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悲しみと寂しさの後に訪れるもの

「去年の4月に、そちらにお世話になった者なんですが」Nさんから電話があったのは先月の下旬頃でした。

 

「そろそろ納骨しようかなって思ってるんですけど、野村さんは、いつなら会館に居てますか?」と問い合わせがあったので、私は「次の土曜日の午前中なら確実に会館に居ますよ」と返答しました。

 

Nさんは「じゃあ土曜日の10時にP(亡くなったNさんの愛猫ちゃんのイニシャル)のお骨を持ってそちらに伺いますので、よろしくお願いします」としっかりとした口調で言って電話を切られたのです。

 

電話を切った後、私はPちゃんのセレモニーの日のことを思い出していました。

 

6歳の若さで白血病で亡くなったPちゃんのセレモニーの席でNさんは、俯いたまま、ただ、ひたすら泣き続けておられ、私の記憶の中にはNさんの泣き顔しか残っていませんでした。

 

それから1年以上の年月が流れたとはいうものの、電話口のNさんからは、あの日の弱弱しさは消えており、幾分か本来の自分らしさを取り戻されたような印象を受けたのです。

 

(どのようにこの1年を過ごされたのだろう・・・)そのようなことを考えながら、私はNさんが来館される日を迎えたのであります。

 

Nさんは、お約束してた10時の、少し早めにプレシャス会館に来られました。

 

「その節は」と私は頭を下げながら短く挨拶をし、Nさんは両手に大切そうにPちゃんの遺骨の納められた骨壺を抱いたまま「お久しぶりです」と笑顔で挨拶をしてくださったのです。

 

「すっかり元気になられましたね」と私はNさんと再会してすぐ、率直な感想を述べたのですが、Nさんは「これが本来の自分なんですよ。あの日(Pちゃんのセレモニーの日)はただ悲しいだけで、もう自分でも記憶が曖昧なくらい、精神的に落ち込んでたんで」と照れくさそうに仰いました。

 

「まあ、セレモニーの席で平静になれる人のほうが少ないので、当然といえば当然ですよね」と私は独り言のように言い、Nさんを会館二階の納骨堂に案内しました。

 

その後、私はNさんと二人で永代供養像にお参りした後、Pちゃんの納骨の義を執り行いました。

Nさんは持参されたお花を納骨棚にお供えされ、合掌をしながらお祈りを奉げておられました。

 

「1年間は長かったですか?」と私は合掌を解かれたNさんに訊ねたところ「う~ん・・・長かったような、短かったような・・・よくわからないですけど、自分なりに意味のある1年間ではありましたね」とNさんは納骨棚に視線を向けたまま静かな声で、そう言いました。

「どのような意味があったんですか?」という私の問いかけに「上手く言えないんですけど(Pちゃんが亡くなった)最初の2か月くらいは、ずっと落ち込んでいて・・・何してても、家の何処を見てもPのこと思い出してきてしまって泣いてたんですよ・・・ほんまに何もする気も起こらなくて・・・」とNさんはそこまで話されて、少しだけ目を潤ませられました。

 

Nさんを鼻を啜るようしながら続けるように「で、野村さん火葬が終わったとき、私に言ったじゃないですか『悲しいのは当たり前だから悲しんでもいいけど、仕事とかは休まんと行け』って。覚えてはります?」と言われ、私は「^^そんな偉そうに上からは言ってないですけど、そのような意味合いのことを優しく言ったのは覚えてます」と私は答えました。

Nさんは笑いながら「すいません^^確かに上からではなかったですね。でも、あの日、ほとんど眠れないまま朝になって、野村さんに(仕事は休まないように)的なこと言われたのは覚えていたですけど、でも実際は、次の日、とてもじゃないけ仕事行くけるような状態じゃなくて、会社に電話して休むことにしたんですよ」とセレモニー翌日のことを話してくださいました。

「そうだったんですか・・・」と私は相槌をうちながら言いました。

Nさんは顔を私の方に向けて「でもね、休んで一人で家に居ても、余計悲しくなるだけって気づいたんですよ・・・でね頑張って用意して、昼から仕事に行ったんです・・・そしたら職場のみんなはPが亡くなったこと言ってたから、すごい気使ってくれて、いろいろ優しい声かけてくれたんですね」と言われました。

 

「いい職場ですね」と言った私にNさんは頷き「まあ確かに、うちの職場の人って良い人ばかりなんで、それは有難かったんですけど・・・でも同時になんか、周りに気使われてる自分が情けなくなってきて、(なにやってんやろ、大人なんやからしっかりせんと)って思えてきて、そん時に野村さんが仕事は休んだらあかんって言うたのはこういうのに気付かせるためやったんかなって思ったんですよ・・・違います?」とNさんは私に訊ねました。

 

「う~ん・・・まあ、そのようなことも含めてですけど、実際、私はNさんの職種や職場にどんな人が居るのか知らなかったんで」と私がそこまで言ったとき「そうか・・・そりゃそうですよね。じゃあどういう意味だったんですか?」とNさんが子供のような顔で言ったので失礼にも私はNさんの表情に思わず笑ってしまったのです。

 

「すいません」と思わず笑ったことを詫びながら私は気を取り直すように「僕が言いたかったのは、ペットを喪ったのだから悲しみは当然のことだと思うんです。でも、そのことで日常の生活を放棄してしまっては、誰のためにもならないと思うんですよ。特にNさんのような一人暮らしの方はペットが亡くなったことがきっかけで、生活のバランスを崩してしまう人も少なくないんですね。だから、働いてる人なら仕事を。主婦の人なら家事を、気持ちは沈んだままでもいいから体だけでも日常の生活を続けることで、バランスを保てることになるし、そうしながら心の回復を待つことが大切だと思ってるので、そのように言ったんです」と自身の考えをお伝えしました。

 

しばしの沈黙の後、Nさんは「わかるような気がします・・・ほんまにあの日あのまま仕事行かなかったら、どこまでも(気持ちが)落ちていったと思います・・・」と遠くを見るような目で言っておられました。

 

その後、私とNさんは1階でお茶を飲みながら2時間ほどいろいろなお話をしました。

Nさんが帰られる時間になり、玄関までお見送りしたとき「野村さんが葬式の日『納骨はNさんの気持ちの区切りがついてからでいいですよ』って言ったじゃないですか?だから今日は納骨しにきたのと、私が元気でやってることを報告するために来たんです」と笑顔で仰いました。

 

Nさんのこの言葉はに素直に喜びを感じ「ありがとうございます。この仕事をしてて、そのよな言葉をもらえる時が、一番嬉しいんですよ」と私は言いました。

深く頭を下げて帰っていかれるNさんの姿を見送りながら、私はと清々しい余韻に浸っていました。

 

 

ペットを喪ったとき、ほとんどの飼い主さんは最初、悲しみしか残りません。

そして悲しみは寂しさに変わり、個人差はあるものの、ある一定期間、その寂しさに押しつぶされそうになりながら毎日を過ごすことになります。

 

しかし、その寂しさは、ペットを愛した分、悲しみが深かった分だけ、優しさと強さに姿を変えていき、飼い主さんの心の財産となるのです。

 

会館の最寄りのバス亭にむかうNさんの後ろ姿を見届け、私はそのことを強く感じていました。

 

 

そして、もう一度、納骨堂に戻り、あらためてPちゃんに手を合わせ、冥福を祈りました。


 

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