スタッフブログ―スタッフの日々、感じたことを発信します。

「病院からの電話」見てるだけで悲しくなるから・・・3

重い沈黙だけが私とYさんの間を支配し、会館にはYさんの鼻を啜る音だけが響いていました。

 

その時でありました。

 

Yさんのベルトに付けてあったポーチの中から携帯の着信音が響いたのです。

 

予感があったのか、Yさんは着信とほぼ同時に素早くポーチのファスナーを開け携帯を取り出し発信者を確認され、独り言のように「病院・・・・」と言った後「もしもし」と、しっかりした口調で応答されました。

 

項垂れていた表情から別人のような緊張した顔立ちになったYさんは少し沈黙の後、「わかりました・・・」とだけ答え強く唇を噛みしめられたのです・・・

 

Yさんは電話を切ると同時にスクっと立ち上がり「ちょっと行って来ますわ・・・」と言葉短めに言われました。

 

「あの・・・病院は何と・・・?」と訊ねた私にYさんは表情を強張らせたまま「すぐに来てくれとだけ言われました・・・」と返答をされ、震える手で携帯電話をポーチにしまわれたのです。

 

 

 

すぐに来てください。

 

 

 

このような状況下で病院がそのように言ったとき、それが何を意味しているのか・・・

 

葬儀屋である私はそれを嫌というほど知っていました。

 

「すんません・・・とりあえず行ってきます・・・」と頭を下げ足早に会館を出ようとするYさんの顔からは血の気が失せているのが私にはわかりました。

 

そんなYさんを見て、一緒に病院に着いていってあげたいという衝動に駆られた私ではあったのですが、この後も仕事が控えており、それよりも「葬儀屋」という立場上、このような状況で飼い主さんと一緒に病院に着いて行くことことは非常識なことであるのは明白な事でもありました。

 

私は、そうしたい気持ちを抑えて「お気持ちをしっかり持ってくださいね」と言葉をかけることしか出来なかったのです。

 

しかし、私のその呼びかけにもYさんは返事することもなく、放心状態のまま会館を出られ歩いて行かれました。

 

男性にしては小柄なYさんの病院に向かう後ろ姿を居た堪れない気持ちで見送っていた私は、目頭が熱くなるのを感じていました。

 

そして、Yさんは10mほど歩かれたところで、不意に私を振り返り「あの・・・ここの連絡先とおたくさんの名前を教えてもらっていいですか?」と言われたので、私は急ぎ足で会館前に設置してあるフリーダイヤルの記載されているパンフレットを取り、Yさんに手渡した後「すいません。名前申し上げてなかったですね。私、野村と申します」と自己紹介をしたのです。

 

「野村さんですね・・・わかりました」と小さな声で言ったYさんは顔を上げ「野村さん。もし、あかんかったら電話します」と寂しげに笑みを浮かべられたのです。

 

そのとき、不覚にも私は堪えきれることが出来ず、涙を流してしまったのです。

 

このことは今でも深い反省と後悔をしているのですが、そのとき、Yさんのお気持ちが嫌というほどわかっていたのに、いえ、わかっていたからこそ、Yさんが見せた笑顔に私は涙を堪えることが出来なかったのです。

 

「では、行って参ります」と礼儀正しく言われたYさんは、つい、先程会館を出られたときより、幾分かは平静さを取り戻した表情をされていました。

 

その僅かな時間の内にYさんの心でどのような葛藤や想いが交差したのかはわかりませんが、Yさんはしっかりとした足取りで再び病院に向われたのです。

 

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

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野村圭一

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