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後悔なきお別れをしていただくために

9歳で永眠したチワワのさくらちゃんの一任火葬のご依頼を請け私は都島区のKさん宅に向かいました。

一任火葬とはお葬儀を執り行わず、ご火葬とお骨上げにも飼い主さんが立ち会うことなく全て弊社に一任をしていただくことであります。

弊社に初めてご依頼をして下さる方が一任火葬を希望されるのは稀なことで、大抵の飼い主さんは立会い火葬を希望されます。

それは、大切なペットの最後のお別れに立ち会いたいというお気持ちもさることながら、初めてのご依頼ということで、当社が信頼できる会社であるかの見極めの意味合いも含めて立会いを希望されるケースが多いのだと私は認識しております。

 

Kさん宅に到着し、インターホンを押すと、小さなお子様を抱っこしたままのKさんが玄関から顔を覗かせました。

「どうもすいません。中で寝かせてる(安置している)のでお願いしていいですか?」と私に呼びかけられたので、私は「了解しました」と言って、さくらちゃんが安置されている部屋に通されました。

自宅にはKさんと二歳のお子様が居て、さくらちゃんは二階の寝室に安置されていました。

私はさくらちゃんに合掌をし、Kさんに了解を得てからさくらちゃんに触れさせてもらいました。

その光景を見てKさんは涙を堪えるようにして口元を手で押さえておられたのですが、お子さんは、まだ年齢的に「死」というものが理解できないということもあり、さくらちゃんを撫でている私の隣に座り「ねんねしてる。ねんねしてるの?」と言いながら私の顔を覗き込んでいました。

私は返答に困ったのですが「うん。眠ってるね」と笑顔で答えました。

私は後方にいらしたKさんに「本日は一任火葬ということでありますが、それで構わないのですか?」と尋ねました。

Kさんは「はい」と言った後、お子様の方を見ながら「出来たら立会いたいのですけど、この子が居るので・・・」と口ごもりながら答えました。

「あの、もしよろしければ、自宅の駐車場でもご火葬は出来るのですが。どうされますか?」と私は再度、確認をしました。

Kさんは少し驚いた表情をして「え?そうなんですか?でも駐車場でどうやって火葬するのですか?」と困惑気味に尋ねられました。

私は「私が乗ってきた車に火葬設備が搭載されているんです」と返答し「よかったら御覧になられますか?」とKさんに聞きました。

私はKさんとお子さんを案内するように玄関を出て車の後方の扉を開けました。

Kさんは「これって霊柩車のようなものだと思ってたんですが、火葬炉なんですか?」と驚きを隠さずに尋ねられました。

「はい。荷台部分が全て火葬炉になっていまして、炎も煙も匂いも出ない仕組みになっているんです。ですので、住宅街でもご火葬が可能なんです」と説明しました。

私は続けるように「特にさくらちゃんのような小さな犬ちゃんなら30分ほどでご火葬も終わりますよ。いかがされますか?」とKさんに確認をしました。

Kさんは少しだけ笑みを浮べ「こんなのがあるんですね・・・移動火葬車ってそういう意味だったんですね・・・私こういうのに疎くってよくわからないから『一任火葬で』って言ったんですよ」

その後、私はKさんと相談し、寝室に祭壇を設置し、Kさんとお子さんと私で焼香をあげ、さくらちゃんのご火葬は急遽、自宅の駐車場でご執り行われることになりました。

Kさんのお子さんは火葬車が物珍しいように、火葬の間、装置のボタンやメーターを指さし「これなに?」と何度も私に尋ねていました。

ご火葬が無事に終わる頃にはすっかり私に心を許してくれたKさんのお子様は、お骨上げのとき、Kさんがさくらちゃんのお骨を骨壷に納めるのを私の膝の上に座って見守っていました。

さくらちゃんの遺骨は自宅で保管することはなく、そのままプレシャス会館の納骨堂に納められるようお決めになられていたのですが、その理由はKさんのご主人さんが「ご先祖様の仏壇があるからペットの遺骨を同じ家に置くのはよくない」という宗教的な判断でのことでありました。

そのことに関して私が口を挟むことはできないので、私は言われるまま、さくらちゃんの遺骨を受け取り、その足で納骨堂に向かうべく、車に乗り込みました。

私は玄関先で見送ってくださるKさんとお子さんに頭を下げ、車を発車させました。

車を発車したとき、寂しさが込み上げてきたのか、両手で顔を覆いながら涙されるKさんの姿がバックミラーに映っていました。

小さなお子様がいらっしゃるので、お葬儀のときもご火葬のときも気丈な姿勢で涙を見せずにいたKさんではありますが、このときは堪えきれなかったように泣いておられました。

お子様は走り去る私と車に向かって手を振っていたので、ママの泣いている姿は見ていなかったはずです。

住宅街を抜ける角に差し掛かったとき、Kさんは力が抜けたように、肩を震わせながらその場にしゃがみこまれたので、私は道路の脇に車を止め、Kさんのもとに駆け戻り「大丈夫ですか?」と声をかけました。

Kさんは声を発することが出来ないくらい感情が高まっているようで、顔を覆ったまま、首だけで頷くのが精一杯でした。

私はKさんが落ち着くのを見計らって「会館までは車で20分ほどです。もしよろしければ一緒に来られますか?もちろん帰りもお送りいたしますよ」と提案をしました。

Kさんは顔の下半分を手で隠しながら、無言で考えているような表情をされていたので、私は「会館には供養像もあります。そこでお参りされたら、少しはお気持ちも落ち着かれるものですよ。行って、お参りをして、戻ってくるのに一時間もあれば済みますよ」と言いました。

Kさんは涙声で「いいんですか?」と私に尋ねられたので「もちろんですよ」とお答えしました。

「すぐに仕度します」と言ってKさんは自宅に戻られたので私はお子さんと車で待つことにしました。

5分ほどでKさんがバックと数珠を手に出てこられ私とKさんとお子さんで会館に向かいました。

会館に着いて、供養像にお参りをしてからさくらちゃんの納骨の儀を執り行いました。

ご主人さんが帰ってくるまでに自宅に戻っておきたいとKさんが仰ったので、納骨を無事に済ませた後、再び私は車でKさんとお子さんを自宅に送ることにしました。

自宅に戻る車内でKさんは「主人は信仰深い人なんですがペットの供養とかには関心が低くて、今回のさくらのことでも『ちゃんとしてあげたい』という私と『必要ない』という主人の間で意見が割れたんですよ」と事情を説明してくれました。

「だから一任火葬をご依頼されたのですか?」と聞いた私にKさんは「はい。最初は役所に頼めって主人から言われてたんですけど、最低でも個別に火葬してあげたかったんで・・・」と視線を落としながら言いました。

Kさんは「さくらは結婚前から私が飼っていた犬だったんですけど、結婚したとき、一緒に連れてきたんです。それで、すぐに子供が出来て・・・主人はもともと、あまり動物が好きじゃないんで、子供が出来たときも、『子供にもよくないからさくらを実家にでも預けろ』って言われてたんです。でも、私にとってはさくらも家族なんで、そんなことできませんでした」と涙を浮かべて、これまでの経緯を話してくれました。

自宅に着き、Kさんとお子さんは車から降りられ私はその場で挨拶をしました。

帰り間際、Kさんが「バタバタさせて申し訳ありませんでした。さくらのこと本当にありがとうございました」と言いながら深く頭をさげて下さいました。

そして「すごく良いお見送りができて満足してます。会館までの道も覚えたのでまた子供を連れて納骨堂にも行きます」と笑顔で言ってくれました。

最初に挨拶したときから、ずっと塞ぎ込んでおられたKさんではありましたが、最後に笑顔を見せてくれたので、自宅でご火葬したことも、納骨堂に一緒に行ったこともKさんにとって良い判断であったに違いありません。

1時間前にこの住宅街から去るときには泣き崩れたKさんが、今は笑顔で見送ってくださっている。

その姿をバックミラー越しに見ながら私は強くそう感じました。

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