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納骨堂の不思議なお供え物

会館の支配人が入院をしたとき、支配人に代わって私が会館の開閉を行なっていたことは以前にこのブログでもお伝えしましたが、その時に参拝にこられた人の中に若いご夫婦がいました。

ちょうどそのとき納骨堂に居た私はご夫婦に自己紹介と挨拶をし、少しお話をさせてもらいました。

ご夫婦は今年の夏に永眠した旦那さんの実家の愛犬の遺骨にお参りに来てくださったようでありました。

旦那さんは結婚を機に実家を離れ、現在は奥さんと生活をされてることもあり、犬ちゃんが亡くなったときはお仕事の関係でお葬儀には立ち会えなかったようで、休日を利用して、この日に愛犬の大好物を持参して参拝に来てくださったのであります。

挨拶を交わした後、愛犬の思い出話を旦那さんから聞かせてもらっていたのですが、旦那さんが思い出したように「あの。たしかフード類もお供えが出来ると聞いたのですが、これはダメですか?」とバッグの中から食パンを一枚取り出しました。

フード類をお供え物でご持参される方は多いのですが、ほとんどの人は賞味期限が長い缶詰タイプの物や市販のお供え用の専門フードをご持参されるので、他のペットちゃんの納骨棚にはそれぞれのお供え物の他に生前に遊んでいたオモチャ類やお花が並んでいました。

それを横目に旦那さんは「いや・・・ダメなら持って帰ります。ただ、うちの愛犬は食パンが何より好物だったものでと」少し照れながら申し訳なさそうに仰りました。

旦那さんが食パンを持参されたことを奥さんは知っていたのか知らなかったのはわかりませんが、バッグから食パンを出した旦那さんを見た奥さんは口を押さえ体を震わせながら笑うのを堪えておられました。

私も一瞬、返答に困ったのですが「いえ・・・大丈夫だと思います。ただ、パンと言っても生物ですので」とそこまで言ったとき「わかってます。もしカビでもはえたら処分してもらってもいいので。なんなら今日一日だけでもいいのでお供えさせてください」と旦那さんは頭を下げて私に頼まれました。

おそらく旦那さんと愛犬にとって食パンはかけがえのない思いが詰まった物なんだろうと感じた私は「わかりました。食パンは私が責任を持って管理しますのでお供えしてあげてください」と言いました。

「どうもありがとうございます」と笑顔になられた旦那さんは食パンをそのまま納骨棚に置こうとされたのですが、その時、奥さんは今まで堪えていたものが限界に達したように声をだしてお笑いになられました。

そして奥さんは旦那さんに「いくらなんでも、そのままは可哀想じゃない?もしかして持ってきたのパンだけ?」と笑いながら尋ねました。

ご指摘をうけた旦那さんは、ばつがわるそうに「・・・うん・・・パンだけ」と小声で答えました。

私は「あの・・・もしよかったらこちらでお皿を用意しますが」と言ったところ、旦那さんは「いいんですか?じゃあお願いします」と言われたので私はお皿とキッチンペーパーを取りに1階に向かいました。

そして旦那さんは私が用意したお皿の上にペーパーで包んだ食パンを置き、愛犬の前にお供えしました。

その後、ご夫婦を一階に会館に招きお茶を飲みながらお話をしました。

一連の納骨堂の食パンのやりとりがあったおかげで、私とご夫婦はすっかり打ち解けたようで1時間近く、いろいろなお話をさせてもらいました。

そして、その翌日から、食パンの状態を確認することが私の日課となり、さらに、その3日後、支配人が退院する日がきました。

退院の日、私は車で病院まで迎えに行きました。

ちょうど、その日、支配人が葬儀を担当した犬ちゃんの飼い主さんが、納骨に来れれる日でもあったので、病院から会館まで直行することになり、支配人は退院したその足で納骨に立会い、無事に納骨の儀を執り行ってくれました。

飼い主さんが帰られた後、支配人は私に「長い間、ご迷惑おかけしました。現場復帰(お葬儀やご火葬のこと)するまではもう少し時間がかりますが、会館の管理は明日から私がさせていただきます」と言ってくれました。

「私が入院してる間、何か変わったことありましたか?」と尋ねた支配人に業務連絡を中心に報告をした後、私は「そうそう支配人。これ遺族の人が持ってきてくれたんやけど」と食パンをお供えした犬ちゃんの納骨棚の方に支配人を誘導しました。

「これなんですか?」と不思議そうに食パンを見つめる支配人に私は「見たまんま食パンや。この子の大好物やったらしいねん」と言いました。

「はあ・・・それはわかりますが、これカビはえますよ」と心配げに支配人は言いました。

「わかってる。持ってきてくれたのは息子さんやねんけど、1日でいいからお供えさせてほしいって頼まれてん。でもイタむまで少しでも長く置いていてあげたいからこのままにしてるねん。もしカビでも生えたら棚から降ろして処分してくれていいらから、明日からチェックお願いできないかな?」と私は支配人に頼みました。

「別にそれは構いませんけど、それっていつの話なんですか?」と支配人に質問をされ「ちょうど今日で3日目」と答えました。

支配人は「わかりました。とりあえず毎日チェックすればいいということですね」と言った後、食パンがお供えされた犬ちゃんの位牌に向かって手をあわせていました。

それから10日ほど経ったある日、支配人から「野村さん。例の食パンなんですが・・・」と重い口調で電話がありました。

私は「ああ。もうそろそろ限界やな。かまわへんよ」と言ったところ「いや、逆なんですよ。全然、劣化しないんですわ」と支配人は驚いたように言いました。

「そうなん。そしたら別にそれでエエやん」と私が答えたら「ぜんぜん良くないですよ!おかしいですよ。普通、食パンってこんなに状態を保てないですよ」と興奮気味に言うのでありました。

何をそんなに興奮してるか理解できない私は「そうなん?」とだけ気の抜けたような感じで返事しました。

支配人は「僕はこう見えても食パン好きなんですわ。だから食パンがこんなに長持ちしないことを知ってるんです」と言ったので、私は少しだけ冗談めかしく「いや支配人は見るからに食パン好きそうな人に見えるよ」と言いました。

「野村さん・・・僕は真剣に話してるんですよ」と支配人は呆れたように言うので「じゃあどうするの?変だから捨てるの?」と聞いた私に「いや。そういうつもりで電話したんじゃないですよ・・・ただ不思議なこともあるもんだなと・・・」と支配人は言いました。

私は支配人の伝えたいことがようやく解り「まあ、うちの納骨堂の不思議な現象は今始まったことじゃないし、それも精霊達のパワーやと思ったら素敵なことやん」と言いました。

以前、当ブログ※{納骨堂で頻繁におこる不思議な現象}{精霊たちの不思議な話の後日談義}でもご紹介させてもらったように弊社の納骨堂では度々、不可解な現象がおこるのです。

でも私はこれらの現象を不快に感じたことはなく、むしろ、私達プレシャスコーポレーションが責任と愛情をもって丁重にお弔いとしたペット達が精霊となって宿っている証だと思っているので、とても心地好く感じています。

支配人は「わかりました。とりあえず報告しとこうと思っただけなんで」と納得したように電話を切りました。

食パンをお供えしてくださってから、一ヶ月ほど経ちますが、未だに食パンは新鮮なままで、今日も納骨堂にお供えしています。

そして、支配人は今日も納骨堂の精霊達に優しく話しかけていることでしょう。

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