- 2014-03-30 (日) 9:00
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何年か前、テレビで迷子になったペットの特集をしていたことがありました。
普段は室内飼いなのに、何かの拍子で外に出てしまって、そのまま帰ってこれくなってしまった猫や散歩の途中で飼い主さんとはぐれてしまい、そのまま行方不明になってしまった犬を探すような内容であったと思います。
その番組に一人の男性の探偵さんが出ていたのですが、その探偵さんは飼い主さんから依頼をうけ、あらゆる専門グッズを駆使しながら、、迷子になったペットを探すのですが、発見率は8割強と高い成功率であることが番組で紹介されていました。
何気にテレビを見ていた私は、正直「8割?ほんまかな・・・」と内心、疑いの目で冷やかに見ていました。
犬だけなら、まだしも、狭い路地や高い塀でも、易々と飛び越えてどこでも入っていく猫が一度、外に出てしまったら、飼い主さんであっても捕まえることは容易でありません。
事実、私の周りでも迷い猫の話はよく耳にすることもありますが、無事に保護されることのほうが少ないように感じているくらいであります。
ましてや猫は犬と違い、警戒心が強く、知らない人にはなかなか心を許すこともなく、近づくこともさせないものであり、いくら迷子になったペットを探す専門の探偵さんだからといって、いったい、そんな猫をどうやって見つけ出し、捕まえるのかが不思議でならなかったのです。
特に、最近のテレビは捏造やヤラセ問題がひどく、きっとこのテレビもその類なんじゃないのかなと思った私は、途中で見るのをやめました。
時は流れた、今年の二月。
一人の女性から猫のお葬儀とご火葬のご依頼がありました。
電話をくださった、飼い主さんであるその女性は、聞き取れないほどか細い声で愛猫ちゃんのお葬儀のご依頼をされたのですが、その様子から、かなり、お気持ちが落ち込んでおられることが伝わってきたのです。
飼い主さんは、途中、何度も途切れ途切れになりながらも、その日の午後お葬儀の予約をされ、電話を切られました。
電話を切った後、私は支配人を呼び、午後に会館でセレモニーの予約が入ったことを告げ「かなり落ち込んでおられるから担当は支配人がしてください」と伝えました。
女性の落ち込みが深いことから、自分が担当することも考えた私ではありましたが、その日の夕方、別の訪問火葬のご指名をうけていたので、時間的に最後までその女性の愛猫ちゃんのセレモニーを受け持つことが困難であると判断し、信頼できる支配人に担当してもらうことにしたのです。
支配人は「事故か何かですか?」と私に猫ちゃんの亡くなった経緯を訊ねたのですが、その時点では何も詳細がわからなかったので「わからん。予約するのが精一杯ってくらい取り乱されてはった。いずれにしても、急死で亡くしはったと思う・・・」と私は答え、支配人は無言で二度、うなずいた後「わかりました」と力強く返事をしました。
少し重い気持ちのまま、午前中のセレモニーを二件、無事に終えた私は時計を見ながら、次は女性の猫ちゃんのセレモニーだなと思い、無意識に会館の玄関先を見ていました。
その時、玄関に旅行用の大きなキャリーバックを片手で引いたまま会館に入ってこられる男性の姿が目に入ったのです。
私は出迎えるように、その男性に挨拶をしたのですが、男性は「初めましてNと申します。16時から猫の葬儀の予約が入ってると思うのですけど、飼い主さんはもう来られています?」と訊ねられたのです。
「いえ。まだお見えになっていません」と私はお答えした後、私はNさんと名乗ったこの男性が飼い主さんの友人さんで猫ちゃんのセレモニーに参列されるために来られたのだと思い「どうぞ中にお入りください」と会館の中に通しました。
「すいません」と礼儀正しく頭を下げながら会館に入られたNさんは会館を見渡すようにした後「大丈夫かな・・・」と独り言のように言われたのです。
私は「あの・・・大丈夫とは飼い主さんのことですか?」と訊ねたところNさんは「はい。悲しい結末だったんで・・・」と悔しさを押し殺すようにして言われました。
このとき私はNさんの顔を見て(どこかで見たことある人やな・・・気のせいかな・・・)と内心思っていたのですが、このタイミングでそんなことを聞けるわけもなく「あの・・・悲しい結末とは、どのようなことがあったのですか?」と小さな声で訊ねたのです。
Nさんは私の顔を見て「飼い主さんから何も聞いてらっしゃらないのですか?」と逆に聞かれたので「はい。飼い主さんかなり落ち込んでおられ、時間を予約されるので精一杯だったんですよ」と私は事実をお伝えしました。
「無理ないです・・・あんなことがあったんだから・・・・」とNさんは視線を落とされたので、私は「あの、Nさんは飼い主さんのご友人の方なんですか?」と訊ねました。
Nさんは首を横に振り「いえ。友人とかそういうのではありません」と言った後「あの、実は私、迷子になったペットを探す仕事を専門にしている人間なんです。今回、飼い主さんから依頼をうけて東京から来ました。それで、猫ちゃん発見したのが僕だったんですよ」と思いもよらないことを口にされたのです。
Nさんがそう言われ、私は以前見たテレビ番組のことを思い出し、Nさんが、そのテレビに出ていた探偵さんであることに気付いたのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
プレシャスコーポレーション
野村圭一
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