スタッフブログ―スタッフの日々、感じたことを発信します。

ペットの最期を看取るとき・・・

大阪市のNさんからお葬儀のお問い合わせのお電話がかかってきたのは午前0時を少し過ぎた頃でした。

その日はお葬儀とご火葬のご依頼が重なり、私以外のスタッフは、その時間帯になっても帰社しておりませんでした。

電話をとった私にNさんは「少し質問させてもらってもいいですか?」と前置きして「こういうペット葬儀って、ペットが亡くなってから、お頼み(ご依頼)するもんなんですか?」と小さな声でお聞きになられました。

私は「執り行う日時を決めないといけないので、基本的にはお亡くなりになられてからご依頼される方が大半ですね」と答えました。

「そうですよね・・・どうもすいませんでした」と力なくつぶいて電話をお切りになろうとしたNさんに私は、直感的にこのまま切ってはいけないように感じ、慌てて「もしもし。もしもし?」と呼びかけました。

少し間があった後、Nさんが「はい・・・?」と返事をされたので「あの、ペットちゃんは今はどのような状態なんですか?」と尋ねました。

Nさんは「はい。今はまだ・・・・」まで言って声をころしてお泣きになられました。

しばらくして、少し落ち着かれたのか「すいません」と言って現状をお話くださいました。

Nさんは12歳になるシーズー犬のシュシュちゃんの飼い主さんで、シュシュちゃんは2年前に肝臓癌を発病して以来、通院生活を余儀なくなれていたのですが、癌の進行は止まらず転移も確認され、数週間前から動物病院に入院していたそうです。

四日前に病院から電話があり「おそらく今日か明日がヤマでしょう。もしよろしければ、最後は家で過ごさせてあげてはどうですか?」と担当の医師から助言されて、その日に病院から酸素ケースごと自宅に連れて帰られたようでした。

Nさんはお一人暮らしなこともあり、近くに身寄りもなく、四日間、一人でシュシュちゃんの看病をされておられたようでした。

その間、仕事を休まれ、ほとんど睡眠もとらない状態で過ごされたようで、「何かしてあげたくても、何もできない・・・何をしてあげればいいのかもわからない」と思い悩んだ末、ペットセレモニー会社である、弊社にお電話をくださったのでした。

私は「もし、私どもに出来ることがあれば言ってください。と言っても葬儀とかそういう意味で言ってるのではなく、今、何か協力できることがあればという意味です」と言いました。

Nさんは「ありがとうございます。でも本当にもう死ぬのを待つしか無い状態なんです」と泣きながら仰いました。

「病院には連絡したんですか?」と聞いた私に「はい・・・今朝しました。でも、もう、手の施しようがないし、また病院まで運ぶほうがシュシュにとっても負担になるから、辛いけど、そのまま看取ってあげてくださいと言われました」と力なく仰いました。

病院の判断は間違ってないかもしれませんが、お一人暮らしのNさんにとって、今の状況はあまりにも辛く耐え難いものであるのは想像できました。

かといって、いちペットセレモニー会社の人間である、私に出来ることと言えば、Nさんの話を聞いて、少しだけ、気持ちを和らげるくらいのことしかできないのも現実でした。

出口の見えない話だけを続けるしかなかった私ではありましたが、Nさんは誰かと会話したことで少しずつ平静さを取りもどされたような口調になっていきました。

そしてお電話でお話をして20分ほど経過したときにNさんが「あ!」と叫び「ごめんなさい。ちょっと切ります。また電話します」と言って電話をお切りになられました。

事態がわからない私は「もしもし?もしもしNさん?」と呼びかけましたが、電話のスピーカーから聞こえてきたのは「ツーツー」という不通音でした。

突然の遮断に私自身も落ち着かない心持でありましたが、Nさんからすぐに電話がかかってきて、「今見たらお尻から血が出てきてて」と泣きながら仰いました。

「で、シュシュちゃんは?」と私は聞き,Nさんは「かろうじて息はまだしてます。あの、抱いてあげたいんですけど、酸素ケースから出したらいけないんですか?」と私に問いかけるように言いました。

病院の先生はどのように言ってたかを尋ねた私に、Nさんは「今は病院は連絡がとれないんですけど、今朝、話したときは、ケースの中が一番楽だから、そこで寝かせてあげてくださいと言ってました」と答えました。

残酷で冷酷な表現ではありますが、ある意味、死を待つだけの状態であるシュシュちゃんとはいえ、その時を縮めることにもなりかねない判断を私がくだせるわけもなく、私は返答の言葉に詰まりました。

しかし、この状況下での私の存在はNさんにとって唯一の相談相手であり、判断を仰ぐに等しい存在であったのかもしれません。

私は事の重みを踏まえた上、自分なりに考えた結果、「私なら・・・」と切り出しました。

Nさんは「はい」と、その日、初めてしっかりとした口調で返事をされ、私は「私なら・・・私がNさんの立場ならシュシュちゃんを自分の腕に抱きます。そして私がシュシュちゃんなら・・・きっとNさんに抱きしめてほしいと思うと思います」と言いました。

このブログをお読みになられた皆さんは私のこの意見には賛否両論あると思いますが、私は、私なりにNさんとシュシュちゃんの立場になって考え、本心からそう思い言いました。

そう言った後、Nさんから返答はなかったものの、電話越しに聞こえるNさんの泣き声からお気持ちは察することはできました。

電話を握り締めたまま、私も次の言葉を見つけることが出来ず、沈黙の時間が流れました。

そしてNさんから「ありがとうございます」と応答があり、私は「シュシュちゃんのこと一番理解してるのはNさんです。Nさんがシュシュちゃんのことを想ったうえでの行動ならば、どんなことであっても正しいと思うし、後々、後悔も残らないのではないでしょうか」と言いました。

「わかりました」と言葉を残し、Nさんは電話をお切りになられました。

そして、私も電話を切った後、しばらくの間、椅子に座ったまま、何も手につかないような状態でありました・・・

翌朝の9時にNさんからシュシュちゃんの訃報の知らせと葬儀のご依頼の電話がありました。

そして次の日の早朝、お葬儀とご火葬を執り行うために、Nさん宅に向う車内で私は「自分が電話でNさんに言ったことは正しかったのだろか?」ということばかり考えていました。

Nさんの自宅に到着し、玄関のドアを開けてくれたNさんの赤く腫れた目をみたとき、思わず目頭が熱くなりました。

Nさんに挨拶をすませ、シュシュちゃんが安置されてる部屋に通された私は、犬種がわからないくらい痩せ細ったシュシュに手を合わし、お悔みを告げた後、あらためてNさんに挨拶をしました。

Nさんは「いろいろとありがとうございました」と手をついてお礼の言葉をくださいました。

「お礼を言ってもらうようなことはしておりません。むしろ、お力になれず申し訳ありませんでした」と私も手をついて頭を下げました。

Nさんは「いえ。ほんとうに電話でお話できて、落ち着けました。そして後悔がない、シュシュの最期のときを過ごせることができました」とハンカチで涙を押させるようにして仰ってくださいました。

シュシュちゃんはNさんが私との電話を切った2時間後、Nさんの胸の中で息を引き取ったそうです。

「最期の最後は本当に安らかに眠るように逝きました・・・」

Nさんのその言葉を聞いて、私は、胸のつかえが取れたような気持ちになりました。

その後、私とNさんは、お焼香をあげた後、近くの公園に移動し火葬とお骨上げを無事に済ませました。

火葬のときNさんは火葬車の煙突越しに見える公園の木を見上げながら「病院で『もって二日、おそらく今日がヤマでしょうと』言われてたんです。でもシュシュは四日も頑張ってくれて・・・最期の安らか顔を見たとき、きっとシュシュは私に抱かれて逝きたかったから、頑張ってたんかなって思いました」と仰っていました。

私は「そうかもしれませんね・・・」と言った後、「いや、きっとそうに違いないです」と力をこめて言いました。

それは自分の発言が正しかったと強調したかったからでなく、Nさんの表情が晴れ晴れとしていたからであり、私もNさんにつられるように公園の樹木を見上げました。

シュシュちゃんの遺骨はNさんの自宅で保管し、夏ごろ、Nさんの出身地の信州の実家の庭に埋葬されることになりました。



 

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