- 2015-04-11 (土) 6:18
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ペットの供養には、納骨の時期をはじめ、目安となるものもないので、それが逆に飼い主さんを混乱させている原因になっているのも事実であります。
それが定められていないということで、飼い主さんはペットを喪った当初、Uさんのように「お骨は大切に持っておいてあげたい」と強く思う人が多くいらっしゃり、実際に自宅に置いて供養している人は少なくはありません。
私はUさんとお母さんに「もちろん、ペットであっても人間同様、法事の習わしに沿って供養させる人もいますが、やはり大半の飼い主さんは、ご先祖さんのお墓に入れることには抵抗を感じるものであり、かと言って、ペットのためにお墓を建てるのも、高い費用がかかりますし、何より、ペットちゃんが亡くなった直後、そこまで頭が回らないというのが正直なところだと思うんです」と言いました。
Uさんもお母さんも静かにうなずかれたので、私は「その結果、無事にお見送り(葬儀・火葬)を終えた直後は『定められた習わしが無い以上、とりあえず今はお骨を大切に持っておいてあげたい』と考えられるのは、ある意味、自然な流れでもあると思います」と私は自身の感想を述べるように言いました。
そして、私は続けるように「ここで大切なのは、この『とりあえず今は』という飼い主さんのお気持ちであり、ほとんどの飼い主さんが『何が何でも持っておくんだ』と思ってないことなんです。実際のところ『ペットの遺骨だからといって粗末には出来ない。だったらしばらくの間はお骨は家に置いて供養してあげたい』と率直に心からそう思われているだけなんです」と伝えたのです。
このとき、話し合いをしてから、初めてUさんが顔を上げ「そうやねん・・・お母さん。私もな、ずっとお骨を家に置いておこうとは思ってないねん・・・そりゃ今はずっと持っておきたいって思う気持ちはあるよ。でも、それは自分のことしか考えてないってこともわかってんねん。野村さんが言ったように○○(愛猫ちゃんの名前)のことを考えたら、いつか土に還してあげるようなことも考えなあかんってことも、頭のどっかではわかってるねん・・・でも、その時期を『いつ?』ってこのタイミングで聞かれても、答えられへんねんやんか・・それだけははわかってほしい・・・」と切実な胸の内をお話しされたのです。
お母さんはうなずき、大きく「ふ~~~」と息を漏らすようにされた後「わかってるよ・・・お母さんも意地悪で言うてるんやないんやで・・・お母さんはあんたは含めた家族全員のことが心配やから、ついつい口うるさいことも言ってしまうんや」と言われ、視線を落とされたのです。
暫し、沈黙がリビングを包んだ後、私は「どうでしょうお母さん。人間でも遺骨は四十九日の間は自宅で供養するものですし、Uさんもいろいろと考えて、このように言っておられるんですから、お骨の今後のことはUさんに任せてあげてもいいのではないでしょうか?」とお母さんの顔を覗き込むようにして言いました。
お母さんは短く数度うなずき「わかりました。この子も子供じゃないし、言うても、もうこ自分も子供を持つ親でもあるんやし、娘の判断に任せます・・・」と言った後、口を真一文字につぶられたのです。
Uさんはお母さんに「ありがとう・・・」と小さく言い、私を見て「すいませんでした」とその場で、深く頭を下げられたので、私も正座し直し、Uさんとお母さんに「いろいろ生意気なこと言って申し訳ありませんでした。今後のことは、ここにいらっしゃらない他のご家族の方も含め、皆さんでお話合いしてくて決めてもらえたらそれでいいと思います」と頭を下げました。
そして、そのとき、Uさんのお子さんが目を覚まし、スクっと起き上がってそのままUさんに抱き付くようにして甘えていました。
私は立ち上がり「ではこれで・・・」と挨拶をし、玄関を出ました。
そのとき、お子さんを抱いたままUさんとお母さんが見送ってくださったのですが、車に乗り込む前、私は振り返り「遺骨のことについては近代仏教によって仏教の教えを都合よく解釈して我々に伝えている部分もあると、先程も言いましたが、全てのお坊さんがそんな方ばかりではありません。私の知っているお坊さんの中にはお寺の敷地内にペットの共同墓地を建てられ、とても良心的な金額で供養してくださるお寺もあります。だからUさん。いつか時が来て、供養のことで何か相談があれば、私でよければ相談にのります。そのときは連絡ください」と伝えました。
Uさんは優しげな表情で「ありがとうございます」と言ってくださり、その隣でお母さんも頭を下げて見送ってくださったのです。
少し、清々しい気持ちで車に乗り込んだものの、会社に戻る、車中で私は、ふと複雑な心境になっていました。
私が家族の宗教的な問題に口を出しをしたことは、このときが初めてであり、今まで、ペットの葬儀の席で同様なことがあっても、自分が意見する立場ではないと、いろいろと、思うことはあっても、けしてそれを言葉にしたことはなかったからであります。
正直、出過ぎた行動であったかも知れないと、私は感じながら運転をし、会社に戻ったのです。
しかし、ペットの葬儀や火葬の在り方を含め、その後の供養のことで飼い主さん家族で意見が分かれることは少なくはなく、避けては通れないことでもあるのは事実であり、いつか私自身の意見を求められたら言おうと決めていたことでもありました。
今後、Uさんは愛猫ちゃんの遺骨をどのようにされるかは、この時点ではわかりませんでしたし、その後、お母さんや他の家族とどんな話をされるのかも知る術もありませんでした。
そして、三年の年月が流れた今年の三月。
Uさんからお電話があったのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
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野村圭一
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