2013-11

会館に現れた精霊

一か月ほど前のことであります。

プレシャス会館の玄関前に設置してある自販機で缶コーヒーを買おうとしたとき、ご近所の人に「ウサギ飼ってはるんですか?」声をかけられたことがありました。

私は「いえ。ウサギというかウチはペットは飼ってませんよ。どうしてですか?」と答える、とご近所さんは「そうですか・・・前にここにウサギが入って行ったんで、てっきりプレシャスさんとこのやと思ってましたわ」と笑顔を見せられたのです。

確かにうちの会館の駐車場には近所の野良猫が居たりすることはありますが、さすがにウサギは居るはずもなく、私は「猫じゃないですか?猫ならたまに日向ぼっこしに来てますよ」と言いました。

ご近所さんは、笑いながら「さすがに猫とウサギは見間違えませんよ。もしかしたらお客さん(葬儀に来館された人)が連れてきてはったんですかね」と言って帰っていかれました。

 

確かにうさぎと猫は見間違わないよなと思いながら、気になった私は会館に戻り、支配人に「なあ支配人。セレモニーのご依頼者でうさぎ同伴で来られた人って今までおった?」と支配人に訊ねたのです。

データ入力してた支配人は手を止め「うさぎ?普通に居ますやん」と言ったので「亡くなった子じゃないよ。ほら犬とか猫を多頭飼いされてる人が葬儀の時に一緒に連れて来はるやん。そういう感じでウサギを連れて来られた人っていた?」と私は補足して訊ねました。

 

支配人は「ああ・・」と質問の意図を理解した後「うさぎ・・・・・は・・・いなかったですね・・・」と腕組しながら言った後「なんでですか?」と聞いたので「いや、いまさっきご近所さんが会館に入って行くうさぎを見たって言ってはって『うさぎ飼ってますか?』って聞かれてん」と私は答えました。

支配人は笑いながら「猫でしょ。それ」と言ったので「俺も同じこと言ったけど、間違いなくウサギやって言ってはったで」と答え、支配人との、その会話はそれで終わりました。

 

少し気になったものの、私は(きっと見間違いやろな)と結論づけて、仕事に戻ったのです。

 

それから一週間ほど経った朝、出社した支配人が真剣な顔をして「おはようございます。あのちょっといいですか?」と挨拶と同時に私に歩み寄り「実は昨日ね、仕事終わって会館戻ったの夜中だったんですけどね、火葬炉の掃除してるときに見たんですよ」と捲し立てるようにして言いました。

「見たって何を?」と私が聞いたところ「ウサギです。ウサギが玄関とこから僕を見てたんですよ」と顔を引きつらせて言うのです。

「ええ!マジで?ご近所さんの言ってたことホンマやったんや」と私が笑いながら言ったら、支配人は、少し怒ったような顔になって「笑いごとちゃいますよ。普通、おるはずないですよこんな都会に」と言いました。

確かに会館のある守口市は山里から離れた場所にあるので、野ウサギがうろつくようなことは考えにくく、ましてや会館のすぐ前は市内でも屈指の交通量を誇る国道163号線が通っているので、野生のウサギが住める環境ではありません。

私は「近くで飼われてたペットのうさぎが逃げたんかな・・・」と私が独り言のように言うと、支配人はさらに真剣な顔をして「だから、そういうのじゃないですよ」と首を横に振ったのです。

「じゃあ何?霊とか、そういうのって言いたいの?」と私は支配人の顔を覗き込むようにして訊ねました。

支配人はしばらく考え込むような顔をした後「いや・・・僕も見たとき声でそうなくらいビックリしたんですけど、全然怖いとかそういうのを感じなかったんで、近づいて行ったんですよ」と話し出したので、私は無言でうなづきました。

支配人は続けるように「で、近づいた途端、バってダッシュして逃げたんで、僕も追いかけたんですよ。そしたら、そのまま駆け抜けて見えなくなったんですけど、その後ろ姿を見たとき、(これって本物のうさぎじゃない。幽霊や)って感じたんですよ」と言いました。

「もちろん、僕は霊感とかないですし、そういうの見たことないですから、絶対とは言いませんけど、あれは霊やと思います」と支配人はきっぱりと言ったのです。

 

支配人にそう言われた私は無言で視線を宙に浮かせました。

そんな私を見て支配人は「別に信じてくれなくてもいいですよ」と少し怒ったような口調で言ったので「いや。嘘やと思ってないよ」と私も真面目に返事しました。

 

支配人とは長い付き合いであり、支配人がこの手の嘘をつかないことは私が一番知っていました。

私が視線を浮かしたのは、心の中で(もしかしてぴょん太くんかな・・・)と、前々回のブログで紹介したぴょん太くんのことを思い出していたからでありました。

 

「まあ。納骨堂でもあれだけ頻繁に不思議なことがあるんやし、そういのってこれからもあるん違うかな」と私は言い、支配人も「そうですよね・・・でも、なんて言うか生まれて初めて幽霊を見たと思ったら、ちょっとだけ興奮しました」と本音を漏らすように言ってました。

 

私は過去にブログでも書いたように、霊とかの類を見た事はありません。

もちろん、誰もいない暗闇や物の隙間に人影や動物のシルエットを見たようなことはありますが、それは脳の誤作動というか、単なる見間違いや勘違いで説明のつくレベルのもので、全て一瞬のことばかりでありました。

 

しかし、支配人の目撃談はその域を超えており、おそらく何かを見たことは間違いないでしょう。

 

支配人の話を聞いて、私は悪い気がしないばかりか、少しだけ嬉しく思いました。

それは、会館の納骨堂には精霊達が宿っていると私は信じており、支配人が目撃したのは、きっと、その精霊達だと思ったからです。

 

精霊達は目には見えなくても、気配を感じさせてくれることはあり、それが不気味に感じることはなく、不思議に心地良いものであります。

だから、私はいつも見れたらいいのになと思っていたので、支配人を羨ましくすら思ったのです。

 

いつか私も精霊達の姿を見れる日が来るのでしょうか・・・

 

そう言えば、会館の中で見かける野良猫って本当に野良猫なのでしょうか?

いつも近づいたら逃げてくので、近くでハッキリ見たことも、触れたこともないのですが、思い返せば、そのように会館に遊びにくる猫は前の会館にも居ました。

 

最近、よく、見かける猫は、引っ越しをしてきた翌日には会館に遊びにきていたのですが、私をはじめ、その猫に触れた人間は誰もいません。

 

・・・

 

もしかして、私は既に精霊達を見ていたのかも知れない。

そう思うと、何か嬉しい気持ちになってくるから不思議です。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 



 
大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660



 

尊く気高い精神

弊社プレシャスコーポレーションの会館アトリエで作成する遺骨のメモリアルアクセサリーですが、ここにきて、一つのトレンドが定着しそうな気配がしております。

 

それは遺骨を融合するメインストーンのカラーについてなのですが、以前は落ち着いた印象を与えるアメジスト系のパープルと女性に人気のクリアピンクを選ばれる人が多かったのですが、最近になって、ペットの目の色をイメージしたカラーをチョイスされる人が増えてきたのです。

 

しかも、そのほとんが旅立った猫ちゃんの遺骨でメモリアルグッズを作成される飼い主さんであります。

 

よく、変化が目まぐるしいことの例えを「猫の目」と表現しますが、人間や犬と違って猫の目の色はとても多種多様であります。

 

 

目の色と同じカラーのメモリアルグッズを作成される人は、ペットの目の色がハッキリと写った写真を持参して来られるのですが、職人さんと相談しながらガラスを選び、多いときで4色のガラス石材を融合させながら、実物の目のイメージに合った色を作っていかれます。

 

 

選んだガラス石材に愛猫の遺骨や歯を融合させて完成したメモリアルアクセサリーを手にとって見つめる飼い主さんは涙を流されることもありますが、その口元には優しい笑みがこぼれるものです。

 

そして、愛猫の目を再現したメインストーンを見つめながら「久しぶり・・・」と独り言なのか、話しかけてるのかは、わかりませんが、愛猫ちゃんと再会したかのような満たされた表情をされるのです。

 

 

愛する存在との悲しい別れを経て、その別れと向き合い真正面から受け止めた時、新たな交流が始まります。

 

 

それは心の交流であり、とても尊く気高い精神をもたらしてくれるのです。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 

メモリアルグッズのご案内はhttp://www.precious-corporation.com/service/goods.html





 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

自分の葬儀の席に現れた、あるウサギちゃんのお話

ペット葬儀の仕事をしていると、実に不思議な体験を数多くするものです。

 

私は霊魂の類のものを、実際、自分の目でハッキリと見たことはなく、どちらかというと、否定的な立場であります。

しかし、この仕事を通じ、ペットにまつわる不思議な話や常識では計り知れない現象を数多く目にしてきて、やはり、我々人間の常識や科学では説明のつかないものが世の中には存在するのだと、ここ最近、思うようになりました。

 

今回、ご紹介する話は、病弱な体でありながら3年間という生涯を精一杯に生きたぴょん太くんというウサギと、そのぴょん太くんを温かく見守り、そして育てられたHさん家族のお別れの席で実際に起きた不思議なお話であり、そのセレモニーを担当させてもらった私にとっても忘れられない出来事になったお話です。

 

 

10月に入ったばかりのある日、弊社直営プレシャス会館でうさぎのぴょん太くんのセレモニーが執り行われました。

 

以前、ブログで、犬ちゃんや猫ちゃんに比べると、うさぎちゃんやハムスターのセレモニーの席では家族のペットに対する温度差が存在する場合があると書いたことがあるのですが、ぴょん太くんのセレモニーではご家族全員が心から別れを惜しみ、涙を流してお見送りをされていました。

 

セレモニーは別れの悲しみ以上にHさん家族のぴょん太くんへの感謝の想いが伝わってくる心温まるものであり、担当した私の心にも残るものでありました。

 

そのセレモニーの様子は飼い主さんであるHさんが自身のブログで写真付きで綴られていらっしゃるので、もしよろしければ、下記URLよりそちらをご覧になってください。

 

※ぴょん太くんのセレモニー。Hさんのブログ「お別れ」よりhttp://blog.zaq.ne.jp/keejimae/article/172/

 

 

私はぴょん太くんのセレモニーのとき、言葉では言い表せない、不思議な空気感を感じていました。

どう表現すればいいのかわかりませんが、浴室のようにセレモニーホールで聞こえるHさん家族の話声が、エコー がかかったように聞こえる時があり、私はHさん家族に気付かれぬようにしながら、何度か耳たぶを引っ張って鼓膜を広げる動作を繰り返していたのです。

 

しかし、その空気感は嫌な感覚ではなく、むしろ心地の良いものであったので、私は途中から、それに浸るようにしながらセレモニーを進行したのを覚えています。

 

その感覚はセレモニーを終え、Hさん家族が帰られた後も続いたのですが、私は睡眠不足で疲れがたまっているのだと、そのときは思っていました。

 

ところが、後日、知人から私のことがHさんのブログに載っているよと教えてもらい、Hさんのブログを読んで、その不思議な感覚の原因がわかったのです。

なんと、セレモニーのとき、ぴょん太くんはその場に居たのです。

 

もちろん、ぴょん太くんのセレモニーなので、ぴょん太くんの肉体は祭壇に横たわっていました。

しかし、その場にいたのはぴょん太くんの肉体だけではなかったのです。

ぴょん太くんの魂とも言うべきか、その存在も同時にその場に居たのです。

しかも、それが偶然にもHさん家族が撮られた写真に納まっていました。

 

下記のURLがその写真を掲載したHさんのブログです。

 

※セレモニーに現れたぴょん太くん。Hさんのブログ「ぴょん太くんがいる」より http://blog.zaq.ne.jp/keejimae/article/174/

 

 

どうです?皆様にはぴょん太くんの姿が見えましたか ?

 

もちろん、この手の話を信じれない人もいると思いますが、あの日、あの時、あの場所にいたHさんご家族と私には、間違いなくその存在を感じていました。

だから、Hさんのブログでこのことを知ったとき、何とも言えぬ温もりを覚えたのです・・・

 

その後もHさんの自宅やプレシャス会館でもぴょん太くんにまつわる不思議な出来事がも頻繁に起きています。

その話は機会があれば、またこのブログで紹介させてもらいます。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660



 

 

最近、不思議に感じること

高校生のとき、中華料理の出前のアルバイトをしていた時期がありました。

そのとき「今日は暇な日だな・・・」と思った途端、電話が鳴り響き、電話をとって、注文を聞いて電話を切った後、またすぐ電話が鳴り、その後、急に忙しくなるようなことがありました。

そのとき「なんで皆、同じタイミングで電話かけてくるんですかね?これって単なる偶然ですか?」と訊ねた私に、店長は「たぶん、皆同じテレビ見てて、CMのタイミングで電話しはったんちゃうか」と答え、私も「なるほど・・・そういうことか」と納得したことを覚えています。

 

ところが、最近、ペット葬儀の仕事でも同じようにセレモニーのご依頼の電話が重なることが多く、よくご依頼者さんから「おたくずっと話し中ですね」とお叱りをうけることがあるほど、その日の同じ時間帯にいっせいに電話がかかってくることがあるのです。

セレモニーのときにペットちゃんが亡くなった時間を確認するのですが、同じ時間にご依頼の電話をくださった飼い主さんに訊ねると、ペット達が息を引きとった時間はまちまちで、その時間に電話した理由は、あえて無く、なんとなくその時間に電話されたと口にされるのです。

 

中華の出前なら、店長が言ったようなことや、たまたまテレビ料理関係のCMや番組を見た人が「なんかお腹すいたな・・・出前とろう」と同じタイミングで電話をすることはあるかも知れないのですが、これがペットの葬儀の依頼となると、それらが当てはまらず、いつも不思議に感じています。

 

 

それに、もう一つ。

不思議と同じ種類のッペットの依頼が重なることもあり、そのことは過去に{偶然では説明のつかない不可解な死の連鎖}で書かせてもらったことがあるのですが、同じ日の同じ時間帯に同じ種類のペットのセレモニーの依頼の電話が、7件重なったこともありました。

 

はたしてこういうのは偶然なのでしょうか?

私は何か関連性があると思うのですが、それが何であるかは正直わかりません。

誰か知ってる人はいませんか?

知っていたら教えてほしいです。

 

いつか、このような連鎖のメカニズムが解明される日が来るかも知れませんが、本当に不思議に感じています。

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

最終章 死に至った経緯と悲しき告白

仔猫ちゃんが亡くなった悲しい経緯をYさんから聞かされた私は、項垂れるYさんの肩を見つめていました。

 

Yさんは深い悲しみと同時に大きな罪悪感を抱えて苦しんでおられたのです・・・

私もYさんの隣に座るようにしてブロック塀に腰かけました。

 

時間にして5分ほど、私とYさんは無言で、座ったまま時間を過ごしました。

私はYさんにかける言葉を探したのですが、そのときは見つけることは出来ませんでした・・・

 

そして沈黙を破るように、Yさんが重い口を開き「俺に拾わられへんかったらこんなことになれへんかったのに・・・」と吐き出すように言われたのです。

「Yさん。お気持ちはわかりますが、それは結果論です。このようなとき、結果論でものを言っても意味がありません。そんなこと言い出したら、もし、Yさんがその日、仔猫を保護しなかったら、イタチに襲われたり、車にひかれてもっと短い命だった可能性だってあったわけだし、餓死してたかもしれないじゃないですか」と私は反論するように言いました。

 

Yさんは、鼻を啜るようにしながら「そりゃ確かにそうですけど、そういうのって自然の中での出来事っていうか避けれないことですやん。でも、こいつが死んだのは明らかに俺の不注意が原因やと思うんですよ・・・」と言われたのです。

「言われてることわかりますよ。わかりますが、今、自分を責めて何か変わるっていうんですか?責めたところで状況は変わらないと思いませんか?」と私は隣のYさんの顔を覗き込むようにしながら訊ねました。

 

私にそう言われ、Yさんは視線を落としたまま黙っておられました。

「Yさん。私達のところにペットの葬儀をご依頼される中には、老衰や自然死ばかりではありません。全体の一割は、Yさんと同じように飼い主さん側の何らかの不注意が原因で命を落としたペット達なんですよ」と私は言いました。

「・・・そうなんですか?」とYさんは顔を上げて少し驚いたように私を見ました。

「はい。でも、Yさんのように、亡くなった経緯を話してくださらない飼い主さんもいらっしゃるので、実際にはもっと多いかもしれません」と私は正直に答えました。

少しの間を置いて「そういう不注意って、例えば踏んでしまったりとかですか?」とYさんはお聞きになられたので「ええまあ。でも足で踏んでしまったり、ベッドで一緒に寝ていてるときに体で押しつぶすてしまったりして亡くなる圧死はそれほど多くはないですね。やはり一番多いのは抱いてるときに誤って落としてしまって亡くなる転落死のケースですかね・・・」と私は答えたのです。

Yさんは遠くを見つめるような視線になって無言のまま何度も頷くようにしておられました。

私は続けるように「そのように直接的なことが原因でペットが死に至った以外でも、ペットだけを家に残して出かけて熱中症で死なせてしまうようなことも毎年、夏場にかけて後を絶たないんですが、それも飼い主さん側の不注意と言えば不注意と言えるのかもしれませんね」と私がそこまで話したとき、Yさんは膝に置いた仔猫ちゃんの顔を優しく指先で撫でておられました。

そんなYさんと仔猫ちゃんを見て「かわいい顔してますよね」と私は独り言のように言い、Yさんは寂しそうに笑いながら頷かれていました。

 

そして、Yさんは仔猫ちゃんを見つめながら「そんな人達って、みんな、どんな感じなんですか?」と言われたので「どんなとは?葬儀の時ですか?」と聞き返した私に「葬儀のときもそうですけ・・・そのあととか」と訊ねられたので「そうですね・・・やはり皆さん一応に沈んだ気持ちのまま葬儀を終えられますね。もちろん、その後のことは、お手紙でもくださらない限りどうされているかはわからないですけど」と答えました。

「まあ・・・そうですね・・・」とYさんは納得されたか、されていないのかわからないような返事をされたので、私は「Yさん。僕はね、Yさんのように自分の不注意でペットを亡くされた人にいつもお伝えすることがあるんですよ」と話を切り出しました。

「なんですか?それは?」とYさんは聞かれ、私は「はい。それは『亡くなったペットのことを亡くなった理由も含めて忘れないでいてください』ということです」と言いました。

「はい・・・忘れないというより、忘れられないです・・・」とYさんは視線を落としながらつぶやかれたので「でもねYさん。僕の忘れないでという言葉の意味は、自分を責めろと言う意味ではないんですよ。例えばねYさん。亡くなったのが人間だった場合、故意でなくとも場合によっては法律で罰せられますよね。でもペットの場合、ほとんどが、それを罰する法律がないでしょ?そのことが逆に人を苦しませることになることもあると思うんですよ」と言った私に「どういう意味ですか?」とYさんは困惑したような表情で聞かれました。

「つまり、不慮の事故であっても人を死に至らしめた場合、罰金を払ったり刑務所で刑に服すことで、形式的には罪を償えますよね。でもね、ペットの場合はそれに当てはまらず、ましてやそれが自分のペットの場合、形式的な罰則は無いに等しいのが現状です。だから、飼い主さんは自分で自分を裁くような心理になって、最終的に自分を責めることになるんです」と私は説明をし、Yさんは黙ってうなずいていました。

「でもね、そうやって自分を責めてみても何も解決しないし、酷な言葉ですが、亡くなった命も返ってきませんよね・・・だからこそ、残された飼い主さんは、その事実を胸に置きながら、忘れず生きていくこくらいしか出来ないんですよ。それが償いになるのかは誰にも答えられないことだと思いますが、僕はそれが償いになり、そして、亡くなったペットへの供養になると思ってるんです」と私は自分にも言い聞かせるように、Yさんに伝えたのです。

 

その後、私とYさんは30分ほど、その場でお話をしました。

そして、Yさんは「なんか時間かけてすいませんでした。そろそろ火葬してあげんといけませんね・・・」と言いながらゆっくりと立ち上がりました。

 

会館に戻り仔猫ちゃんの火葬が無事に終わったときは日付が変わっていたのですが、Yさんは来られたときよりもすっきりとした表情で丁寧にお骨上げをされていました。

 

全てのセレモニーを終えたYさんは、会館を出られるとき「いろいろありがとうございました」と、仔猫ちゃんの遺骨の納められたお骨壺を胸に抱いたまま、深く頭を下げて帰っていかれました。

Yさんに私の言葉がどのように伝わったのかはYさんに聞かないとわからないことであります。

 

しかし、私はYさんの後ろ姿を見送りながら、Yさんのこれからの人生の中で「自分に出来る償い」というのを見い出していかれるような気がしていました。

 

いつの時代であっても本当の償いというのは心でしか出来ないものであると私は思っており、Yさんは、それができる人であると私は感じました。

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660



 

 

続 死に至った経緯と悲しき告白

セレモニー前の重い空気を払拭できぬまま、私は読教を唱え、Yさんはお焼香をあげられました。

そして「では、私は火葬の準備をして参りますのでお別れの時間に使ってください」とYさんと仔猫ちゃんを残し、セレモニーホールを出て斎場に向かったのです。

 

出棺し火葬炉に納めた後、次に火葬炉から出てくるときはお骨の姿に変わってしまいます。

そのことを考慮して、通常、出棺前のこの時間はスタッフは退室して飼い主さんとペットだけの最後のお別れの時間に使ってもらうようにしています。

 

最後のお別れのこの時間は生前の姿と変わらないペットとの最後の触れ合いの時間でもあり、ほとんどの飼い主さんは、この時間に祭壇のペットを優しく撫でながら、映像に収めたりして過ごされるのですが、Yさんは椅子に座ったまま、あえて仔猫ちゃんから視線を外すようにして過ごされていました。

 

火葬の準備を整えた私は、静かな足取りでセレモニーホールの手前まで歩み寄りながら中の様子を伺いました。

ホールでは、Yさんが私が退室したときと同じ俯いたままの姿勢で座っておられたのですが、拳を握りしめ、肩が小刻みにに震えていたことから、涙を流されているのがわかりました・・・

 

もう少し、時間を置いたほうが良いと判断した私は、Yさんに悟られぬように静かに後ろずさりしながらホールから離れたのです。

 

それより20分後・・・

「すいません・・・」とYさんの呼ぶ声がし、私がホールに向かったところ、Yさんは小さな声で「お願いします・・・」と言われました。

私は小さく頭を下げて「斎場まで(仔猫ちゃんを)抱いていかれますか?」と伺いをたてたところYさんは首を横に振り「つらくなるだけなんでお願いしていいですか?」と目を深く閉じたまま言われたのです。

「わかりました。では私がお連れしますね」と私は仔猫ちゃんを祭壇から抱き上げながら「斎場にはご一緒に?」と声をかえたのですが、Yさんは「ここで待ってます・・・」と声を詰まらせながらお断りされたのでした。

 

Yさんのお気持ちを察した私は、頷きながら無言で頭を下げ、仔猫ちゃんを抱いてホールを出ました。

私が後にしたホールでは一人残される形になったYさんのすすり泣く声がしたのでした・・・

 

私は仔猫ちゃんを火葬炉に納め、合掌をした後、扉を閉じようとしたときでした。

背後から「待ってください」とYさんの声がし、振り返ってみると目に涙を浮かべたYさんが立っていたのです。

そして「すいません・・・もう一回だけ抱かせてください」と両手を差し出しながら言われました。

 

私は速やかに仔猫ちゃんを火葬炉から出し、Yさんに手渡しました。

仔猫ちゃんを受け取ったYさんは両腕を畳むようにして胸元で優しく抱きしめ、声を出して泣かれていました・・・

 

そしてYさんは、仔猫ちゃんを抱いたまま、おもむろに、歩き出すと会館の玄関を出て外に歩いていかれたのです。

 

Yさんの予期せぬ行動に私は戸惑いを覚えながらも、邪魔せぬよう、一定の距離を保ちながらYさんの後を追うように着いて行きました。

Yさんは会館を出た後、近くのコインパーキングに入っていかれ、膝くらいの高さのブロック塀に腰かけられたのです。

 

その様子を見届けた私は、そっとしておくべきか、傍に寄り何か声をかけるべきかの判断に迷いました。

 

その時でした。

Yさんは顔を上げ、私に向かって(すいません)と言うように頭を下げられたのです。

私はYさんに歩み寄り「Yさん。本日はYさん仔猫ちゃんのセレモニーが最後なんで、時間は充分あります。ですからお時間は気にしないでお別れしてあげてください」と声をかけました。

Yさんは「ほんまにすいません・・・ありがとうございます」と涙声で言われた後「こいつ(仔猫ちゃんのこと)僕のせいで死んだんです」と思いもよらないことを口にされたのでした・・・

 

「Yさんのせいで亡くなったとは?どういう意味ですか?」と私は言葉の真意を訊ねました。

そしてYさんは涙を流しながら、ポツリポツリとお話をしてくれたのです。

「こいつ(仔猫ちゃんのこと)拾ったのは二週間くらい前なんですけど、拾ったときはスゲエ弱ってたんですよ。でも、家で面倒見てあげてるうちに元気になって・・・めちゃ可愛いし、このまま飼おうて決めて、それなりにちゃんとしてたんですね・・・自分、酒が好きで仕事の仲間とよく飲みにいってて、昨日も飲んで帰ったんですよ。結構酔ってたんですけど、こいつ玄関開けたらまとわりついてくるのわかってたから、踏まんように、ゆっくり歩いてベッドまで行ったんですね・・・そこまではよかったんですよ・・・で、ベッドで服脱いで、エサやってから眠ようって思うて・・・自分の部屋にでかい鏡あるんですけど、そこにスエットかけてて、僕は寝るときはスエットに着替えるんですけど、そのスエットをベッドに座ったまま取ったら、引っかかって、取った拍子に鏡が倒れたんです・・・・」とYさんはそこまで言われた後、言葉に詰まり、絞り出すようして泣かれたのです・・・

 

「そのとき仔猫ちゃんが鏡の下敷きになったんですか?」と私はやりきれない気持で聞き、Yさんは無言のまま首をコクっと下げられたのでした・・・

 

 

 

 
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

死に至った経緯と悲しき告白

「あの・・・そちらってペットの火葬をしてくれるとこですか?」と低く太い声色の男性から電話があったのは、その日の早朝6時過ぎでありました。

私は「はい。そうです」と返事した私に男性は、二、三の質問をされた後「昼以降、一番早くていつ(火葬)できますか?」と訊ねられたので、私は予定表を見ながら「本日は午後からのご依頼が重なっておりますので会館で葬儀をされるのなら一番早くても22時になります」とお答えしました。

少しの沈黙の後「じゃあそれで(予約)お願いできますか?」と言われた後、電話を切ろうとされたので、私は慌てて「あのすいません。お名前は?」と男性に名前を訊ねたのでした。

「ああ・・・すいません。Yと申します」と男性はお答えになられたので、私は予約に必要な連絡先とお立会いされる人数を訊ね、最後に「あの・・・ペットちゃんの種類は?」と確認をしたのです。

Yさんは一段と低い声になって「・・・仔猫です・・・」とお答えになられた後「じゃあお願いします」と言って電話をお切りになられました。

 

電話でのYさんは口数が少なめな印象であり、ペットの種類を訊ねたときの「・・・仔猫です・・・」と答えられたその口調から、仔猫の亡くなった経緯には、何か複雑な事情が存在するかもしれないと、私は直観的に感じたのです。

 

その日のお昼過ぎでありました。

Yさんから電話があり「あの朝はちゃんと聞けなかったのですが、これって他のペットと一緒に火葬するんですか?」と質問をされたので「いえ。当社では合同火葬は執り行っていません。すべて個別での火葬になります」と私は返答しました。

 

「ああ・・・よかった・・・」とYさんは溜め息を漏らすように言った後「あの、それから骨も自分で拾えるんですよね?」と訊ねられ、私は「はい。そのようにさせてもらっております」と答えました。

「わかりました・・・すいません。じゃあ22時に」とYさんは安心したような感じで電話を切られたのです。

 

電話を切った後、会館にはセレモニーの予約をされていた飼い主さん家族が見えられ、支配人はじめスタッフが出迎えていました。

私はご指名で訪問火葬の仕事が入っていたので、来館された飼い主さん家族にお悔やみを告げた後、会館を出てご依頼者宅に向かったのです。

 

私が訪問火葬のお仕事を二件、無事に済ませて会館に戻ったときは21時過ぎでありました。

 

Yさんの仔猫ちゃんのセレモニーの担当は私だったので、私はセレモニーホールの祭壇の照明をつけた後、玄関前でYさんの到着を待つことにしたのです。

 

そして、22時の少し前、Yさんとおぼしき背の高い30歳前後の男性が小さな首から下げた小さなバックを両手に会館に入ってこられるのが見えました。

 

私は歩み寄りながら「プレシャスコーポレーションの野村です」と挨拶をした後、Yさんを誘導するようにセレモニーホールへと案内をしたのです。

 

セレモニーホールにYさんをお通し、私は祭壇の前で仔猫ちゃんが安置されていると思われるバックを目にしながら「ペットちゃんを御預かりしても宜しいでしょうか?」とYさんに訊ねました。

 

Yさんは少し困惑した表情をされ「あの・・・ここは何をするとこですか?」とセレモニーホールを見上げられたので「人間で言う葬儀を執り行うところです。ご火葬をする前にここで飼い主の皆様にお焼香をあげてお別れをしてもらうようにしているんです。もちろん、そのことで別料金はかかりません」と私は補足するように説明をしました。

 

Yさんは無言のまま視線を宙に浮かさて考え込むような仕草をされたので、私は「すいません。お葬儀は必要なかったでしょうか?」と訊ねたところ「・・・まあ・・・葬儀は別に・・・火葬だけしてくれたらそれでいいと思ってたんで」と小さな声で言った後「でも、せっかくなんで焼香あげさせてもらいます」とバックを首から外しファスナーを開け生後三か月に満たないような仔猫ちゃんを中から出されました。

 

私はYさんから仔猫ちゃんを丁重に手渡され、優しく祭壇に寝かせてあげた後「この子のお名前は?」と聞いたところ、Yさんは首を傾げるようにしながら「名前っていうか・・・正式にはまだ名前らしい名前は付けてなかったんで・・・呼ぶときはミィとかミィーコって呼んでましたけど」と少しだけ照れくさそうに言われたのです。

「そうですか。お幾つだったんですか?」と仔猫ちゃんの年齢をき訊ねた私に「自宅のマンションの近くに捨てられていたんで、正確にはわからないんですけど、たぶん3か月くらいだと思います」とYさんは仔猫ちゃんを保護した経緯を教えてくださいました。

 

そして、私は仔猫ちゃんの艶のある毛を撫でさせてもらいながら「お病気だったんですか?」と訊ねたときでした。

Yさんは視線を足元に落とした後、黙り込まれてしまわれたのです。

 

そんなYさんを見て、私は(いけないことを聞いてしまったのではと)少し質問を反省し「すいません。無神経な質問をしまして」と頭を下げました。

Yさんも小さな声で「・・・いえ・・・」とだけ言われた後、私は焼香に火をつけ「どうぞお掛けください」と椅子のある方を手で示しながら言いました。

 

そして、少し気まずい空気を引きづりながら、私とYさんは仔猫ちゃんのセレモニーを始めたのです。

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 



 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

これからどうやって生きていけばいいのでしょうか?

ペットというのは、人によって、それ以上の存在である場合があります。

その存在を喪ったとき、経験したことのない喪失感に苛まれ、自暴自棄になってしまわれる人もいます。

 

セレモニーが終わり、小さくなってしまったペットの遺骨を抱きながら「私はこれからどうやって生きていけばいいのかな・・・」と独り言のように言われる人がいます。

 

そんなとき「人生悪いこともあるけど、良いこともありますよ」や「まだまだ若いんだし人生これからじゃないですか」とありきたりな励ましの言葉はほとんど意味を持たないものです。

 

私はペットを喪った飼い主さんが、その類の独り言を言われたとき、何も返さず無言でいることがほとんどです。

どんなときでも、完全に塞ぎ込んでる人には、どんな言葉も届かないものであり、時に温かい言葉はその人にとって、何の意味を持たないし、場合によっては逆効果になりかねないことを知っているからであります。

 

しかし、明らかに私に対して「私はこれからどうやって生きていけばいいのですか?」と訊ねられたときは、無言でいるわけにはいきません。

そんなときは正直に自分の思いや考えを伝えるようにしています。

それはとても単純な返答です。

私はそう訊ねられたとき必ずと言っていいほど「それは人に聞くものではありません。自分で見つけるもんです」と答えています。

 

冷たいように感じる人もいるかもしれませんが、このようなとき、上辺の優しさや同情は人を駄目にするもので、何の解決にもなりません。

それどころか、その人の依存体質に拍車をかける可能性だってあるのです。

 

葬儀が終われば、また日常の生活が待っており、遺された者は当たり前のように生きていくための生活を続けていかないといけないのです。

 

大切な存在を喪った悲しみは私も経験があり、そのつらさも理解しています。

 

理解しているからこそ、私はそのように厳しいことを言うのです。

 

最近になって気付いたのですが、私は葬儀という仕事をする中で悲しんでる人に感情移入して涙を流すことは、ほとんどなかったように感じます。

 

私が涙を流すときは、つらく悲しい中であっても、懸命に自分を奮い立たせてお見送りをされている飼い主さんを見たときでありました。

 

思い返せば、悲しみに同調して、もらい泣きをしてるのではなく、悲しみに負けないようにしながら懸命に前を向こうとしている人を見て、素直に胸を打たれ、感動をして涙を流していたように感じるのです。

 

そのように自分の意志で前を向こうとしている人には心から励ましの気持ちが沸いてくるもので、いろんな人からの心の支援を得れるものであります。

 

そして、そのときに初めて先に述べたような、ありきたりの言葉であっても大きな意味を持つのかもしれませんね。

 

どんな人でも最後は自分一人で歩かないといけません。

また、どんな強い人でも人を背負いながら歩き続けるのには限界があります。

 

でも懸命に歩く人を支ることは出来ると思うのです。

 

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660



 

亡きペットを抱いて歩く道

昨日のブログでも少し触れましたが、亡くなったペットを抱いて歩くという行動は、その飼い主さんとペットにしかわからない別れの儀式である場合があります。

残酷な表現ではありますが、人間でもペットでも斎場に入ったとき、次に出てくるのは骨の姿に変わってしまいます。

それを理解してるからこそ、呼吸をやめたペットを胸に抱きながら『語りつくせない数々の思い出を噛み締め、先立ったペットの姿を自分の目に焼き付けておられる』のかも知れません・・・

 

動物愛護師の資格を持つTさんも、常に生活を共にしていた愛猫ちゃん亡くなったとき、そのようにされた一人でありました。

 

その日の深夜近く、この日最後のご依頼でもあったのはTさんの愛猫ちゃんのセレモニーでありました。

 

予約された時間ぴったりに愛猫ちゃんを抱いて会館に入られたTさんは、出迎えた私に「予約していたTです。よろしくお願いします」と穏やかな口調で言われた後、頭を下げて挨拶をされました。

 

歩いて会館に来られたTさんに、私はお悔みを告げた後「あのTさんお車はどこにとめられたんですか?」と訊ねました。

Tさんは「コインパーキングに・・・」と控え目な笑顔でお答えになられたので「すいません。お電話でお伝えするのを忘れていましたが、会館には駐車場がありますんで、そちらにとめてください」と頭を下げながら言いました。

 

しかし、Tさんは、私のその言葉に首を横に振りながら「いえ。少し遠くのパーキングにとめたんで構いません」とお答えになられたのです。

 

「少し遠く?とはどこのパーキングにとめられたんですか?」と訊ねた私にTさんは「中環沿いのコインパーキングです」と少しうつむきながら言われました。

 

中環とはプレシャス会館のある国道163号線から車で5分ほど走った場所で交差している国道中央環状線のことであり、そこからなら徒歩で20分ほどかかる距離でありました。

Tさんは車でプレシャス会館を通り過ぎ、中環まで車を走らせ、その近くのコインパーキングに車をとめ、歩いて会館に来られたのです。

 

不思議に思った私は「中環?・・・ですか?なぜ、わざわざそんな遠くにとめられたんですか?」とTさんに訊ねました。

Tさんはうつむき加減のまま、少しだけ目を潤ませて「・・・この子(愛猫ちゃん)を抱いて・・・少しだけ歩きたかったんです・・・」とポツリと言われたのです。

 

そんなTさんの返答に私は瞬時にその想いを理解したのですが、同時に優しく胸に抱いた愛猫を見つめているTさんの姿を見て、思わず胸が詰まり、言葉を失ってしまったのです。

 

そんな私を気遣うようにTさんは「すいません・・・変な行動をとって」と頭を下げられたので「いえいえ。こちらこそ、そのような思いであられたのに無神経なことを言ってすいませんでした」と私も頭を下げてお詫びしました。

 

そして、「こちらにどうぞ」とTさんをセレモニーホールに案内し、私とTさんは夜の静けさに包まれた会館で愛猫ちゃんのセレモニーを始めたのです。

 

Tさんの愛猫ちゃんのセレモニーが無事に終わった頃、日付は変わり、Tさんの胸に抱かれていたのも小さなお骨壺に変わっていました。

 

 

愛猫ちゃんのお骨壺を大切そうに抱いたまま「お世話になりました」と礼儀正しく挨拶をされて会館を出ようとされたTさんに「あのTさん・・・」と私は声をかけました。

「はい?」と返事をされたTさんに「あの・・・なんて言いますか・・・帰りも歩きたい心境ですか?そうであるなら構いませんが、もし、そうでないなら車でお車をとめられたパーキングまでお送りしますが・・・」と私は控え目な口調で訊ねたのです。

 

しばし、目を閉じて考えられるようにしたTさんは「・・・いいんですか?じゃあ・・・お言葉に甘えて」と照れくさそうな笑みを浮かべて承諾してくださったのです。

 

私はすぐに車を会館の玄関前に回し、Tさんを乗せ、中環まで走らせました。

車中でTさんは「実は車では近くだと思ってたのですが、実際に歩いてみたら結構距離があったんで、助かりました」と笑顔で言っておられました。

 

 

深夜の国道は空いていて、5分ほどでTさんが車をとめたパーキングに着き、Tさんと別れたのですが、私は一人で会館に戻る車中で、Tさんが歩かれた道を眺めるようにしてゆっくりと車を走らせ、その道のりをTさんがどのような心境で歩かれたのかを考えていました。

 

そして、行き着いた結論がブログの冒頭で書いたことであります。

 

もちろん、これは私の想像であり、そこには色々な想いや覚悟。それらが入り混じった他人には知り得ない複雑かつ大切な思いが存在しており、おそらく当人にしかわからないことであるはずです。

 

それはきっと遺された飼い主さと先立つペットにとって特別な時間であり、形式的な葬儀より大切な儀式なのかも知れません・・・

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660



 

その後を見届けるということ

昨年の夏にブログ{ペットの死を受け入れられない心}で書かせていただいたMさんとKさんのご姉妹が愛犬の納骨をされるためプレシャス会館を訪れてくださいました。

ご姉妹に会うのは約1年振りだったのですが、二人とも元気な姿を見せてくれ「その節は本当にありがとうございました」と丁寧に挨拶をしてくださったのです。

私もセレモニー当日のことを思い出しながら、相変わらず仲のいい姉妹の姿を見て自然と頬が緩みました。

 

私はご姉妹と納骨の儀を執り行った後、応接室に案内し、お二人のセレモニー当日とその後のお話などを聞かせてもらいながら過ごしました。

その会話の中で、姉のMさんが「でも、今でもたまに思い出すんですよ。野村さんの勘違い」と言われたのです。

「僕の勘違いってなんですか?」と困惑しながら訊ねた私に「ほら。野村さん私が『妹がいつまでもCの死を受け入れられない』って相談したとき、亡くなったCを抱いて散歩したりしてるって勘違いしはったじゃないですか^^」と笑いながら説明してくれたのです。

「ああ。ありましたね」と私は思い出しながら返事をしました。

「でも実際、本当にそんな人いるんですか?」とMさんは、一転、真面目な表情をして私に訊ねられました。

「いますよ。つい最近もそのような人がいましたよ。でも、何て言うか、亡くなったペットの死を受け入れられずに、そのような行動をして気を紛らわせてるのではなくて、むしろ、噛み締めるようにしながら亡くなったペットを抱いてペットの死を受け止めておられるんだと思います」と私は答えました。

黙って頷く姉妹に私は続けるように「うまく説明できませんが、死んでしまったペットを抱きながら歩くことで、元気だった頃の思い出に浸りながらも、同時に、別れの決心を固めておられるんだと思うんです」と葬儀屋として、そのような人達を間近で見守ってきた人間として、その思いを代弁するように私は言いました。

 

私の話に妹のKさんは「その人達の気持ちすごくわかる・・・」と、ポツリと言い、静かに涙を流しておられました。

 

その後、二時間近く、姉妹は会館内メモリアルグッズの展示品などを見学された後「またお参りに来ます」と笑顔で帰っていかれました。

 

私は帰っていかれる姉妹の後姿を見送りながら、また一人、心に引っかかっていた人達の元気になられた姿を見届けれた喜びを感じていました。

 

それは悲しみがつきものな葬儀屋という仕事をする上で、数少ない至福を感じれるひと時でもあるのです。

 



 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

Home > アーカイブ > 2013-11

  • 亡くなったペットの遺骨で作るメモリアルグッズ
  • 永代供養
  • ペット火葬について日々のスタッフブログ
  • ペットロス 愛するペットの死を乗り越えるために
  • 訪問可能エリア 大阪・京都・兵庫・滋賀・和歌山・奈良 その近辺のエリアに関してもお気軽にお問い合わせください。

ページトップへ