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悲しき嘘と聖夜の物語

クリスマスイブの朝、四条畷市のKさんから愛犬のチワワのマークちゃんの急死を報せる電話がありました。

お電話を下さったのはKさん宅の奥さんで、マークちゃんは、その日の前日の夜中に痙攣を起こした後、意識を失い、そのまま帰らね犬となったそうです。

マークちゃんはKさん家の小学1年生の息子さんのペットでありました。

息子さんは三連休を利用して、ご主人さんと二人でスキーに出かけていたこともあり、マークちゃんの訃報を知らないまま、この日の昼過ぎに帰ってくる予定になっていました。

奥さんは悲報をご主人には電話で報せたのですが、息子さんにはどう伝えるか悩んだあげく、ご主人と相談して、とりあえず葬儀会社に電話だけすることになり、弊社に電話を下さったようでした。

私は電話越しに「つまり、息子さんはまだ、ワンちゃんが亡くなった事実を知らないということなんですか?」と奥さんに確認をしたところ、奥さんは「はい・・・」と不安そうに返事をされました。

奥さんは「やっぱり、正直に話すしかないですかね?」と私に縋るような口調で訊ねられたので、私は「すごく残酷なことだと思いますが、隠し通せることでもないですし・・・」と私もその後の言葉に詰まりました。

暫しの沈黙の後、奥さんは「主人が言うには、『今日はクリスマスやし、夜のパーティーも楽しみにしてるから、マークは体調崩して病院に入院させたことにして、葬儀屋さんにあずかってもらおう。息子には時期を見て自分が話す』と言ってるんです・・・」と仰いました。

私は「仰ってることはわかります。しかし、時期というのは、どれくらいの期間なんですか?」と訊ねました。

奥さんは「とりあえず2日間ほど・・・25日もご近所さんとのクリスマスパーティーがあるので、26日にはお葬儀をしてあげようと考えています」と涙声でお伝えくださったのでした。

「わかりました。2日間なら別費用もかからず当社で安置できます。ではいますぐそちらに向かいます」とこたえ、マークちゃんをおあずかりするべく、Kさん宅に向かいました。

Kさん宅に到着した私は奥さんと挨拶を交わし安置用の棺にマークちゃんを移して車に乗せました。

奥さんは外まで見送ってくださり「バタバタさせてすいません。息子に話したらこちらから電話します」と深く頭を下げておられました。

私はその足で会館に向かったのですが、これから息子さんに悲しい事実を伝えなければならないご両親のことを考えると、やりきれない気持ちになりました。

 

私は会館の安置室にマークちゃんを運んだ後、アトリエに向かいました。

この日はイブということもあり、会館アトリエにはメモリアルグッズ作製のため、来館されている人がいらしたので、私は挨拶をかねて顔をだしました。

メモリアルグッズを作製されていたのは、たまたま私がセレモニーを担当したペットちゃんの飼い主さん家族ということもあり、ご家族が作製し終えるまで、その日、私はアトリエで一緒に過ごしました。

 

Kさんの奥さんからお電話があったのは、その2日後の26日の朝でありました。

電話で私は「あの・・・息子さんにはなんと?」と聞きづらいことを訊ね、奥さんは「息子には今朝、主人が・・・病院で息を引き取ったと伝えました・・・」と小声で話されました。

お葬儀はその日の14時に執り行うことになり、私は安置されていたマークちゃんと一緒にKさん宅に向かったのです。

Kさん宅に到着し、インターホーンを鳴らすと玄関の扉を勢いよく開けて出てきたのは息子さんでした。

息子さんの目は赤く腫れており、息子さんに続いて奥さんとご主人さんが沈まれた表情で出てこられ私に頭を下げて迎えてくださいました。

息子さんは私が両手に抱いたマークちゃんが納められた棺を背伸びするようにして見おろしながら「見せて!マークここに入ってるの?見せて!」と強い口調で言いました。

私は息子さんに引っ張られるようにして玄関に入り、玄関先にマークちゃんの棺を置きました。

私の判断で棺にはマークちゃんの体が埋もれるくらい花を散りばめていたのですが、棺の中を見た息子さんはマークちゃんの顔を見て声をあげて泣かれました。

息子さんの後ろでその光景を見守っていたご両親も目に涙をためていたのですが、声は出さずに息子さんの背中を優しくさすっておられました。

大粒の涙を流した顔を上げ息子さんは私に「マークどうやって死んだの?痛がって死んだの?」と聞いてきたので、返答に困った私はご両親の方に目をやりました。

ご主人が首を横に振っていたので「ううん。眠るように、逝ったんだよ」と私はこたえました。

さらに、息子さんは「泣かなかったの?マークは泣かなかったの?」と問い詰めるように私の顔を見つめながら聞くので私は「うん。泣かなかったよ」と答えるのが精一杯でありました。

息子さんはその後も、納得できないと言わんばかりに

「痛くないのになんで死んだの?」

「血は出たの?」

「病気だったの?」

愛犬との突然の別れに混乱と戸惑いを隠せないまま私に質問を繰り返したのでした・・・

 

目の前にある現実を受け入れるには、息子さんはあまりにも幼く、それを理解しているが故、私もしだいに返答に困り、最後は黙ったまま立ち竦んでしまいました・・・

 

そんな私を見かねてか、ご主人さんが「マークは小さい頃から心臓が弱かったから、急に寒くなって心臓が止まったから死んじゃったんや・・・だからちゃんと神様のところへいけるように今からパパとママと一緒にお祈りしてあげよ」と後ろから息子さんを抱きしめました・・・

 

その後、マークちゃんをリビングに移し、私はご家族と一緒にKさん家の宗派に沿った形式でマークちゃんのお別れの儀を執り行いました。

 

無理もないのですが、息子さんはマークちゃんと離れることが出来ず、ご火葬が始まったのは夜に差し掛かる時間帯になってからのことでありました。

 

ご火葬とお骨あげは幼い息子さんに見せないほうが良いというご両親の判断で、私が一任させてもらうことになりました。

私はマークちゃんの遺骨の納められ骨壷を息子さんが眠りについた深夜、Kさん宅にお届けにあがりました。

玄関で応対してくださったのはご主人さんで「なんか嫌な役回りしてもらってすいませんでした」と深く頭を下げておられました。

私も「いえ。とんでもございません。何のお役ににも立てずに申し訳ありませんでした」と自分の無力さを御詫しKさん宅を後にしました。

 

ご両親がイブの夜についた嘘は息子さんが楽しみにしていたパーティーを心行くまで楽しませてあげたいという親心があってのことなので、正しい判断だったと私は思っています。

いつか、ご両親の口から真実が語られる日が来るかもしれませんが、いずれにせよ、息子さんがもう少し大きくなってからのことになるでありましょう。

仮に正直に息子さんに告げていたなら、おそらく悲しみに沈んだクリスマスになっていたのは言うまでもありません・・・

そうなればマークちゃんもきっと悲しかったとだろうと思うし、それを望まなかったように私は感じました。

そう感じたのは、リビングに飾ってあった息子さんとマークちゃんの2ショット写真を見たからであり、写真の中とマークちゃんは幸そうで、大の仲良しであったことが伝わったからかもしれません・・・

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