2012-07

守口市のスズちゃんの遺骨アクセサリー

老衰で永眠したスズちゃんと14年間、共に過ごしたIさん宅のご子息さん達が先日、プレシャス会館で遺骨メモリアルグッズを作成しに来館してくださいました。

長女さんがグリーンのガラス石材を融合させたネックレス。

長男さんがブラックのガラス石材を融合させたブレス。

次男さんがダークブルーのガラス石材を融合させたブレスを当社の職人と一緒に作っておられました。

長男さんと次男さんのブレスはメインストーンとの色のバランスを考えて好みのパワーストーンと組合わせておられました。

3人とも、どこに行くときも着用されておられるようで、「亡くなったペットといつでも一緒にいるような気がします。天神祭りにもスズと一緒に行ってきました」とお手紙には書いていました。

葬儀のときは悲しそうにしていた姉弟さんが、少しは元気になられていることが手紙と同封された写真から伝わり、セレモニーを担当した私も自然と笑みがこぼれました。

ペットへの想いを胸に自分自身で作ったメモリアルグッズの出来上がりには3人とも満足してもらえたようで記念写真を送ってくださいましたので、掲載させていただきます。

※詳細はhttp://www.precious-corporation.com/service/goods.html

※関連ブログ遺骨をガラス石材に融合させて自分自身で作るメモリアルアクセサリー

 



 

ひき逃げされた豆シバの銀次くんのボール

我々ペットセレモニー会社がご葬儀やご火葬のご依頼を受けるとき、ペットちゃんがどのような経緯で亡くなったのか確認できないまま、自宅にお伺いするケースが大半であります。

もちろん、お電話でご依頼があった際に、これまでの経緯と現在の状態を丁寧に説明してくださる飼い主さんもいらっしゃいますが、ほとんどの場合、ショックと悲しみのあまり、ご希望の葬儀と火葬の日時を伝えるのが精一杯という方も少なくありません・・・

 

朝から季節外れの突風に関西地方が見舞われたその日、豆シバの銀次くんの飼い主さんのSさんから「うちの犬が亡くなりました・・・今日の夕方に来ていただけますか?」と力ない声でご依頼があり、その日の夕刻、私はSさん宅に向かいました。

自宅に到着し、出迎えてくださったSさんに挨拶を済ませ、お悔みを告げた後、リビングに通された私は、ソファーの上で全身を白い布に包まれた状態で安置されてる銀次くんと対面しました。

頭からスッポリ布に覆われた銀次くんのすぐ横に、お気に入りだったのか、ピンク色のビニール製のカラーボールが置かれていました。

白い布はところどころ、朱色のシミが浮きでており、おそらく銀次くんの血液と体液の混ざった痕跡だと私は認識しました。

 

銀次くんの正面に正座をし、手をあわせた後、私は正座したまま背後に居らした、SさんとSさんのお母さんの方に向き直り「あの・・・お聞きしにくいことなんですけど、銀次くんは事故に遭われたのですか?」と尋ねました。

Sさんは涙を流しながら口をおさえ、言葉を発することもできないまま、深く頭を下げ頷きました。

Sさんの隣に居たお母さんが、表を指差し、「家で出て一本目の通りでトラックにひき逃げされたんです・・・すぐ病院連れていったんですけど、手遅れでした・・・」と気丈に説明してくださいました。

Sさんは涙を手で拭いながら話を聞いておられましたが、「ティッシュとってくる」とお母さんに言い残し洗面台のほうにいかれました。

お母さんと二人になった私は「あのお母さん。銀次くんはトラックにひかれただけですか?それともタイヤに巻き込まれたり、引きずられたりしたのですか?」

「いや、私も娘も家に居て見てないんですけど、見た近所の人の話だと、ひかれただけです・・・なんでそんなこと聞きはるの?」とお母さんは困惑ぎみに言いました。

「すいません変な質問して。つまり私が聞きたいのは銀次くんは布で覆わなきゃいけないほど、ひどい状態なのかなと思いまして」

お母さんは、「ああ」と納得された顔をして「私たちは平気ですけど、葬式屋さん(私のこと)が見たくないやろうと思いまして。ずっと、病院から帰ったままそこに寝かせてたんですけど、あなたが来るちょっと前に娘がシーツかぶせたんです」と仰いました。

「私は平気です。傷が残ってるいるのは、どの部分ですか?」という私の問いかけに「顔は綺麗ですよ。胴体というか、一番ひどいのは下腹部の辺りです」とお母さんは私と銀次くんの方に顔を近づけるような感じで言いました。

「このままなら少し可哀想なので、せめて顔だけでも出してあげませんか?それからお焼香あげましょう」と私は提案しました。

お母さんは快く承諾したように「そのほうが私たちも嬉しいし、銀ちゃんも喜ぶと思います」と言って「ハサミいりますか?」と私に尋ねました。

「シーツに傷がつきますけどいいんですか?」と私が尋ねたときはお母さんは立ち上がって机の引き出しからハサミを出して「いいです。一緒に火葬してもらうつもりだったんで。はいこれ。どうぞ使ってください」と言って私にハサミを手渡しました。

Sさんがかけたシーツに無断でハサミを入れることに、少し気が引けましたが、洗面台から戻ってこられる気配がないので、お母さんに再度、確認してからシーツをハサミで切りました。

そして切った穴から銀次くんの顔を出してあげました。

初めて見た銀次くんの顔は事故で亡くなったと思えないくらい安らかで綺麗な顔でありました。

私はハサミを置き、銀次くんの頭を撫でました。後ろでお母さんが「綺麗な顔でしょ」と我が子の自慢をするように優しく微笑んでいらっしゃいました。

その後、私はお母さんと相談して合計6箇所、シーツに穴を開け、頭、両前足、両後ろ足、そして尻尾を出してあげました。

傷口のある胴体部分は白いシーツに包まれたままで、銀次くんは本当に白装束を纏っているような出で立ちになりました。

そして、シーツの上から当社の金のラメ糸で飾られたシルク地の装束を銀次くんに着せてあげて祭壇に寝かせてあげたとき、背後から「なにしてるの?」とSさんの声がしました。

お母さんが振り返り「葬式屋さんが、顔を出してあげようって、してくれはってん」とSさんに説明し、Sさんは祭壇に歩み寄っ装束を施した銀次くんに視線を向けました。

無言で銀次くんを見つめるSさんの横顔を見ながら、私は無断でこのようなことをしたのは、無礼だったのかもと、気をもみました。

しかし、Sさんは「ありがとうございます」と言って大粒の涙を流しました。

Sさんは顔を手で覆い「せっかく泣きやんで顔を洗ってきたのに・・・」と言って涙をふきながら笑顔を見せてくれました。

その後、Sさんとお母さんと私とで、お焼香をあげ、自宅前にとめさせていただいた火葬車で銀次くんは天に召されました。

火葬のとき、Sさんは銀次くんが安置されてたとき、置いてあったボールを手に銀次くんの思い出話をしてくださいました。

「硬派で男らしい犬になってほしくって『銀次』ってつけたんですけど、全く真逆な性格で、すごく臆病で怖がりな犬だったんですよ。ほんとうに・・・。散歩のときも小型犬に出くわしただけで、私の後ろに隠れるくらいビビリ(怖がり)で・・・」と懐かしむように仰いました。

Sさんは続けるように手にしたボールを見ながら「このボールが大好きで、いっつも遊んでました。ご飯のときと寝てるとき以外はいつも銜えてたって言っていいくらい、ずっと銜えてたんですよ・・・口からボールが外れて転がっていくと、慌てて取りに言ってまた銜えるんです。で、またボールがこぼれると、取りに行く。その繰り返しでした」そこまで言って黙り込まれました。

私は黙ったままSさんの言葉に頷きながら次の言葉を待ちました。そしてSさんが「銀は普段。部屋じゃなく、玄関で飼ってたんです。さっきも言ったように臆病だったんで、勝手に門から出ることはなかったんですけど、今日、初めて無断で外に出て・・・事故に遭ったんですよ・・・」と事故に遭った経緯を話してくれました。

私は「そうだったんですか・・・でもなぜ、銀次くんは、今日に限って外に出たんですかね?」とSさんに聞きました。

Sさんは手の甲で口を押さえながら「私もお母さんも、最初、なんで外に出たのかわからなかったんです。病院から戻ったきて、事故現場に行ったとき、道路の向こう側の溝に、このボールが転がっていたんです・・・きっとボールが弾みで外に出て、風で道路まで転がったんだと思います・・・」と涙を堪え話してくれました。

「つまり銀次くんはボールを取りに行ってトラックに・・・・」私はそこまで言って言葉を切りました・・・

40分後、銀次くんの火葬は無事に終わり、Sさんとお母さんの手によってお骨上げされました。

銀次くんのお骨が納められた骨壷を抱きながらSさんは「私の不注意でした・・・門から出ないって安心しきってましたから・・・」と力なく仰ったので、私は「何年もの間、門から出なかったんですから、誰だって出ないって思い込みますよ。事故でペットを喪った飼い主さんは皆、落ち度を探して自分を責めます。でも、それは結果論に過ぎないわけで、誰もがそうしようと思ってしたわけじゃないじゃないですか」と私は言いました。

黙ったまま、遠く見つめたままSさんは聞いていました。

「私も同じ経験があります。しかも私の愛犬は私の目の前でトラックにはねられました」私のその言葉にSさんは顔を私に向けました。

「私もリードを離した自分を責めました・・・でも、責めたところで何も変わりませんでした。だから、言えるんです。自分を責めても何も変わりません。自分を責めて塞ぎこむくらいなら、元気だった頃の思い出を胸にSさんらしく生きていくほうが銀次くんも喜ぶと思います」と私は自身の思いをSさんに伝えました。

少し間を置いた後、Sさんは顔を上げ「はい。わかりました。ありがとうございました」と言って深々と私に頭を下げられました。

「いえ。とんでもないです。わかったようなこと言ってすいませんでした」と私も頭を下げました。

 

朝からの強風が嘘だったかのように、Sさん宅を後にする頃、大阪の空は晴れ渡り、綺麗な夕焼けに包まれていました。

ペットを喪った子供達

まだ幼すぎて「死」というものを理解できない子供達が葬儀の席で無邪気にはしゃぐことは人間の葬儀の席でも見受けられることではありますが、ペット葬儀でも同様で、そのような子供達の純粋な言動には、ときに救われることもあり、場を和ますものであります。

葬儀を請け負う側の人間として、そのような子供達から、必ず聞かれることがあります。

それは「ペットは死んだらどこにいくの?」ということです。

模範解答の定番としては、今なら「虹の橋を渡る」一昔前なら「お星様になる」というところなのでしょうか。

でも私が質問を受けたときは、そのような返答はしません。

必ず、子供達の胸に手をあてて「心の中で生き続けるんやで」と答えるようにしています。

もちろん、子供達は言葉の意味が理解できないので必ずと言っていいほど「どういうこと?」と聞き返してきます。

そんなとき「目を閉じてペットの顔を思い浮かべてみて。思い浮かんだら目を開けて」と言います。

子供達が目を開けたら「思い浮かんだ?」と尋ね、子供達が「うん」と答えると「ペットは何をしてた?」と聞きます。

回答は「座ってた」「オシッコしてた」「吠えていた」「走っていた」「寝てる」など千差万別で、子供達の数だけ回答があります。

中には感受性の豊かな子もいて「死んじゃった(亡くなった)おばあちゃんと一緒に白い箱の上に座っていた」というような具体的で意味深い回答をする子もいます。

そして回答を聞いた後、私は「目には見えなくなっちゃったけど、心の中で元気に生き続けるんやよ。だから目をつむったら見えるんやで」と話します。

それだけで納得する子供もいますが、「これから、どうやってご飯をあげたらいいの?」とか「うつぶせに寝たらペットは痛がる?」など、子供達の無限の感性から繰り出される追撃に返答に詰まることや、思わず噴き出してしまうこともありましたが、私は子供達が納得するまで答えるようにしています。

そして、そのようにして知合った子供達と納骨の儀や慰霊祭で再会することは、私の楽しみでもあり、僅かな期間であっても、身体だけではなく心の成長を遂げた姿を見せてくれます。

その成長の背景には当然、ご両親の存在が大きいことは言うまでもありませんが、ペットと共に過ごした月日がもたらした恩恵が影響していると感じることも少なくありません。

ペットを飼っている家で育った子供は優しい人間になると言われますが、この仕事をしていると、そのことを、本当によく実感できます。



大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660




 

散歩が大好きだったメルちゃんのために

16歳で永眠したミニチュアダックスのメルちゃんのご火葬のご依頼があり、メルちゃんの飼い主様宅に訪問したとき、メルちゃんは人間の赤ちゃん用のベビーカーにたくさんのお花と一緒に寝かされた状態で安置されていました。

飼い主さんの要望で、ベビーカー前に祭壇を設置し安置されたその状態のままメルちゃんの葬儀を執り行うことになっていました。

「このベビーカーは私が赤ちゃんの頃に使っていたものなんです」と説明してくれたのは20歳になったばかりの飼い主さん家族の一人娘のKさんでした。

Kさんは続けるように「メルは散歩が大好きで、まあ犬は皆そうかも知れませんが、メルは1日最低5回は散歩に行きたがるくらい散歩が犬だったんですよ」とベビーカーに横たわるメルちゃんを見ながらハンカチで涙をふきながら仰いました。

メルちゃんは散歩コースである淀川河川敷が大好きだったようで、玄関先に置いてあるリードをくわえて家族に散歩をねだるメルちゃんの姿は15年もの間、家族が見慣れた光景でありました。

「ちゃんと時間帯の担当がわかっていたようで、朝と昼はお母さん、夕方は私、夜はお父さんのところにリードをくわえて誘うんです」そこまで話してKさんは声を詰まらせました。

Kさんと私のやりとりを後ろで聞いていたお父さんが「でも1年前に病気(癌)になってから、ほとんど寝たきりになってね・・・」と静かで優しい口調で付け加えるように仰いました。

私は「それで、ベビーカーに乗せて散歩に連れて行ってあげてたのですか?」と尋ねました。

Kさんは黙ったまま首を横にふり「病気になった最初の頃は、ゆっくりだけど、まだ歩けたんです。でも、いつも引っ張られるくらい前を歩く子(メルちゃんのこと)だったのに、少し歩いては座り込んで休憩するくらい一気に衰えちゃって・・・最後の2ヶ月は、もうほとんど歩けなくなって、しかたなくオシメをさせてました・・・ずっと外に出れなくて、可哀想だから亡くなる前日にお父さんがベビーカーを出してきて、『これに乗せて散歩連れて行ってあげよう』って家族全員で次の日の朝、メルをベビーカーに乗せて散歩に行ったんです」

Kさんはそこまで言って泣き崩れました・・・

そしてお父さんの隣に居たお母さんが「その散歩の最中に家族全員に見守られて静かに目を閉じるようにして安らかに逝ったんですよ・・・」と涙をこらえながら私に説明してくれました。

メルちゃんの葬儀はベビーカーに寝かされたまま執り行わられ、出棺もベビーカーに乗せたまま、送りだされました。

自宅駐車場にとめさせていただいた火葬車の後ろまで運んだKさんが赤ちゃんを抱くようにメルちゃんをベビーカーから抱き上げ、優しく抱きしめキスをした後、その手で火葬炉に納めまておられました。

そしてメルちゃんは、16年の生涯に幕を降ろし家族が見守る中、天に召されたのでした。

火葬車の後ろのベビーカーにはメルちゃんが寝ていた跡形を残して、たくさんの花だけが残っていました。

そのベビーカーを見て、ご家族全員、声を出して泣いておられました・・・・

私はかける言葉も見つけれないまま、ただ、立ち竦んだまま、視線を落としました。

ご火葬は無事に終わり、ご家族の手でお骨あげが終わった後、メルちゃんのお骨は、その日のうちに当社会館の納骨堂に納められることになりました。

納骨の儀にはご家族を代表してKさんが立ち会われることになり、お骨あげの後すぐにKさんは、メルちゃんの遺骨が納められたお骨壷を抱いたまま、火葬車の助手席に座られました。

会館に向う途中Kさんは「すいません、少し遠回りですけど、淀川沿いを通って行ってもらえませんか?」と要望があり、私はKさんの言われた通り、メルちゃんの散歩コースだった道を経由するように車を走らせました。

Kさんは助手席から淀川を眺め「メルのことを思い出すと元気で走りまわってる頃の姿じゃなくて、病気をしてすぐ、散歩のとき遅れがちになって、私が振り返って見たときの辛そうに座り込んでる姿ばかり思い出すんです・・・なんでだろ・・・」と薄っすらと涙を流しながら仰いました。

私は車を走らせながら「そういうもんですよ。いっぱい可愛がってあげて、喜んでるペットの姿より、叱られて落ち込んでるペットの顔のほうが印象に残ってるって口にする飼い主さんのほうが多いのも事実ですしね・・・もっと優しくしてあげればよかったとか、もっと遊んであげればよかったって思うのは、皮肉なことにペットが亡くなってからなんですよ。その後悔の念が寂しげな表情のペットの記憶を呼びおこすんじゃないですかね・・・」と答えました。

Kさんは助手席の窓から淀川を見たまま、視線を外すことなく黙って頷いておられました。

そして淀川に向かい静かに合掌を捧げました。

Kさん合掌をほどいたとき、道は川沿いから逸れ、公道に合流しました。

天国に旅立ったペットへの手紙集

弊社プレシャスコーポレーションではペットのお葬儀・ご火葬をご依頼して下さった
飼い主様に、天国に旅立ったペット宛に手紙を書いていただいております。
それらの手紙はプレシャス会館に展示されており、同じようにペットを喪った人達を
励ますメッセージにもなっております。
そこで、今回は、その手紙の中で私がもっとも心に残ったものを
いくつか紹介させていただきます。

散歩のときいつも私の少し前を楽しそうに歩いてたね。
私が立ち止まったらキミも少し歩いてから立ち止まる。
そして振り返って私の顔を不思議そうに見ていたね。
本当に不思議そうに首を傾けて見ていたね。
キミのその顔が見たいから、何度もわざと立ち止まっていたの
だってキミのその顔が大好きだったから・・・
大好物を買って帰ったとき、玄関まで走ってきて、
甘えた声で私の足元にじゃれ付くあなたがたまらなく可愛かった。
その声が聞きたくて毎日のように大好物を買って帰った私
大好物も一緒に火葬してもらうね。
天国では好きなだけ食べていいよ・・・


あなたが家に来た日のこと今でも覚えています。
少し震えて私を見上げていたね・・・
心の中で「こわくないんだよ」と何度も話しかけてたたんだよ
何度目かそう語りかけたとき
あなたが私のもとにヨチヨチと歩いてきたね。
そのときから心が繋がったんだよ。


何気に立ち寄ったショップで私がだした手に
真っ先に飛び込んできたのがキミでした。
そんな気はなかったのに、その日の夜には
キミは家族の一員になってたね。


いつもひとりでお留守番させてごめんね・・・
ほんとうにほんとうにごめんね・・・

あなたが逝ったその日に私のお腹に
赤ちゃんがいることがわかったんだよ
きっとあなたが形を変えて産まれてくるんだね。


彼氏にふられて泣いた日
鼻をならして一緒に泣いてくれたね
忘れないよ

みんなわかってたね。
みんな知っていたね。
また会いたい・・・

最後のとき 
私の胸の中で迎えさせてあげれてよかったよ
でもね・・・でもね・・・
とっても悲しかったよ・・・


誰にも心を開けなかった私に
心を開かせてくれたのはあなただった。
あなたがいなくなって初めてわかったことがある
私は誰にも心を開けなかったんじゃなく
自分が心を閉ざしていたんだね。
それをあなたが教えてくれたんだ。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。


また会おうね
一緒に暮らそうね
一緒にお散歩しようね
一緒に遊ぼうね
また会えるよね?
絶対に会えるって信じてる。

何気ない行動に込められた優しさ

「この年齢で恥ずかしいんですけど、私って夜中に一人でトイレに行くのが苦手なんですよ」

そう言ったのは大阪市生野区のポメラニアンのチャラちゃんの飼い主さんのJさんでした。

肝臓病が原因で11歳で永眠したチャラちゃんの火葬の依頼があり、私はJさんと二人でJさんの自宅マンションの近くの公園脇で火葬を開始して10分ほど経ったとき、不意にJさんがそう仰ったのです。

「そうなんですか?僕も小学生の頃は夜中にトイレに行くの怖かったです」と私は返答しました。

Jさんが「子供は皆そうですけど、私は大人だから変ですよね?」と聞かれたので「まあJさんはお一人暮らしですし、女性ですから、わからないでもないですよ」と私は答えました。

愛犬の火葬のときの話題としては、少し不自然に感じた私は「あの、なぜそのお話をされたのですか?」と尋ねました。

Jさんは私の問いかけに「そうですよね。意味わからないですよね」と笑いながら答え、「私が夜中にトイレに行くとき、チャラは必ず着いてきてくれたんです」と言葉を詰まらせ涙を流しながら仰りました。

「ああ・・・そうだったんですか・・・」と言った私にJさんはハンカチで涙をふきながら頷きました。

Jさんは「私の部屋のトイレって玄関のすぐ隣にあるじゃないですか?だから、チャラが着いてくるのは散歩に連れていってもらえるって勘違いして着いてきてるんだと思ってたんですよ」

そこまで話してJさんは何かを思い出したように、しゃがみこむようにして泣き崩れました。

私はJさんを支えるように「Jさん・・・大丈夫ですか?」と声をかけました。

Jさんはハンカチで顔を隠すようにしたまま「すいません」と仰り、座り込んだ体勢のままで「でも、亡くなる一週間前は、ほとんど寝たきりの状態だったのに、私が夜中にトイレに行くときだけはパっと目を開けて立ち上がろうとするんです。私が『チャラ。着いてこんでいいから。トイレいくだけだから、ここで寝とくんやで』とチャラの体を抑えながらそう言ってトイレに行くんですけど、終わってトイレのドアを開けたら前まで来てて私の顔を見上げてたんです」と泣きながら仰りました。

私は「チャラちゃんは散歩に行けるって勘違いしてたんじゃなく、Jさんががトイレに行くのが苦手なの知ってて着いてきてくれてたのかも知れないですね・・・」と言いました。

Jさんは口を押さえたまま頷き「最後のほうはお座りすら出来ないくらいの状態だったのに・・・私のこと心配してくれたんだと思います・・・自分(チャラちゃんのこと)の体のほうが限界だったのに・・・」と寂しげに言いました。

ご火葬が無事に終わり、お骨上げのとき、Jさんはチャラちゃんの遺骨に向かって「私もこれからちゃんと一人でトイレに行くから、チャラも神様のとこに行くんやで」と語りかけながら、お骨を一つ一つ、丁寧に骨壷に納めていました。

そして、すべてのお骨を納めた骨壷を胸に抱いたJさんは顔を天に向け1分ほど黙祷を捧げていましたが、その肩は小刻みに震えていました。

日常の何気ない光景の中ほど、ペットとの想い出は詰まってるものであり、私は話を聞いて、胸が詰まるくらいチャラちゃんの優しさが伝わりました。

Jさんにとって今日から始まるペットロスの日々は辛いものであると想像できましたが、チャラちゃんとの暮らしの中で得た、たくさんの想い出は、大切な教訓や価値観に姿を変え、きっと、Jさんにとってかけがえの無い、財産となっていくでしょう。

そのことを願い、私はJさんのマンションを後にしました。

ペットが旅立ってからの日々の生活の中で

半年前に当ブログで紹介させていただいた、13歳で永眠したヨークシャーテリアのプイちゃんの飼い主様ご家族が納骨をされるためにプレシャス会館にお越しくださいました。

事前に来館される日時を連絡して下さっていたので、当日は私も会館でご家族が来られるのを待っていました。

私が担当したペットセレモニーの中でも、すごく印象に残っているご家族で、特に当時、小学生だった娘さんとは、その日、ペットの死という悲しい現実を通じ、いろいろな話をしたこともあり、お会いするのを楽しみにしておりました。※{ためらいと心の葛藤参照}

娘さんにとって、家族と呼べる存在との死別は、初めての経験であり、幼い心でありながら、その悲しみと寂しさをしっかり受止め、最後は立派に御見送りをされていました。

 

休日で道が空いていたこともあり、ご家族は予定の時刻よりも少し早めに到着されました。

お父さんが運転する車の後部座席にはプイちゃんのお骨壷を抱いた娘さんが座っておられ、会館の前で待っていた私を見つけ笑顔で挨拶をしてくれました。

少し見ない間にすっかり大人っぽくなった娘さんに、ちょっと驚きましたが、私はご家族と挨拶を交わし、先に永代供養像に御参りをし、納骨の儀を無事に済ませました。

私は娘さんに「なんか大人っぽくなったね。元気にしてた?」と声をかけました。

長女さんは、少し照れたようにハニカミながら「はい。元気ですよ」と笑顔でこたえてくれました。

その後、ご家族は遺骨アクセサリーのアトリエを見学され、メモリアルグッズを数点購入されていましたが、娘さんは、あまり関心がないようでソファーに座ったまま買物をするご両親を見ていました。

私は娘さんに歩み寄り「どうしたの?グッズとかは興味ないの?」と聞きました。

娘さんは「そういうわけじゃないけど。ねえ一つ聞いていいですか?」と真顔で私に問いかけました。

「うんいいよ。なに?」と言いながら私は長女さんの前の椅子に腰掛けました。

娘さんは「あのね、お父さんとお母さんが、また犬を飼いたいって言ってるんですよ」と少し困惑ぎみに言いました。

「そうなの?うん・・・でもまあ、ペットを喪った人が、新しくペットを飼うのはよくあることだよ。反対なの?」と私は聞きました。

「反対とかではないんだけど・・・どちらかというと私も、また犬を飼いたいなって思ってたんだけど、なんていうか・・・」と考え込みように視線を落とし、「なんかプイが寂しがりそうな気がして・・・」と娘さんは仰いました。

私は娘さんの言わんとしていることが理解できたので「わかるよ。でも、これだけは天国のプイちゃんに聞かなきゃわからないことだけど、僕はプイちゃんが寂しがったりすることはないと思うよ」と言いました。

娘さんは「なんでわかるの?」と私の目を見て尋ねました。

「たとえ新しいペットを飼うことになっても、プイちゃんのこと忘れたりしないでしょ?」と聞いた私に娘さんは黙って頷きました。

私は続けるように「プイちゃんのお葬式の日に部屋で『プイちゃんは心の中でずっと生き続ける』って僕が言ったこと覚えてる?」と聞き、娘さんはしっかりとした口調で「はい。覚えています」と答えました。

「あの時は、意味が解らないって言ってたけど、今はどう?」と私は問いかけました。

娘さんは少し遠くを見るようにしながら「うん。今はわかる。何かをしてるときとかでも、ふッとプイを思い出すし、なんかまだ、見えないだけで、家にも居るように感じるし。でもそれが悲しいとか、そういう感じじゃなくて、懐かしいような感じに近いかな・・・うまく言えないですけど、いつも一緒に居てる感じはします」とポツリと言いました。

「うん。本当にかけがえのない存在っていうのは、いつまでたっても色褪せないもんなんだよ。だからたとえ新しいペットを飼う事になっても、それはプイちゃんのことを忘れることにはならないし、むしろ、新しく飼った犬の仕草や行動を見てプイちゃんのことを思い出して懐かしむことはプイちゃんにとっても嬉しいことだと思う」と私は言いました。

私の言葉に娘さんは黙ったまま、頷き、自分の思考と照らし合わせるような感じで聞いておられました。

その後、私と娘さんのところにご両親も来られ、話の輪に入られました。

そして1時間が過ぎたころ、私は、別件の仕事で出かける時間になり、後をスタッフに任せご家族を残して会館を出ました。

夜になって会館に戻った私にスタッフが「昼に来館されたご家族の娘さんからこれを預かってます」と言って折りたたまれたメモ用紙を手渡されました。

紙には「今日はありがとうございました。新しいペットのことは両親とも話し合って決めます。でもプイのことも話せてすごくスッキリしました。 またわからないことがあったら教えてください」とかわいいながらもしっかりとした筆跡で書かれていました。

プイちゃんを亡くされた直後、深い悲しみに沈んでいた娘さんが、プイちゃんの死と向き合いながら、自分なりに考え、成長されていたことに私は素直に喜びを感じました。

そして私は会館の二階の納骨堂に行き、プイちゃんの位牌の前であらためて合掌をしました。

熱中症で孤独死するペットを増やさないために

その日は普段より重い気持ちで依頼者様宅に向かいました。

といっても仕事柄、軽やかな気持ちで出向くことはないのですが、その日は「帰ったらペットが固くなってて・・・もしかしたら死んでるのかしれない・・・」と泣きながらAさんから、お電話があり急遽、事態が把握できないまま、Aさん宅に向かうことになったからでした。

Aさんは、以前に友人のペットが亡くなったとき、当社が執り行ったセレモニーに参列されたことがあり、その時に担当した私の名刺と当社のパンフレットを、持っておられ、私とも面識があるとのことだったのですが、私は直接、お会いして顔を見るまで思い出せませんでした。

Aさん宅はワンルームマンションであり、到着してすぐに部屋に通された私はペットちゃんが横たわっているベランダのドアの前に歩み寄りペットちゃんの体に触れました。

ペットちゃんはすでに息途絶えており、死後硬直の進行具合から、最低でも死後24時間以上は経過しているものと思われました。

私は後ろにいらしたAさんの方を振り返り「あの・・・申し上げにくいのですけど、すでにペットちゃんは亡くなっていると思われます」と言いました。

Aさんは、電話の会話では「気絶してるのかも」と仰っておられたのですが、私が訪問するまでの間にある程度の覚悟はしておられたのか、ハンカチで口元を押さえたまま無言で頷ずきました。

Aさんは帰宅して、すぐに異変に気付き、気が動転しながら、当社に電話をかけたようで、電気もつけず、服装も外出時のままで、私の到着を待っておられたようでした。

Aさんは「死因はなんなんですか?」と涙ながらに質問をされたので「持病はなかったのですか?」と逆に尋ねました。

Aさんは無言で首を振りながら「二日前まで普通に元気だったんです。二日ほど留守にするので、エサも水も多めに置いて出たんです」と小さな声で仰いました。

私は「餓死とかそういうことではないと思います・・・私は医者ではないので、はっきりした死因は特定できないのですが・・・」と前置きしなが「おそらく熱中症が原因なのではないでしょうか・・・」と言いました。

Aさんは「室内なのに?ですか?」と信じれないような口調で仰いました。

「ええ。誤解されがちなんですけど、熱中症は野外より室内のほうが発症しやすいんですよ。この部屋は午後からの陽がベランダの窓に差し込む造りになってますし、かなり室温が上がったと思います。ここ二日間、日中はかなり気温が高かったですし・・・まあ何度も言いますが、私は医者ではないので、ちゃんと調べるなら掛かり付けのお医者さんご相談されてみてはどうでしょうか?」私はベランダから強く射し込む西日の方に目をやりながら自分なりの解釈をAさん伝えました。

私が訪問してから、ずっと立ったままでいらしたAさんは、私の説明を聞いて力なく床に座り込まれ、大粒の涙を流しながら「私の所為(せい)で死んだんですね・・・」とポツリと独り言のように仰りました。

私は「故意ではないので誰かのせいだとは思いません。ただ・・・」そこまで言って私は言葉をのみ込みました。

思わず出そうになった、その言葉は、愛犬を亡くされた直後の飼い主さんにとってはあまりにも非情なことだと気付き、私は口を閉ざしました。

しかしAさんは、力なくともハッキリした口調で「ただ・・・何ですか?」と促すように質問されました。

私は「いえ。何もありません」と返答したところ、間髪入れずにAさんは「ただ何ですか?はっきり言ってください!」と私の顔を見ながら部屋に響くほどの声で仰りました。

私はAさんから一度、視線を逸らし、一呼吸を置いてから「いちセレモニー会社の私が言うことではありませんが、故意ではないにせよ、お一人でペットを飼われる飼い主さんとしての知識とペットに対する配慮が欠けていたのではないでしょうか?」と言いました。

その言葉を聞いてAさんは力なく肩を落としたまま泣き崩れました。

私は座った姿勢のまま、「すいません。決して責めようと思って言ったわけではないんです。すいません。Aさん大丈夫ですか? ・・・わかったようなことを言ってごめんなさい」とAさんの顔を覗くように言いました。

Aさんは泣きながら首を横にふって「ううん。本当のことやもん。私がいけなかった」と顔を手で覆うようにして泣き続けました。

私は、やはり言うべきではなかったと、自分の発言を後悔しました。

Aさんの涙はとまることはなく、私もかける言葉も見つけれないまま数分が経過したとき、Aさんが「すいません」と言って顔をあげました。

私は「こちらこそ、すいません。本当に自分の立場もわきまえないで・・・」と頭を下げました。

「ううん。誰かに、そう言われたかったんです。でなきゃ、Pに※(ペットちゃんの名前)申し訳ない・・・」と涙をハンカチでふきながら仰り、続けるように「もちろん、そんなことで許されるとは思ってません・・・」とペットちゃんの方を見ながらつぶやきました。

私は「Aさん。これから、どうされます?もし、よろしければ、ちゃんとお医者さんで死因を調べてもらいますか?葬儀や火葬はその後でもかまいませんよ」と言いました。

Aさんはしばらく考えた後、「ずっと独りで待ってやったし・・・早く神様のところに行かせてあげたいから・・・」そう言ってペットちゃんのところに歩みよられ「ごめんね・・・」と何度も言いながら冷たくなったペットちゃんの頭を撫でておられました。

その後、部屋に祭壇を設置し、Aさんと私は、Pちゃんのお葬儀を執り行い、出棺には棺は使わず、Aさんが手に抱いて火葬車に納めておられました。

火葬の間、Aさんは涙を流しながら手を合わせて見送っておられました。

私は「これ。どうぞ」とハンカチを差し出しましたが、Aさん目を瞑ったまま首を横に振り、受け取りませんでした。

Aさんは黙祷しながら両手を握り締めるように合掌しておられ、その姿は弔いをするというより、懺悔をされてるかのように私には見えました。

火葬の間、Aさんは一言も話すことなく、その状態のまま40分間祈りを捧げておられました。

火葬が無事に終わりAさんの手によってお骨あげされ、ペットちゃんのお骨はお骨壷に納められました。

すべてのセレモニーが無事に済み、少し平静さを取り戻されたAさんが「Pと同じような亡くなりかたをするペットって多いのですか?」と私に尋ねられました。

私は「セレモニーのときに死因までお聞かせくださる飼い主さんは多くないので、何とも言えませんが夏場は少なくないと思いますね。特にAさんのようにお一人暮らしのところは」と答えました。

Aさんは視線を落とし「そうですか・・・」と力なくつぶやきました。

私は「実際、日本のここ数年の夏は、異常な暑さですしね。それなりの対策は必要だと思います」と言いました。

「対策って?」と聞いたAさんに「やはり、ペットだけで、お留守番させるなら、もっとも温度が上がるお昼の数時間、エアコンのタイマーをセットして室温を35度以上にならないようにしてあげる必要がありますね。そして数日、家を空けるときは、実家や友人にペットを預けるか、預かってくれる人がいないなら、ペットホテルなんかを利用するほうがいいですね」と答えました。

Aさんは自分を責めるように「無知でした・・・今までも二日くらいなら留守番させてたから安心してたんです・・・」と仰いました。

そして、「プレシャスさんのホームページのブログにいろいろとペットのこと書かれてますよね」と思いがけないことを仰られました。

私は「はい。ペットセレモニーを通じて、我々が感じたことなどをいろいろ書かせてもらっております。あの・・・それがどうかされましたか?」と尋ねたところ、「私、友達のペットの葬儀のとき、帰ってからホームページ見させてもらったんです。それからちょくちょく、ブログも拝見させてもらってたんです」と仰り、少し間を置かれて「できたらPのこと書いてくれませんか?」と言いました。

「それは別に構いませんが・・・Pちゃんのどのようなことを書かせてもらえばいいですか?」と私は聞きました。

Aさんは「Pというか私のことを書いてください」と仰り「Aさんのことをですか?」と聞きなおした私に「はい。私のように一人で犬を飼ってる人ってすごく多いと思うんです。皆、熱中症とかのことまで気が回ってない人もいると思うんです。Pと同じような苦しみを受ける子が少しでも減るように、私のこと悪く書いていいので、お願いします」と仰ったのでした。

私は「そういうことですか。特別、Aさんのことを悪く書くつもりはありませんが、このような悲しい出来事があったことを、私なりの見解で書かせてもらいます」と返事しました。

別れ際、Aさんは手に抱いたPちゃんのお骨壷を見つめながら「私は本当に取り返しのつかないことをしたんですね・・・これからどうやって償っていけばいいんですか?」と再び涙を流され私に問いかけました。

私は「もちろん命日にはお線香をあげたりすることも大事な供養ではあると思うのですが、私が考える一番の償いは『忘れない』ことだと思います。楽しかった想い出と一緒に、自分の不注意でペットに悲しい思いをさせたことも忘れずに、覚えておいてもらいたいです」と答えました。

私のその言葉をAさんは黙って聞いておられました。

私は続けるように「私はお金をかけることが供養だとは思っていません。供養は心でするもんだと思っています。だからといって自分を責めて塞ぎこむのではなく、その悲しい事実を背負ったうえでAさんらしく生きて行ってもらいたいですね」と言いました。

Aさんは「いろいろとありがとうございました」と私に深く頭を下げられたので、私も無言で頭を下げました。

今回のことを書くにあたってAさんは「熱中症で孤独死するペットを増やさないためにも、私のことは実名で書いてくださっても構いません」と仰ったのですが、私の判断で伏せさせてもらうことにしました。

ただ、Aさんのお気持ちとお心遣いは充分にご理解した上で書かせてもらいました。

これからの季節、人間同様ペットの熱中症には充分な注意が必要です。

とくに犬の場合、猫に比べても暑さに弱いので、動物病院等で具体的な対策を聞いてみるのもいいと思いますし、最近はショップでもいろいろな熱中症対策グッズも販売されているので、ショップで尋ねてみるのも一つの方法かもしれません。

しかし何より大切なのは飼い主さんのペットに対する日々の気遣いであり、それに勝るものはないのです。

届かぬ言葉・・・伝わらぬ想い

以前にもこのブログでも書かせてもらったことがあるのですが、命あるものが、その生涯に幕を降ろすとき、病気や老衰によって徐々にその時を迎えるの命と、事故や突発性の病によって何の前触れもなく突然に奪われる命とがあります。

もちろんそれはペットでも同じであり、どちらにせよ、飼い主にとっては悲しいことに変わりはありませんが受けるショックは、当然、後者のほうが大きいものであります。

ペットが老衰や病気の末期を迎えるときは、飼い主として、日々の生活の中で衰えていくペットの姿を見守りながら、無意識のうちに覚悟を積み重ねていくものであり、その時を迎えたときは別れの悲しみと同時に痛みや苦しみから解放されたペットの姿に安堵の気持ちになることも少なくありません。

事実、そういった状態で亡くなったペットのセレモニーでは、涙を流しながらも、笑顔で見送っていらっしゃる飼い主さんも多く、それは飼い主としてペットとの別れを偲ぶ心と「最後まで、責任を果たし、愛情をもって見届けた」という達成感にも似た安堵の気持ちが交差した心の表れなのではないでしょうか。

ところが、突然にして訪れたペットとの別れの席では、目の前で行なわれているペットのセレモニーにも実感が湧かず、思い出したように動かなくなったペットを抱き上げ、何度も何度も呼びかけてみるものの、反応しないペットの姿に再び現実に引き戻され、また深い悲しみに沈んでしまう飼い主さんもたくさんいらっしゃいます。

そして、そのような飼い主さんは火葬の直前になって、感情を制御できなくなられる事もあり、急遽、火葬を取りやめられて、翌日以降に変更された方もいらっしゃいました。

当社では、個別による立会い火葬を原則としておるため、火葬炉の扉を閉めるときに必ず「よろしいでしょうか?」と飼い主さんに確認するようにしており、希望であれば、火葬の電源のスイッチも飼い主さんに入れてもらうようにしております。

見方によれば非情なことに感じる方もいらっしゃると思いますが、それは飼い主さんの心の状態をご確認させてもらう意味でも重要なことであり、ペットの死を受け止めていない状態で、火葬を実行すると、後々、飼い主さんがペットロス症候群に陥る可能性かあるからなのです。

私は、全スタッフに飼い主さんが不安定な状態であるなら、火葬をしないように進言しており、必要とあれば、翌日以降に変更できることを伝え、キャンセル料金もかからないことを説明するようにしております。

そのような飼い主さんには時間が必要であり、その時間とは飼い主さんがペットの「死」と向き合う時間でもあります。

とても残酷な時間ではありますが、これだけは避けては通れない道であり、なんとかお力になりたいと、いろいろな言葉をかけるのですが、私たちのかける言葉は飼い主さんにはほとんど届かず、思いも伝わりません。

この仕事をする上で、自分の無力さを、もっとも思い知らされる時間でもあります・・・

でも、飼い主さんにはわかってもらいたい。

当社は私も含め全スタッフがペットロス経験者であり、同じ悲しみを乗越えた人間だということを。

そしてセレモニーを通じ、我々が何より大切に考えているのは亡くなったペットちゃんの過去ではなく、飼い主さんの未来であるということを・・・

それは先立ったペットちゃんの願いでもあるのだから・・・

ペットの死を受け入れられない心

「妹の犬が一週間前に亡くなったんですけど、火葬お願いできますか?」とお電話を下さったのは9歳で永眠した小型犬の飼い主Kさんの実姉にあたるMさんでした。

通常、ペットの火葬をご依頼される場合、ペットが亡くなった翌日~二日後に連絡下さることがほとんどで、死後一週間というのは状態を保つために特殊な手法を施されたケースを除いては、ごく稀なことであり、私は少し気になって「死後一週間ということですが、現在はどのような状態であられますか?」と質問をしました。

Mさんは「病気で亡くなったんですけど、妹がかなりショックを受けていて、それで、なかなか手放せなくなったというか・・・今は発砲スチロールに氷と一緒に入れて冷やしてるような状態です」と少し困惑ぎみに説明してくださいました。

「わかりました。では、いつお伺いさせてもらえばよろしいでしょうか?」と私が尋ねたところ

「出きればすぐに来てもらえますか。妹がいないうちにやりたいので」と仰いました。

私はMさんのこの言葉の裏側に複雑な事情が在るような気がして「飼い主さん(妹のKさん)が不在のときに火葬を執り行うということですか?」と質問をしました。

「ええそうです。もうあの子に任せてたらキリがないので。妹にはちゃんと後から私から説明しますので、そちらにはご迷惑かけませんから」と強い口調で仰りました。

「はい。仰ってることは理解できるのですが・・・ただ、いくらご姉妹の間柄であっても、やはり飼い主さんである妹さんに無断で火葬をするというのは、少し問題があるのではないでしょうか?」と私は率直な意見を言いました。

Mさんは少し感情的に「ですから、もうキリがないんです。お金は私が払うんで問題ありません」と仰られました。

「いえ。私はお金のことを言ってるのではありません。妹さんのお気持ちのことを考慮して申しているんです」と返答しました。

「だから本当にもうキリがないと言ってるじゃないですか。おたくが無理なら結構です。他に頼みます」と電話をお切りになられました。

私は出過ぎたことをしたのかなと、電話の受話器を見ながら少し反省しました。

ところが、すぐにMさんから電話がかかってきました。

Mさんは「あの・・・さっきの方ですか?すいません切ってしまって・・・少し感情的になってしまって・・・」と小声で言ってくださり、私も「いえ、こちらこそ余計なことを言ってすいませんでした」と謝罪しました。

その後、少し冷静になられたMさんから詳しい話を聞かせてもらいました。

Mさんと妹のKさんは市内のマンションで二人で暮らしており、決して仲が悪い姉妹ではありませんでしたが、亡くなった愛犬の処遇を巡って意見が対立しているようでした。

妹さんと何度も話し合ったようなのですが、いつまでたっても愛犬の死を受け入れられず、手放させない妹さんとの話は平行線のままで、仕方なくMさんは妹さんが仕事に出かけてる間に無断で火葬を済ませようとしたようでありました。

Mさんは泣きながら「私もCちゃん※(亡くなった犬ちゃんの名前。今回は飼い主さんの意向に従い伏せさせていただきます)のことが可愛くないわけじゃないんです。でもこのまま放っておけないじゃないですか。実際、臭いもきつくなってきてるし」と辛い胸の内を打ち明けてくれました。

私は「すごく理解できます。とりあえず、今からそちらに伺います。お会いして直接、もう一度、詳しくお話を聞かせてください。その上で判断させてください」と伝えMさんKさん姉妹のマンションに向かいました。

マンションに着き、部屋に通してもらいMさんと挨拶を交わした私は、妹さんの部屋で安置されてるCちゃんのところに案内してもらい正座をして手を合わしました。

Cちゃんは死後一週間経過してるとはいえ、たえず氷で冷やされていたせいか、私が想像してたほど、状態は悪化しておりませんでした。

そしてリビングに戻り、もう一度、Mさんから、ここまでの経緯を聞かせてもらいました。

話を聞かせてもらう中で、私は「妹さんはCちゃんの死を受け入れられないということですが、具体的に言うと、亡くなってからでも毎日Cちゃんに話しかけたり、抱いて散歩されたりしてるんですか?」と質問したとき、Mさんは「そこまでひどくないです。それじゃあまるで頭のおかしな人じゃないですか」と私の見当違いな解釈に思わず笑いながらもしっかりとした口調で仰りました。

「ああ。どうもすいません」と私は慌てて謝罪しました。

私はこのやりとりで、このような状況下であっても冷静なMさんに関心するのと同時にKさんのこと想うMさんの姉妹愛を感じました。

Mさんは「まあ、そこまでは、ひどくはないのはないのですが、なんていうか、亡くなった日は私も、すぐに火葬とかは考えれなかったんですけど、やっぱり、このままじゃいけないし、三日くらい過ぎたときから妹に『火葬してあげよう』って言ったんですけど、妹は『まだもう少しここに置いていてあげたい』って聞かなくて・・・で、昨日の夜、さすがに、限界だと思って強い口調で言ったら口論になって・・・やっぱりこのままじゃCも可哀想だし、早く自然に還してあげたいし・・・それでプレシャスさんに電話したんです」と説明してくださいました。

話を聞き終えた私は「やはり、この状況で妹さんに無断で火葬をするのは賛成できません。それは私の仕事上の立場というより、後々、ご姉妹の間でシコリが残ることになり兼ねないように思うんですが」と意見を述べました。

私の意見を聞いてMさんは「そうですよね・・・」と視線を落とされました。

「妹さんは何時頃に帰宅されるんですか?」と聞いた私にMさんは時計を見ながら「早ければ後、2時間くらいで帰ってくると思います。Cのこともありますし、真っ直ぐ帰ってくると思います」と仰いました。

私は「もしよろしければ私も交えて三人で話し合いませんか?」と提案し、Mさんも「そうですね。第三者の人が入ってくれたほうが、ちゃんと話せるかもしれないですしね。でも、いいんですか?」と気遣ってくださったので「こういう事も含めて我々の仕事の範囲内なんで大丈夫です」と言い、妹さんの帰宅に合わせ再度、訪問させてもらうことになりましいた。

2時間後、再びご姉妹のマンションを伺ったとき、妹のKさんは、まだ帰宅されておられず、私はMさんと二人で待つことになりました。

15分後、Kさんが帰宅され、私はMさんを通じKさんに紹介されました。

Kさんのお気持ちを考慮し、Mさんと相談した結果、私はペットセレモニー会社の亡くなったペットの状態を綺麗に保つことを担当している者だと名乗りました。

※事実、弊社では亡くなったペットを最長で約二週間、状態が保てる衣装品も完備しており、ご要望がある場合は、そのようなサービスも承っております。

いきなり自宅で見知らぬ人間を紹介されたKさんは、最初、戸惑っておられましたが、私がCちゃんの安置のお手伝いをする人間とわかり、丁寧に対応してくださいました。

MさんはKさんに「とりあえず、2週間は状態が保てるということだから、よく相談して、これからのこと決めよ」と言いました。

Kさんは「ううん・・・ごめんねお姉ちゃん。気使ってくれてありがとう。私もわかってるねん。ちゃんと火葬して骨を拾ってあげなあかんて・・・」とポツリと仰りました。

私とMさんは黙ったままKさんを見つめ次の言葉を待ちました。

「ただ、踏ん切りがつかないねん・・・」と言ったKさんの目から涙がこぼれました。

「わかるよ。でもな、Cだって、日に日に衰退いくようで、見てるのも辛いやん。なるべく変わらんうちに見送ってあげたいやん」と言ったMさんの目にも涙が滲んでいました。

Kさんは手で涙を拭いながら「わかった・・・」と言いました。

そう言った妹の頭を姉は優しく抱き寄せるようにハグしました。

第三者である私の介入は必要ないくらい、その後、姉妹は冷静に話し合われ、すぐにお葬儀が執り行われることになりました。

その後、棺に納められたCちゃんは姉妹の手により出棺され、マンションの来客用の駐車場に停めさせてもらった火葬車にて天に召されました。

火葬の間もご姉妹は少し離れたベンチに座り、火葬を見守りながら、仲良くお話をされていました。

本来はとても仲の良いご姉妹のようで、時折、笑顔を交えてCちゃんの想い出話にふけておられました。

そのとき、一際、大きな笑い声がしたので、振り返って見たら、妹のKさんが口を押さえて笑っておられました。

「どうしたんですか?」と聞いた私に姉のMさんが「いや、さっきの話を妹にしたんです」と言いました。

「さっきの話?」と私が聞きなおしたところ、Mさんは「妹がCの死を受け入れられないって私が説明したときプレシャスさんが『妹さんは亡くなったCちゃんを抱いて毎日散歩してる』って勘違いしはったことです」と笑いながら仰りました。

Kさんは笑いながら「でもわかる。私、本当にCが亡くなった翌日は抱いて、いつもの散歩コース連れていってあげようかと思ったもん」と言いました。

それを聞いたMさんは「本気で言ってるの?そんなことしたら近所さんから変な目で見られるよ」と言ったので、私は姉妹の会話に割り込むように「いや、でも実際、ペットが亡くなったとき、散歩仲間の人達にお別れを兼ねて、ペットを抱いていつもの時間に散歩される飼い主さんはいらっしゃいますよ」と言いました。

私は続けるように「実際、私もこの仕事をしてきた中で、火葬をする直前に、もう一度だけペットを抱いて散歩コースを歩きたいと申し出られた人もいましたし、私もご一緒させてもらったこともあるんですよ」と話しました。※当ブログ{最後のお散歩}参照

それを聞いてMさんは「そうなんですか?」と目を丸めて仰りました。

「はい。なんというか、最後にペットへの想いを噛みしめるような感じで散歩コースを歩いておられましたね」と言いました。

「ああ・・・でも言われてみたらその気持ちわかる・・・」とMさんは言い、Kさんも無言で頷いておられました。

30分後、無事に火葬は終わり、ご姉妹の手によってCちゃんのお骨は骨壷におさめられました。

電話でご依頼を受けたときは、どうなるのかと少し不安でありましたが、最後はご姉妹が揃って笑顔で見送ってくださり、私はマンションを後にしました。



 

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