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セレモニーで起きた不思議な出来事

大阪市のロシアンブルー。12歳で永眠したヤマトちゃんのセレモニーのご依頼を請け、私は飼い主さんであるIさん宅に予定のお時間に到着しました。

Iさん家族はご夫婦と小学生の姉妹からなる四人家族でありました。

私は玄関先で奥さんと挨拶を交わした後、ご主人さんに案内される形でヤマトちゃんが安置されている2階の一室に通されました。

ヤマトちゃんはお花が散りばめられた棺の中で横たわった状態で安置されていたのですが、棺の中には家族がヤマトちゃんに宛てた手紙や好物だったフードも一緒に納められていて、ご家族の愛情の深さが私にも伝わってきました。

 

はじめて安置されているヤマトちゃんの姿を見たとき、私は、ヤマトちゃんがどのような経緯で亡くなったのかがとても気になりました。

それは、ヤマトちゃんはロシアンブルー特有のしなやかさに加え、躍動感が漲る筋肉質の立派な体系をしていたことと、毛並も艶があり、目立った外傷もなく、いたって健康な猫ちゃんにしか見えなかったからであります。

 

セレモニーの準備にをしているときにご家族にヤマトちゃんのお亡くなりになった経緯を訊ねようとしたのですが、奥さんが、目に大粒の涙を溜めながら、幼い娘さん達に悟られぬよう、懸命に涙を堪えている姿が目に入ったので、私は聞くことをやめました。

 

セレモニーはヤマトちゃんが安置されていた3部屋ある二階の真ん中の部屋で執り行われることになり、Iさん家族が用意した棺をそのまま使わせてもらうことにしました。

 

私は焼香のセットを台の上に設置し、旅装束をヤマトちゃんに施してあげました。

そして、ロウソクと線香に火を灯し、セレモニーを始めるべく、読経を唱えようとした、まさにその時であります。

 

奥の部屋との境を隔てていたアコーデオンドアの下側をめくるようにして何かが入ってきた気配がし、その反動でアコーデオンドアのマグネットの止め具が外れ10センチほど開いたのです。

 

祭壇はアコーデオンドアを背にするするように設置しており、読経を唱えようとしていた私は、すぐ近くで、その光景を見ていたのですが、入ってきた何かは肉眼でとらえることが出来ませんでした。

 

私は驚きのあまり、セレモニーの開始直前だというのに「あ!」と大きな声をあげてしまい、そのまま仰け反るように後手をついて、後にいらしたご家族の方を振り返りました。

ご家族も全員、アコーデオンドアの隙間を見ていらしたのですが、奥さんはいたって冷静に「たぶん風だと思います。気にせず始めてください」と仰ったので、私は「風ですか・・・私はてっきり・・・」とそこまで言った後、その後のことは口にせず、気を取り直し再度、お経を唱える準備を整えたのです。

 

お経を唱えているとき、いけないことかも知れませんが、私は(真ん中の部屋なのに風でドアが開くのかな・・・)や(風で開いたのなら、なぜ真ん中からではなく下からめくれるように開いたんだろ・・・)と、そんなことばかり考えていました。

そして、お経が終わる頃には(きっとヤマトちゃんの魂が自分のセレモニーが始まるから慌てて肉体のある場所に戻ってきたのかな・・・)と一人で感慨深いこを思っていたのです。

お経を読み終え、私は合掌をしながらあらためて祭壇のヤマトちゃんを見つめていたのですが(ヤマトちゃんは急死したのかもしれない・・・)と何の根拠もないのに確信めいたものを頭に過ぎらせていました。

 

ご家族のお焼香の儀が終わり、後は出棺を控えた「最後の別れの時間」になりました。

それを踏まえたうえで、この後、火葬車で執り行うご火葬についての詳細とご家族が立ち会うにあたっての注意事項を説明をしました。

そのうえで、弊社プレシャスコーポレーションは目視による手動調節をしながらの熱火葬を実施していることを伝え、腫瘍や血液の固まり、または異物等、体内の異変を確認した場合は直ちに報告し、ご要望がある場合は、その箇所を飼い主さんにも実際に見てもらうことも可能であることをお話したのです。

 

それを聞いた奥さんは「是非、お願いしたいです。実はヤマトは腎臓を患っていたのですが、それが死に直結するほどでもなかったような気もしてて・・・はっきりした死因がわからないんです・・・」と口元を押さえながらも、しっかりとした口調でそう私に告げたのでした。

「わかりました。では、そのようにさせてもらいます」と私は返事し、火葬の準備に取り掛かかったのです。

 

その後、ご家族は20分ほどの間、ヤマトちゃんとの最後のお別れの時間をすごしていました。

そして奥さんから「そろそろお願いします」とお声がかかり、ご家族が見守る中、出棺されたヤマトちゃんは長年過ごした自宅駐車場に停めさせてもらったペット専門熱火葬車OKURUの炉に納められ、ご主人さん自らの点火により天に召されたのでありました・・・

 

点火の瞬間、ご主人さんは深く目を閉じ、奥さん堪えきれず涙を流しておられてのですが、口を真一文字に閉じ、声を出さずに泣いておられました。

幼い娘さん達はあどけなさが残る顔を上げ、空気口から登る熱を帯びた透明の靄を不思議そうに見上げていました。

 

火葬が始ってもIさん家族は全員が火葬車の傍で火葬の様子を見守っていました。

そして火葬が始って15分ほど経過した頃、火葬炉の側面にある小窓からヤマトちゃんの大量の血液で膨張した心臓が確認できたのです。

そのことからヤマトちゃんの直接の死因が「心不全」の可能性が高いことが考えられるということを私はご家族に示唆するとともに「もし、よろしければ自身の目で確認されても構いませんよ。どうされますか?」と訊ねました。

Iさんご夫婦は互いに顔を見合わせた後、同時に頷き「はい。見ます」と力強く答えられたので、私は二人を小窓の前に案内しました。

私はスマートフォンに保存している猫の臓器の位置図のイラストを見せながらIさん夫婦に心臓の場所を説明しました。

火葬のとき、患部は健康な部分に比べ赤黒く浮き出るので、初めて目にした素人の方であっても、その違いがわかり、Iさん夫婦は息を殺して、その箇所を確認しておられました。

時間にして10秒ずつ、ご夫婦は交代して、見届けられた後、丁寧に「ありがとうございました」と頭を下げてくださいました。

私はご夫婦に「私は医師ではないので断定的なことは言えませんが」と前置きをしてから「おそらくヤマトちゃんは心不全で亡くなったのではないですかね。仮にそうだとしたら、眠ってる最中に、何の痛みも苦しみもないまま昏睡状態に陥り、そのまま逝ったのかもしれません。だから口も目も力が抜けたように軽く開いた状態だったのではないですかね」と持論を述べました。

奥さんは涙を流しながら「そうですね・・・もしそうなら(苦しまない分)よかったです・・・」と少しだけ安堵の表情を浮かべ仰っていました。

 

その後、無事に火葬を終わり、お骨上げは再度、セレモニーを執り行ったお部屋に移動して執り行うようになりました。

お骨あげの席で奥さんが私に「お経の前にドアが開いたでしょ?あれはきっとヤマトですよ。いつもあそこから出入りしてたんです」と笑みを浮かべて話してくれました。

「私もそうじゃないかと思いました」と私は正直に答えました。

 

もちろん、このような話は根拠など存在しないものでありますが、あそこの居合わせた人には、それが何であったのかが伝わるものなのです。

 

Iさんご家族はヤマトちゃんを亡くす前、もう1匹別の猫ちゃんをお見送りされているのですが、その猫ちゃんのセレモニーは他社にご依頼されたということでありました。

奥さんの言葉をお借りすると「前と同じ会社に頼もうと決めてたんですけど、ネットを開いて何気に目にしたのがプレシャスさんのホームページで、そのまま電話してたんです」と仰っていました。

 

私が思うにきっと当社と私を選んでくれたのはヤマトちゃんであり、ヤマトちゃんの意志が奥さんにそうさせたように感じました。

 

ロシアンブルーの平均寿命は11歳前後であり、そのような意味でヤマトちゃんは急死だったにせよ、大往生だったといえます。

 

全てのセレモニーを終った頃、Iさんの自宅の前の公園のフェンス越しには初夏を思わせる青空が広がっていました。

 

自宅前まで出て家族全員で私を見送ってくださったIさん家族の笑顔を見届けながら(遺されたご家族の特に奥さんのことが気掛かりだったヤマトちゃんは自分の亡くなり際のことを伝えたくて私を呼んだのかも知れない・・・)そう感じていました。

 

「少しだけヤマトちゃんから託された役割が果たせたのかも知れない・・・」そう思いながら、晴々とした空の下、私はIさん宅を後にしたのであります。



 

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