもらっているのかも知れませんね。

 

 

 

 

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会館前のゴミを拾ってくださる人

弊社プレシャス会館の玄関前には木製のグレートデン親子の大きな置物があります。

昨年、ルカの飼い主さんのKさん※(過去ブログ{私の癒される場所留夏 逝く・・・}参照)より「会館のシンボルに」と、いただいたのです。

 

笑ってるではなく、怒ってるでもない、本当に無表情な彫り物なのですが、どことなく愛らしく、私をはじめスタッフ全員がこのグレートデン親子のことを、とても気に入っています。

お父さんグレートデンはお座りした状態でも1m以上あり、かなり目を引くので、行き交う人も思わず立ち止まって、眺めておられ、中には近寄って頭を撫でてくださる人もいらっしゃいます。

 

新しい会館に来て、間もなく半年になるのですが、スタッフが出社する前に会館に行き、玄関前を掃除すことが私の日課にもなりました。

そして、その掃除のとき、ちょうどグレートデンの親子像を会館前に置いた頃から、私はある変化に気付いたのです。

 

それは、毎日のように掃除しても、次の日には必ず目についていた、タバコの吸い殻をほとんど見かけなくなったのです。

以前は平均して、5つほど、吸い殻を拾っていたのですが、晴れた日などは、吸い殻がひとつも落ちていないこともありました。

 

最初はたまたまかなと思っていたのですが、明らかに吸い殻以外の小さなゴミも減っていたので、もしかして、お隣さんが掃除でもしてくれているのかなとも思っていたのです。

 

 

そんな折、早朝からセレモニーのご依頼があり、私は朝の5時に会館に到着したときのことでした。

玄関のシャッターを開け、電気をつけてから、私が更衣室でスーツに着替え、ほうきとチリトリを手に掃除をしようと玄関先に向かったとき、会館前のグレートでん親子の頭を撫でているおばあさんの姿が目に入ったのです。

 

かなり、小柄なおばあさんで、年齢は80歳をかるく超えているように見えました。

そのおばあさんの腰には大きな桃の缶詰の空き缶が、ヒモの巻かれており、手にゴミばさみを持っておられました。

 

おばあさんはグレートデンのお父さん、子供の順で、頭を撫でてから、会館前のゴミを拾い集め、腰の空き缶に入れて立ち去っていったのです。

 

季節的に、まだ薄暗い時間帯でもあり、私は最初、失礼ではありますが、汚れた衣類を身に纏ったそのおばあさんを不審者の類に感じたので、声をかけるタイミングを逃してしまったのです。

 

我に返り、私は駆け寄るようにして、おばあさんに「おはようございます」と声をかけました。

私に声をかけられたおばあさんは、ビクっと体をさせた後、ゆっくりと顔を振り向かせました。

 

不安気に私の顔を見つめているおばあさんに、私は会館を指さしながら「あの・・・僕はここ者なんですけど、先ほど、前のゴミを拾ってくださるのが見えたので・・・なんといいますか、ありがとうございます」と伝えたのです。

一呼吸置いて、おばあさんは「ああ・・・ここの人・・・そんなんお礼言わんでもよろしいのに」と笑顔になられて言われました。

「いえ。最近、会社の前のゴミが減ってるなって思ってたんですよ。もしかして、毎日、掃除してくれてるんですか?」と私は訊ねたのです。

 

「ええまあ・・・好きでやってることなんで・・・」と照れくさそうに笑ったおばあさんに「なんて言っていいのか・・・ありがとうございます」と私は深く頭を下げました。

そのときです。

おばあさんがゴミバサミを落としながら両手で私の顔をはさむようにして「頭なんか下げたらあかん。未来ある人間は簡単に頭下げたらあかん」と厳しい表情で言ったのです。

正直、顔を持たれて驚いた私ではありましたが、おばあさんが、そんな私に言ったのは「足が悪いからリハビリのつもりで始めたことなんですわ。だから自分のためにやってるだけなんやし頭なんか下げんでええ」と先ほどとはうって変わって菩薩のような優しい顔で言いました。

「はあ・・・」と面食らった表情の私に、おばあさあんは続けるように「おたくみたいにこれからがある人達の役に少しでも立つことが、私みたいな先の少ない人間の喜びなんです。だからお礼なんて言わんとって」と言い、私の顔から手を離されたのです。

「はい」と飲み込むように返事した私を見て、おばあさんは笑顔のままゴミばさみを拾い、そのまま振り向いて立ち去っていこうとしました。

 

なんとなく、キツネにつままれたような感覚の私は茫然とおばあさんを見送ったのですが、おばあさんは数歩、歩いたところで、もう一度振り向き「私はな、92歳になりますねん。あとどれくらい生きれるかわかりゃあしませんけど、続けるだけ続けますさかい、よろしゅう(よろしく)頼みまっさ」と言葉を残し、歩道のゴミを拾いながら歩いていかれたのです。

 

おばあさんはゴミを拾うときに、唱えるように小さな声で「罪滅ぼし罪滅ぼし」とつぶやいていました。

 

私の倍以上の年齢のそのおばあさんが、どのような人生を歩んでこられたかは、私にはわかりません。

しかし、私の三分の1にも満たないおばあさんの背中からは、何ともいえぬ人間の重みを私は感じたのです。

 

いつか、あのおばあさんとゆっくりお話がしたいなと、私は思っており、近いうちに、早起きして、一緒にゴミを拾うつもりです。

 

お話を聞かせてもらうことが出来れば、またこのブログで、紹介させてもらいます。

 

 

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野村圭一

 

 



 

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