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続 不信感から始まるセレモニーで

その後、セシルちゃんのセレモニーは萬本さん家族の立会いのもと執り行われ、セシルちゃんは萬本さんの手に抱かれ出棺されました。

火葬炉に納める直前、萬本さんは幼い息子さんに悟られないように声を殺して涙を流されていました。

そして30分後、セシルちゃんのご火葬は無事に終わり、遺骨を火葬炉から取り出したとき、萬本さんは悲しみと喜びが交じり合ったような複雑な表情をされたのです。

セシルちゃんの遺骨を間近に見ながら萬本さんは「こんなに綺麗に残ると思わなかった・・・」と目を潤ませながら、ぽつりと言われました。

「私の会社では遺骨を出来るだけ原型に近い形で残すことを目的にペット専門の火葬炉を作ったんです。自分の目で確認し、手動で温度調節しながらやりますんで、小さなペットであっても綺麗に残せるんですよ」と説明をしました。

萬本さんは「電話でも、同じ説明を聞いたと思うんですけど、実際にこの目で見るまで信用していませんでした・・・」と言った後「本当に疑い深い質問ばかりして、失礼な態度とって申し訳ありませんでした」と頭を下げられたのです。

「いえいえ。とんでもないです。あやまることではありませんよ。どんな飼い主さんでも初めて依頼されるときは不安なものですし、納得できるまで、いろんな質問をされるのは当然なことですよ」と私は恐縮しながら言いました。

しかし、萬本さんは首を横に振り「いえ。私は仕事柄、野村さんの業界(ペット葬儀)には、あまり良い印象を持ってなかったというか、むしろ悪い印象しかなかったんです」と口にされたのです。

「失礼ですけど萬本さんは何のご職業をされているのですか?」と私はご依頼の電話をうけてから、ずっと気になっていたことを訊ねました。

 

萬本さんは、少し控えめな声で「私、ペットシッターをしてるんです」と教えてくれたのです。

 

私もペットシッターという職業が在ることは知っていたのですが、実際にお会いしたのは萬本さんが初めてでありました。

まだ日本ではあまり認知されてはいませんが、ペットシッターというのは、簡単に説明すると旅行や仕事等で家を空ける飼い主さんに代わり、留守中にペットのお世話をする仕事であります。

一言でお世話すると言っても、ご飯の用意をしたり、散歩に連れて行ってあげることから、高齢や病気のペットの介護まで様々な分野があり、それだけに幅広い知識と経験が必要な仕事でもあります。

 

「ペットシッターさん・・・だったんですか?」と私は萬本さんの予期せぬ返答に少しだけ不意をつかれたのですが、続けるように「で、ペットシッターさんをされていて、私の業界に不信感をお持ちになったのはなぜなんですか?」と、さらに質問をしたのです。

萬本さんは、苦い過去を思い出すように「私がお世話させてもらうペットちゃん達の中には、医者から余命宣告を受け、寝たきり生活を余儀なくなれたペットもいるんですね・・・一人暮らしの飼い主さんは、そんなペットを残して仕事には行けないじゃないですか。でも、仕事もそう頻繁に休めないので、私のようなシッターにご依頼されることがあるんです」と悲しげに言われました。

「はい。よくわかります」と私は相槌をうちました。

萬本さんは口元を手で覆いながら「野村さん。たとえ他人のペットであっても、それがどんなに短い時間であっても一緒に過ごしたら、すごく愛情が沸くんですよ・・・」と話し始められました。

「そうやってお世話してきたペットちゃんが亡くなったとき、飼い主さんほどじゃないかもしれないけど、やっぱりすごく悲しいものなんです・・・それで飼い主さんにお願いして、そのペットちゃんのお葬儀や火葬に立ち合わせてもらったこともあるんです・・・もちろん、中にはどうしても時間の都合がつかない場合は立ち会えなかったこともあったんですけどね・・・」と萬本さんは、そこまで話して鼻を啜るように俯かれました。

「つまりそのような席で私達の業界の対応を目にして不信感を待たれたのですか?」と私は訊ねました。

萬本さんは無言で頷き「そうですね。亡くなったとはいえ、ペットの扱い方や言動もそうなんですけど、料金体制も不透明で終わってみたら、かなり割高になってることもあったし・・・そして何より、火葬後、ほとんど遺骨が残ってなくて、本当に亡くなったペットの遺骨なの?もしかして違うペットの骨とすりかえられたんじゃないの?って疑いたくなるほど少なくて・・・」と自らがペット業界に不信感を持つようになった経緯を話してくださったのです。

 

セシルちゃんのお骨上げの席で萬本さんは、細部に渡って残った遺骨を全て自らの手で拾骨されていました。

全てのセレモニーが終わったとき萬本さんは「本当に野村さんに頼んでよかったです。というか野村さんみたいな人がペットセレモニー業界にも居たことが何より嬉しいです」とこれ以上のないお言葉をくださいました。

しかし、それは私も同じで、近年、増加しているお一人暮らしでペットを飼われる人にとっては今後、必ず必要とされるペットシッターというまだ未知の業界に萬本さんのような人がいらっしゃったことに、素直に喜びを覚えたのであります。

というのは、ここ近年の日本の夏は亜熱帯地方を彷彿とさせるほど蒸し暑く、人間に比べても暑さに弱い犬や猫にとって過酷な季節であり、特にお一人暮らしの飼い主さんや、日中、ペットだけで留守番をさせておられる飼い主さんのペット達が、熱中症で急死する事故が相次いだ事実を、私は昨年の夏期、このブログでも再三再四警告を兼ねて書かせてもらいました。

※{熱中症で孤独死するペットを増やさないために}{ペットの熱中症}{今年の夏}参照

ペットホテルに預かってもらえば解決しますが、ホテルは金額も高く、また送り迎えの手間がかかり、そして、それ以上に慣れない環境にペットが体調を崩すケースも少なくありません。

ところが訪問ペットシッターさんにご依頼すれば、ペットも住み慣れた場所で過ごせますし、送り迎えの必要もありません。萬本さんのところでは金額も小型犬なら1000円~と料金も良心的であります。

ただ、ペットシッターのデメリットをあげるとすると、それは自宅の鍵を預けなくてはならないということであり、それ相応の信頼関係がないと成立しないのも事実であります。

そのことは萬本さん自身も重要視されていることでもあり、萬本さんは、仕事を引き受ける際、必ず面談をしてから飼い主さんに決めてもらうようにしてるそうです。

 

セレモニーが終わってからも萬本さんとの話は尽きなかったのですが、私も萬本さんも、その日、仕事が詰まっており、私は次のセレモニー場所に向かうべく、マンションを後にすることにしました。

帰り際、マンションの玄関先まで見送ってくださった萬本さんに私は「萬本さん。変な意味ではなく、近いうちにもう一度、お時間もらえませんか?」と訊ねました。

萬本さんは、何のことか意味がわかっていないような表情をされたので「私もペット業界に萬本さんのような人が居たことが本当に嬉しかったんです。もう一度、ゆっくり萬本さんのお仕事のお話が聞きたいんです」と説明をしました。

「ああ。そういうことですか。喜んで」と笑顔で仰ってくださいました。

その日から数週間後、私は再び萬本さんのオフィスを訪問し、ペットシッターという仕事の全容を聞かせてもらったのです。

話の中で萬本さんのキャリアや犬ちゃんや猫ちゃんから熱帯魚の水槽環境の話まで、萬本さんのペットに対する知識の豊富さに驚かされることばかりであったのですが、それにも増して、ペットシッターという仕事への取り組み方や信念、そして動物達への愛情に、私は共感すると同時に敬意すら覚えたのであります。

 

なお、萬本さんへの相談は無料なので、ペットのことでお悩みの方は一度、電話で相談しててみてはいかがですか?連絡先は下記のHPを御覧下さい。

ペットシッターサービス CETIA

 

萬本さんは私が自信をもってお奨めできるペットシッターさんです。

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