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隣人の愛犬が殺処分されると聞かされたとき~序章

昨年の残暑の厳しい時期でありました。

私は寝屋川市のMさんの愛猫のブ~ちゃんのご火葬のご依頼を請け、Mさん宅に向かいました。

ご火葬当日は、飼い主であるMさん家の長女さんのご友人の結婚式であったため、ご火葬は早朝に執り行うことになりました。

私はお約束の時間にMさん宅に到着し、インタホーンを鳴らそうとしたときでした。自宅前の庭に大きな木製の小屋が目に入り、その中の大きなゴールデンレトリバーが愛らしい表情で尻尾を振りながら私を見ていたのです。

 

近づいて触れてみたかったのですが、仕事での訪問のため、私はインターホーンを押し、Mさん家族にご挨拶をしました。

応対してくださったのは長女さんで、亡くなったブ~ちゃんを抱きながら沈んだ表情で私に挨拶をされていました。

ご火葬はMさんが契約されている近くの大きな駐車場で執り行われ、長女さんとご両親立会いの中、無事に終わり、お骨あげもその場でご家族の手でされたのですが、綺麗に残ったブ~ちゃんのお骨を見た長女さんとお母さんは、悲しみの中であっても満足気な笑顔を見せてくださったので、私は安堵の気持ちで、その光景を見守っていました。

全てのセレモニーが無事に終わり、帰り際、お母さんが私に「自宅火葬は始めてだったんで、少し不安だったんです」と本心を伝えたのでした。

「皆さんそう仰いますよ。悲しいことですが、我々の業界は悪い噂のほうが多いので」と私は業界を取り巻く悲しい現状を踏まえ、そうお返事しました。

お母さんは「最初から最後までずっと立会いさせてくれて、個別で確認(目視火葬のこと)しながら丁寧にしてもらえるとは思いませんでした」と笑みを浮べ、長女さんも「本当にありがとうございました。きっとブ~ちゃんも喜んでいると思います」と丁寧に頭を下げてこれ以上ないお言葉を下さいました。

そして長女さんは「うちにはもう1匹猫がいるし、ダックスもいるんですよ」と言い、お母さんが「なんかあったら、その時はお願いします」と仰られました。

実は複数のペットを飼われている方はセレモニーの後、担当したスタッフにそのような事を言って下さるのですが、仕事柄、私達にお願いするときはペットの死を意味することでもあるので「よろしくお願いします」と軽々しく返事が出来ないのであります。

私は「まあ、ありがたいお言葉でありますが、縁起の良い話ではないので、万一、何かあれば、その時は連絡ください」と私は口篭りながら返事しました。

長女さんは頭の回転が早い人のようで、私の不自然な言い回しの言葉の意味を理解し「ほんまやお母さん。縁起悪いで」と笑いながらお母さん肩を叩きながら言いました。

お母さんは「まあそやけど、いつかはその日は来るんやから・・・」と小さな声で反論されたのですが、その様子が子供のような言い方だったので、私も長女さんも思わず笑ってしまったのでありました。

そして私は思い出したように「そう言えば、庭先にゴールデンもいましたね。あの子もMさんのところのペットですよね?」と訊ねました。

私の質問にお母さんは少し顔を曇らせ「ああ・・・あの子はお隣のペットだったんです・・・今は訳あってうちが面倒を見てるというのか・・・でも・・まあ、あの子も大切なうち子です」と複雑な表情でお答えになったのでありました。

お母さんの表情からも複雑な事情があると察することは出来たのでありますが、亡くなった愛猫ブ~ちゃんのセレモニー直後でもあったので、私は関心はあったものの、それ以上、愛らしいゴールデンレトリバーちゃんのことを詳しくお聞きすることはありませんでした。

「では、私はこれで失礼させていただきます」と言い残し、火葬車に乗り込みました。

私の運転する火葬車に笑顔で見送ってくださるMさん母娘の姿をバックミラー越しに見ながら私は帰り際の会話のことを思い出していました。

正直、あの人懐っこいゴールデンちゃんの事情が気になっていたのです・・・

しかし、それ以上に、友人の結婚式の前日に愛猫を喪い、悲しみに暮れていた長女さんが、セレモニーを終え、少しだけ元気を取り戻せたことに私は喜びを感じていました。

結婚されるのは、とても仲の良い友人さんらしく、長女さんは披露宴で友人代表として祝福のお言葉をお贈りする大役を務められるご予定だと聞かせれていたので、気持ちを切り換えて臨まれることを願いながら私はMさん宅を後にしたのです。

 

それから月日が流れた四ヵ月後でした。

Mさんからペットの訃報を報せるお電話があり、電話をとったのは私だったのですが、深夜であったので、私はすぐに、あのMさんだとは気づきませんでした。

セレモニーの日時と住所と亡くなったペットの種類を確認し、電話を切ったのでありますが、私は目が覚めたこともあり、頭をフル回転させながら先のMさんとの電話のヤリトリを思い出しながら、ある事実に辿りつきました。

今、電話くださったのは、ブ~ちゃんの飼い主さんのMさんで、ペットの種類は「ゴールデンレトリバーです」と仰っていたことから、亡くなったのは、あの人懐っこいゴールデンちゃんかもしれない・・・という事実です。

私は念のため、早朝に本社に出向きお客様名簿に目を通しながら、ご住所の確認をしました。

私はなぜか居ても立ってもいられない心境になり、セレモニーのご予定の時間よりも2時間も早く、真意を確かめるべくMさん宅を訪問したのですが、やはり庭の小屋にはゴールデンちゃん姿はありませんでした。

予定時刻より、かなり早かったのではありますが、私はMさん宅の玄関のドアをノックしたのでありますが、この日は平日であったため、Mさん家族は既にお仕事に出られたようで、応答はありませんでした。

ノックしたとき、玄関のドアが少し開いたので、鍵はかかっていないことが確認できました。

お母さんがお昼意休みに自宅に戻られるということだったので、セレモニーは正午から執り行われる予定だったのですが、私は失礼を承知で「すいませんMさん。プレシャスコーポレーションの野村です」と静かにドアを開けながら声をかけたのです。

ドアを開けた私が見たものは大きな毛布に優しく包まれながら安らかな顔で眠っている、あのゴールデンちゃんの姿でありました。

私は静かに歩み寄り、持参したお花をゴールデンちゃんの顔の前に置き、その場で合掌しました。

生前に一度、見かけただけで、名前も知らず、特別なスキンスップがあったわけではなかったのですが、私はなぜか、このとき目頭が熱くなりました。

自分でも不思議だったのですが、二時間後、セレモニーの席上でMさん家のお母さんの口から直接、聞かされる、このゴールデンレトリバーとMさん家族の心温まるお話を知っていたかのように目の前で横たわるゴールデンちゃんの姿に涙が出そうになったのです・・・

 

ブログのスペースが無くなりましたので、Mさん家族とこのゴールデンレトリバーちゃんとの出会いから一緒に暮らすことになった経緯と、そのお話は次回に紹介させていただきます。



 

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