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「生々しい傷跡」 涙を見せない人 2

Yさんから鳩(ハト)の納まった白い布を受け取った私は祭壇に置いた後、布をほどこうとしたときでした。

「あ・・・」とYさんは声を出されたので、私は手を止めました。

 

「あの。布は取らないほうがいいんですか?」とYさんに訊ねたところ、Yさんは私の目を見つめ「いえ・・・あの私は、いいんですが・・・すごく生々しい傷跡があるんです・・・それで、見られないほうがいいのではと思ったんです」と控え目な口調でそう言われたのです。

 

「そうなんですか?私は平気です。Yさんが見られたくないのであれば、布をしたままセレモニーを始めますが、どうしますか?」と私が確認するように言ったところ、Yさんは「私は・・・平気です。でも、本当に、首が取れそうなほど、深い傷なんです。なので、葬儀屋さんに悪いかなと思って・・・」と最後は唇を噛みしめるようにして、そう言われました。

 

私は、一度、布から手を離し、Yさんに向き返りながら「Yさん。私達のところには、交通事故に遭って、原型を留めていないようなペット達の葬儀依頼もあるんですね。それで、その姿を飼い主さんが見たくないときや、他人に見られたくないときだってあるものです。ですから、そのような場合は布やタオルで包んだままセレモニーをするようにしていますが、そうではなく、Yさんが私に気を使って言ってくださってるのであるなら、気にしてもらわなくても大丈夫ですよ」と私は返事をしたのです。

 

Yさんは祭壇の布を見つめながら、数度、うなずかれた後「じゃあ・・・出してあげてください・・・」と目を充血させながら言われたのです。

「わかりました。では」と私はもう一度、祭壇の方に向いて、白い布をほどいたのです。

 

布を左手で持ちながら右手で鳩の体を優しく包むようにつかんだ私は、ゆっくりと布を滑らすようにして尾のほうから出したのですが、鳩の胸元まで出したとき、黒っぽい血痕が見え、鳩の胸元から首にかけての傷が見えたのです。

 

そして、完全に布をほどいたとき、思わず頭がグラリと下がるくらい深い傷であることがわかりました。

 

私は鳩の頭が垂れ下がらないように、下から手を入れ、そのまま丁重に鳩を祭壇に寝かせたのです。

 

その光景を黙って見守っていたYさんは、目に涙を滲ませたまのの、涙は流さずに、ただ、静かに祭壇の鳩を見つめていました。

 

祭壇に寝かした後、私もあらためて、鳩の首元の傷を見たのですが、一目見て、他の動物から襲撃された傷であると思い「深い傷ですね・・・何があったのですか?」と私が訊ねたところ、Yさんは悲しげな表情を浮かべながら「わかりません・・・私が通りかかったときは、その状態でもがいていたんです・・・」とポツリと言われたのです。

 

Yさんの返答を聞いて、私は二つの驚きがありました。

「え?通りかかったということは、この鳩はYさんの飼っておられたペットではないんですか?」と、一つ目の驚きを訊ねると、Yさんは小さくうなずきながら「はい。昨日、帰宅途中に公園の近くを通りかかったときに、その鳩が怪我をしているのを偶然、見かけたんです」と言われたのです。

 

私は、うなずいた後「それで、この鳩は、こんな深い傷を負ったのに、息があったんですか?」と二つ目の驚きを訊ねました。

 

Yさんは、やはり、小さくうなずきながら「はい。見たときは、まだ生きていました・・・それですぐ保護して病院に駆け込んだんですけど・・・手の施しようがない感じで・・・」と、Yさんはそこまで話されたとき、一瞬だけ、遠くを見るようにされて、厳しい表情をされたのです。

(何かあったのかな・・・)と、内心、そう思ったのですが、私は黙ったまま、Yさんの次の言葉を待ちました。

 

「・・・それで・・・家に連れて帰り・・・最後は家で看取ったんです・・・」とYさんは思い出すようにしながら、視線を下に落としたのです・・・

 

「そうだったんですか・・・」と私はうつむくYさんに言った後、もう一度、鳩の傷跡を間近で見ました。

そして、私は「おそらくイタチか野良猫に襲撃されたんでしょうね・・・」と独り言のように言ったのです。

 

私の言葉にYさんは顔を上げ「え?わかるんですか?私もそうも考えたんですが、事故に遭った可能性もあるなって思ってたんで・・・やはり他の動物に襲われたんですかね?」と訊ねられたので、私は「いえ。僕も専門家ではないので、断言はできないですが、車やバイクと接触したなら、首元だけに傷を負うようなことはないように思うんです」と前置きをした後「捕食動物は獲物を襲うとき、息を止めるために必ず喉元に噛みつくんですけど、過去に他の動物に襲われて命を落としたペット達も、この鳩と同じように首に大きな傷を負ってたんで、そう思ったんです」と私は答えました。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一



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