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忘れられない飼い主さん

ペット葬儀のお仕事していると、いつまでも胸に残るペットちゃんにめぐりあうこともありますが、同じように、忘れられない飼い主さんと出会うこともあります。

私にとって、その最たる人が箕面市のTさんというご高齢の女性でありました・・・

 

16歳で永眠した箕面市のトイプードルのサンちゃんのお葬儀のご依頼のお電話をくださったのはサンちゃんの飼い主さんのTさんの娘さんのS子さんでありました。

S子さんはお電話で「申し訳ないんですけど、こちらにいらっしゃる30分前に自宅のすぐ近くのコンビニの駐車場に来てもらいたいんですが」と言われました。

それを聞いた私は「はい。それは構いませんが、何かあるのですか?」と率直に質問をしたところ、S子さんは「何と言いますか、母は少し口うるさいと言いますか作法に厳しい人でして、事前にそれらのことを打ち合わせさせてもらえればと思いまして・・・」と申し訳なさそうに仰りました。

「なるほど。そういうことでございますか。承知しました」と私は理解し快く承諾しました。

S子さんは、さらに「それと、もう1つ。出来るだけベテランの方と言いますか、責任者に近い方に来てもらえたらありがたいんですけど。もちろん別料金でお支払いしますので」とも申されたので「では、代表の私が担当させてもらいます」と私は答えました。

「それは助かります。ご無理言ってすいません」とS子さんは丁寧な口調でお礼を言ってくださり、電話越しでも頭を下げながら話されているS子さんの様子が私には伝わってきました。

私は最後に「あの。それと私が担当するのは特別なことではないので、別料金は必要ありませんよ」とだけお伝えして電話を切りました。

電話を切る際、S子さんは「ありがとうございます。よろしくおねがいします」と語尾に力を込めて仰っておられたので、私は少し責任感を感じ、少し緊張気味にセレモニーの当日を迎えたのでした。

 

私は言われた通り、セレモニーの予定時刻の30分前にご指定のコンビニの駐車場に行きました。

S子さんは既に到着されており、火葬車の私の方に歩み寄ってこられ「野村さんですか?」と声をかけてくださいました。

「初めましてプレシャスコーポレーションの野村です」と私は簡単に自己紹介をした後、車中でS子さんから事情を伺ったのであります。

S子さんの話ではS子さんのお母さんにあたる、亡くなったサンちゃんの飼い主さんのTさんは、サンちゃんに対する愛情が強いあまり、葬儀業者に厳しい注文をつけられる傾向があるとのことでした。

事実、サンちゃんが亡くなってから三日が経過しており、昨日、別の葬儀会社にご火葬をご依頼をされていたのですが、その会社の対応がお気にそぐわないこともあって、お断りされたようでありました。

話を伺った私は「お話はわかりました。しかし、それほど厳しいお母さんなら弊社のような小さな会社ではなく、名の通った大手霊園でされるほうがいいのではないですか?」と助言したのですが、Sさんは「実は4年前にサンの母犬が亡くなったとき、○○(関西大手霊園)でやったんですけど、やはり、気に入らないことばかりだったみたいで、帰り際に『こんなとこ二度と頼まへん!』って責任者の人を怒鳴りつけてしまって・・・」と伏し目がちに仰ったのでした。

「話を聞いてなんだか自信がなくなってきました。御覧の通り私は会社の代表といっても未熟ですし、正当な葬儀の手法も熟知してもおりません。あくまでも弊社のセレモニーの流れは私やスタッフが独自の発想で飼い主さんの立場になって見送ることを重視したものですし・・・」と正直に私はお伝えしました。

「最低限の言葉遣いをしてくだされば母も礼儀作法にはそれほど拘りはないと思うんです。何と言うか、結局はその人を気に入るか、いないかの問題だと思うんですよ。何の会社であろうが、その業者さんが気に入ったら贔屓するし、気に入らなかったら、全て気に入らなくなるというか・・・本当にあげ足とりみたいにダメ出しを繰り返すんですよ・・・まあ相性ですかね」とS子さんは考え込むような仕草をされて言われました。

「つまり第一印象が大事ということですかね?」と私はS子さんに訊ねたところ「まあ簡単に言えばそうですね・・・」とお答えになられ「でも野村さん誠実そうだから大丈夫ですよ」と笑顔で仰ってくれました。

「いや、お言葉を返すようで申し訳ないんですけど、私、今まで初対面の人に『誠実そう』って言われたのS子さんで二回目くらいですよ」と正直に告げました。

S子さんは声を出してお笑いになられ「そうなんですか?いつもなんと言われるんですか?」と聞いてこられたので私は「だいたい『悩みなさそう』とか『人の話聞いてなさそう』とか軽い印象を与えるほうが多いですかね」と、これまた正直にお答えしました。

S子さんは、何がおかしかったのか、私の返答がツボに入られたようで、助手席でお腹を押さえながら笑っておられました。すこし落ち着かれてから顔を上げられ「大丈夫です。私も私になりに人を見て言ってますんで野村さんならきっと大丈夫です」と笑いながらも真剣な表情で言ってくれたのです。

「そうですか・・・ありがとうございます」と言ったものの、私は内心(もしかして大変なことを引き受けたのかもしれない・・・)と少し不安な気持ちになりました。

その後、S子さんと、細かい打ち合わせをし、概ねのセレモニーの流れを決めました。

そしてS子さんが「それともう一つ!大事なことなんですが、絶対に『犬』って言葉は使わないでください。実は昨日来た業者さんも『犬』って表現してから母の機嫌が悪くなって、キャンセルに至ったたんで」と真顔に戻って言いました。

「何と表現するのが良いのですか?」と私が尋ねたところ「母にとってサンは子供と一緒なんで、そのまま「サンちゃん」か「お子さん」と呼ぶようにしてください」と念を押すような感じでS子さんは言われたので「わかりました」と答えました。

「じゃあ私、家に戻りますので、野村さんは少ししてから来て下さい。それと私と事前に打ち合わせしたことはもちろん内緒にしていてくださいね」と最後に言い残しS子さんは助手席のドアを開けました。

S子さんが車から出られる直前、私はS子さんに声をかけ「S子さん。私なりに誠意をもって担当させてもらいますが、それは、どなたのペットであっても変わりません。ですので、事前にアドバイスいただいたことは守るようにしますが、それ以外のことは私本来の姿勢で取り組ませていただきます。それでお母さんがのお気にめさないようなことがあれば、それは仕方ないことですし、私は私であるので、私以上のことは出来ないこともご理解くださいね」と言いました。

S子さんは笑顔で「もちろんわかってます。でも本当に野村さんなら大丈夫だと思います。昨日、電話でお話したときから『この人なら大丈夫』って思ったからお願いしたんですよ。だから普段通りでいいんで自信もってください」と言って小さく頭を下げて前の道路を横断し、自宅の方に戻って行かれました。

S子さんにそう言われたものの、どうも落ち着かない心境になり、会社を立ち上げて初めのセレモニーを担当したとき以上に緊張していることが自分でもわかりました。

コンビニの駐車場からでもTさんの自宅は一際、目を引くほどの大きなお屋敷であり、その存在感が一層、私の緊張感を増幅させたのかもしれません。

 

「考えても一緒。自分が出来るだけのことをやって、ダメなら仕方ない」と私は気持ちを切りかえ、自分を奮い立たせてTさん宅に向かったのです。

 

 

ブログのスペースが限界に達したので、Tさんとの対面とその後のお話は次回に紹介させていただきます。

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