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続 医師から安楽死を示唆されたとき

「お医者さんから言われてから、もし、今後、見るのもつらくなるほど、ジンベエが苦しむようなら安楽死も考えなきゃって思ってたんですけどね・・・」とTさんは涙をハンカチで拭いながら言いました。

そして、Tさんは続けるように「でもジンベエは我慢強い子だったのか、弱ってはいったんですけど、苦しむ様子は見せなかったんですよ・・・もちろん、だからと言って元気になることもなかったんですけど、なんていうか・・・ひどく痛がったりすることもなかったので、なんとなく、毎日、様子を見ながら看病を続けていたんです」と闘病の日々の様子を話してくださったのです。

 

「確かに重い癌であっても、ほとんど痛がらない猫もいるみたいですもんね。これだけは個体差があるって僕の知り合いの獣医さんも言ってました」と私は言いました。

Tさんは、無言でうなずいた後「それで、亡くなる二日前から、何も口にしなくなって、最期の最後は痙攣したあと、横向きに体をのけ反らすように苦しんだんですけど、私の腕の中で逝かせてあげることが出来たんです・・・」と、その日のことを思い出すように目を深く閉じながら教えてくださったのです。

 

「Tさんは安楽死させなかったことを後悔されているんですか?」と訊ねた私にTさんは「いえ・・・していません」とキッパリお答えになられました。

 

「なら、きっとそれがジンベエちゃんが望んだ引際だったと思いますし、Tさんの判断も正しかったのではないですかね」と私はTさんに言いました。

 

「ありがとうございます」とTさんはその場で頭を下げた後「不謹慎かも知れないんですけど、ずっと独りで抱え込んでたんで・・・誰かにそう言ってもらいたくて広島から大阪まで来たのかも知れません・・・」と照れたような笑みを浮かべ言われたのです。

 

私は、そう言われたTさんの気持ちがわかるような気がしました。

ときに人間は自分のしたことに自信の持てないとき、誰かの理解や共感を無意識のうち求めてしまうようなことがあります。

それは、人間の弱さなのかも知れませんが、その誰かが、例え面識のない初対面の人の言葉であっても、大きな勇気を貰えることもあると、私はこの仕事を通じて知りました。

 

その後、私はTさんと共にジンベエちゃんのセレモニーを執り行い、ジンベエちゃんは会館の斎場より天に召されました・・・

 

火葬のとき、Tさんが「もう一つ、大阪まで、というかプレシャスさんところに来たのは理由があるんです」と言われたので、私は「それは何ですか?」と訊ねたところ「遺骨のネックレスと数珠を作りたくて。今日、火葬終わったら、すぐ作れますか?」とTさんは訊ねられたのです。

「たぶん大丈夫だと思います」と私は返事しながら、念の為、職人さん予定を確認するためアトリエに向かいました。

 

職人さんに確認をとり、私はTさんに「大丈夫です」と返事をしたのです。

 

そのときでした。

会館の前に車が停まり、中から若い男性とその男性のお母さんらしき人が降りてくるのが見えたので。納骨堂の参拝者かなと思いながら、私はTさんを待合室に残し、外に出て、頭を低くしながら二人に「こんにちは」と挨拶をしました。

すると若い男性が「あの・・・すいません、今、Tという者がこちらに来てると思うんですけど」と礼儀正しく言われたので「はい。いらしてます。ちょうど今、火葬中で、待合室で待機されています。お知り合いの方ですか?」と私は訊ねたところ「はい。家族です」と男性がお答えになったので、私は「そうですか。それは大変失礼しました。どうぞこちらです」と二人を誘導するように会館に案内したのです。

 

待合室のTさんは、二人を見て「あ!お母さん!K(Tさんの弟さんの名前)!どうしたん?来てくれたん?」と驚いたような顔で言われ、お母さんはTさんの顔を見て安心した表情をされた後「ここで(ジンベエちゃんのセレモニー)やるって言うてたからKに乗せてもらって来てん」とTさんの隣に腰をかけられたのです。

 

お母さんと弟さんの登場は、Tさんにとって予想外だったようで、Tさんは「ありがとう・・・」と言いながら涙を流していました。

毎年、お盆の頃、Tさんはジンベエちゃんを連れて帰郷されていたようなのですが、今年はジンベエちゃんが床にふせていたこともあり、帰郷できずにいました。

 

私はご家族の久々の再会の邪魔をせぬよう、静かに待合室を出ることにしたのです。

 

ジンベエちゃんの火葬は無事に終わり、Tさんはお母さんとKさんと一緒にお骨上げをされた後、右前足の指の骨だけをアトリエに持込み、その遺骨でメモリアルブレスとネックレスを作成されました。

 

40分後、職人さんの手でメモリアルグッズが無事に完成し、Tさんはお母さんと弟さんと一緒に帰られたのですが、帰り際、完成したばかりのメモリアルグッズを身につけて「やっぱり大阪まで来てプレシャスさんでお見送りしてよかったです。本当にありがとうございました」と頭を下げて言ってくださったのです。

 

「いえ。とんでもございません。こちらこそ大切なジンベエちゃんとのお別れの場所に当会館を選んでくださいましてありがとうございました」と私は深く頭を下げながら二台の車を見送ったのです。

 

Tさんは故郷から遠く離れた地で最愛の猫ちゃんを一人きりで看取りました。

ジンベエちゃんの闘病とTさんの看病の生活は私の想像以上につらい日々だったのかもしれません。

 

その日を入れて三日間、実家に居るとTさんは言ってましたが、きっと、その三日間はTさんの心も身体も癒してくれると、私は強く感じたのです。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



 

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